日記はこれから書かれるところです。

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2006.10.03
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高校生だった頃の俺は、そこらの高校生と同じように、カッコイイ見栄えを気にしていて、髪を切る場所なんかは、結構いろいろと試した。三度同じ場所で切りはしなかった。気づいたことと言えば、当然ながら、美容院だからおしゃれで床屋だからおしゃれじゃない、というイメージは間違っているってことだった。そういうわけで、ある床屋へは二度足を運んだ。

その床屋はラジオを流していて、高校の卒業式だかなんだかで国歌斉唱のときに生徒が一人として起立しなかったことに腹を立てた市長だかなんだかが怒って帰ったというニュースが、俺の髪が切り始められたあたりで聞こえた。

床屋のおやじは切りながら、「おかしいよなぁ。変な生徒たちだよなぁ。アメリカなんかみんな国に誇りを持ってるのにねぇ」と言った。最後の「ねぇ」は明らかに俺に語りかけられた言い方を表していた。

もちろん、おやじは思い込んで喋っているだけだった。
まず、国に誇りを持つことと国歌・国旗を尊重することが同一だという思い込みをしている。そしてつぎに、アメリカ人たちが本当に「みんな国に誇りを持ってる」と思い込みをしている。
もちろん、俺はそのおかしさに気づいたが、大切な髪の毛を「人質」にとられている身として、寝たふりをするだけにした。

俺の合衆国パスポートを持つ友人は、「君らアメリカ人」と呼ぶと、「アメリカ人と呼ぶな。俺はブッシュと違う。カリフォルニアンと呼んでくれ」という。

まあ、どうでもいいんだけどね。

以下、好きな小説から引用。



 何てことだ、とわたしは思った。場違いなところに来てしまった!
 わたしたちは起立して、誓いを立てる。しかしわたしは何に忠誠を誓うのか、そこのところは声に出さなかった。
 全員が着席する。机の向こうからラリーが喋り始める。これが初めての集まりなので、自分が議長を務めると説明する。会合を二、三度持って、お互いのことがよくわかり始めた頃、みんなが望むなら議長を選出してもいい、しかしそれまでの間は……。
「ここアメリカで、我々は我々の自由に対する二つの脅威と立ち向かっている。我々が立ち向かっているのは、共産主義者たちが引き起こそうとしている災厄と黒人たちの我々に取って代わろうとする野望だ。両者はしばしば共に手を組む。我々真のアメリカ人は、この災厄や脅威を撃破するためにここに集う。この目的は何としても成し遂げなければならない。さもなければ黒人の男に卑猥な声をかけられることなく、たしなみのある白人の女性がこの街を歩くことなど、一切できなくなってしまう!」
 イーゴーが急に立ち上がる。「我々はやつらを殺す!」
「共産主義者たちは、我々が長年働いて得た富を、我々の父親たちが血の滲む思いをして稼いだ富を、そして彼らの父親たちが労働して築き上げた富を分配したがっている。共産主義者たちは、我々の金を黒人やホモ、浮浪者や殺人者、あるいは我々の街を我が物顔にうろつき回って子供に性的暴行を働く変態どもに分け与えようとしている!」
「我々はやつらを殺す!」
「やつらを阻止しなければならない」
「我々は武装しよう!」
「そうだ、我々は武装しよう! そしてここに集まってアメリカを救うための全体計画を明文化するのだ!」
 全員が拍手喝采する。その中の二、三人が「ハイル、ヒットラー!」と大声でわめく。



差別と切り離せない愛国心。この場面は、おかしな場面として読まれるべきなんだが、この国の政府を見ていると、笑えないでしょ。





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Last updated  2006.10.03 18:19:20
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