サリエリの独り言日記

サリエリの独り言日記

2010.08.04
XML
カテゴリ: カテゴリ未分類
 新しい建物が出来れば、とりあえず様子を見てくる、というのは昔からの私のクセですが、このSMは事業主体が倒産したこともあって、建物自体は昨年の秋ごろには完成していたのに、その後の運営について何やかやすったもんだがあったようです。私の関心は京都駅ビルと同じく、建物自体ではなく中に入っている店、それも電器屋さんと本屋さんの二つだけで、あとはハッキリ言ってどうでもよろしい。
 で、電器屋さんの方はというと、完全にパソコン系に特化した感じで、しかもマニアックの度合いで言うと、同じ系列の前の店より薄っぺらくなった感じ、これはたぶん京都駅周辺にすでに建ち、さらに北側に建ちつつある家電量販店を意識してのことでしょう。というわけで、私のお目当ては本屋さんだけになってしまいました。

 これも最近の大型書店の習いを絵にしたような造りで、あくまでスペースを広く天井も高く、検索システムも完備、いわゆる図書館型の店作りで整然とした感じ。かつて河原町界隈にあった老舗の書店のような、狭くてちょっと猥雑な感じというのは、この手の大型書店には望むべくもありません。京都もこうした言わばヨソ行きのなりをした本屋さんが主流になって、各店ごとにちょっとずつニュアンスの違いがあったころ、河原町をしょっちゅう彷徨していた私は、すっかりそちらに行く機会がなくなってしまいました。
 私のようなかつての河原町人種を、もう一度真剣に呼び戻したいのなら、いっそ昔ふうの長屋仕立てで、どこまでも奥が深くてそこに何があるか分からない、そういう本屋さんがないとムリかもしれません。まあこれは別の話。

 さて、実際に足を踏み入れると、最初はどこに何が置いてあるか、少しは戸惑うものの、こうした大型書店で何がしかの驚きを期待するというのはムリというものです。すべてはキチンと揃っていて、今手に入るもの入らないものも、ただちに分かるように、さらには本の中味も気が済むまでソファで吟味出来るようになっている(そこまで吟味したら、そのあと買ってもちっとも新鮮なドキドキ感がなくなってしまうのではないかしらん)。かつて立ち読みしながら、買うか買うまいか、本の中味と値段と自分のフトコロ加減を斟酌しながら、狭い通路で首をひねるといったスリルはここにはありません(本を買うとは、一種ギャンブル的な快感があるのです)。
 すべては最近の売れ筋を中心として、放射状に分かりやすく並べてあるので、忙しがりの現代人には便利なのかもしれません。

 さて今どき、手軽な知的快楽の入手法として、すっかり定着した感のある「新書ブーム」。本屋さんに行けば、表題だけでほとんど中味の察しがつくような新書など、ほとんど毎日新しいのが出ているような気さえします。それもそのはず、この手の新書の売れ行きというのは、ほとんどそのタイトルで決まるそうで、例の「バカの壁」など中味は他の養老本に比べると、かなり安直なインタビューで済ましている感じがするのですが、売れ筋というのはそういうこととは関係がないらしい。
 多少でも気分を換えて頭をほぐす必要を感じる現代人にとって、養老さんの話というのはちょうど具合が良いので、かく言う私も以前からこの人の本はちょくちょく読んでいたものでした。このブログで触れた数少ない新書とは、いわゆる売れ筋にあたるもので、ギョーカイでは「ヨウロウ本」だの「フクオカ本」だの「ウチダ本」だのと言われているそうです。

 これら三人に加えて、私のひそかな趣味で「ハシモト本(知事の橋下さんじゃないですよ、橋元淳一郎氏の本)」を含めると、これらに共通する新書本の特徴が浮んで来ます。それは同時に私のような趣味というか、性向の持ち主が、この世にけっこう大勢いるらしいということも、表わしているような気もしているのですが。
 簡単にいうと、これらの人たちに共通しているのは、独創的な考え方で世の中を裁断する、というのではなしに、今まですでにあって充分認められている考え方や物の見かたを、もう一度今ふうな角度で見なおす、それも出来るだけ魅力的な今どきの言葉で語る、というやりかただということです。養老さんなど「完全な独創性などというのは、取りもなおさず他人は絶対誰も理解できない、ということじゃないか」と言われてますね。

 まあ確かに、世に喧伝されている世界観とか手法を根底的に覆す、というような理論とか思想などというのは、百年に一回か二回あれば充分というか、それ以上に独創的な世界観のようなものが、次々現れてきては我々の頭の中は混乱するばかりで、忙しすぎて困ってしまうでしょう。





お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう

Last updated  2010.08.04 11:05:33
コメント(0) | コメントを書く


■コメント

お名前
タイトル
メッセージ
画像認証
上の画像で表示されている数字を入力して下さい。


利用規約 に同意してコメントを
※コメントに関するよくある質問は、 こちら をご確認ください。


【毎日開催】
15記事にいいね!で1ポイント
10秒滞在
いいね! -- / --
おめでとうございます!
ミッションを達成しました。
※「ポイントを獲得する」ボタンを押すと広告が表示されます。
x
X

PR

×

Calendar

Archives

2026.05
2026.04
2026.03
2026.02
2026.01

Profile

TNサリエリ

TNサリエリ

Comments

TNサリエリ @ Re[1]:Kyoto Tachibana High School Green Band 10.(09/07) ナガノさんへ  コメントいただき、ありが…
ナガノ@ Re:Kyoto Tachibana High School Green Band 10.(09/07) 2年遅れで、この文章を読んで泣けてしまっ…
TNサリエリ@ ふたたび、コメントありがとうございます。 cocolateさんへ 私自身、彼女の演奏に刺激…
cocolate@ Re:エレクトーンというガラパゴス 1.(06/17) 再びおじゃまします。 826askaさんのYouT…
cocolateさんへ@ コメントありがとうございます。 三年ほど前に826asukaさんのことを知り、…

Favorite Blog

まだ登録されていません

© Rakuten Group, Inc.
Create a Mobile Website
スマートフォン版を閲覧 | PC版を閲覧
Share by: