アペラシオンの策定に当たっては関係者間の確執や政治的な介入が有ったと書いているが、中でも村と村との闘争は特記に値するだろう。修道院という歴史的な要素から比較的すんなりと決まった CdN (それでも Chambertin はかなり揉めた事が窺えるが)に対して修道院が関わってなく商業的慣習を基にした格付けにした CdN 、端的に言うと全ての特級、 Corton 、 Corton-Charlemagne 、 Montrachet 、 Chevalier 、 Batard で該当する村々で論争、闘争が起きている。最終的には全ての関係者が受け入れられる妥協点を探る訳で今日のこのワインもそういう妥協によりGCになれなかったクリマだ。
Vide Bourse
、空っぽの財布という意味だが、由来は不明。ブルゴーニュの畑の原意を体系的に網羅した Landrieu-Lussigny
にも記載なし。この畑のワインの出来が良く高値が付くので買い手の財布が空になるのだろうか?それとも3角形の畑が平らでそう見えるのだろうか。 色々と想像が拡がる。この畑は登記簿には Batard
に属する細区画( subdivision
)とされていて 1937
− 38
の Batard
のアペラシオン策定の時に Batard
に包括されるかが検討されている。実際に 1860
年の CAB
格付では Batard
の下部より上の評価であった。検討された結果この畑は Batard
から漏れる事になったが同時に検討されていたPuligny、Chassagneに跨る Enseignier
より格上の一級となった。Batardの策定に当たってはPuligny、Chassagne村の闘争が有った事は前にも書いたがこの結果は闘争の影響を受けたと容易に想像される。
現在この畑は 4
人によって耕作されていが、
これはその一人。 Marc Colin
の次男という事だが、かなり素晴らしいと思う。厚みのある濃い南方系を思わせる果実がグラス一杯に拡がる。味わいも濃縮しているが品も有り、素性の良さを感じる。没個性なのが少し気にかかるが父親もそうだったのでまあ、しょうがないだろう。全体的に少し淡い Batard
という印象で十分過ぎる出来だろう。
Batard という名前を取って倍以上払うか、それとも実を取るか、の選択だが私的には自明である。
Vosne Romanee Gaudichot 2004 (Forey) 2023/10/30
Saumur Champigny Poyeux 2012 (Clos Roug… 2023/10/28
Puligny Montrachet Pucelle 2018 (Morey-… 2023/10/23
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