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2012.03.30

ボルクムリーフ・ジェニュイン

テーマ：パイプたばこを吸おう(1870)

カテゴリ：パイプ煙草インプレ

　価格の安いパウチ物のパイプ煙草は強い着香物が多く、そういうのばかりを吸っていると、やはり時々飽きてしまいます。ですから、安いパウチ物でも着香のされていないナチュラルな銘柄を開拓しておくのは、意外と重要なテーマなのではないかと思います。
　今回のボルクムリーフ「ジェニュイン」は、ショップさんの情報とかを読むと、微着香でありながらも自然な煙草の味がかなり楽しめるとの事です。実際はどうなのでしょうか。

　開封時の香りは、少し深めに熟成させた干草系の香りで、酸味は感じないので牛臭さという所までは行きませんが、牧場っぽい匂いです。カットは、市販紙巻煙草並に細いリボンカットで、手触りはかなり乾燥しています。多分この銘柄も、手巻きで問題なく吸えそうです。

　刻みが細く、乾燥した感触なので、少し硬めに詰めて着火します。そうしますと、干草系の香りの中に、微妙にチョコレートや蜂蜜の香りを感じます。味も、深めに熟成された煙草らしい円やかな甘味の中に、やはり微妙にチョコレートと蜂蜜の味が感じ取れます。確かにかなりの微着香で、油断すると着香成分に気付かない程です。

　火着き・火持ちは非常に良く、燃焼温度も高めになりがちです。もしかしたら、煙草が乾燥し過ぎているのではないかと思われるほどです。煙の温度が高いために感じる舌への刺激が強めなのです。

　過燃焼を抑えるために、いつもより気を使って弱く吸うようにし、且つ、タンパーで少し押し込んで、もっと硬詰めにしていきます。そうして喫煙中盤になってくると、熟成系の円やかな甘味の中にバージニア系の軽快な甘さが加わるようになってきます。火種をかなり小さく維持しても、舌へのチクチクした刺激が少し残ります。着香系のチョコレートと蜂蜜は、この段階では本当に注意深く吸わないと感知できません。もう殆ど非着香の煙草のようです。

　そして、そのまま喫煙終盤まで行って、喫煙終了。後味には軽快なバージニア系の甘味があり、残り香も煙草らしいものでした。

　全体的に見ると、殆ど非着香として吸っても全く違和感を感じない煙草と言えると思います。カットの細かさや、開封時の香りから、イメージとしてはちょっと高級にしたスタッド・オートマルスムのようです。
　そういう風なので、この「ジェニュイン」は手巻きでもいけそうな気がします。

　安いパウチ物のパイプ煙草では、低級な葉っぱの味を誤魔化すために、どうしても着香物が多くなり、美味しい非着香物は選択肢が限られます。少し高い「ダークツイスト」「ゴールデンスライスド」と、愛好家の多い「バージニア No.1」、後は「イメージ」シリーズとか「ブルーリッジ」とか、それぐらいしかパッとは思い浮かびません。
　今回のボルクムリーフ「ジェニュイン」は、これらの非着香物の一つに数えても良さそうな味で、非着香好きの人にとっては、貴重な選択肢の一つになるのではないでしょうか。

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