《 幸せのひろいかた 》  フェルトアート・カントリー木工 by WOODYPAPA

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2012年05月15日
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カテゴリ: アンチエイジング

母の日ということで久々に、実家へご機嫌伺いに行ってきました。

実家といっても距離にして5キロぐらいのほぼ同じ街の住人なのですが、男子はなかなか用もないのに立ち寄ることはしないものです。

それでも僕は正月と母の日には顔を出すのを恒例としています。

実家は次男夫婦と母が暮らしており、とりあえず安全な環境ではあります。

昨年、一人娘が嫁に行ってしまったのと、愛猫を亡くしてしまったので、次男夫婦の生活は寂しくなったでしょうが、築40年のぼろ家は同じ空気を漂わせていました。

91歳になった母ですが、相変わらず健康で、3年前の甲状腺がん手術の後遺症もなく、まずは安心しました。

ところが最近、耳鳴りがするようになり、心配なので耳鼻科で診てもらうと、

「老人だからしょうがない」

と、言われたそうです。

「それを聞いてショックでショックで...」

と、家に帰って寝込んでしまいました。

本人、自分が老人だったことに気づいてなかったようです。

母の感心するところは、よくしゃべることと、よく歩くことです。

ところが、なん年か前に、一人で老人会へ向かって住宅街を歩いていたところ、後ろからバイクのひったくりに遭ってしまいました。

肘が何かにぶつかった感触があり、

「あら、ごめんなさい」

と謝ったあとで、下げていたバッグが取られていることに気がつきました。

そのバッグが手製の作りたてのバッグで(母は端布でバッグやら財布を作る技を持っています)、初めて老人会の仲間にお披露目するものだったから、

「それが悔しくて悔しくて...」

と、何度も嘆きます。

こちらはとにかく怪我をしなかっただけよかったと思いますが、それ以来さすがに一人で

出歩くのは怖くなってしまい、外出を控えるようになってしまいました。

歩くことは健康長寿の根幹なので、とにかく歩かなくてはダメだという話をし、天気もよかったので、長男の家までこれから行こうということになりました。

バスと電車を乗り継いで1時間ぐらいの行程なので、ちょうどいい小旅行です。

母は、「つま先を上げて歩いていると褒められた」と言うだけあって、軽快に歩きます。

老人は筋力の衰えから、すり足で歩きがちになり、それが原因で躓き転びます。

そして大腿骨骨折をし、寝たきりになって人生を終えます。

義父もそうでしたが、歩けなくなると廃用症候群に陥り、後戻りができません。

歩くのも元気でしたし、しゃべるのも活発でした。

バス停で待っている間に、親子連れに話しかけ、

「おばあちゃん91歳なんだよ」

と自慢しています。

幼稚園ぐらいの子供はぽかんとしていましたが、お母さんの方はびっくりして、その様子を見て喜んでいました。

母をバスの優先席に座らせ、僕はその親子連れの3歳ぐらいの男の子を抱っこして向いに座っていたのですが(男の子がバスの中を動き回るので)、次第に混んできた時、80歳ぐらいのおばあさんが乗ってきました。

すると驚いたことに、母はそのおばあさんに席を譲ろうと立ち上がるではありませんか。

慌てて座らせると、隣に座ったおばあさんに、

「あなたおいくつ?私は91歳」

と、また自慢しています。

駅の階段も難なくクリアーし、長男夫婦の住むマンションにたどり着きました。

ところが、長男は僕以上に顔を出さないので、マンションの入口に迎えに来た長男を、一瞬判別できなかったようです。

久々に会ったということもありますが、実は、長男は白血病で自宅療養中なので多少見掛けが変わっていたのも確かです。

療養中と言っても、本人はいたって前向きに捉えていて、悲愴な感じはありません。

病気の話も適当に冗談も入れて、明るく話していました。

"笑い"は"免疫力"を高めるのに、一番効果的な方法です。

四方山の話が弾んでいた時、母がお隣の歯医者の話をし始めました。

トイレでくしゃみをしたら、差し歯が抜けて、気づかずに流してしまったんだそうで。

「お隣は今は息子がやっているんだけど、私の時だけ大先生が診るのよ。

それがもう70歳だから手が震えちゃってて...」

笑い話をしているのですが、長男夫婦は笑っていません。

凍った空気が流れるのを感じました。

なぜなら、その話はここに来てから二度目だったからです。

僕は、実家にいた時にも二度ほど聞いた話なので四度目だったのですが、

「なんで大先生なの?」

「だって大先生が入れ歯作ったからー」

と、まったく同じやりとりを繰り返しました。

歩く、しゃべるは良く出来た母ですが、さすがに脳の老化のきざしは否めません。

「その話、さっき聞いたよ」

などと言えばまたショックを覚えて寝込んでしまうので、本人には知らせず、果てしなく聞き続けるしかありません。

自分の脳に異変が起きていると知ると、本人が不安を覚え、話をすること自体が怖くなって、何も話せなくなってしまいます。

「単なる物忘れと認知症は違います」と言われますが、老化による物忘れはやはり認知症の入口に立っていると思います。

"認知症"には大きく二つの種類があります。

ひとつは"アルツハイマー型認知症"という、原因はわからないのですが、脳が萎縮してしまう病気。

もう一つは"血管性認知症"という、脳内の血管が詰まることによって、脳細胞が死滅してしまう病気。

どちらも"脳"が欠けていくことによって、機能が果たせなくなります。

悪化すると、認知障害、行動障害、せん妄、感情失禁などを引き起こします。

機能不全になった自分に苛立ち、ついに絶望し、精神に異常をきたすことによって、重度の障害に移行していくのではないかと思います。

自分に自信をなくし、不安感、焦燥感に駆られることが、"精神疾患"を招き、相乗的に病気を悪化させるのです。

老化現象の対処法は、"気にしない"ことです。

脳細胞が死滅しても、それは一部のことであって、他の部分が代用する可能性だってあります。

何かをして、劇的に良くなるということはないでしょうが、徐々に回復することはあると思います。

少なくとも、悪化の坂をなるべくゆっくり降るようにする術はあります。

それが、

{話す・歩く・手を動かす・食べる・笑う}です。

"話す"ことは当然脳を刺激し、相手に反応するということで、ただ考える以上に脳を活性化します。

"歩く"ことは血流を良くし、心臓を鍛え、自律神経を整えます。

"手を動かす"ことも脳を活性化し、脳の中の行動習慣を刺激します。

"食べる"のはもちろん必要な栄養素をとることであり、さらに咀嚼によって脳を活性化します。

そして"笑う"ことで免疫力を高めるのです。

カレーを食べるとアルツハイマーにならないとか、特殊な防御法もありますが、基本は話す、歩く、手を動かす、食べる、笑うを実践すればいいと思います。

そして"気に病まない"。

なるようになる、なるようにしかならない。

その日その日を楽しんで、気がついたら元気に100歳を迎えていた、というのがいいと思います。






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最終更新日  2012年05月15日 15時28分07秒
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