《 幸せのひろいかた 》  フェルトアート・カントリー木工 by WOODYPAPA

《 幸せのひろいかた 》  フェルトアート・カントリー木工 by WOODYPAPA

2019年03月19日
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カテゴリ: 幸せ読書日記
​​​​​​​​​ ​​ ​​ ​​ ​​​​​​​​​​​​​​​先ほど『真珠の耳飾りの少女』をアップしましたが、日付を見るとちょうど1か月ぶりのブログ更新でした。
確かにこの作品に手がかかっていたこともありますが、他の理由としてこの間本を読んでいたいたということもあります。
いつも読んでいますが、特に読み込んでいました。
何の本を読んでいたのかというと、「発達障害」に関する本です。
身近な人に、もしかしてと思われる人がいて、どう向き合えばいいのか知りたかったのです。
1冊読んだらさらにいろいろな疑問がわき、次々と関連する本を読み漁る毎日でした。
読んだ本を並べてみると8冊ありました。
ようやくそれで「発達障害」についてわかってきたのですが、いろんなことが胸に突き刺さりました。
世の中には本格的(?)な発達障害の人のほかに、発達障害傾向とされるグレーな人が思いのほか多く存在します。
発達障害と認定(?)されないグレーな人は、それぞれ社会の中で生きづらさを感じながら、苦しんでいるのです。
一方周りの人は、その人たちが発達障害であるという理解が全くなく、わがままで自分勝手な仕事ができない人という認識しかありません。
お互いに理解が得られず、職場の雰囲気が悪くなっていきます。
これには当人と周りの双方に問題があり、どういう接し方をすればいいのかを、双方が考えなければならないことだとわかりました。
それとは別に、発達障害の症例を見ていて、自分にも思い当たるふしがあり、もしかして僕ってグレーだったんじゃないかと思いました。
自分は認識していなかったけど、周りはそういう目で見ていたのかもしれない。
自覚のないまま、自由すぎる振る舞いをして、周りに迷惑かけていたのかも。
十数年前、僕は”うつ症状”に悩まされていましたが、ひょっとすると発達障害が原因だったのかもしれないとも思いました。
僕は常に正しい選択をして生きてきたつもりですが、案外違っていたかもしれない。
たまたまうつ症状脱却のために、いろいろな勉強をして今日の安定を得ましたが、これまでの人生の中で何か勘違いをしていたのではないかという疑問がわきました。
とにかくいろいろなことが頭をよぎりつつ、発達障害を学習しました。
せっかくだから、整理した記録として、何冊かピックアップしてここに書いておこうと思ったわけです。

「発達障害」についての基本的な知識をお勉強する意味で始めたいと思います。
まず1冊目は、発達障害のついての知識が詰まった『発達障害に気づかない大人たち』。
著者の星野仁彦先生は福島大学大学院教授で、心理内科医・医学博士です。
そして、ご自身も”大人の発達障害者”です。

いつものように、 青字 は著書の引用で、〔 〕内は読みながら感じた僕の思いつきです。思いつきなので、本文に即しているとは限らず、飛ばしてくれてもかまいません。











『発達障害に気づかない大人たち』
星野仁彦



はじめに 

 いい大人なのに、机の上が片付けられない、忘れ物やミスが多い、約束や時間を守れない、すぐキレる、空気が読めない・・・・。
 あなたのまわりにも、そんな「ちょっと困った人」がいないでしょうか? あるいは、あなた自身がそのように思われている可能性はないでしょうか?
 もしそうだとしたら、その原因は「大人の発達障害者」かもしれません。
「発達障害」と聞いて、それは子どもにだけ現れる症状なのでは、と思われた方も多いかもしれません。しかし、発達障害はむしろ大人になってから顕在化することが多いのです。
 発達障害は決して珍しいものではありません。ある統計では、15歳未満の子どもの一割以上が何かしらの発達障害の症状を示すという結果も出ています。そして、その多くが、発達障害と気づかないまま大人になっていくのです。
「障害」という日本語が誤解を与えがちですが、この症状は知能の発育にのみ関係するのではなく、勉強の成績がトップクラスの子の中にさえ、発達障害の子はいます。
 何を隠そう、その研究や治療に携わる私自身が、実は発達障害者なのです。


〔星野先生がどのような方なのか知らず、題名で選んだ本だったのですが、のっけから驚きのカミングアウトでした。しかし、他の本を読み重ねるにしたがって、発達障害でも受験戦争を勝ち抜いて医師免許を得ることが、奇妙でも何でもないことがわかりました。星野先生がどのように社会に対応したかは後につづられます〕


​大人の発達障害って何だ?​
​​​
 発達障害は、とてもわかりにくく、見えにくい障害であるため、しばしば当事者は、その言動から、怠け者や変わり者、自分勝手なわがまま人間と思われることが多いなど周囲に誤解されやすく、また理解や協力が得にくい面があります。
 適切なケアとサポートを行うには、周囲の正しい理解と協力が不可欠です。


〔同僚にちょっと厄介な人がいる場合、関わるのは”仕事”ですから、その人がミスや失敗、時間内にできなかったときは一緒に働く者に負荷がかかってきます。同じ給料をもらっていて「なんで?」と思ってしまうのは仕方ないでしょう。そんなことの繰り返しで、職場の雰囲気も悪くなります。でも、それが個人の”障害”であるのならば、対処法を学ぶということが必要ではないでしょうか〕


