機械式時計と煙草でブログ！

< 新しい記事

新着記事一覧(全2453件)

過去の記事 >

2011.10.08

アンフォーラ　フルアロマ

テーマ：パイプたばこを吸おう(1869)

カテゴリ：パイプ煙草インプレ

　この煙草も二度目のトライになります。
　最初に試したのは、やはりパイプ喫煙を始めて直ぐの頃で、もちろん日本で一番多く販売されている銘柄として試してみる必要に駆られてのトライでした。でも、喫煙技術が今よりも未熟だった当時は、この煙草の良さを感じ取る事ができませんでした。ピンと来なかったのです。
　で、最初に吸ってから、ほぼ１年経った今では、自分としてどんな評価になるのか、再び試してみることにしました。

　日本で一番売れている銘柄という事で、この煙草を良くご存知の方が多いと思いますので、「今更」感が大いに漂いますが、まぁ、私の評価とご自身の評価を比べながら読んでいただくと光栄です。m(__)m

　開封時の香りは、ミルク、柑橘系果物、蜂蜜といったところでしょうか。いわゆる柑橘系と言われる他の銘柄に比べて、ミルクのような角の取れた油っぽい香りを強く感じます。或いは、その部分はバージニア系の熟成臭かも知れません。
　葉のカットは細いリボンカットで、このまま手巻きでもいけそうな感じです。湿気は少し抑えられているようです。

　パイプに詰めて着火しますと、最初に感じる味は、だいぶ熟成されたバージニア系の甘さです。ちょっと脂っこくてクリーミーな甘さの中に、微妙に柑橘系の酸味と甘味が混ざっています。香りも、着香系と言うよりは、むしろ非着香バージニア系のそれに近く、比較的コッテリとした、何かをローストしたような雰囲気です。
　この煙草は、着香系の代表的銘柄だというイメージを私は持っていたのですが、むしろ微着香バージニア系の煙草のように感じます。

　日本のパイプ・スモーカーの界隈では、バージニア原理主義とラタキア至上主義が横行し（笑）、着香系は初心者煙草として軽視される傾向が強いと思っているのですが、そうした中にあって着香系のアンフォーラが最も売れているというのは、私は随分と不思議に思っていました。
　でも、このアンフォーラの実際の味は、着香系というより、バージニア系（微着香）の味だと感じます。方向性としては、ダンヒルのロイヤル・ヨットに近い気がします。葉のカットもそっくりです。
　私の感じ方が異常でないならば、この煙草は着香系好きの人向けではなく、むしろバージニア原理主義者向けの銘柄なのではないかと思うのです。それならば、この銘柄が日本で最も売れているというのも合点がいきます。
　どうも「フルアロマ」という、如何にも着香プンプンな雰囲気の名前が誤解を生んでいるようです。この煙草は、名前から想像されるような着香プンプン煙草ではないです。

　刻みが細かいので、過燃焼にならないように意識的にチビチビ吸っていきますと、喫煙中盤辺りで早くも着香成分らしき柑橘系の味がなくなり、そこそこ熟成された雰囲気のバージニア系らしいコッテリとした味わいになってきます。やはりこの煙草の着香は浅く、味の主役はバージニアの自然な甘さです。

　そうして中盤以降は、普通のバージニア系非着香煙草として吸い進められます。時折、柑橘系の味が舌先を掠めて、着香成分を思い出させてはくれますが、バージニア系の淡々とした味の推移に花を添える程度の存在なので、バージニアの味を隠してしまうような事はありません。

　という感じで喫煙終了。後味・残り香ともに、着香系というよりも非着香バージニア系のそれで、非常に落ち着きのある物です。火付き・火持ちも良いです。

　「バージニアNo.1」でもそうだったのですが、パイプ喫煙を始めた当初の私は、全体的にバージニア・ストレートの味にピンと来ていなかったようです。他のパイプ・スモーカーの皆さんのお話を伺ったり、ブログを読んだりしてみても、バージニア・ストレートの味に嵌るのは、パイプ喫煙を始めて暫く経ってからのように見受けられます。
　バージニア・ストレートの味は、着香系のような華やかさも、ラタキア系の自己主張の強さもなく、ある意味、非常に地味な味です。ですから、この味を感じ分け、尚且つ美味しいと思うようになるには、それなりの慣れが必要だという事なのでしょう。

　バージニア系微着香の煙草としてアンフォーラを捉えなおすと、熟成感もそこそこありますし、価格もかなり安いので、相当にお買い得な一品と考えることができます。日本で一番売れている銘柄という噂も納得です。

[納得の煙草ブログならココ Click!]