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2019.01.09

ラールセン「クラフツマンズ・エディション2018」

(2)

テーマ：パイプたばこを吸おう(1869)

カテゴリ：パイプ煙草インプレ

　イヤー煙草とは別にラールセンの毎年恒例の限定煙草となっている「クラフツマンズ・エディション2018」を今回は吸います。この煙草は、元はと言えばラールセン社の150周年記念として限定発売されたのが始まりでしたが、その後は毎年発売されるようになり、今回が５回目、１５４周年という事になります。これよりも前から販売されてきたラールセンのイヤー煙草よりも上位に位置付けられている煙草で、価格もイヤー煙草よりも高くなっています。
　さて、今年の出来はどうでしょうか。

　今年の缶は、イヤー煙草の方の今年の缶と同じく、手では簡単に開けられなくなりました。缶の蓋側面にコインを差し入れるスリットが設けられ、そこにコインを挿して開けるというスタイルです。でも、ちょっと頑張れば素手でも開きます。
　開封時の香りは、程好く熟成・発酵された干草系に、バニラや果物系の香りが乗っています。着香は少し弱めになっているようです。カットは、ブロークンフレイクを更に良く解したリボンカットで、色は茶色がメイン。黒い葉の割合は少ないので、ブラックキャベンディッシュの割合は低そうです。湿気は普通でしょうか。

　これを火皿内径21mmのパイプに詰めて着火しますと、微かに果物系の着香が施されたバージニア・ブレンドという風情の味と香りが来ました。中心にあるのは適度に熟成されたバージニア葉による紅茶系の喫味で、そこに酸味の弱い柑橘系の味と香りが加わっています。メインのバージニアの味を邪魔しない、この主張し過ぎない微妙な着香の使い方が絶妙です。そして、メインにあるバージニア葉の喫味も、かなり上品で、随分と上質な葉を使っているように感じます。う～む、これは価格なりの内容がある美味しい煙草です。

　火付きと火持ちについては、特段の問題はありません。やや刻みが細かいので、少し硬めに詰めるのが良さそうですが、特に意識せずに詰めて吸っても失敗する事はなさそうです。

　喫煙中盤になっても基本的に喫味の変化はありません。微かに舌を刺す刺激がありますが、殆ど気になりません。よ～く気を付けて吸って行くと、バージニアの甘さを少し抑制している要素があって、それは多分バーレー葉かケンタッキーではないかと思うのですが、意外に複雑なブレンドになっているかも知れません。

　喫煙終盤でも喫味の変化はありません。それでも非常に美味しい煙草なので、飽きるという感じがありません。適度に熟成されたバージニア葉による紅茶系の味に、少しだけ柑橘系果物の味が乗っているという喫味は、私の好きなエリンモア「フレイク」にも少し似ていますし、バージニア系フレイクがお好きな方なら、きっと気に入る味だと思います。

　という事で喫煙終了。後味は紅茶系＋果物で、残り香は果物混じりの焚火系でした。
　全体的に見て、果物系微着香のバージニア・ブレンドという味の美味しい煙草でした。ラールセンの最上位シリーズとして十分な内容のある煙草で、このままレギュラー化して欲しいと思わせるブレンドです。価格が100g入りで4,700円ですから、50g換算で2,350円となり、世間一般で見れば中上級辺りの価格帯に入りますから、美味しさから考えてもレギュラー品として十分戦えるのではないでしょうか。

　バージニア・ブレンドがお好きな方でも、着香物がお好きな方でも、十分納得できる煙草だと思います。ぜひお試し下さい。

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