 発達障害者には「ちょっと変な」「ちょっと困った」独特の言動が見られます。その原因は、脳の機能障害にあるとされています。
 具体的に言うと、「中枢神経系(脳)の発育・発達が、何らかの理由(遺伝、妊娠中・出生時の異常、幼児期の病気など)で、生まれつき、または幼児期に損なわれ、言葉、社会性、協調運動、基本的な生活習慣、感情や情緒のコントロールなどの発達が、未熟、アンバランスになるために起こる」と考えられています。
 ごく大雑把に言えば、脳機能の発達の凸凹(偏り)が原因であり、一時的には家庭環境や本人の性格などは関係ありません。あくまで本質的な原因は脳であり、心の問題ではないのです。


​〔「脳の障害」と言われて、​「なーんだ、そうだったのか」と納得する人はどれだけいるでしょうか。職場にいる困った人にそんなことを言えば、「パワハラで訴える」とキレられそうです。本人に自覚を促す前に、周りの人が理解することが第一歩だと思います〕


 一般に発達障害と言った場合は、①注意力に欠け、落ち着きがなく、時に衝動的な行動をとる「 注意欠陥・多動性障害(ADHD) 」、②社会性(対人スキル)に欠ける「 広汎性発達障害(PDD )」― これには「 自閉症 」、「 高機能自閉症(HFPDD) 」、「 自閉症スペクトラム障害(ASD) 」、「 アスペルガー症候群(AS) 」などが含まれる ― 、③読む、書く、計算するなどの能力のうち、ある特定の学習能力の習得に困難をともなう「 学習障害(LD) 、④知的能力に遅れのある「 知的障害(精神発達地帯) 」、⑤運動や手先の器用さが劣る「 発達性強調運動障害 」などをすべて含みます。

 発達障害が複雑でわかりにくいのは、家庭環境や学校環境など二次的な心理社会的要因によっても障害の現れ方に違いがあり、思春期・青年期や成人になって、うつ病や不安障害、各種依存症(薬物・アルコールなど)、パーソナリティ障害など、さまざまな合併症や二次障害を示すケースが少なくないからです。


〔学校の”いじめ問題”も、”いじめられる方”と”いじめる方”と、双方に発達障害が起因している気がします。それが大人社会においても、「ハラスメント」と名前が変わっても、ハラスメントを”する方”と”される方”の両方に、発達障害に対する無知が原因となって問題を起こします〕



 発達障害で近年特に問題になっているのは、知的レベルが比較的高い軽度(高機能)の発達障害者で、具体的にはADHD、LD、HFPDD、ASなどを指します。
 軽度の発達障害が世の中の注目を浴びるようになったのは、主に三つの理由によります。

①予想以上に高い割合で存在することがわかってきた。
 統計によって異なりますが、ADHDやLDは十五歳未満の子どもの人口の6~12%、HFPDDやASは1.2~1.5%存在します。彼らのほとんどは養護学校や特別支援学級ではなく、普通学級に在籍しています。

②ストレス耐性が弱く、不利な環境に対して反応を起こしやすい。
 軽度の発達障害者は、ストレスに対する抵抗力が弱く、学校でいじめられたり、家庭崩壊にあるような機能不全家族に育つと、不登校、非行、小児うつ病、心身症など、さまざまな二次被害や合併症を高頻度で示すことがわかってきました。

③就労と社会適応が難しい
 軽度の発達障害者は、何とか高校・大学まで終了したとしても、その後の就職と社会適応が困難になることが少なくありません。場合によっては長期間の引きこもりやニートになることもあります。また成人になると、さまざまな心の合併症 ― 特にうつ病、依存症、パーソナリティ障害、不安障害(神経症)― をともなうこともあります。


​〔​僕は自身の経験もあって、”うつ病”についてはある程度の知識がありますが、脳(脳内物質)のトラブルということから、「発達障害」と「うつ病」は同じカテゴリーの中にあることがわかりました。原因も症状も同じです。つまり、脳の障害(先天的なものと後天的なストレスによるもの)からうつ症状が引き起こされ、”希死念慮”にまで落ち込んだ場合がうつ病と診断されるということなのでしょうか〕



 際立って「認知や記憶能力の発達」が遅れていればLD、「社会性の発達」が遅れて入れば自閉症、「感情、情動や行動のコントロールの発達」が遅れていればADHD、「運動(特に強調運動)の発達」が遅れていれば脳性麻痺、発達が全般にわたっていれば知的障害というように理解されます。
 しかし、これらは明確に分けられるわけではなく、たとえば、ADHDはよくLDを合併しますし、重度の自閉症は知的障害を合併しやすい。単純ではないのです。

 しかし、現実には成績優秀な子供ほど、発達障害は見過ごされやすいのです。
 成績がよければ、少しぐらいおかしな行動があっても、「あの子はちょっと変わっているから」ですまされやすいし、横並び意識の強いこの国では、たとえ発達障害を疑ったとしても、世間の手前、親も教師もなかなかそれを認めようとしないからです。その結果何の治療もカウンセリングも受けないまま大人になていく人が少なくないのです。


〔学校の中で、ちょっと変わった子は個性ということで処理されます。学校は勉強をするところで、成績に問題がなければ、とりあえず社会性はあまり重要視されません。生徒間で損得勘定や、不公平の不満は子ども世界では感じないのでしょう。そうして見過ごされた他者とのかかわり方の不備が、社会人になってはじめて問題化するということです〕


​こんな人は、発達障害かもしれない​

【1】注意欠陥・多動性障害(ADHD)の特徴

​(1)多動(運動過多) ― いつも落ち着きがなくソワソワしている

 ゆったりとくつろぐことができず、せっかちでいつも何かしています。彼らはみな一様に、「長い時間じっとしているとかえってイライラして不快になる」と言います。

 このため用もないのにウロウロ歩いたり、座っていても頻繁に姿勢を変えたり、足を組みなおしたり、机を指でたたいてコツコツ音を立てたり、貧乏ゆすりをしたりします。早口で絶え間なく一方的にしゃべったりもします(舌の多動)。
「新規追求傾向」があるため、新しい刺激を求めて次々と興味や関心の対象が移り、新しい趣味やレジャーに手を出します。
 職業を転々と変えたり、引っ越しを繰り返したり、頻繁に付き合う相手が変わるなど異性関係も落ち着きがなかったりします。


