フィギュアスケート時々バレエ~浅田真央とパトリック・チャン応援記

フィギュアスケート時々バレエ~浅田真央とパトリック・チャン応援記

2006年04月25日
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コール・ドの白鳥たちが次々と入場して来て辺りは白一色の世界に。
いや~、壮観でした。ここのコール・ドの白鳥たちの振り付けも1幕でのコール・ドと
同じようにかなりのテンポとスピードで踊り続けられます。足音がかな~りすごい(笑)。
オデットはこの白鳥たちは私と同じ身の上の者たちだから・・とジークフリートに
懇願します。で、グランアダージョ。美しかったです。心に沁みました。ムッサンの
オデットは小柄でとても優しく儚げな印象でしたが厳しさも知っている、もしかしたら
この愛に全てを賭けることは悲惨な結末を迎えることになるのかも知れない、ということも
どこかで知っているかのような印象も受けました。実はこの2人によるグランアダージョは
23日のマチネで観たルテステュ&ル・リッシュのそれによって上書きされてしまったような
感があり、正直あまり覚えていないのです・・美しかったことは美しかったと思うのですが。
グランアダージョの後はまたコール・ドの白鳥たちの踊り。4羽の小さい白鳥たちの踊りは
両日ともとっても素晴らしかったと思います。その後の大きい白鳥たちの踊りは普段は
私にはちょっと単調に思えて少々退屈してしまうことが多いのですが、この版では振り付け
もちょっと違っていたのでしょうか?また例によって非常にテンポよくダイナミックに
踊られるので全然退屈しませんでした。
そうなんですよね~、この版ではコール・ドの白鳥たちの踊りでさえも非常にスピーディーで
ダイナミックでまた難しそう。何と言うか、ほんとに舞台上で白鳥たちが走り回っている
かのような印象で。皆揃っていて上手だしだから非常に壮観だし、見応えはある。けど「白鳥
の湖」=静謐な美しさを湛えた心にじわじわと染み渡るかのような儚く美しい物語、と思って
いたら全然違う!振り付け上仕方ないことなんでしょうけど、コール・ドの白鳥たちの
足音の盛大なこと!私は普段ダンサーの足音って、あんまり気にはならない方なんだけど
これはまぁこれだけ派手に動き回られたらこれだけ足音が出るのも当然ですよね(笑)。
私は却って思い切り開き直れて観ていられたけど、気に入らない人は気に入らないでしょうね・・
この踊りのスピードとテンポ(って同じ意味ですね・笑)は3幕の民族舞踊でも同様で、
チェルダッシュ、スペイン、ナポリ、マズルカが踊られたんだけど、皆これまでの踊りと同様
速いテンポで踊られる。それに民族舞踊らしくない民族舞踊で?こんな民族舞踊も初めて観た、
と思います。なんというか、テクニック的なことは何も判らない私なんだけどどっちかって言うと
ダンス・クラシックっぽいキャラクテール、とでも言うか(すみません、言い方変でしょうか)。
実を言うと私、民族舞踊ってあんまり好きじゃなくて、いつも大体このシーンでは退屈してしまう
んだけど、この版の民族舞踊はテンポが速いし先ほど書いたようにキャラクテールっぽくない
ので?退屈せずに観ること出来ました。特に気に入ったのはナポリの踊り(だと思う)。ウルド
=ブラームとエマニュエル・ティボーがメインで?踊ったのですが、振り付けがとても可愛くて
微笑ましかったです。初恋に舞い上がる若い恋人同士の戯れ、みたいな感じで。
で民族舞踊と花嫁候補たちの踊りが終わったところでようやくオディール登場。この版では登場
したらもうすぐに王子とのパ・ド・ドゥが始まるんですね。一旦袖に引っ込むんじゃなくて。
でそのパ・ド・ドゥですが、実質的にはロットバルトも加えてのパ・ド・トロワなんですね~。
もちろんメインは王子とオディール2人の踊りですが始終ロットバルトも介入?してくる。
2人の間を行き来するオディールですがしかしパ・ド・トロワになっているとは言っても基本的
には普通の黒鳥のパ・ド・ドゥを踏襲して振り付けられているので?そんなに違和感は無かったです。
私的にはパ・ド・トロワにわざわざするくらいならもっと派手な?パ・ド・トロワにしてくれても
よかったかな、という感じも受けました。
で、コーダではムッサンは多分ずっとシングルで回り続けていたと思いますが、ルテステュは時々
ダブルを入れていたように思います(←あんまり自信なし)。でフェッテが終わって客席からの
