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2022.03.28
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5 歳~11 歳の新型コロナウイルスワクチン接種にあたって
2022 年 1 月 19 日 日本小児科医会

1)5 歳~11 歳の小児への新型コロナウイルスワクチン接種の意義と必要性

わが国の小児における新型コロナウイルス感染症の状況は、成人に比べ感染者数がはるか
に少なく、感染者においても症状は極めて軽いか無症状の場合が多い。
一方、5 歳~11 歳の小児に本ワクチンを接種した場合の効果や副反応に関するデータはわ
が国には存在せず、諸外国においてもその数は限定的である。
現在接種が想定されているワクチンにおいては、その効果はかなり高いといえるが、
副反応としての、接種部位の疼痛・発熱・頭痛・倦怠感などは、この年齢に接種されている他
のワクチンと比べ、むしろその発現率は高いと想定され、
接種時に一定数起こる血管迷走神経反射、
接種後に稀に起こる可能性のある心筋炎・心膜炎などについても十分な注意と
対応が必要である。

本ワクチンの効果は感染予防のためというよりは、
むしろ発症時の重症化予防のためのワクチンとの意味合いが大きいことから、
そもそも重症化することが稀な小児期の新型コロナウイルス感染症においての
ワクチン接種の意義は成人・高齢者への接種と同等ではないといえる。

一方で年齢が低い小児であっても、感染してしまった場合の他者への感染リスクの増加、
10 日以上にも渡る行動制限の必要性と困難性などを考慮すると、新型コロナウイルスの感
染は今以上に小児の日常的な生活や環境を奪うことにもつながり、子どもたちの心身への
影響は計り知れない。

これらを総合的に勘案した場合、
具体的な接種方法などについて
十分な議論と準備の上で本ワクチン接種を実施することが求められる。

2)小児用ファイザー社製ワクチンについて

・保存方法: 1箱(10 バイアル)が最小単位、-90°C から-60°C の温度でドライアイ
スレス(蓄冷材)で各小児接種実施機関へ配送。 -90°C から-60°C の温度帯で保存し
た場合はワクチンの有効期限(製造から6か月)までの間、2°C から8°C の温度帯で
保存した場合は 10 週間の間保存が可能。後者の温度帯で 保存した場合の再凍結は不可。
なお、室温(30°C を超えない)で解凍する場合は、希釈前 12 時間、希釈後は2°C から
30°C の温度帯で 12 時間の保存が可能。
・希釈方法:1.3ml の薬液を 1.3ml の生理食塩液で希釈。
・接種量:0.2ml/回を筋肉内に注射。1バイアル当たり 10 回分採取可能。
・注射器・注射針:針付きシリンジは現時点では、針は 27G・16mm のもの、シリンジは
テルモ株式会社製 FN シリンジ(1ml)を使用する予定。
・接種手技:12 歳以上の接種と同様に筋肉注射。
以上からワクチンの組成等は 12 歳以上のワクチンとほぼ同様であっても、間違い接種防
止の観点から、全く異なるワクチンとして扱う必要がある。

