フィギュアスケート時々バレエ~浅田真央とパトリック・チャン応援記

フィギュアスケート時々バレエ~浅田真央とパトリック・チャン応援記

2007年12月10日
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8日の公演では、何と言っても主役を踊ったナターリア・ドムラチェワが素晴らしかったです。とにもかくにも驚くべきテクニックの持ち主で、驚嘆しました。彼女のことは3年前、前回のキエフ・バレエ来日公演で「くるみ」のマーシャ役でも観ていて、その時にも本当に上手だな~、と感心した記憶があり、今回も彼女で「白鳥」を観られたらいいのにな、と期待はしていたのですが、なにしろ相当小柄な方だったと思うので、またその容貌もマーシャ役がぴたりと嵌るくらい愛くるしく、本当に可愛らしい方でしたので、「白鳥」はちょっとど~なんだろう、と正直想像しづらいものがありました。しかししかし、そんな杞憂は、舞台を観ていて直ぐに忘れてしまいましたね。確かに小さい。こんなに小柄なオデットを観るのは初めてでした。いわゆる「白鳥体形」では全くない。けど、そんなことはどうだっていい、彼女のオデットは白鳥の「女王」ではなく「王女」。気高さとか崇高さとか、普段私がオデット役のダンサーに求めてしまう性質は彼女のなかに見出すことは出来なかったけれど、ほんと、そんなことはどうだっていい、と(くどいようですが)思わせられるだけの「力」を持っていました。というか「力」で漲っていました。ドムラチェワのオデットは実に「意思的な」オデット。明確な意思を持っていて、それをはっきりと表に現してくるタイプです。それを何よりも雄弁に物語っていたのが彼女の驚嘆すべきテクニックでしょう。羽ばたきを模した腕使いは常に力強く生気で漲っており、また踵が床に着いてる時が殆どないんじゃないか、と思ってしまうくらいの強靭なポワント。パ・ド・ブーレも実に素晴らしく、アラベスクも力強く、その後のバランスも見事。「白鳥」を観にいってオデット役のダンサーの「テクニック」にこんなにも眼を見張らされたことって、始めてであるように思います。オデットを観ていてとにかく「テクニック」に驚かされるって、あんまりないような気がするのですが。しかもドムラチェワが素晴らしいのはテクニック「だけが」突出していて、他の要素がおろそかになる、というようなことが全く無かった点にあります。恋に落ちたオデットの感情がひしひしと伝わってくる、ああ、恋に落ちたんだね・・ということがすごくよくわかるオデットでした。気品を保ちつつも、恋する女、というか少女、の切ないような気持ちがよく出ていて、すごく「人間的」なオデットだったように思います。私はどちらかというと「人間的じゃない」オデットの方が好みだったりするので、ドムラチェワの演じたようなオデットは本来あまり好みではない筈なんですが、ドムラチェワみたいな本当に小さくて可愛い子が、外見とは裏腹に実に意思の力に満ちた力強い、人間的なオデットを演じているのを観ると、無条件で応援したくなってしまう、と言うか。素晴らしいテクニックも、「テクニックはそれ自体でひとつの美である」と、ものの本に書かれてあった言葉を思い出し、本当にそのとおりだよね~、とつくづく実感させられました。ドムラチェワの踊りは素晴らしいテクニックの元、ひとつひとつの動きが非常に大きくメリハリがあり、ボリショイっぽい踊り方なのかな?と思いましたね。まぁ彼女の場合、そういう踊り方をしないと目立たない、主役として見せられない、という事情もあるのかも知れないですね~。何しろ本当に小柄な方なので。
オデットがこんな風ですから、オディールが素晴らしかったのはこれまた言うまでもありません。ふつう、オデットは静的に、叙情的に、オディールでテクニックを披露!みたいなところがありますが、彼女の場合オデットの段階でもうテクニックの素晴らしさは十二分に印象付けられていたのですよね。なのでオディールもさぞかし、と思っていたのですが、いやはや本当に素晴らしかった。テクニックの素晴らしさは勿論のこと、「オディール」としての魅せ方も十分知り尽くしているのよ!って感じで、小悪魔風のまさに「絵に描いたような」オディールでしたね(良い意味で、です)。オデットもドムラチェワの場合、非常に意思的で、寄る辺ない不幸な身の上ではあるのだけれど、それでも自分の力を信じている、自分の運命が好転することを心のどこかで確信している、そんな「信じる力」を持ったオデットである、という印象を受けましたのである意味オディールと似通うものがある訳ですが。まぁこんな素晴らしいオディールの手に掛かっては王子は一溜まりもありません。オディールに愛を誓ってしまいます。正体をばらし、オディールは王子を思いっきりあざ笑って去って行きます。この去り際のオディールもすごく印象に残りましたね。
そうそう、忘れてならないのはやっぱりグラン・フェッテでしょう!いや~、もうもう感嘆するしかありません。とんでもない速さでの回転でした。音楽もものすごく速かったのですがそれに少しも遅れることなくシングル、シングルで回って次にトリプルを挟むという離れ業。後は殆どシングルでもう一回くらいトリプルが入ってたかな?とにかくすごいスピードで、こんなに速いフェッテって、全盛期のアナニアシヴィリに匹敵するんじゃないかな~。ポワントの位置も殆どずれることなかったですし。終盤は流石に疲れたのか、少々速度が落ち、また音楽より若干速めに終わってしまったけれど、それにしても驚嘆すべきグラン・フェッテでした。あ~、本当にドムラチェワちゃん、可愛い顔してやること凄過ぎるよ(笑)。





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最終更新日  2007年12月10日 16時41分22秒
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