​〔息子の小学校のクラスに「多動」の子がいました。授業参観の時も、授業中歩き回っていました。本来特殊学級に入るべきところ、親が付き添うことを条件に普通学級に入りました。先生は大変そうでしたが、子どもたちは受け入れている様子でした。あの年代は大丈夫なのに、いつごろから排除されるようになるんだろう。社会の規律や、正義とかが判断基準に変わっていくときと同期するのだろうか。
そういえば、僕も小学低学年の頃は、通信簿に「注意力散漫」といつも書かれていました。本人に覚えはないんだけど、もしかしたら迷惑かけていたのかもしれない〕​



(2)不注意(注意散漫) ― 気が散りやすく、集中できない。

  脳の軽度の機能障害によって、目が覚めているときでも、自分の興味や関係のないことには覚醒レベルが低下して、注意散漫になってしまう。気が散りやすく、一つのことに長い時間集中できません。
 その結果、仕事、家事、会議、読書などの途中で集中力が途切れて意識が別の世界に飛んでしまう。極端な場合、居眠りしたり、時々ボーとして「心ここにあらず」で自分の世界にトリップしてしまったりします。
 家庭でも職場でも計画性がなく、「管理すること」が苦手です。
 金銭管理ができないのでお金を計画的に使えず、浪費癖や衝動買いに走りやすい。時間の管理も苦手で仕事や雑務を計画的にできません。決められた日課をこなすのは大の苦手です。片付け・整理整頓ができず、物事をやりっぱなし、服を脱ぎっぱなし、本を読みっぱなし、食べ物を食べっぱなし、テレビをつけっぱなし、戸や窓を開けっぱなし……。部屋はゴミ屋敷です。
 車の運転中も信号の見落としなどで事故を起こしやすく、職場でも器具の操作ミスが多いので、産業事故や労災事故につながりやすい。


〔知人に、仕事中に突然眠気が襲いコトンと寝てしまう人がいました。「ナルコレプシー(居眠り病)」という睡眠障害を疑っていましたが、検査の結果は違いました。その後、発達障害の検査をしたとも聞きましたが、そうであったら早く診断してもらって自覚した方がいいでしょう。きっと職場では怠けてるとかやる気がないとか思われているでしょうから、誤解を解いて周りの理解を得ることが必要になります。そのうえで、可能な限り配置転換や、転職などで自分にふさわしい環境に近づくことが最善策です。適正な職場があることを願います〕


(3)衝動性 ― 後先考えず思い付きで行動してしまう

 ADHDの子どもは、物事の善悪や後先のことなどまったく考えずに、思いついたら、ぱっと行動したり、すぐに口に出して言ってしまったりします。
 このような衝動性は大人になっても残ります。彼らは会話の途中だろうが、仕事の会議の最中だろうが、そのときの思いつきや気分でパッと発言したり、行動したりします。TPO(時と場所、場所にあった方法)をわきまえた振る舞いができないのです。
  このため、その場にそぐわない”KY"(空気が読めない)発言を連発して顰蹙を買ったり、相手を傷つけたりします。仕事でも突発的なミスを繰り返し、私生活でも衝動買いをしたり、大酒を飲んだり、ギャンブルで大損したり、たびたび交通事故を起こしたりします。異性ともその場の雰囲気や勢いで関係を持ってしまうことが多いため、しばしば浮気や不倫をしたり、性病や妊娠のリスクも高くなります。
 一般にADHDの衝動性は、脳内で分泌されるドーパミン、ノルアドレナリン、セロトニンなどの神経伝達物質のうち、特にセロトニンが不足し、衝動や欲望をコントロールできなくなるのが原因とされています。うつ病になったり、アルコールや薬物などの依存症に陥るケースが多いのは、そのためです。


​〔僕は小学高学年になると、理由がよくわからない状況で先生に激怒された記憶があります。何かしでかしてしまったんだろうけど、原因となった出来事は覚えていません。本人は何が何だかわかっていませんでした。授業中ボーと何かを考えていて、突然変なことを言ったんだと思います。あの頃は、理由もなく怒る嫌な先生だと思ってましたが、問題はこちらにあったのだろうことが、今更ですが判明しました〕​


(4)仕事の先延ばし傾向・業績不振 ー 期限が守れず、仕事がたまる

 これはADHDの「先延ばし傾向」と呼ばれるもので、
①自分の興味や関心の向いたことを優先してしまう
②自分のやるべきことをすぐ忘れてしまう
③新しいことへの心理的抵抗や不安が強い
などが原因とされています。
 ADHDでは大人になっても先延ばし傾向が続くため、家でも職場でもやるべき仕事が先延ばしされ、山積みになってしまいます。物事の優先順位がつけられず、あれもこれも同時進行で進めるので、いつまでたっても仕事が終わりません。


​〔僕の現在の仕事は調理の仕事で、​これは同時にいくつものタスク(作業)をこなさなければなりません。お店をやっていたころは、いくつものオーダーを同時に完成させるということもこなしていたので、その方面での僕は、これに当てはまりません。一方、今の職場でマルチタスクができない同僚はいます。やり方を教えてもパニックになるだけで、さっぱり上達しません。発達障害があるとしたら、今後も期待できないということです。それでもできる仕事を選択してあげる方がいいでしょうが、実際は難しい問題です〕



