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2014.09.16

ラットレー「サマーエディション2014」

(4)

テーマ：パイプたばこを吸おう(1869)

カテゴリ：パイプ煙草インプレ

　もう夏は終わってしまったので、今更この煙草を吸ってみるのも少々アレなんですが、まぁ、とにかくお店に在庫があったので買ってみました。ってか、私の地方では、今年の夏は雨ばかりで、夏なんてものはなかったので、いつ吸っても同じだったりしますが。（笑）

　この煙草は、ラットレーとしては初の着香系（デンマークタイプ）の煙草だそうで、その意味では想定された季節を外してレポートしても、ある程度の意味はあるかも知れません。

　さて、缶に入っているビニール袋にこの煙草は入っているのですが、そのビニール袋は口がテープで留まっているだけで、密閉はされていません。ですから長期間保管すると確実に乾燥が進みそうです。ただ、夏の限定煙草なので、在庫期間がそれほど長くはならないだろうとは思われます。
　開封時の香りは、何と言うか、トイレの芳香剤的で、花とか桃とかの強い香りです。クリーム系の香りも少しあるでしょうか。カットは普通サイズのラフカットがメインで、湿気は普通くらいでした。

　この煙草を火皿内径22mmのパイプに普通に詰めて着火しますと、やはり芳香剤的な強い香りが最初に来ます。バラ、桃、化粧品、クリーム・・・、そういったところを想起させる強い香りで、これだけ強いと抵抗を覚える人もいるのではないかと思うくらいです。
　味は、果物系の甘さと酸味がメインで、これに微妙なクリーム感が加わり、全体を円やかにしています。「サマーエディション」と銘打っているだけあって、味と香りの方向性は夏向きで、「爽やか」系とも言えます。

　火着きと火持ちについては普通、もしくはやや悪いくらいだと思います。燃え進みも早くはありません。着香系の煙草はバンバン燃える銘柄が比較的多いイメージがありますが、この煙草ではそんな事はありません。

　喫煙中盤でも基本的な喫味は変わりません。かなり強い着香です。ベースの煙草の甘味も感じらるような気もしますが、ほとんど着香分だけで味わっているような感覚です。これだけ着香が強いと、ベースの煙草の味が意識できる欧州系着香と言うより、ベタベタな着香で押し捲るアメリカ系着香と言うべきではないかと思えます。

　喫煙終盤も強い着香が続きます。味や香りの中弛みのようなものはないので、ベースの煙草の質は良いのだと思いますが、そのベースの煙草の味は終盤になっても表に出てくる事がありません。う～む、これはどう評価すべきでしょう？　ここまで徹底して着香感が強いと、テクニカルな意味で成功した着香と言えると思いますし、ベースの煙草が良くないとここまで一貫した喫味を得られないでしょうから、そういう意味で上質な煙草だと言えますが、個人的にはベースの煙草の素の味を感じさせる演出が欲しかった所です。

　という事で喫煙終了。後味は爽やか系で、残り香は芳香剤的でした。
　全体的に見て、爽やかで強い着香が最初から最後まで一貫して楽しめる煙草でした。ただ、その一貫性故に変化に乏しく、ちょっと飽きやすい面がありますから、確かに夏限定で一缶だけ楽しむのに適している煙草です。
　強い着香に賛否が分かれるとは思うのですが、限定的に楽しむのであれば、これくらい個性的な方が良いのでしょう。

　一缶試してみて下さい。

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