A (0:46:12): やっと最初の地点に辿り着きつつあるんだけど A (0:46:27): 他者のことがわからなければ、 A (0:46:40): 現代の俺らとして A (0:46:58): 事なかれ主義に接するしかない A (0:47:09): つまり A (0:47:36): インドやアフリカの飢餓の惨状を(意図的に)知らずに過ごしている
B (0:47:44): うん
A (0:48:00): わからないわけだ A (0:48:04): それを認めている
B (0:48:18): うん。
A (0:48:25): でも、甘えの原理では、 A (0:48:41): 他者の考えが「わかっている」
B (0:49:10): うん
A (0:49:27): あるいは、そう「わかる」ような言葉しか与えられない A (0:49:31): 例えば、 A (0:49:43): 「靖国」に参拝した人が A (0:49:59): 心の中で言う言葉は何にしても、 A (0:50:14): 表立っていう言葉は、与えられた形で A (0:50:17): 決まってしまっている A (0:50:44): 物語的抑圧がある。
B (0:51:07): うん。
A (0:51:21): そういう想定にたってる人は A (0:51:48): 他者の心の中を真剣に考えることもなく A (0:52:14): 「○○」と思っている(はずだ)と決め付けて語る A (0:52:24): 物語的ステレオタイプでもってね
B (0:52:43): そうかも
A (0:53:03): 俺はそれを「他人事主義」と呼んでるんだね A (0:53:32): 「甘え」があるから、他者の心の「決め付け」があり、 A (0:53:43): 変な形での「関わり」がある
B (0:54:20): じゃあ B (0:54:35): 「他人事主義」と「事なかれ主義」は B (0:55:41): スタートポイントの「他人のこともわかる」「他人のことはわからない」がもともと違う。だから、 B (0:57:19): 他人が本当に何を考えたかを(ある程度)知って驚くのは「他人事主義」のほうになっちゃうのでは
A (0:57:33): それは違うよ A (0:58:04): 知って、想像力を刺激されて、驚くのは「事なかれ主義」 A (0:58:22): うんと、日記にも書いたんだけどなぁ(参照)
B (0:58:35): あははごめん B (0:58:55): 私も驚くのが「事なかれ主義」だ、って思ってるんだけど
A (0:59:21): 「事なかれ主義」は、それ自体ではまだ危険ではない。むかつきはするが。 「事なかれ主義」はある種の自己保存欲求に支えられており、他者にとって計算可能な態度である。 A (0:59:37): つまり、物語的でない態度なんだ
B (1:00:09): うん、中立的
A (1:00:22): うん、中立的というのがあるかわからないけど A (1:00:26): 言ってみれば、 A (1:00:29): 自分主義
B (1:00:43): まあ そうか
A (1:01:10): これが酷くなった80年代以降、 A (1:01:39): 都市層を中心にした新保守主義が出てきたという分析がある A (1:01:52): ミーイズムばかりじゃ、日本が悪くなるってね
B (1:02:07): うん
A (1:02:18): でも、俺にとっては、新保守主義の方が、よほどグロテスクだ
B (1:02:31): どうして
A (1:02:35): だから A (1:02:48): 日本っていう枠組みのなかで物語をつくるけど A (1:02:52): そんなもんはないわけで、 A (1:03:11): そうすると、少数派のことなんか忘れた言説が出てくる
B (1:03:26): そうだね
A (1:03:55): ミーイズム(あるいは、事なかれ主義)は、端的にコミットしない態度
B (1:04:06): うん。
A (1:04:07): でも、 A (1:04:26): 他人事主義は、他人事として他人の考えを蹂躙する A (1:04:55): そしてその基底には「甘え」がある
B (1:05:08): 他人事主義と新保守主義、似てる
A (1:05:17): というか、 A (1:05:24): 新保守主義の言説は、 A (1:05:32): 物語に支えられてて A (1:05:50): それゆえに、内部はみな「他人事主義」者なわけね A (1:05:53): だから、 A (1:06:15): 「日本人なら靖国参拝するべきだ」といった意見を吐けるわけ
B (1:06:44): はぁあ そんなこと言ってんだ B (1:08:28): でもなんでAがグロテスクって思うか少しはわかったよ
A (1:08:42): それは光栄です
B (1:08:49): へんなの
A (1:09:05): そういう議論をしてたのよ A (1:09:09): 日記でも
