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2018.05.09

ラットレー「アカウンタンツミクスチャー」

(2)

テーマ：パイプたばこを吸おう(1869)

カテゴリ：パイプ煙草インプレ

　マクレーランド社廃業に伴う一連のレポートも終わりましたので、今回からいつものパイプ煙草レポートに戻ります。今回取り上げるのは、ラットレーの「アカウンタンツミクスチャー」です。屋外での喫煙用に強いラタキアのブレンドになっているそうですが、私は外出先でパイプを吸う事は滅多にないので、この煙草も自宅で吸います。ただ、季節が良いので、窓は全開にしておこうと思います。

　開封時の香りは、ラタキアらしい薫香は意外と弱く、むしろちょっと桃のような果物系の香りとバージニアの干草系の匂いの方が強いように感じます。カットは、黒く細かいラフカットと、明るい茶色の細いリボンカットの混合で、湿気は普通だと思います。

　これを火皿内径20mmのパイプに詰めて着火しますと、バージニア葉による紅茶系の味が来ました。ラタキアによる臭みは非常に弱く、探さないと見つからない程度で、バージニアの味に出汁系のコクを微妙に加える程度の存在感しかありません。甘味は弱く、コクで吸わせる煙草ですが、これはラタキア・ブレンドと言うより、殆どバージニア＆オリエント・ブレンドと言った方が良いような喫味です。しかも、言われる程フルボディーという感じがしません。割りと普通の非着香バージニア・ブレンドに近いように感じます。

　火付きと火持ちに特段の問題はありません。微妙に火持ちが悪いようにも感じますが、意識してどうこうする必要はなさそうです。

　喫煙中盤も喫味は変わりません。喫味の中に探せばラタキアがあるのは分かるのですが、漫然と吸っているとラタキア・ブレンドである事を忘れそうです。それくらいラタキアは弱く、コクが太めのバージニア・ブレンドを吸っている感覚です。香りもほぼ焚火系で、ラタキアの臭みは微かです。これならラタキアが苦手な人でも、割りと普通に吸えるのではないでしょうか。

　喫煙終盤も喫味は変わらなかったのですが、最後の最後、本当に吸い切って消える直前に少し出汁系のコクが強まり、やっとラタキア・ブレンドらしさが出ました。ただこれは、葉をパイプに詰めた際に、ラタキアの葉が偶々底の方に偏った所為かも知れません。

　という事で喫煙終了。後味はコクのある紅茶系で、残り香は焚火系でした。
　全体的に見て、殆ど分からない程度に加えられたラタキアによってコクが太くなったバージニア・ブレンドといった風情の煙草でした。個人的には屋外用のフルボディーという印象は受けず、普通のバージニア・ブレンドの感覚で吸っていました。

　こういう煙草なら、ラタキアが苦手の人でも行けると思います。また、完全に裏方に回るようなラタキアの使い方というのは、私の好きなラタキアの使い方です。そういう意味で、私にとっては好ましい煙草ですが、ラタキア好きの方からしてみれば、きっと物足りない煙草なのではないでしょうか。

　むしろ非着香バージニア・ブレンドがお好きな方にお薦めしたい煙草です。

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