【4月】
8)露の地下鉄で自爆テロ、14人死亡
ロシア第二の都市サンクトペテルブルクの地下鉄で、走行中の車両内でキルギス出身のロシア人が自爆テロを行い14人が死亡し、犯人はイスラム過激派と発表されました。
偶然か、この日プーチン大統領は自身の出身地であるこの地を訪れていました。
2015年にロシアがシリアに介入してから、ISはロシア攻撃を表明していました。
しかしこの日までテロがなかったのは、それだけロシアの警備及び内偵が厳しかったということです。
市民は生活を制限され、諜報され、監視されて安全を守られました。
どちらがいいと選べるものではありませんが、国民の命を守るのが国家の第一義であるなら、そこに向かうのもやむなしと言えます。
9)米がシリア基地に巡航ミサイル発射
米軍が、内戦が続くシリアでアサド政権が化学兵器を使用したと断定し、その対抗措置として、アサド政権軍の空軍基地に対してミサイル攻撃をしました。
シリア情勢を説明するのは簡単ではありません。
アサド政権(ロシアが支援)vs反政府軍(アメリカが支援)vsIS(イスラム国)vsクルド人vsトルコ。
普通は「敵の敵は味方」のはずですが、ここでは「敵の敵はやっぱり敵」なのです。
とりあえず、世界一危険なIS掃討にアサド・ロシア軍が一番貢献したのは事実です。
しかし、この一件でアメリカとロシアが敵対することになりました(と見せかけているのかもしれませんが)。
10)トルコ大統領の権限強化、国民投票で賛成多数
トルコで大統領の権限を強化する憲法改正の是非を問う国民投票が行われ、賛成が上回り(51.5%)ました。
国民投票で問われた改憲案の柱は、大統領権限の大幅な強化で、承認が確定すれば、2019年11月に実施見通しの大統領選挙後、現行の議院内閣制から、大統領が国家元首と行政の長を兼ねる体制に移行します。
新体制では大統領が国会の解散権や司法の人事権を掌握し、2期10年の多選制限を事実上緩和し、14年から大統領を務めるエルドアン氏が29年まで続投することも可能となります。
シリア難民や、PKK(クルド人武装勢力)やIS(イスラム国)のテロ攻撃を受け、国内では強い政府を待望していたのでしょう。
さらに、EUとアメリカ、ロシアの介入に対し、まさに”国難”の中エルドアン大統領は僅差ながらも選挙によって国民の負託を受けたわけです。
羨ましいだろうなあ、安倍晋三。
11)米が「THAAD]を韓国に配置
在韓米軍は、ミサイル防御システム「最終段階高高度地域防衛(THAAD)」の発射台2基とレーダーを、韓国南部・星洲に搬入し、9月に発射台4基の追加配備をしました。
これに反発したのは北朝鮮ではなく中国でした。
THAAD配備報復として、韓国への団体旅行を禁止しました。
この処置により、中国人の韓国旅行者は800万人から400万人へ半減し、韓国経済はおおきな打撃を受けました。
さらに中国国内の韓国企業のボイコット、ロッテマートは消防施設の不備という難癖をつけられ営業停止となりました。
ロッテがターゲットとされたのは、THAADの配備をしたのがロッテのゴルフ場だったからです。
なぜ中国がこれほど反発するかというと、朝鮮戦争というのは南北朝鮮の主導権争いということ以上に、中国とアメリカの戦いであったからです。
北朝鮮のミサイルがアメリカ本土に届く物に進化したことに、アメリカが大きく反応したように、韓国に配備されたTHAADは、中国本土を攻撃できるという危機感を中国に与えました。
韓国大統領・文在寅は12月に訪中し、「米国のミサイル防衛(MD)体系に参加しない」「THAAD追加配備計画はない」「日米韓は同盟には発展させない」という3つの約束で関係修復を試みましたが、韓国人が約束を守らない民族であることは見透かされており、今のところ無視されているという状態です。
【5月】
12)仏大統領にマクロン氏。最年少39歳。
仏大統領選で、欧州連合(EU)の統合推進を訴えた中道のエマニュエル・マクロン前経済相が当選しました。
欧州は移民問題に揺れ右傾化が進んでおり、この大統領選も極右・国民戦線のマリーヌ・ルペンが勝つという予想もありました。
実際は接戦の下馬評を覆し、決選投票でマクロン氏の得票は64・4%、ルペン氏は35・6%と大差がつきました。
マクロンが勝ったというより、反ルペンがマクロンに投票した結果なので、ルペンが負けたという印象です。
特に実績もアイデアもないマクロンが勝ったのは、国民がルペンを恐れたからです。
一時の不満を爆発させて勢いでルペンを選んでしまえば、トランプを選んだアメリカのように後悔するのではと思ったのでしょう。
