ホラー、近未来、童話、独り言

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2007年05月27日
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カテゴリ: ちょっとほらー
             題名 「乱入者」


    私の寝ている部屋に突然数人の男が乱入してきた

    助けを呼ぼうとしたが声が出ない

    人間あまり驚くと声が出ないと言うのは本当らしい

    乱入者は私が寝ているベッドを取り囲み私の着衣を切り裂き

    裸にしてしまった、何とか逃れようと声を出し身動き

    しようとしたが金縛りに遭ったように動けない

    私が動かないのを良いことに一人の男が鋭利な刃物を

    取り出したかと思うと喉に突き立て一気に下腹部まで…

    「止めて、そんな事をしたら死んでしまう。」

    声にならない声で悲鳴をあげた「…痛くない、夢なのね

    悪い夢だわ早く覚めて。」その時、腹を裂いた男が私の内臓を

    引きずり出した。

    「夢とは言え気持ちのいいものじゃないわ、どうしてこんな夢を見るのかしら」

    一人の男が「矢張り一酸化中毒による呼吸不全で焼死したと診て

    間違いありませんね。」別の男は「半生で発見されて良かった、黒焦げで

    発見されたんじゃ解剖なんてもんじゃ有りませんからね。」炭にメスなんて

    入らない。」部屋に居た人々から失笑が漏れる。

    「何を言ってるの此の人達、私が焼死?……そういえばストーブに灯油を

    入れようとしたらイキナリ火が私に襲い掛かってきたのは覚えている

    消そうとしたけど消えなくて玄関に向かう途中で熱いのと苦しいのとので

    息が出来なくなって…それから覚えていないわ、私死んでしまったのね

    道理で痛くないはずね。」

    女が思い出すと何も見えなくなっていき聞こえなくなっていった

    「これが死なのね。」フーと大きな溜息をつくと意識が消えた

    「この仏さん今迄生きていたかのように溜息と共に目を閉じましたよ。」

    「良くある事だよ、体内のガスが出て目の筋肉がゆるんだんだろう。」

    メスを入れた医者が「では縫合します異存ありませんね。」

    部屋の中に居た全員の許可を求めると皆うなずく

    縫合が終わると全員が合掌し白布が掛け部屋を後にした

    この部屋の何時もの光景が又一つ終わった。





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最終更新日  2007年05月27日 09時43分50秒
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