(5)感情の不安定性 ― 「大きくなった子ども」たち

 ADHDの多動・衝動性優勢型(ジャイアン型)の場合、自分の思い通りにならないと、ほんの些細なことでもすぐに不機嫌になり、瞬間湯沸かし器のように怒りの感情を爆発させます。このため周囲からは「短期でキレやすい、癇癪持ち」と思われています。
 キレたときは、彼らは一種の解離状態(思考や感情などの精神機能一部が事故から切り離され多状態)に陥り、あとで聞いてもキレたことを覚えてないことが少なくありません。また理由もないのに妙にウキウキした高揚したハイな気分になることもあります。
 これに対してADHDの不注意優勢型(のび太型)の場合は、やはりささいなことで不機嫌になるのですが、逆に気持ちが落ち込んでメソメソします。実際にはこの両者の混合型が多いので、キレたかと思ったら、メソメソ落ち込んだりするケースが少なくありません。


​〔暴力事件を起こす人は発達障害の色が濃いでしょう。犯罪者の多くは、発達障害から自分が抑えきれずに罪や違反を犯しているのかもしれない。時間経過を待って反省する人はまだしも、一向に自分は悪くないと思っている人も多いはずです。

(​民族的にすぐカッとなる隣国人は、DNA的に脳の障害を抱えているのかもしれません。自分の非を認めない、他人・他国や環境のせいにする、自分で嘘をつきながらその嘘を自分で信じてしまう。この国の人も障害を自覚するべきです)〕


(6)低いストレス耐性 ― 心配と不安が感情の暴発を招く

 発達障害者は一般にストレスに対する耐性や抵抗力が極めて低いため、飛び切りの心配性で強い不安感に囚われやすいのが特徴です。

①人間関係に必要以上に不安や緊張を抱きやすい「対人不安」
②病気のことを心配しやすい「心気不安」
③親や友人、パートナーなどに依存しやすく自立できない「分離不安」
④なんでも完璧にしないと気がすまない「完全壁不安」
​ 

〔少し前に「名探偵モンク」というアメリカのTVドラマがありました。38個の恐怖症・神経症を持つ名探偵が主役で、天才的な記憶力と推理力で難事件を解決します。頭脳は明晰なのですが、恐怖症・神経症から絶えず奇行を繰り返し、見るものをイライラさせるのですが、鮮やかななぞ解きを披露する大好きなドラマでした。ただ、神経質で異常なこだわりを見せるモンクの姿が、時々自分とダブるときがあり、もしかしたら僕もあんな風にみられていたかもと思うときがありました〕


感情の暴発が暴力事件に至ることもあり、しばしば児童虐待やパートナーへの家庭内暴力(DV)となって現れます。筆者の経験した症例では、既婚者で子どものいるADHDの人の限れば、51例中25例(49.0%)に児童虐待が見られました。
 ちなみにこのケースでは、虐待された子どもの多くも発達障害でした。
 発達障害児の場合、親もまた発達障害であることが少なくなく、「モンスターペアレント(理不尽な要求を繰り返す保護者)」の多くはそうだと考えられます。
 いずれにしろ、発達障害で癇癪を起して怒り狂ってもそれが長続きしません。すぐに平静な状態に戻り、何事もなかったようにケロッとしています。一種の解離状態で、キレたこと自体を覚えていない人が多いからです。


〔去年今年と、親による子どもの虐待殺人が起きました。子どももそうだったかはわかりませんが、虐待をする親は、発達障害の色が濃いでしょう。その認識が社会にあれば、悲劇が起きる前に子供を引き離して守ることができたはずです。親の人権とかしつけの権利だとかに惑わされて、虐待の本質を見間違っていました。アメリカでは当然この手の親から子どもは隔離されます。犯罪を未然に防ぐ正しい判断です〕


(7)対人スキル・社会性の未熟 ― 空気が読めず、人の話が聞けない

 対人関係が苦手で不器用なのは、すべての発達障害者に共通する傾向です。
①人との約束事や社会ルールが守れない
②自己中心的で他者との協調性に乏しい
③人の気持ちを読んで、場面や状況に応じた対応ができない
④頭のなかで考えていることをうまく言葉で表現できない
⑤感謝・反省・共感などの気持ちをうまく表現できない
⑥人に助けを求めたり、要求を断ることができない
⑦友人や恋人などとの信頼関係を持続できない
⑧いじめや仲間外れの対象になりやすく孤立しやすい

 一般の健常者は、人と会話するとき、相手の話だけ聞いているわけではありません。相手の表情や口調、声のトーン、間の置き方、さらには周囲の状況なども含めて、相手の気持ちを汲み取ろうとします。発達障害者にはそれがうまくできません。
 一言で言えば、他者と喜怒哀楽の感情を共有する「共感性」に欠けるのです。
 このため平気で人を傷つけることを言ったりします。しかし、一方で、人一倍傷つきやすく、些細なことですぐに落ち込んだりもします。


​〔「対人スキル」は、人が生まれ持っているものではありません。​様々な失敗やしくじりの経験から学んで、成長とともに身に着けるものです。人とのかかわりにおいて、嫌な思いをしたり、逆に不快を与えて感情を拗らせたりしたことから、対策としてどうすればいいかを学ぶのです。そのためにはある程度の感受性が必要です。しかし、そこに欠陥がある場合は自分で対策を練るどころか、相手に感情を損ねていることすら気づかないのだから、何も進歩は生まれないということになります〕