これで極右に対する決着がついたわけではありません。
移民問題に揺れる欧州の、あちこちの国で極右勢力は台頭しています。
まだ数年、グローバリズムから自国を守ろうとする、世界の試行錯誤は続くでしょう。
13)韓国大統領に 文在寅氏
韓国大統領に、北朝鮮に融和的な左派の最大野党「共に民主党」の文在寅が勝利し、9年ぶりに保守から左派に政権交代しました。
日本にとっては”反日”の文在寅が勝ったことはうれしくありませんが、ほかの候補も全員反日なので、そこは一緒だったかもしれません。
本音はともかく、建て前は反日を標榜しないと選挙は戦えないのだそうです。
そのくせ500万人も韓国人旅行者が来日するのは何なんでしょう。
文在寅の公約は、「北との対話」「THAADの配備延期」「脱原発」、すべてが挫折しています。
韓国の今までの大統領がそうであったように、この人は人の上に立つ器ではないように見えます。
とはいうものの、我が国のリーダーの人材不足も同様ですが。
14)世界約100か国でサイバー攻撃被害
「ランサム(身代金)ウェア」と呼ばれるウイルスによる、大規模なサイバー攻撃が米英露など約100か国・地域で発生しました。
ランサムウェアとは、感染したPCをロックしたり、ファイルを暗号化したりすることによって使用不能にしたのち、元に戻すことと引き換えに「身代金」を要求する不正プログラムです。
もし身代金を払ったとしても元に戻るわけではないので、決して金は払わないようにとのことです。
15)中国の巨大経済圏構想「一帯一路」会議
「一帯一路」とは、中国の習近平国家主席が提唱・推進している経済圏構想。
略称はOBOR(One Belt, One Road)。
中国を起点として、アジア~中東~アフリカ東岸~ヨーロッパを、陸路の「一帯」(シルクロード経済ベルト)と海路の「一路」(21世紀海上シルクロード)で結び、ゆるやかな経済協力関係を構築するという国家的戦略でです。
経済政策、インフラ、投資・貿易、金融、人的交流の5分野で、交易の拡大や経済の活性化を図ることが目的ですが、実態は中国の自国企業の利益を広げるのが狙いです。
経済圏に含まれる国は約60カ国、その総人口は約45億人で、世界の約6割に相当します。
中国の最大領土更新は間違いなし。
領土が広くなればそれだけ問題が多くなりそうですが、中国人は際立った個人主義の国ですので、国民がどうなるかより、個人(皇帝と上層部)が富めばそれでいいのです。
16)米司法省、露疑惑で特別検察官任命
米司法省は「トランプ政権とロシアを巡る疑惑」捜査のため、モラー元連邦捜査局(FBI)長官を特別検察官に任命しました。
トランプ大統領はこの疑惑を捜査中だったFBIのコミー長官を、5月に突然解任しました。
その対処にコミー氏は6月の議会公聴会で、トランプ氏から操作中止を指示されたとの認識を示したのです。
ロシア疑惑が事実だったかどうかより、トランプが捜査を妨害する指示をしたのかが焦点になりました。
思い出すのは1972年の「ウォーターゲート事件」。
ワシントンD.C.の民主党本部で起きた盗聴侵入事件に始まったアメリカの政治スキャンダル。
初めはそんな大ごとになるとは思えない事件でしたが、司法妨害、証拠隠滅、特別検査官解任と大統領がもみ消しに動いたことで、大統領弾劾が発議され、ニクソン大統領は辞任に追い込まれるのでした。
事件は大したものではなかったのですが、ニクソン大統領の対応が傲慢でごまかそうとしたがために、国民の怒りを買ってし待ったというのが後からの感想です。
大統領スキャンダルでもう一つ思い出すのは、「モニカ・ルインスキー事件」。
ビル・クリントン大統領が執務室で、秘書と不適切な関係を結んでいたという事件です。
これも当初大統領はしらばっくれていましたが、体液の付着したドレスを突き付けられ、最後は白状しました。
でもクリントンは辞任までは追い込まれませんでした。
まあ、たかが浮気ですから。
17)イラン大統領選でロウハニ師が再選
イラン大統領選が行われ、2015年の「核合意」を受けた国際協調による経済再生の継続を唱えた、保守穏健派のロウハニ氏が保守強硬派の候補者らを破り再選しました。
大統領というのは多くの場合その国の元首で、一番偉い。
しかし、イランでは大統領よりも偉い、権威のある存在がいます。
それが最高指導者ハメネイ氏。
1979年にイラン革命が起き、パフラビー国王を追放したのがホメイニ師。
そのホメイニ師亡き後を継いだのがハメネイ師で、イランの最高指導者で国家元首なのです。
