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2008.02.07
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カテゴリ: 教育相談だより
ネコ.GIF

今回からは、数回にわたって、「キレる子」そのキレるメカニズムと、対応について考えてみたいと思います。

 こんな子クラスにいませんか?
○勝負で負けるとむきになって怒り、相手をなじったり暴力をふるったりする。
○自分の思い通りにならないことがあると、友だちや先生に激しい怒りをぶつける。
○テストで100点を取れないと、頭に来て周囲に当たり散らす。
○友だちにかげで意地の悪いことを言ったりやったりする。
○強面の男の先生には従順だが、優しそうな先生には態度が悪く反抗的になる。
○学校では乱暴で態度が悪いのに、親に連絡すると家ではぜんぜんそんなことはないと言われる。
○失敗したり、叱られたりすると、固まってしまう。または、わけもわからないくらい泣いている。

 こういう子がいると、だいたい
「今まで親に甘やかされてきたからがまんすることを知らないんだね。」
「親にめいっぱい締め付けられてるんじゃないの。」
「家でストレスたまっているから学校で発散しているんだよ、きっと。」
といった解釈をしてきたのではないでしょうか。

 こういう一般的な見方とちょっと違った視点を紹介します。
 東京学芸大学の大河原美以先生が、こういった子どもの心の中で何が起こっているのか、感情の発達という観点から分析しています。

 子どもは泣いたり、いい気分、悪い気分、怒り、悲しみ、悔しさなど、生の感情をすべて親にぶつけます。「ああ、いたいねえ。痛い痛い。かわいそうね。いい子いい子。」「いいねえ、うれしいねえ。」などと、ぶつけた感情を親に認めてもらう、親に言葉で返してもらいます。
 子どもは自分の感情をはき出し、そしてそれを親に共有してもらって、認めてもらって安心します。こうして子ども達は、怒りでも、悲しみでも、悔しさでも、それを表出しても、最後には安心させてもらえる、きちんと鞘に収まるものだという風に感じるようになります。
 これが、乳幼児期に獲得する「安心感」です。

 ところが、子どもが悲しみで泣き叫んだとき、親が火のように激しく叱責したとしたらどうなるでしょう。子どもは、泣くことをやめてしまうでしょう。泣くことが親の極端にネガティブな反応を引き出してしまう→自分が悲しみで泣き叫ぶことは、親に否定される、親に見捨てられるかもしれないというとてつもないおそろしい状況を招くのですから。

 ここで、子どもは、悲しいという感情を「隔離」してしまいます。自分で悲しみを感じないようにしてしまうのです。
 子どもでなくとも、私たちも感情を感じないようにするということをしばしばやっています。例えば、卒業式で呼名をするのに緊張している担任の先生は、しばしば卒業生を送り出す感激や寂しさをまるで他人事のように感じてしまっています。また、葬式などでは、家族は悲しいという感情が実感として感じられないことがあります。感激や悲しさをまともに感じたら、状況からしてとてもやっていられないために、その感情を「隔離」しているのです。
 この、感情を隔離してしまうことを「解離」と呼びます。

 子どもが自分の思い通りにならなかったり、泣き叫んだりすると、激しく叱責する親に育てられた子どもは、「悲しみ」「怒り」「ねたみ」「わがまま」「悔しさ」などの、ネガティブな感情を解離させてしまいます。
 いい子であったり、喜んでニコニコしてたり、そういったポジティブな感情はしっかり感じて表現することができますが、ネガティブな感情は心の中で、壁の向こうに追いやってしまうようになってしまうのです。

 自分の思い通りにならないと、子どもに厳しく叱責をする親御さんの子どもは、解離を起こしやすいことはおわかりいただけたと思います。
 逆に、極端に子どもに甘い親御さんの子どももまた、しばしば解離を起こしています。
 親が、子どもとの間で波風立てたくない場合、つまり、いつもいい気持ちで子どもをかわいがりたい親は、できるだけ子どもを泣かせたくないです。だから、子どもがほしいものはなんでも買い与えるし、できるだけ禁止もしません。子どもは、ニコニコして親を喜ばせていれば満たされることを覚えます。また、泣いたりだだをこねたりすることを親が避けようとしていることも学びます。
 いつの間にかネガティブな感情を解離するようになるのです。

 この日常的な「解離」が「キレる」につながっていくのです。





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Last updated  2008.02.07 22:11:23
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