日記はこれから書かれるところです。

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2005.10.27
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セキュリティという概念が、生活の細かな部分にまで入り込み、リビングデッドたちを侵している。

ある種のパラノイアだ。

パラノイアにおいては、「証拠があって結論に至る」というプロセスを踏むわけじゃない。
むしろ逆で、「脅迫感情がまずあって、その証拠探しをしてしまう」ところに、パラノイアらしさがある。

あいつが俺を殴るかもしれない。

そういえば、あいつはあいつを殴っていた。あいつは最近体を鍛えている。あいつは昔の俺を憎んでいる。

自分の都合にあった部分しか目に入らなくなる。

そして、もっとも重要なことだが、この思考に陥った人間自身が、決して幸せそうではない。

というのは、パラノイアの原因を探ればわかる。

多くの場合、パラノイアは、自らの存在意義不全を感じている。自分というものを強く認めてもらいたいのに拒絶された経験を持つ者に多い。

ある政治学者が言うところの「田舎者ほどナショナリズムになりがち」というのと全く同じ理由で、認められていないものほど、過剰に被害者意識をもちやすい。

たしかに、このような人たちに理性的反証をいくら提示しても無駄だろうと思う。

彼らに足りないのは、「愛」だろう。

もしかすると、このような人たちが「愛国」を言うのは、自分を国家精神に合一した上で、愛を受けたいからなのかもしれない。

かわいそうだ。本当にそう思う。


こうした人たちがいる状況への具体的な処方が無くては、1930年代に起こったような状況の再現を食い止めるのは難しいのかもしれない。
「政治は理論だ」という人は、小泉が「政治は感情だ」と言って選挙に勝った現実をしっかりと見据えないといけない。
いつの世になっても、理性的討論だけですべてが解決する世の中はこない。それはまさにユートピア(どこにも無い場所)だ。人が、どんなに世代を経ようと、常に赤ん坊から始まることをしらなければならない。


■俺は憐れむ

石原慎太郎の発言は、弟でありながらすべてにおいて自分を凌ぐ裕次郎の影におびえているから出るものであり、そうした心理的原因が今なお彼を追っている。今、何とか自分がえばれる相手に対して強弁することで、自分というものを保っているわけだ。
彼は悲しい人間なのだ。俺は本当に憐れむ。

『太陽の季節』において自らを投射した小さなものは、自分は大きくはないが、見られるべきなんだ、と障子を破る。気持ちがよく表れている。俺は、そういう純文学と私小説が無邪気にくっついていた時代に芥川賞に選ばれた小説としてなら、その作品を評価する。よくパラノイア気質が表れているのだから。


■軽いパラノイアは蔓延している。

だが、真の問題は、そうしたパラノイア気質の人間に惹かれてしまう人間がいることだろう。それはまさに自分たちがパラノイアだからだ。

そう、彼は本当に自分たちを代表しているように見える。自らの尊厳を保てない人間の心がわかっているわけだから。
しかし、彼の方は、自らに視線を投げかける弱者の方を見向きはしない。選挙のときには電信柱にも頭を下げるが、自らの尊厳を保持できる場所に立てば、そうした政治家としての責任は簡単に投げ捨てられる。

彼が国会議員を辞職したときもそうだった。彼は自民党内に仲間がいなかった。自分のことを、自分が相応しいと思っているほどにまで、認めてくれる人間が周りにいなかった。
だから、見せ方だけが勝負で、しかもトップに立てる都政に打って出たわけだ。

彼を支持してしまうのは、心の問題だ。俺は憐れむ。


■救いがない

パラノイアは、自らのパラノイア状況を加速させることをする。
あいつが殴るかもしれない、という危機感が、その証拠集めをはじめる。強迫神経症的に。
そして、最後には、その重みに耐えられなくなって自分からことを起こしてしまう。

救いがない。終わりがない。本人は至極真剣なのだが。


■ケアを考えなければいけない。

恐らく、ケアが必要だ。
われわれは真剣にこのことを考えないといけない。

AがBを認めないから、BがCを認めず、CがDを認めない。

弱者が住みにくい社会は強者にもまた住みにくい。


■最後に、少しずれるが

戦争というものを軽く考えている層がいるのだろう。
自らの存在意義のために簡単に大きな物語を叫び、その悲劇がやってきたときに気付く。
そのときにはもう遅い。

「ペガサス・ブログ版」さんの記事「 転載:息子をイラク戦争で失った父の手紙 」を紹介する。

また、それを読んだ後に、「Dense Fog Ahead」さんの「 歴史から学ぶことはきりがない。 」も読んでみるといい。他の記事も面白い。





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Last updated  2005.10.27 21:09:25
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