ロウハニ師の1期目はハメネイ師との関係は良好でしたが、今回は様子が異なっていました。
ロウハニ師の勝利に、ハメネイ師は祝福の言葉を贈らなかったのです。
2002年に発覚したイランの核開発計画を巡り、国連は経済制裁を決議しました。
その制裁を解除してもらうため2015年、米中ロ英仏独の6カ国がイランと最終合意した行動計画を「イラン核合意」と言います。
ウランの濃縮などの核開発活動を長期間にわたり制限する内容で、見返りとして米欧と国連は、核開発に関する対イラン経済制裁を解除しました。
イラン核合意を進めたのがロウハニ師です。
一方の、アメリカ大統領バラク・オバマにとっても、「核なき世界」への重要な成果となりました。
トランプはオバマの成果をぶち壊すことに精力を傾けていて、そのためなら中東の和平を壊してもかまわないと考えています。
中東が平和になってもアメリカの利益にはなりませんが、戦乱になれば武器が売れます。
自国の利益のためなら、人類の平和などという空想にはお構いなしのようです。
18)英コンサート会場でテロ、22人死亡
英中部マンチェスターのコンサート会場で自爆テロがあり、22人が死亡しました。
犯人はリビア系のイギリス人で、難民一家の4男としてイギリスで生まれました。
いわゆるホームグロウンテロリストで、他国から侵入したテロリストではありません。
ロンドン中心部では車が歩行者に突っ込むテロが相次ぎ、3月には英議会議事堂付近で5人が死亡、6月にはロンドン橋で8人が犠牲になりました。
いずれもISが犯行声明を出していますが、犯行は他国系のイギリス人の仕業でした。
イギリスにこれだけテロが集中するのには、イギリスの求める理想が壁に突き当たっているということがあるのかもしれません。
【6月】
19)トランプ氏が「パリ協定」離脱表明
「パリ協定」とは、地球温暖化防止を目指して、温室効果ガスの排出についての2020年以降の各国の取り組みを決めた国際的な協定です。
2015年12に国連の会議「COP21」で190カ国以上が合意し採択され、2016年11月4日に発効されて法的な効力を持つようになりました。
現在、147カ国・地域が締結しています。
この協定により、世界全体として、主に以下の2つの目標を掲げて努力することが決まりました。
・産業革命前からの地球の気温上昇を2℃より⼗分低く保つ。1.5℃以下に抑える努力をすること
・そのために、21世紀の後半に世界の温室効果ガス排出を実質ゼロにすること
この目標達成のために、各国に対しては「自主的な削減目標を国連に出すこと」と「達成のため、削減に向けた国内の対策を取ること」を義務づけています。
2007年「不都合な真実」というドキュメンタリー映画が話題となり、出演した民主党大統領候補アル・ゴアがノーベル平和賞を受賞して、「地球温暖化」は科学的に立証されたかのような認識が生まれましたけど、果たしてそうでしょうか。
アル・ゴアは「不都合な真実」という本も出版していますが、イギリスではこの本の記述は嘘が多いので、教科書に使ってはいけないという法律があります。
トランプ大統領は選挙期間中から、「地球温暖化はでっちあげだ」と主張しており、その見解に僕も賛成です。
世界的詐欺集団に騙されないように、過去のブログを読んでください。
20)アラブ諸国がカタールと断交
サウジアラビア、アラブ首長国連邦、バーレーンなどのアラブ諸国が、カタールと国交断絶を発表しました。
カタールは アラビア半島のサウジアラビアのペルシャ湾側に、ぽちっとこぶのように突き出た小国です。

なんでカタールがこんな村八分のような扱いを受けるようになってしまったのかというと、ペルシャ湾の対岸にあるイランと仲良くしたからです。
”中東”とひとまとめに呼びますが、イランはアラブではなく、ペルシャなのです。
民族が違えば、同じイスラム教国でもシーア派です。
サウジアラビアはじめ多くのイスラム教国はスンニ派で、宗派に違いがあります。
そして、民族・宗教以上に重大な敵対する理由は、アラブの盟主サウジアラビアとイランは最大の産油国で、原油価格や産出量を巡ってしのぎを削っているのです。
カタールは国土面積(秋田県ぐらい)と人口(215万人、うちカタール国籍は27万人)は小国ですが、産油国なのでオイルマネーが豊富で、一人当たりの国内総生産(GDP)は7万8829ドルで世界第5位、一人当たり国民総所得(GNI)は8万5430ドルで世界第2位という決して小国と捨て置けない国です。
サッカーファンなら、カタールの首都ドーハは忘れることのできない名前です。
