サリエリの独り言日記

サリエリの独り言日記

2012.03.30
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カテゴリ: カーネーション
バタフライ・エフェクト
 「ほなら、どないせえ、ちゅうねん!」と、またまた噛み付かれそうです。しかし、しゃべっている本人が、いささか隘路に嵌り込んでいるので、この話はこれ以上深入りしないことにしましょう。問題の中味が一部でも明らかになれば、それでとりあえずは、いったん棚に上げることが出来る。あとはまた別の機会に、適宜そこから話し出せば良い、ということになります。

 しかし、問題は「もっと大きなことが、あるでしょっ!」ということなのでしょう。そうなのです。こうして小難しい話をしながら、もっと肝心な問題が、この新シリーズで起きているのかもしれない、と思わざるを得ないということなのでしょう(とまた、ちゃぶ台をひっくり返す)。これまでにもこのドラマには、明らかなトーンの変化というのが、いくつか観られたとはいえ、作り手側の「構えかた」に、根本的な変化があったとは思えない。
 しかし、この新シリーズになってからは、たんに主役交代で雰囲気がすっかり変わった、というのでは済まされない問題が起きているような気がする。その一端については前に少し触れました。今回はかなり穿って話しようと思っているのですが、それがネガな中身に陥らないように、気を使いながら話するという段取りになります。

 回を重ねるごとに、ますますハッキリして来たのが、伏線とか演出とかの工夫が感じられなくなって来ているということなのです。先週の「病院での長回し」を始めとして、目を被うばかりの不出来が頻出している。あえて言うなら、無気力とは言わないまでも、何やら消化試合をこなしているだけじゃないか、という疑いさえ抱いてしまうわけです。

 前に渡辺あやさんの名科白、鍵場面が「上滑り」していると言いましたが、その主たる原因は役者ではなく、演出や作り込みの貧寒さから来ている、ということなのでした。先の「病院での長回し」だって、それをより効果ならしめるのに、その前後にもっと工夫を凝らせば、もう少し「終末期医療と救い」という今日的テーマについて、観る側に様々な感慨を抱かせることが出来たかもしれないのに、すべて二人の役者の熱演に丸投げ。まったくの孤立無援状態では、役者も引き立ちようがないというものでしょう。
 それ以外でも、やたらと多い糸子の「長口舌」。今まで彼女の人物像というのは、もっぱらアクションで描かれていて、それに適宜短い彼女自身のコメントが入る、という形で進行して来たのでした。このドラマの命である「疾走感」というのは、観ている側の予想を先回りして、短いショットで次々とエピソードを重ねて行く、というところから産み出されていたと思うのですが、今週になって一回分に盛り込まれたエピソードは、正確にその都度一つだけなのです。まあ今更、新しいエピソードを重ねて、ドラマをかき混ぜようにも、もう間に合わないということかもしれませんが。

 で、それと連動していると思うのですが、不思議なくらいかつて観られた、気の利いた「笑い」のシチュエーションが、きれいに消えてしまっているのです。「笑いの力」が物語に活力を生み、その後先の「鍵場面」を引き立てていたことは、前にも触れました。深刻な場面に素直に「入る」ことが出来ないのと同様に、腹の底から「笑える」という場面も無くなってしまいました。
 これでは、工夫された「名科白」が、冗長に「上滑り」するのも致し方がない。まさしくお決まりの手軽な「朝ドラ」演出と言って好いのではないか?

 私が夏木マリさんの起用に、ドラマの不出来の因をすべてを帰するのに、ためらいを感じるのは、上のような理由からなのでした。「発語」に「異和」が生じるのは、始めから分っていたこと。彼女を起用した唯一の理由は、ひらたく言えば「前向きな、老いと死」を演じることが出来る人とみた、その一点だけでしょう。であるなら、発語のハンデをカバーして、なお晩年のそうした糸子像を「明示」させる力は、卓越した演出の切れ味にかかって来るのではないか。まさかその全般に漂っている「冗長さ」こそが、「老い」という現実なのさ、なんていうわけではなかったでしょう。
 私は思いのほかアウェーの「孤立無援状態」で、当惑しながら糸子を演じている夏木さんが、気の毒でしょうがないというか、製作陣に対して「憤り」さえ感じてしまうという、まことに情けない気分に陥ってしまいます。

 と、結局また、思いクソこき下ろしてしまいましたが、さてこの地点から、私たちはどうやって、「面白味」を見出して行けば好いのでしょうか?弱ったなあ。

― つづく ―





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Last updated  2012.03.30 17:06:09
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TNサリエリ @ Re[1]:Kyoto Tachibana High School Green Band 10.(09/07) ナガノさんへ  コメントいただき、ありが…
ナガノ@ Re:Kyoto Tachibana High School Green Band 10.(09/07) 2年遅れで、この文章を読んで泣けてしまっ…
TNサリエリ@ ふたたび、コメントありがとうございます。 cocolateさんへ 私自身、彼女の演奏に刺激…
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