大喝采!が終わらぬうちから殆ど間髪入れずに今度は王子のピルエット・ア・ラ・スゴンド?の
連続。主役2人の超絶技巧披露に客席は大喝采に包まれます。そしてオディールに愛を誓ってしまう
王子。宮廷中が大混乱に陥るなかオディールとロットバルトは王子をあざ笑うかのようにして姿を
くらまします。この場面、ルテステュのオディールはジークフリートが自分が騙されたという事に
気が付きああ、なんてことをしてしまったんだ!と後悔に打ちのめされているのをじっと見守って
いて、自分の近くに戻って来た王子に対し「バーカ!」とでも言うかのように思いっきり嘲笑してから、
おもむろにその場を立ち去った姿が印象的でした。
絶望と後悔に打ちのめされてその場に倒れ伏すジークフリート。幕が一旦下り、そして再び幕が上がる
とそこは森の中。白鳥たちが踊っています。この場面のコール・ドの踊りも相変わらずかなり派手な
ものだったように思われます。オデットが現れジークフリートの裏切りの事実を白鳥たちに告げます。
絶望したかのように床に身を伏せるオデット。ジークフリートは彼女を探しだし身を起こさせます。
2人のアダージョ。しかしそこにロットバルトが現れ2人を引き離そうとします。抵抗するジーク
フリート。この場面再びこの3人によるパ・ド・トロワが踊られ、ジークフリートとロットバルト
2人が互いにオデットを取り合っているかのような印象でした。まるで三角関係のようです。ひょっと
してロットバルトもオデットに恋してしまって、それで彼女を白鳥にしてしまったんじゃないか?と
思えてしまいました。彼女を永遠に自分のものにしてしまう為に。そしてついにロットバルトが
オデットを抱きかかえて連れ去ります。この瞬間オデットとジークフリートは互いに手を差し伸べて
ひしとお互い手を繋ぎ引き裂かれようとするのをなんとか阻止しようとします。この場面はなんか
感動的でした。しかし結局オデットはロットバルトに連れ去られ舞台上の壇上?に連れ去られて
しまいます。ジークフリートはロットバルトに戦いを挑みますが?結局ロットバルトには勝つことが
出来ず倒れこんでしまいます。ジークフリートがロットバルトに向かってダイブし
キャッチされるシーンは
なかなか見応えがありました。オデットとロットバルトが壇下に落ちると?一番最初、プロローグと
同様のシーン、ロットバルトの黒い羽と白鳥に姿を変えられたオデットの白い羽が一緒になって、再び
上空へと飛び去って行きます。オデットは永遠に白鳥に姿を変えられたまま再び人間に戻ることは
叶わず、永遠にロットバルトのものになって、白鳥として生きていくことになる・・幕が下ります。
以上、ザッとストーリーの流れを追ってみました。しかし、大変悲劇的な結末であるにも関わらず、
それほど悲しいとか悲劇!とかいうような感傷はなぜか殆どありません。全体が王子の夢として
設定されているせいでしょうか?またこの版では確かに名実共に主役はジークフリートなんですね。
だからオデットの存在感というのは必然的に弱められ、たとえどんな名バレリーナがこの役を演じたと
してもその存在感というのは他の版とは比較にならないほど弱いものとならざるを得ない(他の多く
の版ではやっぱりオデットが主役ですよね)。オデットに感情移入するということが出来にくくなって
しまっていて(むしろ王子に感情移入すると言うか)、その分オデットに対しては冷めた見方が
出来てしまうため彼女が白鳥に変えられてロットバルトに連れ去られてしまっても、あ~、そうなん
だ~、くらいな印象しか持たない。なんか「掴み所の無い存在」とでも言おうか、確かにこの人は
王子の「夢」なんだな~、「夢想の産物」なんだな~、みたいな印象。なんと言うか、「夢」は奪われ
失ってしまう、それが人生なんだ、みたいなそんな印象も受けました。あれ、なんかこう書いてくると
随分と重いテーマですね?でも観てる最中には例の華々しい踊りの連続に息つく暇も無く「舞踊美」
に酔いしれることが出来たんですよねぇ。う~ん、「夢」に裏切られ無残に倒れこんだジークフリー
トの姿に人生とはそんなものなんだ、夢を持ってもどうせそんなものは失われてしまうんだ、それも
自分自身のせいで!それが人生なんだ、
そんな解釈も出来ますねぇ。







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最終更新日  2006年04月25日 20時20分57秒
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