1993年10月28日、カタール・ドーハのアルアリ・スタジアムでW杯アメリカ大会最終予選が行われました。
日本は宿敵韓国を破りグループ1位にたち、最終戦のイラクを破れば悲願のワールドカップ初出場が決まったのですが、ロスタイムで同点に追いつかれ、夢は潰えました。
これを歴史では「ドーハの悲劇」と呼ばれています。
サッカーの話で言えば、カタールは2022年W杯の開催国でもあります。
このまま断交状態が続き、アラブの政情が不安定になると、当然開催国権も取り消されてしまうでしょう。
その時の代替え国は日本になるといううわさもあるのですが、どうでしょうか。
21)英国下院選で与党・保守党過半数割れ
日本の安倍首相は衆議院を突然解散し、準備が整わず分断してしまった野党に大勝し、政権基盤を確固たるものとしましたが、同じ理由で解散したイギリスのメイ首相は、裏目に出て12議席減らしてしまいました。
もともと与党・保守党はわずかでも過半数を持っていました(330/定数650)。
EU離脱交渉を始めるにあたって、もっと強い政権基盤が欲しいとの判断でしたが、EU離脱を問う国民投票後の世論の反動を読み切れていませんでした。
イギリスの選挙制度は「完全小選挙区制」で、与党対野党第一党のタイマン勝負となりますが、今回は労働党も30議席のばすも262にとどまり、政権交代までは至りませんでした。
中途半端な結果で、何も変化はもたらしませんでしたが、メイ首相自身の求心力に疑問符が付いたことだけは確かです。
EU離脱により、新しいイギリスがたくましくよみがえるか、孤立した弱小国に成り下がるか、歴史の審判を待たねばなりません。
22)ロンドンで高層住宅火災、死者71人に
ロンドン西部に建つ高層住宅棟「グレンフェル・タワー」火災が発生し、英国内で戦後最悪の死者数70人を出しました。
このニュース映像をTVで見たとき、てっきり中国か韓国の話だと思いました。
それだけ建物が安っぽく、消火設備に欠陥を抱えた張りぼてビルの火事に見えたからです。
グレンフェルタワーは1974年に完成、老朽化したため昨年外壁を修繕工事しました。
ところがこの外壁(断熱材)が、コスト削減により一部可燃性のものになり、それが燃え広がって大規模な火災に広がってしまったというのです。

高層住宅(24階建て)なので、高級マンションかと思ったら、低所得層の公営住宅なんだそうです。
築40年以上経ちだいぶ痛んでいたので、外側だけきれいにしたのですが、スプリンクラーなどはついておらず(スプリンクラーの義務付けは2007年以降の建物)、火災に対する防災は施されていなかったということです。
火災のあったケンジントン&チェルシー地区はロンドンきっての高級住宅街で、デビット・ベッカムが住む高級マンションもそびえており、その地域からこの建物の景観が見苦しいというクレームから補修が決まったという話もあります。
イギリスは身分格差が残っており、マスコミは貧富の格差がこの悲劇を招いたという論調が占めています。
低所得層の怨嗟の感情は強く、社会不安の底辺には必ずと言っていいほどこの意識が作用します。
日本はかつて、1960年代半ばに内閣府が行った「国民生活に関する世論調査」で、自らの生活程度を中流(中の上、中の中、中の下を足した指数)と回答した数は8割を超えました。
それを称して「一億総中流」と呼ばれた、貧富格差の少ない国でした。
それは共産主義国よりも貧富格差(意識)のない国でした。
その後、バブル期、バブル崩壊、リーマンショック、デフレ時代を経過しながら、現在同じ調査をしたところ、なんと9割が中流と答えたのでした。
一億総中流は依然続いているのです。
あくまで個人の意識の問題なので、実際には格差は拡大しています。
23)東西ドイツ統一、コール元独首相死去
第2次大戦後に分裂していた東西ドイツを、統一に導いたヘルムート・コール元首相が死去しました(87歳)。
在任期間は1982~1998年、戦後最長記録の16年にわたってドイツ連邦首相を務めました。
日本の当時の首相は中曽根康弘から竹下・宇野・海部・宮沢・細川・羽田・村山をはさんで橋本龍太郎までの期間で、バブル期からバブル崩壊、失われた10年まで、結構大変な時代でした。
東西分断国家を統一するというような偉業は、こういう大政治家の存在がなければ不可能でしょう。
同じく南北分断国家である隣国は、口先だけで世論に左右される浅はかな歴代大統領と、世襲による膠着した空っぽの三代目では、無理だろうなあ。
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