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2012.07.19

W.O.ラールセン「オールド・ファッションド」

(2)

テーマ：パイプたばこを吸おう(1870)

カテゴリ：パイプ煙草インプレ

　やっとこさインプレの順番が回ってきました。W.O.ラールセンの「オールド・ファッションド」です。前にも書きましたが、これが旧デザインの缶で届いたのはラッキーです。
　ラールセンの100g缶を試すのは、これが三つ目なのですが、前の二つはどちらも美味しかっただけに、今回も期待しています。

　開封時の香りは、洋酒系半分と蜂蜜系半分といったところで、余り強くは香りません。カットは、ブロークンフレイクを良く解した感じのリボンカットを中心に、ブラックキャベンディッシュのラフカットが少々混ざります。手触りは、やや乾燥気味です。

　ボウル内径20mmのパイプに詰めて吸い始めますと、予想外に控えめな味と香りです。香りは洋酒系、味は蜂蜜系の甘さで、どちらも非常に控えめに来るのですが、かと言ってスカスカという雰囲気でもありません。ドンと出せるところを、グッと堪えているような、そういう感じです。実際、少しラフに吸うと結構なタンバイトがあり、決して中身がないから控えめになっている訳ではない事が分かります。

　う～む、この感じは、ちょっと「スタッド・オートマルスム」を思い起こさせます。「スタッド・オートマルスム」をやや分厚くし、熟成臭を洋酒系の香りに置き換えたような喫味です。「スタッド・オートマルスム」も昔のままのレシピで生産され続けている銘柄だそうですから、こういう方向性の喫味が欧州で言うところのオールド・タイプという事になるのでしょうか。

　火着きと火持ちは普通で、気難しい面はありません。

　喫煙中盤に差し掛かると、バージニア葉による紅茶系の軽快な甘味が混ざり始めます。この甘味は、割りと上質なバージニア葉を想像させ、この煙草が価格なりの内容のある銘柄である事を示しています。
　またこの段階では、いわゆる「煙草感」も出てきて、渋さを伴ったドライなコクで吸わせるような雰囲気になってきます。

　喫煙終盤では、煙草感の中に紅茶系の軽快な甘味が混ざるという喫味になり、実に煙草らしいコクで美味しく吸えます。そして、そのまま喫煙終了。後味には煙草らしいコクと軽快な甘味が残り、残り香は少し洋酒系でした。

　全体的に見て、着香系であるのは確かですが、喫煙中盤以降はむしろ煙草感で楽しめる煙草でした。コクの中に混ざる甘味も軽快で、常喫向けに丁度良い感じです。
　今回の煙草は、ラールセンの三つの100g缶の中では、一番着香感が薄い銘柄になると思います。柑橘系の爽やかな香りが美味しい「シグネチャー」、キャラメル or チョコレートの甘味が楽しめる「1864」、そして煙草らしいサラッとしたコクで吸わせる「オールド・ファッションド」と、三つの銘柄の性格分けが見事になされているのは流石です。

　ラールセンの煙草は、100g缶と丸缶とパウチで、似たような方向性の煙草が揃っているというイメージを持っているのですが、この「オールド・ファッションド」と同じ方向性の丸缶もしくはパウチ物はちょっと記憶にありません。あえて言えばパウチの「シンプリー・ユニーク」ぐらいでしょうか。「シンプリー・ユニーク」はナッツ系の風味が最初に来ますが、意外とシンプルで煙草らしい味の銘柄だったと記憶しています。その「煙草らしい」方向性を「煙草感」と言い換えれば、「オールド・ファッションド」もその方向性になるかも知れません。

　という事で、ラールセンのブレンドの上手さを改めて感じる煙草でした。常喫として、飽きずに吸い続けられる良い煙草だと思います。

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