(8)低い自己評価と自尊心 ― マイナス思考と募る劣等感

 発達障害者は、そもそも自分自身を客観的に正しく認識する「自己認知」が苦手です。また他者を正確に認識する「他者認知」も不得意です。
 加えてADHDの人の多くはマイナス思考で、物事を否定的、悲観的、被害的にとらえる傾向があります。思春期・青年期になって、不十分ながらも自分自身をある程度客観的に観察できるようになると、そうしたマイナス思考の影響から、自己評価や自尊心が低くなり、人から疎外され、軽蔑されていると被害的に捉えるようになります。
 一つは彼らが小さいときから達成感や成功体験を積み重ねることができず、むしろ挫折感や失敗体験ばかりを重ねて、家庭や学校、職場などで低い評価を受け続けるからです。

 もう一つの理由は、脳機能障害です、
 具体的には、自尊心を司る前頭葉から基底核・線条体に至る「報酬系(ドーパミンを分泌して快感を高める神経系)」という部位が未発達で、自己像・自尊心が低くなりやすいと考えられています。


〔この辺がうつ病と相関するところです。過剰なストレスから自律神経に失調をきたし、体に変調が起きるのがうつ病です。マイナス思考の人は、ストレスをもろに受けてしまいます。ネガティブスパイラルに陥ると、悪い方悪い方へと思考が進みます。そしてついには絶望に突き当たり、死んでしまいたくなるのです。そうならないようにするには、誰かのサポートが必要なのですが、これもまた周囲の理解が前提になります〕


(9)新奇追求傾向と独創性 ― 飽きっぽく一つのことが長続きしない

  彼らは基本的に飽きっぽく、退屈に耐えられず、少しでも退屈を感じると、すぐに何か新しい物を探して頭のなかのチャンネルを切り替えます。
 古くからある決められたやり方や手順を嫌い、常に新しいものや熱中できるものを探して、好奇心の赴くままに外界の刺激を追求します。

 ADHDの人は、爪かみ、チック、抜毛などの習癖(習慣となっているよくない癖)を高い確率で合併しやすいのも特徴です。
 彼らは自分の興味や関心のないことには覚醒レベルが低下してボーッとなってしまうので、自ら脳を刺激し、覚醒させるために、こうしたスリルや習癖に走っているのです。


​〔これも僕の小学低学年の頃ですが、教科書の角や鉛筆の端をいつもかじっていました。それから、高いところから飛び降りるのが好きでした。やはり子供の頃の僕は、発達障害のしるしがいくつか伺えます。障害というより発達が遅かったのではとも考えられます。
一方、もっと好きなものに打ち込める環境にあったら、何かすごいものが残せたかもしれないとも思ったりもします。なんせ発達障害と言われているスティーブ・ジョブス(Apple創業者)とビル・ゲイツ(Microsoft創業者)はともに僕と同い年ですから〕​



ADHDの人はタバコやコーヒーなどの嗜好品に依存したり、コカインや覚せい剤などの刺激系の薬物に依存しやすいのも大きな特徴です。これも覚醒レベルの下がった脳を自分で刺激して注意集中力をあげるためとされ、精神薬理学的には「セルフメディケーション(自己投薬)と呼ばれています。

 発達障害者は、興味のないことへの「不注意傾向」と、興味のあることへの「集中傾向」を合わせ持っているわけです。これは普通の人でもよく見られることですが、発達障害者の場合はその差が極端なのです。
 ADHDの新奇追求や独創性は、長所にも短所にもなる症状で、過集中傾向も併せてうまくプラス方向に活用できれば、自分の才能や能力にあった職業に就いて、思う存分、独創的な仕事をやることができ、結果的に素晴らしい業績を残せる可能性があります。


​〔ちょっと変わり者​の中に発達障害者がいるというより、そういう人はみんな発達障害傾向があると見た方がいい。良い発達障害と悪い発達障害という風には分けられませんが、考え方としてはその人の不得意なものはなるべく免除して、得意なものに特化して能力を使ってもらうようにするのが正しい方向性でしょう〕


(10)整理整頓ができず、忘れ物が多い ― 仕事はできるが家事は不得手

  これは大人のADHDの基本症状である「不注意」と密接に関連しますが、近年、注目されているのは「記憶障害」、なかでも「ワーキングメモリ(作業記憶)や「手続き記憶」との関係です。
 ワーキングメモリは、一つの情報を保持しながら別の活動をするための記憶です。
 キッチンでカレーを作っているときに電話がかかってきたとして、普通ならば、通話相手と話しながらも、なべのそばを離れず、ときどきはこげないようにかき回したりするはずです。電話をしていても、「カレーの鍋が火にかかっている、気を付けないといけない」という意識がちゃんとはたらいているからです。
 このように、いまやっていることとは別に何かをやらなければならないとき、それに必要な情報を必要な期間だけ貯蔵し、「こっちもあるから忘れちゃダメだよ」と頭の中で注意を喚起する仕組みが、ワーキングメモリなのです。
 ワーキングメモリは、脳の前頭前野が司っているとされ、ここに問題が発生すると、複数のことを同時にこなしたり、今ある課題をどう順序立てて実行すればいいか考えたり、いくつもある条件のなかから最適な答えを見つけたりするのが困難になります。
 たとえば、仕事中に同僚あてに電話がかかってきたら、普通は彼の所在を確認し、必要に応じて取り次いだり、不在などで電話に出られないなら、代わりに話を聞いて伝言メモを残したりするはずです。大人のADHDの人は、こうした当たり前の事務、雑務ができず、しばしば取次や伝言をしないでトラブルになったりします。


〔これこそ適材適所(不適材不適所)を考えなければなりません。なんでこんなことが出いないんだと考えるより、出来ないことをリストアップしていくということです。本人に自覚がなく、どうして自分にはできないんだろうと悩ませるより、デキる作業に特化してあげることのほうがお互い助かります〕


