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2015.02.08

ラールセン「150イヤーズアニバーサリー」

(2)

テーマ：パイプたばこを吸おう(1869)

カテゴリ：パイプ煙草インプレ

　この煙草の存在を初めて知ったのは、デンマークのパイプ専門ネットショップのサイトで、確か昨年の６月頃だったように思います。当時はまだ煙草の個人輸入には挑戦していませんでしたし、デンマークでの売価がそれなりの額だったので、ラールセンの煙草のファンである私は、ただ単に指を咥えて見ているだけでした。その後、夏頃にデンマークのネットショップで完売になる一方、今度はアメリカのネットショップでの販売が始まりました。そうなると、日本への輸入販売も期待できるのではないかと私は考え、日本に入ってくるのを待つ事にしました。ところが、秋を過ぎても日本での販売の話は入ってこず、他方でアメリカのショップでも完売になってしまうと、この煙草を吸うのは諦めるしかなさそうだと思ったのです。ですから、アメリカのショップに再入荷したのを知ると、もうどうしても吸いたくて、終に自身初の煙草の個人輸入に踏み切ったという訳です。
　まぁ、実際にこの煙草が手元に届くと、ちょうどそのタイミングで日本での販売も始まり、「何だかなぁ」ってな感じなのですが、日本価格よりも少しお安く手に入ったので、結果オーライです。（笑）

　という事で、ラールセンの創業150周年記念煙草のレポートです。

　開封時の香りは、洋酒・蜂蜜・果物・少しのバニラといった所で、比較的オーソドックスなラールセンらしい良い香りです。カットは普通サイズのリボンカットとラフカットの混合で、バージニア葉らしきリボンカットの葉の色が比較的濃い物が多い事から、熟成は少し深めに取っているように見受けられます。湿気は普通です。

　これを火皿内径20mmのパイプに普通に詰めて着火しますと、開封時の香りから想像される味＝洋酒・果物・蜂蜜系統の味に加えて、ミルクかクリームのような油脂分の多そうな円やかな味がブレンドされて口内に入ってきました。その円やかな味の部分は、ちょっとキャラメルのようでもあります。で、それらの味の要素が絶妙のバランスで混ざり、重過ぎず軽過ぎない丁度良い吸い応えを構成しています。この着香のバランスの良さは、さすがラールセンといった所かと思います。

　火付きと火持ちは良好で、且つ燃え過ぎるという感じもありませんから、吸いやすい煙草だと思います。

　喫煙序盤を過ぎてくると、この煙草にはあまり強い甘味はない事に気付きます。果物系の酸味で甘味が軽やかになっているという訳ではなくて、そもそもの糖度がそれほど高くないような感触です。糖度の低いバーレー葉が多めにブレンドされているのかも知れません。その一方で、やや重厚なコクがあり、それが全体を程よく落ち着かせているような喫味です。
　う～む、これは想像していたよりも複雑なブレンドなのかも知れません。

　喫煙終盤で着香分が抜けてくると、ある意味煙草らしい、或いはバーレー葉っぽいスモーキーで渋いコクが喫味の中心になってきて、序盤のフルーティーな味から大きく変化してきます。この渋い喫味は、それはそれでなかなか楽しめる味で、何か甘い飲み物と合わせると良さそうです。

　という事で喫煙終了。後味は渋く、残り香は果物交じりの焚き火という感じでした。
　全体的に見て、序盤のフルーティな喫味から終盤の渋い喫味までの変化が非常に面白い煙草でした。着香が強い序盤も、重厚な渋味の終盤も、それぞれ煙草として楽しめ、その変化が喫煙を飽きさせません。
　ただ、創業から「150年」という非常に長い歴史の記念として、それなりの奥深さがこの煙草にあるかと言うと、それ程でもないような気はします。ってか、そういう奥深い煙草がいきなり作れるくらいなら、定番商品として既に世に出ているでしょう。この煙草にそういう重大さは求めるべきではないかも知れません。「150周年」というお祭りで瞬間的に楽しむ屋台料理みたいな感覚で吸うのが合ってるように思います。

　ラールセンらしいバランスの良い美味しさを、刹那的に楽しむ煙草として、気楽に試してみて下さい。

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