B (1:10:34): 靖国に戻っちゃうと、祖父なんか見てると、無駄死にだったと思いたくない、って感じるなあ
A (1:10:55): さっき留保していた議論にいきなり飛び込んだね
B (1:11:43): 頭いまおかしいからね ごめんごめん昨日ワインとビール1杯と焼酎で寝てしまった
A (1:12:02): いやいやOK A (1:12:10): そっちに行こうと思ってたのでね
B (1:12:24): あはは B (1:13:22): 今 スクロールして前の議論を確認中の二人。
A (1:13:25): B: そうだね、そう思うことが「美徳」(「美毒」って間違えて書いてしまった) A: 美徳かどうかはちょっと留保しよう A: なんでそう「すべき」なのかは、もうちょっと後でね
A (1:13:31): ここのところだね A (1:13:49): つまりね、 A (1:14:01): 物語は、抑圧作用を持つ前段階において A (1:14:17): 積極的な支持者たちが作り出しているわけだ A (1:14:34): それが内部で再生産し続ける A (1:14:57): 無駄死にだったと思いたくない A (1:15:23): その感情を鍵にして、違う感情を錬金術的に作り出している
B (1:16:06): 誰が作り出しているの
A (1:16:20): そこを考えないといけない A (1:16:30): 今日のふたつ目のテーマだね
B (1:17:00): 権威に関係してるね
A (1:17:06): たぶんそう A (1:17:32): 権威に関しては、『権威と権力』を読んだところなんだけど
B (1:17:39): なだいなだ
A (1:17:43): そう A (1:18:03): 権威が失われる契機に関して、 A (1:18:09): 本の中で A (1:18:19): 権威を持つ方の問題というよりも、 A (1:18:27): 権威を認める方の問題でもある A (1:18:31): みたいなこと言ってる
B (1:18:44): ふむむふ B (1:18:56): ふむふむのまちがい
A (1:19:00): うん A (1:19:02): ということは A (1:19:18): 逆に言えば、 A (1:19:40): 権威が生じるときもまた、認める側の問題として捉えるべきかもしれない
B (1:20:08): うん、その権威を必要とする側。
A (1:20:13): そう A (1:20:25): また高橋哲哉に戻れば、 A (1:20:40): 遺族の感情は「悲しい」のはずだ A (1:20:43): 本来は A (1:21:00): でも、それを受け入れたくない
B (1:21:25): それだけだとつらすぎるから
A (1:21:31): そこで何かの物語を欲する
B (1:21:40): 強烈にね
A (1:21:42): 精神療法だ
B (1:21:49): うん
A (1:22:07): それを国家が「靖国」として提供した
B (1:22:20): なるほど
A (1:22:34): だから、その物語で癒されている人たちは A (1:22:53): 靖国を拒否する遺族の感情は絶対に(というか原理的に)わからないし A (1:23:24): その物語を奪われることは、まさに「身を切られる思いがする」と述べる程になる
B (1:23:43): そうか。。
A (1:23:50): 「他人事主義」の完成 A (1:24:47): そうした物語に内在している人たちが、国立供養施設(?)みたいな代替施設で A (1:24:53): OKというはずがないよね
B (1:25:12): そりゃそうだね B (1:25:27): 物語がない
A (1:25:49): 遺族会が、政治家の参拝を求めるのも、物語が自己再生産されなければならないからなんだ A (1:26:01): 国として、でなければならない
B (1:26:11): お国のために死んだ、からね
A (1:26:16): そのとおり A (1:26:37): 非常に複雑な問題なんだよね
B (1:26:50): そうなんだね
A (1:27:02): でも、前にも書いたとおり、 A (1:27:36): その(包摂の)原理は、少数派を抑圧するし、近代の価値と相容れない A (1:27:52): これはどうしようもない A (1:28:18): 「靖国」を語るとき、遺族のケアを考えるのが正攻法 A (1:28:44): そして、遺族が全員いなくなるのを待つのが、今の政府の採っている対応 A (1:28:59): 遺族はそれを恐れていて、 A (1:29:10): だから自衛隊を軍隊化して、戦場に出して、 A (1:29:22): 戦死者は靖国に入れることで A (1:29:31): 靖国を永らえさせたい
B (1:29:32): ええっ
A (1:29:59): どこに、ええっ?