 手続き記憶とは、自動的に物事の手順を実行する際の「知覚的(触る・見る)」、「運動的(ものを動かす)」、「認知的(物を知覚して認識する)」な記憶であり、具体的には車や自転車の運転、タイピング、楽器演奏、水泳、読経などのように繰り返して行うことで獲得されるタイプの記憶です。

 簡単に言えば、体で覚える記憶であり、意識しなくても使えるのが特徴です。

 大人の発達障害は、よく「本業はできるのに雑務ができない」「仕事はできても家事ができない」と言われますが、それは不注意傾向とともに、記憶障害があって、
①雑多な用事の優先順位をつけ、
②先を読んで手順を考え、
③やりかけの仕事を最後まで続けて完成させる、
 という一連の作業を段取りよくできないからです。
 片づけられず、忘れ物が多いというのは、まさにその結果なのです。


​〔優先順位が間違っている人って確かにいます。その人と仕事をするといつもイラッとするので、「君のやろうとする順番の、逆の順番でやるといい」なんて言ってしまったこともあります。なんてひどいことを言ったのだと今は思います。傷ついていたらごめんなさい〕


(11)計画性がなく、管理が不得手 ― 低すぎる「生活の技術」

  発達障害者は、私物の管理をはじめ金銭、時間、書類、食事、掃除、睡眠など、日常生活全般にわたる諸々の管理が、例外なく苦手です。
 片づけは大の苦手で、時間の使い方も無計画。就寝・起床時間はいつもバラバラで、遅刻の常習者です。思い付きで約束したり安請け合いをすることも多く、結局、それを守れない。
 もともと先の見通しやビジョンを描くのが苦手なので、目標に向かってコツコツ勉強したり、お金を貯めたりということができません。お金の使い方もまるで計画性がなくしばしば衝動買いや借金を繰り返します。多重債務者が多いのも特徴です。


〔職場をクビになるかどうかの境目は、遅刻をするか、無断欠勤もしくはドタキャンをするかです。それ以外は叱られることはあってもなかなか辞めさせられません。職場にいる困った人で、ちゃんと仕事に来る人は、それなりに努力をしてそこを守っているのでしょう。出勤するだけで、かなりのプレッシャーを受けているかもしれません。そうであれば、そこは認めてあげましょう〕


(12)事故を起こしやすい傾向 ― 「ジャイアン型」が危ない

 彼らがよく事故を起こすのは、

①不注意傾向
②衝動性
③睡眠障害

 集中力に欠けるため、信号や交通標識を見落としたり、些細なことでカッとなって無理な追い越しをしたり、スピードを出しすぎたり、睡眠不足から居眠り運転などをしやすいのです。


〔あおり運転など、暴力的運転をするドライバーは、間違いなく発達障害傾向があるでしょう。カッとなって歯止めがきかなくなる人はみんなそうです。怒りやイライラは、自分を客観視することでおさめることができます。怒りっぽい人は、自覚と訓練で治せます。建築の仕事をしていたころは、僕もよく若い衆を怒鳴っていましたが、いろいろあって、いまは職場では怒りません。人は変われます。まずは自覚、素直に反省、そして自分を客観視する訓練〕


(13)睡眠障害と昼間の居眠り ― 寝ていても起こる睡眠不足

 発達障害者は一般に睡眠効率が悪く、7~8時間寝たと思っても、実際には眠りが浅く、4~5時間しか睡眠がとれていません。
 このためどうしても昼間の居眠りが多くなります。昼間、眠くてしょうがない「昼間過眠症」です。このタイプのADHDを米国では「ディ・ドリーマー(昼間から夢を見ている人」と呼んでいます。

 心身の健全な発達に必要な成長ホルモンやメラトニン、セロトニンなどの重要物質は、夜間のノンレム睡眠(深い眠り)の間に分泌されます。脳に機能障害があって睡眠障害が起こると、これらの物質が十分に分泌されなくなり、こころとからだのバランスが崩れてしまうのです。


〔仕事中ボーとしている同僚に、「夜眠れてる?」と聞くと、「眠れてます」と答えます。「だったらボーとしてるな」と言外に言ってるわけですが、本人には通じません。彼らには言葉の裏を読む力が欠けています。また、眠れているというのが本当なら、眠りが浅いのかもしれません〕


(14)習癖 ― 男性に多いチック症、女性に多い抜毛癖

  チック症は、顔面、頸部、肩などにピクピクッとした瞬間的な動きが、本人のいしとは関係なくくり返してしまうことを言います。
 一番多いのは瞬きで、ほかにも肩をぴくっと動かす、頭を振る、顔をしかめる、口を曲げる、など色々とあります。
 比較的軽い一過性のチックは、母親などの過干渉や支配的な養育態度によって起こる心因性のものですが、重度の慢性チックになると、家庭の養育環境の偏りだけでなく、何らかの脳の機能的・器質的障害が関与していると考えられています。これまでの研究では脳の線条体、尾状核などの基底核の異常が指摘されています。


〔チック症と聞いて思い浮かぶのは、ビートたけしと石原慎太郎。だれでも知っている日本を代表するレベルの有名人です。どちらも私生活に問題も多い人ですが、才能に関しては疑いなく認められています。また、この人を好きかどうかで、大きく二つに分かれるのも一緒です〕


  抜毛癖は、自分の毛髪、眉毛、脛毛などを無意識に引き抜いてしまうものです。ひどい場合、頭皮の地肌が見えるまで抜いてしまう人もいます。
 また抜いた自分の毛や人形の毛などを食べる「食毛症」になる人もいて、この場合は毛が腸内に移動してイレウス(腸閉塞)を発症したり、毛が胃液で石灰化(毛髪胃石)して胃潰瘍を発症することもあります。
また抜毛壁は、爪かみと同様、不注意優勢型(のび太型)のADHDに多いので、半覚醒・半睡眠の状態にある自分の脳を覚醒させるために自己刺激的に行っている自己投薬の一種なのかもしれません。


