Terroir

Terroir

2006/01/14
XML
カテゴリ: カテゴリ未分類
a1.jpeg

昨日もまた2ケース余発注してしまった(Kurivouさんが興味あるのではないかと思うのでMeursaultとだけ記す。勿論2つのうちの1つである)。私の意志の弱さは私が知る以上かもしれない。夜半にセラーの整理をしながらふと1本のワインを見つけ、考えさせられてしまった。20年程前私がカリフォルニアに住んでいた時に買ったものである。

当時、ワインに夢中になりはじめていた頃で暇があると酒屋に行って瓶を眺めていた。そのうちに親父と仲良くなりいろいろ情報を得るようになり、更にそこの顧客(殆どが富豪である)が亡くなった時にセラーを売りに出すということを知った。当時はネットオークションも無く、大抵は遺族が故人が贔屓にしていた酒屋に電話してセラーの中身の処分を依頼することになる。酒屋が売値でそのまま引き取り、その値段で別の顧客に渡すことになる。遺族も遺族なら酒屋も酒屋。今のように値動きがなかったせいもあるが、Altruismというべきか欲が無いというべきか。よき時代であった。

そうこうしているうちに、顧客が亡くなる度に酒屋がわざわざ電話をしてくれて故人のセラーに随行するようになった。コレクションを見る度に故人が素晴らしいコレクションを持ちながら旅立たれた無念に心が痛む一方、心のどこかで完璧に保存されたワインをゲットできる喜びにほくそえんでいたのも事実である。実際、私のコレクションの1950・60年代は大抵そこから来ている。

前置きが長くなったがこのボトルはその中の一つである。セラーは500本位でボルドーが多く特記するものは少なかったが故人はソーテルヌがお好きだったようでファルグやジレットなどがあった。そしてセラーの一番目立つ所にこのボトルと1929のイケム。29の方は酒屋の親父が取り、私がこのボトルを頂いた。このボトル、故人の怨念がつまっているのか、それともワインを判ってくれる(と自分では思っている)人の手に渡って故人が安らかに眠られているのか(RIP)は知る由もない。イケム67自体はまあ、普通だがただ自分はこのボトルは心して開けなくてはならないと決めている。未だにそういう機会はないし、ひょっとして死ぬまでそういう機会はないかもしれない・・・・

そう、考えたこと・・・私のコレクションは私の死後どうなってしまうのか?せめて何本か死の直前に開けて飲もう。残りは価値の判る若いワイン愛好家の手に渡るのも良いだろう。そういえば私の英国人の友人は75歳を機に一切新しいワインを買うことをやめた。メメント・モリである。





お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう

Last updated  2006/01/14 03:44:44 AM
コメント(10) | コメントを書く


【毎日開催】
15記事にいいね!で1ポイント
10秒滞在
いいね! -- / --
おめでとうございます!
ミッションを達成しました。
※「ポイントを獲得する」ボタンを押すと広告が表示されます。
x
X

PR

Calendar

Free Space

メールアドレスはq_terroir@yahoo.co.jpです。

糖尿病闘病ブログ始めました(笑)
最新のHb1ACは5.8です。
http://mydiabetes.exblog.jp

Comments

Q__@ Re[1]:Sancerre Monopercelle 469 2021 (C. Riffault)(10/09) みりんさんへ お久しぶりです! そうな…
みりん@ Re:Sancerre Monopercelle 469 2021 (C. Riffault)(10/09) こん○○は、Qさん こういう出会い、発見が…
Q_ @ Re[1]:Vosne Romanee Aux Champs Perdrix 2018 (Audiffred)(04/08) うまいーちさんへ お久しぶりです。コメ…
Q_ @ Re[1]:Vosne Romanee Aux Champs Perdrix 2018 (Audiffred)(04/08) みりんさんへ バタバタしていてコメント…
うまいーち @ Re:Vosne Romanee Aux Champs Perdrix 2018 (Audiffred)(04/08) エントリーありがとうございます。楽しま…
みりん@ Re:Vosne Romanee Aux Champs Perdrix 2018 (Audiffred)(04/08) こん○○は、Qさん 既存のブランドや権威(…

Profile

Q_

Q_

Keyword Search

▼キーワード検索


© Rakuten Group, Inc.
X
Create a Mobile Website
スマートフォン版を閲覧 | PC版を閲覧
Share by: