フィギュアスケート時々バレエ~浅田真央とパトリック・チャン応援記

フィギュアスケート時々バレエ~浅田真央とパトリック・チャン応援記

2007年10月23日
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フェリの引退公演の映像を観ていて思ったんだけど、ジュリエットとマノンというのも、これまた対照的なヒロインですよね~。「愛」に殉じるジュリエットと、「愛」よりも「物欲」、のマノン。マクミランの最高傑作と謳われるこの二つの作品のヒロインは、なんとも両極端な人生を生きる。名家のお嬢様として生まれ育ち、何不自由ない日々を送ってきたジュリエットは、当然「物欲」など殆ど持ち合わせてはいない。欲しいものは何だって手に入れられる境遇にいた彼女にとって、富や栄誉は既に既得権益?だ。今更そんなものを望む必要は全く無い。彼女はこれまでの人生、何一つ、不自由な思いなどしたことはなかっただろう。確かに名家であるがゆえのある種の「不自由さ」は、常に付きまとっていて、それが引き金となってロミオへのあんなにも激しい「愛」を引き起こさせた、とも言うことが出来るかもしれないけれど。
けど基本的には、彼女は満ち足りた、幸せな人生を過ごして来たはずだ。貴族階級?の常として、両親との仲はかなりそっけない、「フォーマル」なものだったけれど、それは彼女にとっては生まれた時からの「常識」であり、不幸なことでは全く無い。彼女には実の母以上に彼女を可愛がり愛してくれる乳母がおり、それが上流階級の「常識」だったからだ。大好きな乳母は常に自分の側にいてくれて、ちょっとよそよそしい存在ではあるけれど、立派な両親もいる。日々の生活に不自由なことなどあるはずも無く、彼女は名家の令嬢として、幸せな日々を過ごしてきた。否、幸せ「しか」知らなかった、と言えるのかも知れない。
そんな彼女が始めて自分の意のままにならぬ状況に陥る。ロミオとの恋。それは彼女にとって初めて知る、自分の力ではどうすることも出来ぬ八方塞がりの状況だった。多分両親は、別にパリスでなくとも、許したであろう。ジュリエットの結婚を。「ロミオ」でさえなければ。仇敵モンタギュー家の息子でさえなければ。それなのに、よりにもよってその「ロミオ」を好きになってしまった。今現在、彼女の心は完全にロミオへの思いに占拠されてしまっている。他の事など考えることも出来ない。ジュリエットにとって不幸だったのは、ロミオへの恋に落ちた瞬間と、パリスとの結婚を求められる事とが、ほぼ同時発生だったということだ。もしパリスとの結婚を求められている時期と重ならなかったなら、ジュリエットも心に大分「余裕」があったはずであり、従ってロミオとの恋を「楽しむ」余裕さえあったかも知れない。考えてもみてよ。彼女はまだ13歳だ。現代で言うならまだ中学生になったばかりの年代だ。あの頃、私たちも「恋」をしたけれど、それはまだ、「恋に恋する」ような、「恋をする為の恋」のようなものではなかったか?本当の意味での「恋」では、多分なかったのではないかと思う。だからジュリエットの「恋」だって、本当の意味での「恋」だったかどうかは不明だ。パリスとの結婚を求められる時期と重なりさえしなければ、彼女だってロミオへの「恋」を「楽しめた」かも知れないのだ。その時は確かに「恋」をしているつもりだった。初めて知る熱い思いに胸をときめかせ、心弾むような、切ないような、ドキドキするような、私たちが経験した「恋」。けど、それは多分、本物の「恋」では、「愛」ではなかったのだろうと、今にして思う。「恋に恋する」年頃の、ティーンエイジャー特有の、大人への入り口、みたいな「恋」。それだって勿論、素晴らしい「恋」であることに違いは無い。ジュリエットも、そんな素晴らしい「恋」に落ちたのではなかったか?





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最終更新日  2007年10月23日 17時11分12秒
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