これが、ウディ・アレン監督で、地中深く埋めようとしているのが“放射性廃棄物”ではなく、たとえば人類を危機的なほど異常に発情させてしまう“エロ物質”だったとしたら、SFコメディ映画となり、大笑いできるだろう。
しかし、この話は現実に行われているノンフィクションであり、喜劇ではなく悲劇である。
フィンランドは北欧にありながらソ連(ロシア)に隣接していたがため、複雑な歴史を持つことになる。
世界的に有名な人物は、「ムーミン」の作者であるトーベ・ヤンソンとサンタクロースぐらいで、あとは冬季オリンピックで見かけるぐらいだ。
サッカーもあまり強くはなく、FIFAランキング79位で、同じ北欧のノルウエー12位、スウェーデン18位と随分水をあけられている。
しかし、世界経済フォーラム(WEF)が発表する世界経済競争力順位では2001年から2004年まで連続一位となった。
携帯電話シェア一位の「ノキア」はフィンランドの企業。
自由主義国家でありながら高度な福祉国家であり、世界住みやすさランキングでもトップグループにいる。
教育水準も非常に高く、経済協力開発機構(OECD)の学習到達度調査(PISA)で総合1位の成績を収めた。
読解力1位、科学的リテラシー1位、数学的リテラシー2位。
つまり、フィンランドとは、頭のいい人たちの国だ。
その頭のいい人たちが出した結論が、喜劇にも見えるこれである。
フィンランドの国土面積はほぼ日本と同じで、人口が20分の1以下の530万人。
ここに4基の原子炉が稼動している。
石油や天然ガスを外国(ロシア)に依存することは、防衛上危険であるという考えと、北緯60度前後でオゾン層破壊の脅威にさらされているため、CO2を排出する発電は選べない。
しかも原発の原料であるウランは自国で賄える。
現在30%を原発に頼っているが、福島原発事故を受け、自然エネルギー転化を決議、まず風力発電を現在の0.3%から6%に引き上げる目標を立てた。
国土の岩盤も固く、地震の危険はほとんどない国だが、人の作動ミスや故障による事故は起こりえる。
原発はやはり危険だとみんなが思った。
フランスと並び、原子力モデル国と称されたフィンランドであったが、世論調査では反対派が53%に達している。
ちなみに日本の「ツィッター国民投票サイト」では、96%が縮小・全廃と圧倒しているのだが…。
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『東京が壊滅する日』 広瀬隆著 2015年08月07日
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