ま、しかしこれも話し出すと終わらない上に、この暑さですからまたの機会にしましょう。で、音楽にかんする余興の続きですが、そのころは気難しいクラシックばかりでなく、はなはだ気取った感じで女性ボーカルにも凝っていたのでした。友人たちがモダンジャズのLPだの、ニューミュージック系の新しいところを得意がるのをみて、たぶんに対抗する意味合いも最初はあったようです。 もともとが、たぶん「サウンドオブミュージック」のようなミュージカル映画が発端だったと思うのですが、ある折りに聴いたBarbra Streisandの「People」に衝撃を受けて、その後十年ほど彼女のLPを続けて買い求めるというハメになりました。初期の「My Name is Barbra」から、「Stoney End」などを経て、たしか「Songbird」あたりまで、ほとんどのLPを買っていたのですが、アメリカでのたいそうな人気に比べると、日本での評価は多少マニアックなレベルに止まっていたようですね。 一人のボーカルを追いかけるということは、私の場合ほとんどなくて、一時期Carole KingだのJanis Ianだの(何だかユダヤ系の人が多いですね)を聴いたりもしたのですが、これほどに深みにはまるということはなかったのでした。
バーブラの歌は長年にわたって傑作ぞろいで、どれがベストとかいちばんのお気に入りなどということは、とても出来かねる話なのですが、それぞれの年齢の気分にちょうどフィットした曲というのは、やはりなかなか忘れがたい。例えば日本ではまったく話題にならなかったミュージカル「Yentl」。たしかサントラ盤では、久しぶりにM・ルグランが編曲していて、彼女らしさがよく出ているなと思ったものでした。この映画もいろいろ思い出があるのですが、まあこれも別の機会にしましょう。 そうした中で、あえてもっとも私のお気に入りをあげるとすれば、「Songbird」の中のNeil Diamond 作曲You Don't Bring Me Flowersで、ミュージカル歌手としての表現過多がほどよく抑制されていて傑作だと思います。