ブルゴーニュの奥深いところはあれ程くまなく探索され全ての秀逸な作り手は網羅されている筈であるにも拘らず、時折その探索の網の目から逃れていた素晴らしい作り手が発掘(!)されるところだ。勿論 Boisson-Vadot のように作り手の代替わりで突然素晴らしいワインを作る事も有るが、時には全くノーマークだった作り手が突如発現する事も有る。古くは翁が有名で有るが、今日の作り手もその一人。
Decelle-Villa 、この作り手を知っている人はまだ殆どいないだろう。ネット情報によると元々北ローヌのワインの作り手の Pierre-Jean Villa (Cote Rotie), と冷凍食品で有名な Picard の CEO だった Olivier Decelle ( Maury 中心に作る大ワイナリー Mas Amiel )が共同で立ち上げた。 Pierre-Jean は過去に Clos de Tart や Yves Cuillon で働き 30 年近くの経歴があるベテラン。その二人に依って作られたドメーヌ。既に7ヘクタールと中規模で Gevrey 、 Chambolle のみならず Savigny 、 Meursault 、 Beaune 、後 Brouilly と比較的広範囲に跨る村々に畑を持ってるのは Olivier の資金力と推測される( Francois Feuillet に似ているか?)。トップラインアップが Beaune Clos du Roi のだめほぼノーマーク、勿論日本には極少量(個人輸入だけか?)で米の錚々たるインポーターもノーマーク、輸入しているのは日本の○まやのような全国規模の大衆酒販店だけ。読者諸兄はもう知っているだろうが、この作り手が突然の脚光を浴びたのは Vogue の Francois Millet 氏を継ぐ醸造責任者としてこのドメーヌの現在の醸造責任者の Jean Lupatelli 氏が指名され 2021 年から Vogue のワインを任されたという事による。正にシンデレラボーイだ。
前置きが長くなってしまったがこのワイン。端的に言うとかなり素晴らしいの一言。ややもすると濃すぎて強くなりのっぺりとなってしまうこのクリマでニュアンスがあり、 groseille を思わせる綺麗な酸を残し、フェミナンな果実味を感じさせることにまず驚く。適度な樽で果実以外の要素は余り感じずピュア。 Beaune でここまで感銘を受けたのは故 Benoit Germaine 氏以来だ。 Vogue に関しては Francois Millet 氏が作り始めの頃は抽出が強く骨格を感じさせ、村名や盆丸等は Detail が潰れ暗黒面の感じを受け、結構飲み疲れたものだが、今度の Vogue は一転して明るく愉しいワインになる予感がする。
Vogue のワインの値段は一層高騰する一方でこの作り手は Poor men`s Vogue になるだろう。ただ7 ha なので(年産 40000 本ちょっとか)争奪戦になる可能性も高い。その前に少し抑えて置くことにする。
また在庫が増えるな。
Vosne Romanee Gaudichot 2004 (Forey) 2023/10/30
Saumur Champigny Poyeux 2012 (Clos Roug… 2023/10/28
Puligny Montrachet Pucelle 2018 (Morey-… 2023/10/23
PR
Calendar
Free Space
Comments
Keyword Search