フィギュアスケート時々バレエ~浅田真央とパトリック・チャン応援記

フィギュアスケート時々バレエ~浅田真央とパトリック・チャン応援記

2006年01月10日
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05年私にとってのベスト3の公演を書かせて頂きましたが、逆に少々期待はずれだった舞台もあります。
それはベルリン国立バレエの「ラ・バヤデール」。
事前の期待が大きすぎたせいも多分にあるかとは思うのですが、これまた「私好みの」舞台ではありませんでした。
私がこの舞台をあまり気に入らなかった原因はただ一つ。演出が好みじゃなかった、ということに尽きると思いますね~。舞台上のダンサーたちに特に気になるところはありませんでしたし(テクニック的なことは殆どわからないですし)、主役を踊ったヴィシニョーワ、セミオノワ、マラーホフ、クノップはそれぞれとても素晴らしかったと思います。特にセミオノワとマラーホフを全幕で観るのは私は初めてだったのですが、マラーホフの本当に着地音のしないしなやかな跳躍には驚かされました。なんであんなに音がしないんだろう?マラーホフだけじゃなくここのバレエ団の男性ダンサーは、皆さんあんまり音がしなかったような気がします。とは言え大分記憶が薄らいでいるのであんまり確かなことは言えないのですが。
びわ湖ホールでニキヤを踊ったセミオノワも予想以上に素晴らしくて思わず見惚れてしまいました。長い腕を存分に駆使した柔らかな上半身には本当に眼が釘づけ。プリマとしてのオーラを既に充分自分のものにしているという印象でした。女王然としたオーラがあるのに恋する女性の可愛らしさも持っており、また影の王国の場面ではテクニック的にも安定しており(途中スカーフを持って踊るところでは失敗してしまいましたが)感心しました。ヴィシニョーワで観た後だったのでさすがに見劣りするかな?などと思ってもいたのですが、素人目には全然そんなことは感じませんでした。最初にそれほど期待してなかったので却って良く思えた、というのもあるとは思いますが。
ヴィシニョーワはここで改めて言うまでも無い、って感じですが。気が強すぎる?と思わないでもなかったですがまぁそれが彼女の持ち味なのでしょうからこれも良いのでしょう。
とまあ要するに主役を踊ったダンサーに不満等は一切なく、私がこの舞台をそれほど好きになれなかった要因はひとえに演出のせいなんですよねぇ・・
このことは当時日記にも書いてることなので、いまさらまた繰り返すのもなんですが、やっぱり私にはこのマラーホフ版「ラ・バヤデール」は小奇麗にまとめられ過ぎた、という印象がぬぐい切れないものとして残りました。まさに文字どおり(ロシア語の)「バヤデルカ」ではなく(フランス語の)「ラ・バヤデール」にしちゃったんだなぁ、という感じです。(すみません、意味不明でしょうか?)
このお話は一応古代インドが舞台という設定になっており、したがって他の多くの版ではそれに沿って、古代インドっぽい演出がなされていると思います。それはまぁ厳密な意味での古代インドでは全くなくあくまで当時の人々の想像上の、従って相当ステレオタイプ的な、またヘンテコリンな意味不明の演出もかなりあると思うのですが、でもでもそれでこそ私の好きな「バヤデルカ」なんですよね~。現世の舞台がそうした演出過剰とでも言いたくなるような「古代インド」であるからこそ、打って変わって3幕の影の王国での白一色の舞台が一層鮮烈なものとして印象づけられる。現世の舞台でのまさに原色の洪水、彼岸?の舞台での白、白、白・・
人間の欲望渦巻く世俗の世界とそうしたものを超越した「影」たちの世界・・
この対照こそが「バヤデルカ」の命だと思うんですよ。その意味では現世の舞台はあくまで「古代インド」的に、思いっきりステレオタイプ的であって欲しいと、私は思うんですよね、勝手に思ってます。で、おおむね他の多くの版はそういった方向で演出がなされている、だけどこのマラーホフ版は少々違っていて、ある意味大変個性的?かと思うのですが、でもでもこんな小奇麗にまとめられちゃっては「バヤデルカ」じゃないよ~、と私は勝手に思ってます。こんなヨーロッパティックなバヤデルカなんて~・・・ソロルとガムザッティの婚約式の宮殿の場面ではたしか「ワルツ」のようなコール・ドの踊りがありましたよね。それは大変に美しくて、
とても素敵でした。他の演目でだったら私は大いに気に入ったことだろうと思われます。だけどね~、「バヤデルカ」で「ワルツ」はないでしょ、いくらなんでも。
この踊りそのものは「私好み」で気に入ったけど「バヤデルカ」でこの踊りは見たくない。ドイツが舞台じゃないんだから~!と叫びたくなります(笑)。
まぁ上記に挙げたようなことはあくまで私個人の勝手な思いに過ぎませんので、こうした思いとは違う視点のもとで創られた作品なのでしょうからつべこべ言ってても仕方が無いのですが。逆の視点から見ればとても綺麗にまとめられた、「趣味の良い」舞台、という風にも言えることでしょうからやっぱり結局のところは「好み」の問題なんだろう、と思います。最近やたらとこの「好み」という言葉を使ってるような気がしますが(笑)、結局行き着くところはそこですからね~。どんなに客観的には素晴らしいと言えるであろう舞台を観てもそれが自分の好みに合わなかったら自分はその舞台を気に入ることはないのだろう、当たり前のことでなにをいまさら、と言われてしまいそうですが、最近なんだかそういうことが漸くわかってきたような気がします。





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最終更新日  2006年01月10日 13時52分35秒
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