3)接種体制
現在小児への予防接種は小児科医や内科医等を中心とした地域開業医療機関において、ほ
ぼ個別接種で行われている。本ワクチンにおいても、対象児や保護者とコミュニケーショ
ンが取れやすく面識のあるかかりつけ医での接種が行えればよいが、これらの医療機関で
は小児への他の多くのワクチン接種も行われており、本ワクチンが通園・通学中の児を対
象とし、3 週間間隔での 2 回接種が必要なワクチンであることを考慮すると、予約枠の設
定などに多くの工夫が必要になる。
一方小児期への本ワクチン接種の時期は、成人への新型コロナウイルスワクチンの追加接
種や、新たに 12 歳になった初回接種対象児の接種を実施している医療機関が多くある。
この場合 12 歳以上の対象者用のワクチンと 5 歳~11 歳用のワクチンの 2 種類のファイザ
ー社製ワクチンを取り扱かう事が必要になり、ワクチンの接種回数、溶解・充填などの準
備、接種量確認などの各場面で間違いを防ぐために慎重な作業が求められる。
これらの多くの問題を考えると 5 歳~11 歳のワクチン接種体制においては、地域の接種対
象児童数、小児科医を中心とした接種医師数、接種介助にあたる小児診療経験のある看護
師数の状況等を考慮し、集団接種と個別接種の併用、接種対象児童の年齢や学年による接
種時期の分散、基礎疾患などのリスク因子を有する児への個別優先接種など、検討される
べき事項が多数存在するという認識で接種体制を構築する必要がある。
以下に集団接種と個別接種についての注意点・問題点及びその解決策等を呈示する。
A.集団接種会場
一か所の接種会場においては小児用ファイザー社製ワクチンのみを取り扱うことを徹底
し、5 歳~11 歳の小児では、ほぼ全例接種時の介助が必要になることから、以下の点に留
意し準備を行う。
① 来所の際は必ず保護者同伴とする。
② 予診・診察(視診・聴診・触診等も実施)の各場面で保護者による介助協力を依頼。
予診・診察時には小児科医や小児への予防接種に慣れている医師が保護者と接種対象児
に対して本ワクチン接種のメリットとデメリットを含めた説明を行う。
③ 接種場面で看護師(可能なら小児科診療現場経験者)による接種や介助を考慮する。
④ 接種手技は 12 歳以上の接種と同様に筋肉注射である。小児科医であってもこの年齢児
への上腕三角筋への筋注の経験は少ないと想像され、特に低年齢で小柄な小児への接種に
は注意が必要であるなど、事前の接種手技確認・周知が必要である。
⑤ 就学前の児では接種後の経過観察の場面で一定時間泣いて騒ぐ児が出ることが想定さ
れるため、他児への心理的影響も考慮し、保護者には予めお気に入りのオモチャや本な
どの持参を促したり、保育士などの配置も検討すべきである。
⑥ 接種対象児の接種会場でのケガや事故などを防ぐための人的補助・物的安全対策も考
慮する必要がある。
⑦ 接種対象者の選択の際に、9 歳~11 歳の小学校高学年児、6 歳~8 歳の小学校低学年
児、5 歳~6 歳の就学前児などに分けての予約枠、接種枠などの設定も考慮してよい。
⑧ 接種後の副反応などへの対応は、原則接種対象児のかかりつけ医に依頼することと
し、副反応報告を含めて適切な事後対応体制を準備する。また発熱の際の対応として
#8000 利用の紹介や地域の初期救急対応システムの保護者向け資料なども準備する。
B.個別接種会場
① 予約接種を基本とする。小児用ファイザー社製ワクチンと 12 歳以降の新型コロナウイ
ルスワクチンを含めた他のワクチンとは、接種週・曜日・時間帯などを完全に区別し、間
違い接種を起こさない接種環境を準備する。
② ワクチンの保存、溶解、充填などの準備段階においても、小児用ファイザー社製ワク
チンのみが取り扱かえるよう時間的・空間的な条件設定を考慮する。
③ 現段階では他のワクチンとの同時接種は不可であり、他のワクチンとの接種間隔につ
いても前後 2 週間以上空けることを念頭に置き、接種予約・実施を進める。
④ 接種手技では集団接種会場の④と同様に事前の接種手技確認・周知が必要である。
⑤ 接種後の副反応などへの対応は、接種医自身がかかりつけ医という認識を持ち、適切
に対応し、副反応報告を含めた事後対応も実施する。
これらから 5 歳~11 歳の児への新型コロナウイルスワクチン接種の必要性は十分理解で
き、接種勧奨についても積極的に行う方向で進めることに異論はないが、実際の接種計
画・実施においては事前に解決しておかねばならない点が多数存在する。
実際に日々多種類のワクチン接種を行っている個人医療機関において、本ワクチンの予約
と受付、接種、経過観察、事後措置までの各場面に渡る人的・物的・時間的負担は、成人
への接種と比較にならない程大きい。現場の業務逼迫や混乱などにより他の定期接種等の
ワクチン接種率が低下するなどは決してあってはならない。
また本ワクチンの接種を「努力義務」と規定した場合に接種率を上げることを主目的とし
た自治体対応を招く可能性もある。
未だこの年齢層への接種の安全性等に関する十分な情報やデータがそろっていないこと、
接種計画、接種体制などの詳細が議論されていないことなどを考えると、「努力義務」とす
ることには慎重さが求められてよい。
一方、目的と効果および安全性を一にする 12 歳以上の接種との整合性の観点から、「努力
義務」を外すことの正当性についても十分な議論が必要になろう。
なお接種率の確保については、現在わが国における 12 歳以上のすべての年齢層における接
種率において、その数値は当初の予想を大きく超えており、「努力義務」の文言の有無にか
かわらず多くの対象児の接種希望が見込まれよう。
以上から、拙速に 5 歳~11 歳の小児への新型コロナウイルスワクチン接種を開始するので
はなく、まずは小児に感染を広げる主体である成人への 1、2 回目接種及び追加接種を推進
し、その間に十分な準備の下に当該小児への接種を計画することが肝要であると考える。
最後に本年齢へのワクチン接種の最大の目的は、コロナ禍において現在も続いている子ど
もたちへの成人よりもむしろ厳しい日々の生活への制限や規制の緩和である。
長期間に渡りたり続いている非日常は彼らを深く傷つけ、追い込んでいる。
本ワクチンの安全で的確な接種により、子どもたちの成長と発達にとって極めて重要な「ご
くあたり前の日常」が取り戻されることを強く望んでいる。
見解全文





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最終更新日  2022.03.28 08:53:51
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