羊の墓場

羊の墓場

2004.02.05
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カテゴリ: カテゴリ未分類

貴方は一体私のどちらがお好きなのですか?
体は老いゆきますが、精神だって刻一刻と同じ様は見せません。
それでも、この骨格が好きと言いますか。
それでも、この信念が好きと言いますか。
骨格はそう簡単には変わりはしないでしょう。
信念だって、それまでの経験から自然発生するものですから
記憶を消さない限り脳内に留まり続けるでしょう。

もしも精神と身体が分離する事があれば
私とはどちらでしょう?
大怪我をして四肢を失う事もあるでしょう。
何かの拍子に記憶を失う事もあるでしょう。
そもそも“私”なんて定義が出来ますか。

貴方は私の心の変わらぬ根底が好きだと言った。
もしも一切の記憶を私が捨てたら?
全くの別人になってしまったら?
貴方はこう言うのでしょう。
『僕の記憶の中の君を愛す。』
幻影を追い、体に執着する事もあるやもしれませんね。
そしてそのうち他の人を好きになるんでしょう。
だって貴方の精神だって刻一刻と変わっているのですから。
でもね、やっぱり貴方は貴方の記憶の中の或る人が好きなのです。
本当は“私”なんて見てはいないのでしょう?

誰だって本当は自分以外見ちゃいないんです。
見ていると思っているのは実は貴方の目に残った影法師なんです。
影の先を辿ってみましょうか。
もしかしたら全てが貴方に辿り着くかもしれませんけどね。





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Last updated  2004.02.05 21:14:09
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