(15)依存症や嗜癖行動に走りやすい ― 「自己投薬」したがる脳

 酒、タバコ、コーヒー、薬物(大麻、シンナー、覚せい剤、コカインなど)、ギャンブル、買い物、過食、恋愛、セックス・・・・。発達障害者の中には、さまざまな依存症や嗜癖行動に走るケースが少なくありません。

①アルコール依存症、薬物依存症、タバコ依存などの「物質依存」
②過食症、ギャンブル依存、買い物依存、セックス依存などの「行為依存」
③恋愛依存、夫婦間暴力などの「人間関係依存」

 ADHDの人にタバコを吸う代わりにニコチンを投与したところ、脳内のドーパミンという神経ホルモンを刺激するように働き、彼らの覚醒レベルを上げ、注意集中力を高めることがわかりました。
 また彼らにニコチンを投与して、コンピューターを用いた認知機能検査を行ったところ、投与後に認知機能が大幅に改善し、活気や気力が高まったと報告しています。このような効果は健常者では認められません。


〔僕の場合、ちょっと苦労はしましたが、15年前にタバコを止めることができました。タバコの是非については意見の分かれる部分もあるのですが、風潮として社会はタバコ禁止の方向です。そんな現代において、禁煙を考えつつまだ禁煙ができない人は、発達障害傾向を持っている人の可能性が高いでしょう〕


(16)のめり込みとマニアックな傾向 ― 男性に多い過集中とこだわり傾向

 車、電車、恐竜、気象、地図、歴史・・・・。自分の興味や関心のあることに強いこだわりを持ち、極端にのめり込んで、マニアックに一つのことをやり続ける ― 。
 これは発達障害者によく見られる過集中とこだわり傾向の典型的なパターンで、特にアスペルガー症候群(AS)に顕著にみられる傾向で、小学生の頃から「昆虫博士」「恐竜博士」「気象博士」などと呼ばれているのは、その多くがASの子どもです。
 圧倒的に男性が多く、90%以上を占めます。これは女性に比べ男性の方が、空想やファンタジーの世界に遊ぶ傾向が強いためと考えられています。

 彼らに向いている仕事は、基本的には技術職や学者、研究者など専門的な知識が生かせる職業です。
 逆に向いていないのは、
①書類の管理やお金の管理をするような仕事
②対人スキルを必要とする仕事
③失敗したとき大きな危険をともなう仕事


〔うまくその特性にマッチした仕事につければ幸いです。しかし、誰もがそんな能力を持っているとも限りません。しかも、子どもの頃から環境に恵まれて、才能を伸ばすことができる人などそうそういないでしょう。目につくことはできないことばかり。本人も悩ましく、周りも困惑しているのが現実です。問題を乗り越えるには、お互いにすべてを受け入れるということになるでしょう〕



​【2】アスペルガー症候群の事例​

​『 徒然草』に記された日本初のアスペルガー症候群の事例

「この僧都は容貌もすぐれ、力も強く、大食で、書を書くことも上手であり、学問・弁舌も人に秀れて、一宗の傑物だから、仁和寺のなかでも重く思われていたが、世間をなんとも思っていない変わり者で、何でも勝手気ままで、一向に人に従うことをしない。法事に出かけて饗応の膳につく時でも、その座の人々の前に、膳をずっと並べわたすのも待たないで、給仕が自分の前に据えると、すぐ一人だけ食べて、帰りたくなると一人でふいと立ち上がって帰ったそうだ。自分の食べたい時は夜中でも食べて、眠くなると昼でも部屋に鍵をかけて閉じこもるといったわけで、どんなに大切なことがあっても、人の言うことなど聞き入れない。目が覚めたとなると、幾夜も寝ないでいい気持になって悠々と歩いたりするなど、世間並みでないところもあるけれども、人に嫌われることもなく、すべて何事にも勝手気ままを許されていた。とくがたっしていたためであろうか」

『徒然草』第60段に書かれた、真剰院の盛親という高僧の話で、おそらく日本で初めて報告されたASの事例ではないかと思います。


​〔徒然草は高校の時読んでますが、もちろんそれが発達障害とは思いませんでした。人類誕生からずうっと、発達障害傾向の人は存在していたと思います。それが問題化されるようになったのは、現代社会の仕組みのせいなのかもしれません〕​



(1)対人関係(社会性)の未熟 ― そもそも友達を作る意欲がない

 ASの人は、深い人間関係を築けないのが最も大きな特徴です。ADHDも対人関係は不器用ですが、人と親しくなりたい、人に近づきたいという欲求は持っています。
 これに対してASは、人と親しくなりたいという欲求が希薄です。孤立しても平気で、子どもの頃から一人遊びが多く、誰かそばにいても一人で遊ぶのを好みます。
 人と会話していても、視線をあまり合わせず、手ぶり、身振りの表現が乏しい。また、人の表情や態度、身振りなどから相手の気持ちを汲み取ったり、その場の雰囲気や空気を読んだりできないので、悪気はないのですが、まわりが困惑したり、傷つくようなことを平気で言ってしまいます。
 競技やゲームをするときも、仲間と協力して楽しくプレーすることに考えが及ばず、常に一番になることや勝つことだけにこだわります。これは「自閉症の一番病」と呼ばれるもので、ASやHFPDDにみられる典型的な症状です。

