tomo_hの映画ログ

tomo_hの映画ログ

2015.01.30
XML
カテゴリ: 映画ログ
パークランド病院、何の変哲もない地方都市の病院がアメリカじゅうの注目を浴びるようになった。1963年、11月22日、テキサス州ダラスを訪問したケネディ大統領が狙撃され急きょ、担ぎ込まれたのがパークランド病院だ。誰か重要人物が来るらしいというので、睡眠不足の若い研修医(ザック・エフロン)は休む間もなく搬送を待ち受けたが、やってきたのは頭を銃弾で打ち抜かれた大統領で、ジャクリーン夫人も手を血まみれにして、降りてきた。夫人の手の中には大統領の頭蓋骨のかけらが握られていた。まだかすかに心拍が感じられたので、上の階に居た外科医も駆けつけ必死で蘇生処置がとられたが、大統領の命が戻ることはなかった。まずこの緊迫した救急治療室の様子が生々しくて迫力がある。

驚き慌てたのは側近だけではない。地元のFBI支局の面々、シークレットサービスダラス支局の面々も目の前で行われた暗殺に呆然とした。メンツも何もあったものではない。なぜダラスで?と彼らは思ったであろう。この映画は側近の人、病院の医師、警察の人、ジャーナリスト、FBIの人、警備会社、などの大勢の関係者の群像劇になっていて、ドキュメント風に描かれている。間もなく容疑者リー・オズワルドが逮捕されると、今度は兄であるロバート・オズワルドの視点にピントが絞られてロバートとリーの兄弟が中心になる。が、逮捕後輸送されるときオズワルドは至近距離で撃たれまたパークランドへ運ばれる。重要人物二人がこの病院のERで死んだ。

映画は登場人物が錯綜し、観ていて慌ただしい。でもこの4日間はアメリカの誰もが何も手につかないくらいに浮ついた動揺状態だったのだろう。その雰囲気を表現しているならば映画は良く出来ている。病院のチーフ看護師のマーシャ・ゲイ・ハーデンは仕事柄落ち着いていたがやはり動揺は隠せない。マーシャは存在感あり。
逮捕されたリーの兄のロバート・オズワルドは穏健な性格の全く政治には無関心の市民だ。演じるジェームス・バッジ・デールという俳優が地味ながらよい味を出している。シークレット関係のビリー・ボブ・ソーントンは相変わらずの不敵な存在で、目立っている。大統領がワシントンDCへ送られるとなって、監察医が異議を唱えた。この事件はテキサスで起きたから州法どおり、テキサスのおいて調べると言い張ったが、説き伏せられた。いろんな経緯がもしそうしていたら、とかこうしていたら、とか後になって想像できるが、今となっては遅い。

犯人について、真相について、黒幕がいたかなどの詮索は別のお話で、映画としてはかなり生々しく忠実で、忠実すぎてやや細かすぎるという感がある。ともかく驚きの4日間の出来事だ。

(おまけ)ダラスの中小企業の社長(ポール・ジアマッティ)はその日、自慢のコダックの8ミリカメラを手にパレードを待っていた。「そら来たぞ!」とカメラを回していると、なんと、目に入ったのはオープンカーのケネディが倒れるところだ。約30メートルの距離から撮ったフイルムは貴重なものとされたが、彼はショックでもう2度とカメラを手にしなかったそうだ。

パークランド





お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう

Last updated  2015.01.30 21:30:59
コメント(0) | コメントを書く


【毎日開催】
15記事にいいね!で1ポイント
10秒滞在
いいね! -- / --
おめでとうございます!
ミッションを達成しました。
※「ポイントを獲得する」ボタンを押すと広告が表示されます。
x
X

PR

Keyword Search

▼キーワード検索

Profile

tomo_h38

tomo_h38

Comments

背番号のないエース0829 @ ニーナ・ホス 「水を抱く女」に、上記の内容について記…
背番号のないエース0829 @ ニーナ・ホス 「水を抱く女」に、上記の内容について記…
背番号のないエース0829 @ Re:ヒトラー 映画〈ジョジョ・ラビット〉に上記の内容…
アイスクリーム@ Re:エリザベート愛と哀しみの皇妃(オーストリア、ドイツテレビドラマ)(08/09) 綺麗事ではなくメロドラマ仕立て。 勝ち…
zebra@ ボクからの(おまけ) もう少しコメントします。 tomoさんの記事…

© Rakuten Group, Inc.
X
Create a Mobile Website
スマートフォン版を閲覧 | PC版を閲覧
Share by: