2002年07月20日
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7月18日の農業新聞の特集に「青果6品目で農家の手取り追跡-小売価格比14~56%とばらつき」という記事がありました。

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青果物の小売価格に占める農家手取りはどのくらいになるのだろう。農水省がまとめている青果物価格追跡リポートから、価格形成の実態や農家、流通業の利益配分を見る。2001年度の調査では、卸売価格の下落に伴い小売価格も下落した。小売価格に対する農家手取り割合は、最小14%、最大56%となり、品目や東京・大阪といった出荷先によって違いが出た。 中間流通業者や小売業者は、単価下落による利益減を抑えようと、取り分を増やす傾向も浮かび上がった。

農水省の調査概要
東京都中央卸売市場と大阪市中央卸売市場から青果物を仕入れているスーパーなど小売店約100店が販売した商品の価格形成を。流通段階ごとに調べている。調査時期は毎年11月。方法は、関係者への聞き取りや帳簿確認。「5段階流通」は農家→JAなど集出荷団体→卸売業者→仲卸業者→小売店という5段階を経て小売されたものをいう。「4段階流通」は、仲卸を通さずに仕入れるため、農家→JAなど集出荷団体→卸売業者→小売店という商品の流れ。小売価格は、安売りなどの価格は含まない。

調査の結果は東京都の場合(2001年度)
品目        農家  JA・卸売会社  仲卸  小売
ダイコン(5段階) 24     16       15   55  1,401円
ダイコン(4段階) 33     21       -   46  1,114円
キャベツ(5段階) 22     21       10   56  1,054円
キャベツ(4段階) 24     28       -   48    893円
ハクサイ(5段階) 14     14       24   48  1,260円
トマト(5段階)   50     17        8   25  5,625円
温州ミカン(5段階)36     20        8   36  3,543円
温州ミカン(4段階)43     20            37  3,532円
リンゴ(5段階)   40     18        9   33  5,503円
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野菜では、なんと半分は小売店の取り分なんです。それに比べればミカンはまだマシのように見えるでしょう。しかし、これは価格が比較的高かった11月の調査ですから、12月・1月はもっとひどい状況だったのです。

さて、ここからが本題の「何をやってる?農水省」なんです。

このデータだと去年の11月にミカン農家の手取りはキロ当たり128円あったことになりますが、現場の実績は絶対そんなに高かったことはありませんでした。

データによれば、温州ミカンの卸売価格は農家とJA・卸売会社の取り分まで含んでいますから全体の56%です。つまり1,984円となります。東京都は毎日市場の卸売価格のデータを集計して発表していますが、それによると一番値段の高かった11月上旬で171円。中旬は141円。下旬になると128円になっています。11月の全平均では144円です。

平均値の144円で農水省と同じ計算をやってみると、JA等の取り分は変化がなく、卸売会社の取り分が38円減りますから(果物の場合、市場手数料は卸売価格の7%)その部分が670円です。仲卸と小売の分配比率はわかりませんが、仮に仲卸が10%を取ったとすると、以下のようになります。

品目        農家  JA・卸売会社  仲卸  小売
温州ミカン(5段階)21     19      10   50  3,543円

これだと、農家手取りはキロ当たり77円。去年の11月の実数にほぼ近い値が得られます(12月・1月は50円だったんです・・・涙)。小売店の取り分は野菜と同じく50%になりました。他の品目のことはtetywestにはわかりませんが、温州ミカンがそうである以上、ほかの品目も故意に農家手取り部分を大きくしている可能性は十分に考えられるでしょう。

農水省のデータとtetywestの計算したデータを比べてみれば、農水省はなぜ誰でも入手できる市場発表の卸売価格データを使わずに、「聞き取り調査及び帳簿確認」を用いて数値を出してきたのだろうという疑問が起こります。おそらく、100店という少ない調査点数のために、仲卸、小売の言うがままをそのままデータにしたのでしょう。帳簿確認などはかなり怪しいものです。そう簡単に見せてくれるものではないでしょうから。しかし、それなら他のデータを使って、集めた数値が適切かどうか検証する作業くらいはやってもいいんじゃないでしょうか?給料たくさんもらってるんだし・・・

tetywestは6月30日の日記で、

「日本の食料品は高いのか?」
流通の高コスト是正へ-農水省2日に研究会初会合

を書きましたが、このデータを「食品流通の効率化等に関する研究会」での基礎資料とする事はまず間違いありません。しかし、どんなに偉い先生方が集まって協議なさるのかは知りませんが、そこでは 実態とかけ離れたデータを基礎にして議論が進められるということなのです。従ってそこから導き出される結論は、全く実態を反映していないものになってしまうのは火を見るよりも明らかでしょう。 こんなことをしていて農水省は日本の農業を守れるのでしょうか?

やっぱり、農家は自分のこと だけ を自分で守るしか方法はないのかなぁ・・・(涙)






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最終更新日  2002年07月20日 12時04分11秒
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