 また決まりごとやルールを柔軟に考えることができず、融通がききません。変に正義感が強く、完全主義で過度に相手の好意を咎め、またそれを第三者に言ったりもします。
 このためなかなか友だちができない場合が多いのですが、本人は一向に気にしません。どう思われようがまったく無頓着なのです。


​〔友達を作ることに積極でないのは、僕も同じです。知り合いが増えることは、何かと役に立っていい面もありますが、付き合うとなるとめんどくさい。部分的に人の役に立つことは、むしろ喜びでもありますが、関係を保つだけの目的で時間を割くことはありません。その感覚が発達障害というなら、あえて否定はしません〕​



(2)言語コミュニケーションの欠如 ― 会話のキャッチボールができない

 知能の高いASの場合、幼児期の言葉の遅れはありませんが、彼らの言語コミュニケーションは一種独特なものがあります。
 会話は一方的で自分の言いたいことだけ話して、相手の話には関心を示しません。言葉のキャッチボールが成立しないのです、人との会話がうまくできないのはASの大きな特徴です。
 会話の仕方は形式的であり、同じ言葉の繰り返しや独特の言い回しをします。話に抑揚がなく、会話の間も取れません。しばしば話は回りくどく、細かいところにこだわる傾向が顕著です。しかもあちこち話が飛びやすいので、聞く方は疲れます。
 難しい言葉を使ったり、大人びたしゃべり方をする一方、含みのある言葉や裏の意味は理解できません。言葉の意味を字義通りに捉えるので、冗談やユーモアが通じず、たとえ話を本気で受け取ります。


​〔僕も昔は​一方的にしゃべって、恍惚としてた時期があります。あれも言いたいこれも言いたいでしゃべり続け、相手が付いてこれてないことに気づきハッとすることも。会話はお互いにキャッチボールをすることで楽しいんだと分かったのは最近です〕


(3)こだわり・興味限局傾向 ― 一つのことに異常なまでの興味を示す

 ASの人は、自分に興味のあるごく限られた物事に熱中し、それに関連した情報を集めるのに多大な労力と時間を費やすことを厭いません。
 ASの人は自分なりの特定の習慣や手順、順番に強いこだわりがあって、臨機応変に対応ができず、変更や変化を極度に嫌います。ルールや決まり事を頑固に守り、融通が利きません。突然、予定を変えられると、たちまち不機嫌になたり、パニックになったりします。
 ひどく苦手なことがある反面、飛び切り得意なこともあります。自分の空想・ファンタジーの世界に一度入ってしまうと、現実検討力が弱く、現実世界への切り替えが難しくなります。パソコン(インターネット)、携帯、ゲーム、ギャンブルなどにいったんハマるとそこから抜け出せなくなるのはそのためです。


〔この類の人が上司になると、モラハラが発生します。本人は正しい行動として注意や指導をしているつもりですが、されている相手は威圧感しか感じません。内容の理解より、感情のほうが勝り、いい結果に結びつきません。お互いが発達障害傾向がある場合は、どちらも譲れないので決裂します。「自分が正しくて相手が間違っている」ということを言い合うだけなら、それは話し合いとは言えません〕


(4)感覚・知覚の異常 ― 味覚や嗅覚、触覚と聴覚の過敏

 ASの人は、聴覚、触覚、嗅覚、味覚などに異常に敏感だったり、逆に鈍感だったりします。彼らは往々にして食物の好き嫌いが多く、なかには極度の偏食に人もいます。それは味覚、嗅覚のこだわりとともに、それらに過敏に反応するためです。
 自傷行為で自分を傷つけることもありますが、これは痛覚が鈍いことが一つの理由になっています。その一方で、人から触られることに異常に敏感だったりもします。
 また、ある種の音を極度に嫌がり、騒々しいところでは不機嫌になったり、逆にハイテンションになったりする「聴覚過敏現象」を示すこともあります。特に、花火やピストルなどの大きな音や機械音に対して敏感で、パニックになることもあります。


〔食べ物の好き嫌いが多い人は、ちょっと面倒くさいタイプです。そういう人は音や匂いや光に過敏な感じがします。いつの間にか「こだわる」という言葉は、「店主こだわりの食材」などと見識があるというような使われ方をするようになりましたが、本来の意味は「心がとらわれて気にしなくてもいいことを気にする」という意味。物事はこだわらない方が生きやすいのです〕


​(5)協調運動の不器用さ ― スポーツ​ や手先の運動が上手にできない

 ASの人は独特な歩き方や走り方をします。つま先や膝を曲げたまま歩いたりするので、ぎこちなく、操り人形のように見えることがあります。歩行に合わせて腕を振れない子どももいます。
 縄跳び、器械体操、球技など、スポーツが不得意です。ボールを正確に投げたり受けたりすることは特に困難なようです。また、スポーツのルールが理解できず、応用するのも苦手です。多くの場合、折り紙、ハサミ、ひも結びなどの手先の運動も拙劣です。
 字を書くのがゆっくりだったり、絵を描くのに支障が出る場合もあります。
 このような協調運動の不器用さは、ADHDよりもASに目立つ大きな特徴です。近年のMRIの研究や死後剖検の研究で、自閉症やASに特徴的な所見として、小脳の発育・発達の未熟性が解明されましたが、この小脳は人間の協調運動を司る部分です。


〔仕事の中で、チームプレーに当たる協調して作業することができない人がいます。全体の流れを見て、最終的に効率よく作業を終わらせるには、今自分が何をすべきかを判断できない人。それが脳の問題なら、具体的にその都度指示してあげるのがいいでしょう。状況によって、前回と違う手順が必要なら、丁寧に説明してあげることも必要なことです〕



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最終更新日  2019年04月05日 12時24分19秒
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