祈祷文 歌詞にラテン語を挿入するというのは、リベラでは例の「彼方の光」でも用いられていて、いわばかの合唱団の定番と言っていいのですが、西洋音楽でラテン語が使われるのは、ご存じのとおり讃美歌とかレクイエム、つまり「聖句」としていわば襟を正して歌われるときでしょう。 したがって、ここで語りかける相手は「人」ではなく、「天使」とか「神」、あるいはわが身をいつでもどこでも、どこかで必ず見守ってくれている誰か、に向かってという気分があるのです。 初めの中間部と再現部の中間部に挿入される Voces angelorum gloria, dona els pacem の意味は、 Glorious voices of angels, grant peaceという英文訳から見ると 、祈祷文風に訳すとすれば、 ― 天使たちの高貴なる歌声よ、平安を与えたまえ ― といったところでしょうか。
中間部の Cantate caeli chorus angelorum Venite adoramus in aeternum Psallite saecula et saeculorum Laudate Deo in gloria は、 Sing, heavenly chorus of angels. Come, let us evermore adore. Sing forever and ever! Praise God in His glory ですから、 ― 天使たちの高貴な歌を歌いたまえ 永遠の敬慕を我らに為さしめたまえ とわにいつまでも歌いたまえ! 主の栄光に称えあれ ―
といった気分でしょう。私はクリスチャンではないので断定はしませんが、たぶんPraise God in His gloryなどは、祈祷文の定型句なのではないかしらん。昔、T.S.エリオットの祈祷詩で、非常に巧みなリフレインを用いた詩句があったのを思い出したので、少しマネてしまいました。