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2012.01.21

ラールセン　トゥルー・ディライト

(2)

テーマ：パイプたばこを吸おう(1869)

カテゴリ：パイプ煙草インプレ

　ラタキア物を吸うのは、本当に久しぶりです。
　このラールセン「トゥルー・ディライト」は、ラールセンのパウチ物の中では唯一のラタキア物であると伴に、やはりラールセンのパウチ物の中で、私が試した事のない唯一の銘柄です。これを吸えば、ラールセンのパウチ物は完全制覇となります。（笑）

　開封時の香りは、柑橘系の酸味の効いた甘味の中に、発酵した干草の匂いと、ラタキア臭が少し混ざってくるような感じで、ラタキア臭さが強くありません。これなら、ラタキアが得意でない私でも何とか行けそうな気がします。
　カットはリボンカットとラフカットの混合で、やや乾いた手触りです。

　火皿内径20mmのフィルターなしパイプに詰めて着火しますと、ちょっと不思議な香りが漂います。柑橘系の爽やかな香りの中に、ラタキアの粘るような匂いが少し混ざり、イメージとしては、納豆のように糸を引いているミカンとでも申しましょうか、そういう感じです。
　味の方も、香りのイメージと同じような雰囲気で、柑橘系の酸味ある甘味に、ラタキア系の粘っこい味が混ざり、何とも言えない複雑な味になっています。
　ただ、全体的にラタキア感は濃密ではなく、久しぶりにラタキア物を吸う私にとっては、丁度良い具合です。

　吸い進んでいきますと、再着火の直後とか、強く吸った時とか、燃焼温度が上がってしまった時にラタキア臭が強めに出ているようだという事に気付いたので、いつもよりもゆっくり少しずつ吸うように意識しました。

　喫煙中盤を過ぎると、ラタキア臭が更に希薄になり、ほとんど気にならなくなります。味の方も、ラタキア的な粘りが薄まり、全体的に柑橘系を中心にした軽快な味になってきます。ラタキアはコクだけ残して背景の中に隠れてしまうようなイメージです。
　こうなると、一般的な着香煙草と似たような感じになり、かなり吸いやすくなります。

　けれども更に吸い進んで喫煙終盤に来ると、今度は着香成分が飛んでしまったためか、煙草らしい軽快な甘さの中で、再びラタキア感が強まります。最後の最後で再び姿を現したラタキアは、この煙草がラタキア・ブレンドである事を思い出させるかのように、けっこう主張してきました。

　という流れで喫煙終了。後味は、軽めのラタキア感付きの柑橘系で、残り香にも微妙にラタキア臭が残りました。火着き・火持ちは良好で、且つ燃え過ぎるという感じでもありませんでした。

　全体的に、ラールセンらしい柑橘系の軽快な着香煙草に、ラタキアをスパイス的に加えたような煙草で、ラタキア部分と他の部分が衝突して馴染んでいないような雰囲気があります。個人的にはもっとラタキアを薄めた方が良いような気もしますが、ラタキアの存在感が好きな人には、この辺が許されるミニマムかも知れません。

　ラタキアに慣れていくための導入には、適した煙草のようです。

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