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2016.01.13

W.O.ラールセン「エディション2016」

(2)

テーマ：パイプたばこを吸おう(1839)

カテゴリ：パイプ煙草インプレ

　今年最初のパイプ煙草レポートは、ラールセンから毎年限定販売されているイヤー煙草の2016年版「エディション2016」です。このシリーズは、毎回ラールセンの着香の上手さが如実に現れて非常に楽しめるので、私は毎年購入して吸っています。今年の出来はどうでしょう。

　ラールセンのイヤー煙草は、毎年デザイン性の高い缶に入れられていますが、今年の缶は割りとシンプルなデザインになっています。缶の形状は大きく変わり、反対にグラフィックは去年と似ています。（ 2015年版の記事）
　開封時の香りは、ミルクキャラメルをビターチョコレートで包んだお菓子のようで、バニラ香も強いです。ビターチョコレートの部分の香りは、本当にビターな感じで、ほとんどローストしたような少し苦味を感じる香りです。カットは、リボンとブロークンフレイク、それとラフカットが混ざり、カットの大きさはやや小さめです。湿気は、ちょっと乾き気味に感じます。

　これを火皿内径20mmのパイプに詰めて着火しますと、開封時の香りよりも更にビターな香りが来ました。ここまで来ると、チョコレートと言うより、むしろロースト臭の強いコーヒー牛乳に近い雰囲気です。昨年吸ったラットレーの「ブラックバージニア」に良く似た香りなのです。一方、味の方はコーヒー牛乳的な甘味がかなりあり、むしろ渋めの味だった同社の「クラフトマンズ・エディション」とは大きく異なっています。
　昨年吸ったラットレーの「ブラックバージニア」は、私にとってほとんど感動すら覚えるほど美味しく感じたのですが、今回のラールセン「エディション2016」も味が良く似ていて、非常に美味しいです。

　火付きと火持ちは良好で、且つ燃え過ぎる感じもありませんから、かなり吸いやすい煙草です。

　少し吸い進んで来ると、ビターなコーヒー牛乳味の中に、ちょっと桃のような果物系の酸味と甘味がある事に気付きます。更にコーヒー牛乳味に舌が慣れてくると、むしろこの果物系の味の方が際立って感じられるようになり、喫煙中盤に差し掛かる前からダイナミックに喫味が変化してきているように感じます。ですから、当初感じたよりも遥かに複雑な味と香りの構成になっているようです。これだけ複雑な味と香りの構成でありつつ、これだけの美味しさを組み立てられるとは、そこはやはり着香の上手いラールセンといった所かと思います。

　喫煙中盤から終盤にかけてコーヒー牛乳的な喫味は殆ど分からなくなり、替わって果物系の喫味がメインになってきます。桃と柑橘類を足して二で割ったような喫味で、適度な酸味と甘味のバランスが私の好みに嵌ります。

　という事で喫煙終了。後味は酸味のある果物系で、残り香は果物＋コーヒー牛乳でした。
　全体的に見て、序盤のコーヒー牛乳味から終盤の果物味まで喫味がダイナミックに変化しつつ、それでも甘味の豊かな美味しい味と香りを楽しめる良質のパイプ煙草でした。これほど大きく味と香りが変化していく煙草は、他にはちょっと記憶になく、そういう意味で希少な煙草のような気がします。これほど味が変化すれば、喫煙中に飽きる事がなく、且つ楽しい喫煙になります。流石は着香の上手いラールセンです。

　こういう楽しい煙草で今年をスタートさせる事が出来たのは、とても幸せだと感じます。今年は良い年になりそうです。

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