B (1:30:16): そういう流れにあるの、今?
A (1:30:25): ん? A (1:30:42): 一番スタンダードな改憲論のような気がするが・・・
B (1:30:50): ああごめん、そうなんだ。。。。無知でした
A (1:31:03): ただ、政府の改憲論はアメリカ追従 A (1:31:17): そこで、最近保守側も、政府の改憲論には慎重意見になりつつある A (1:31:30): まあ、ちょっと大雑把に纏めすぎてるかな A (1:31:35): 保守にもいろいろある
B (1:31:54): ってAも言って種 B (1:31:57): たね
A (1:32:35): 小林よしのりは、昔から佐伯啓思の真似だからね
B (1:32:46): ふうん
A (1:32:53): ちょっと注意しないといけないのは、 A (1:33:02): 佐伯は真の保守 A (1:33:19): でも、無視できない世論をつくってるのは、 A (1:33:22): 都市型保守
B (1:33:34): グロテスクのほうね
A (1:33:44): 2チャンネルのウヨクや、「つくる会」賛同者たち
B (1:34:12): 知的怠慢者たち
A (1:34:15): 宮台真司呼ぶところの「ヘタレ右翼」 A (1:34:25): その通り A (1:34:50): でね、
B (1:34:57): うん
A (1:35:07): そうした靖国てき「他人事主義」と A (1:35:23): 現代の「他人事主義」の関連が今の研究テーマなわけだ
B (1:35:55): うん。
A (1:36:16): 「靖国」の方はさっき言った通りで、それほど大きく外してないと思う A (1:36:37): 問題は、80年代以降、どうして現代「他人事主義」が生じたのか A (1:36:43): これなのね
B (1:36:50): うん 非常に気になる
A (1:37:09): ひとつは、今さっき言ったように A (1:37:32): 死んでいく遺族たちの不安から出てるのだと思う
B (1:37:48): 後は?
A (1:38:03): 後がよくわからないんだけど、 A (1:38:06): ひとつは、やっぱり A (1:38:25): 若者層の不安 A (1:39:03): 物語が壊れているために、新たな「精神的」物語を求めている
B (1:39:07): そうなの?
A (1:40:50): うん A (1:41:11): 何らかの社会的不安かなぁ、と
B (1:42:00): 物語が壊れたっていうのは、高度経済成長期がひと段落して、走り続けることで幸せに B (1:42:09): なれないってこと?
A (1:42:16): うーん A (1:42:18): そうかも A (1:42:51): たぶんそうだと思う A (1:43:20): エーリッヒ・フロム『自由からの逃走』って読んだ?
B (1:43:31): まだ。。。。
A (1:43:45): まだ、ってのは読む気あるんだね(笑)
A (1:45:16): 受け売りすれば
B (1:45:28): うん
A (1:45:40): 教会や、地域共同体の権威を引っぺがされた大衆は A (1:45:59): 「個人」という自由の重荷に耐え切れずに A (1:46:09): 大きな権威を求めて走ってしまう A (1:46:40): フロムは、それをドイツのファシズムの原因としてみた
B (1:47:13): そういう本なのか。
A (1:47:26): そういう本です A (1:47:30): たぶん(笑)
B (1:48:44): 若者の求める精神的物語、ひとつは、「日本人であることの誇り」か
A (1:48:54): うーん A (1:49:01): まあ、まず欲求があって A (1:49:14): それに対して、答えをくれたのが、「つくる会」だったと A (1:49:28): そういう順番
B (1:49:34): 欲求とは
A (1:49:49): 物語を欲すること A (1:49:58): 権威でもいい
B (1:50:16): うん
A (1:50:40): それから先については、政治学でも答えが出てないんじゃないかな
B (1:50:53): ふうん
A (1:51:03): ただ、ひとつのヒントとしては A (1:51:26): 全体主義の傾向は、なにもドイツやイタリア、日本だけのもんじゃなかった A (1:51:34): アメリカでもイギリスでもフランスでもあったわけだ