いくつになってもテレビっ子

いくつになってもテレビっ子

甘い生活


作者名:弓月光
出版社名:集英社

感想:
実は弓月光はすごく好き。しかもかなり前から。うーんと、りぼん・マーガレット時代から。
かつて、少女漫画には多くの男性漫画家が作品を描いていましたね。手塚・石ノ森御大は言うに及ばず、赤塚不二夫、松本零士なんて言うメジャーどころも。しかし、彼らは「少女漫画も」描く漫画家でした。
そうでなく、「少女漫画を」描く漫画家、しかも男性、となると、私の世代ではビッグなのが巴里夫と弓月光。でも正直言って巴里夫が本当に男性なのかちょっと自信ないけどね。合作で男性、ていう人はけっこういたか。
今はもう巴里夫の作品を読むのは難しくなっているけど、昔はりぼんコミックス何冊か持っていました。
ところが私が昔から読んでいて、しかも現役で、というおそろしく息の長いのが弓月光。しかも、少女漫画時代の作品がいまだに手にはいる。さらにおそろしいのが、絵柄も作風もほとんど変わっていない!
自分の好きな漫画家の10年前の作品を読むと、けっこう絵柄や頭身、プロポーション、変わってますよね。弓月光は見事にそれがない。昔からあの絵。一番分かるのが、主人公格の男性の絵。
昔、この人の作品が好きだった理由は主に三つ。
その1,バタくさい絵柄。その当時の少女漫画としては珍しい、華やかな主人公。なのに、あくまでもコメディ。当時の少女漫画なら絶対にさせない、かわいいヒロインの崩れ顔を平気でやる。
その2,かなりエッチ。ま、これは今青年誌で営業できているくらいなので推して知るべし。
その3,連載のコメディ。四コマでも4ページのギャグマンガでも読み切りでもなく、完全な続き物でコメディ。これは当時の少女漫画では非常に珍しかったはず。ラブコメじゃないからね。それで単行本数冊いっちゃうんだから、珍しい分野です。そういやあ「ボクの初体験」のときにPTAからクレームがついたとかつかなかったとか。春奈ちゃんかわいかったなー。エリート狂想曲のときの唯ちゃんもすきだぞ。女の子の名前がまた、魅力的でね。
今回「甘い生活」ペーパーバックになったので買ってみたけど、変わってないですねえ。ちょっと等身が伸びたかな。でも、これも15年続いているんだって?健在です。少女漫画時代よりは少しエッチさが過激になっていますが、それでもさっぱりした雰囲気でどきどきしないで立ち読みができます(笑)。
一度に連載は一つしか持たない主義なのか、おかげで息の長いコメディを書いているのですが、いったいこの人いくつになったんだろう…
ともあれ、いまだに魅力を失わない、それでもひっそりとつづいている、まあ不思議な漫画ではあります。がんばれ弓月光。まけるな弓月光。


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