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長い冬眠状態の間、趣味が一つ増えました。それは漢字パズル。普通の本屋さんにも何種類ものパズル雑誌が並んでいます。一通りやってみたけれど、たいていのものはすぐ飽きがきます。その点あまり飽きもさせず私を中毒にさせたパズルが一つあります。それが漢字ジグザグ(カナオレ)。いろんな出版社のものが出ていますが私のイチオシは晋遊舎の「日本一文字が大きい マスに書きやすい漢字ジグザグフレンズ」ご存知かもしれませんがこのテのパズル誌には景品が付いています。私は(まず当たらないけれども)掃除機や電気釜やテレビが当たっても家にモノが増えるのを良しとしない人間なので(こういうものばかりを買ってくれる所もあるのでしょうが)、アルバイトのつもりで日本銀行券や商品券(クオカード・図書カード等)狙いなのです。だから応募する問題も欲しい景品のものだけ。(暇つぶしに全問解きはしますが)でも晋遊舎版だけは全問につき景品が(数種類の中から、しかも必ず上のような嵩張らないものがあって)選べるシステムなので、一問も飛ばすことなく解いて楽しむことができるのです。それがイチオシの理由です。やり方のコツさえつかめば、漢字が苦手でも言葉の知識が豊富でなくても誰でも充分愉しめます。私は鉛筆で硬筆練習を兼ねてやっております。
2015年03月21日
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川柳や落語に親しんでいると面白い発想ができるようになります。今日は川柳の命うがちについて少し触れてみましょう。 これは、穿った見方をすればなどという時の「穿つ」から来た言葉です。元は「穴を開ける」という意味ですが、そこから転じて、「物事や人情の隠れた真の姿に、たくみに触れる」というような意味合いで使われます。 川柳は人間(自然)観察と奇抜な想像(洞察)を抜きにしては成り立たない文芸と言っても過言ではないでしょう。そこから、普通の人なら考えもしないようなユニークでユーモラスな発想や表現が出てきます。とは言っても肝心なことが一つあります。それは、言われてみると確かにそうだ、そうに違いないと思わせるだけの説得力をもっていなければならないということです。 うがちには観察から出てくる軽いものから、想像力を駆使した重いものまで千差万別あります(以前紹介した車胤のは後者です)。今回は後者の例として、菅原道真公をテーマにしたものを2句紹介しましょう。★ 悪筆がよつて筑紫へやるくめん 道真公は弘法大師、小野道風とともに三聖と称せられる能筆家。政敵道真を筑紫へ左遷しようと謀ったのは藤原時平。道真が相手なら、周囲の者は誰だって悪筆にされてしまうというわけ。そういう連中が寄ってたかって、道真を都から遠ざける工面を施している図ですね。 道真公をまったく句の表面に出さず、筑紫という配流地と悪筆という対照的な言葉だけで、当時の陰謀事件の裏を垣間見させる手際のよさ。★ 晴天になりそこに時ここに平 道真公が筑紫で憤死すると、その亡魂が宮中に戻り雷電となって仕返しをしたという逸話を元に、川柳子がうがち精神を発揮してこしらえたブラックな作。時平の体は落雷を受け、真っ二つになっただろうというのを名前を分解して表したのですね。もっと強烈なのもあります。くわらりつと晴れて時平をとりあつめ。初五は「カラリっと」と読みます。 気分が悪くなった方、ごめんなさいね。道真公の御霊(みたま)を鎮めねばというので、天神様として祀ったのが言わずと知れた天満宮です。 さて前回の答です。 無機質なメールの文字は冷たくて君の( )が懐かしくなる ( )に入る言葉はくせ字でした。たくさんのご応募ありがとうございました。 問題7 次の短歌の空欄に入る言葉を答えて下さい。 君のため空白なりし手帳にも予定を入れぬ( )書きで 俵万智 ヒント:文語の助動詞が出てきますのでその部分だけ訳しておきます。空白なりしは空白であった、入れぬは入れた。パズルですから、俵万智さんの歌集をひも解いてはだめですよ(笑) 答はメールでお願いします。
2006年09月28日
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オノマトペというものがあります。発音上、オノマトペアとかオノマトペイアとか少々呼び方に揺れがありますが、要するに擬音語・擬態語のことです。ワンワン、バタバタ、ザーザー、ドキドキ、フワフワ、ドギューンなど既成のオノマトペは無数にありますが、元をただせば誰か天性のいちびり言語感覚にすぐれた人物が創造した言葉であったわけです。私の想像では、縄文時代の子供たちがそのうちの何割かを遊びや仕事の中ですでに案出していたのではないかと思います。 それはさておき、言語感覚にすぐれたと言えば、詩人(歌人、俳人なども含む)を抜きにしては語れません。(ボードビリアンやコメディアン、歌舞伎、浄瑠璃、落語、講談、浪曲、法話・・・など語りもの一般に携わっている人達のことを決して忘れているわけではありません、念のため) 独自のオノマトペを次々に創作した有名な詩人は宮沢賢治です。一々挙げませんが、彼の童話にはふんだんに出てきます。もともと児童文学には多いのですがね。 普段の会話の中でオノマトペを人一倍多用する人っていますよねえ。「ビヤーッ」「ガガガガー」「ブワーッ」・・・ 前置きが長くなりましたが、私の好きな俳句、的確なオノマトペの入った作品を紹介します。 鳥渡るこきこきこきと罐切れば 秋元不死男 渡って行く鳥たちの鳴き声がこきこきこきと聞こえるものかどうか私には自信を持って断言することは出来ませんが、少なくとも缶切りで缶をこき開ける音はこれしかない!と思うのです。このように、他の言葉と言い換え不能の決定打を出した俳句(川柳)を「お手柄」の句と言います。 前回の答です。 うつくしくくずれていった( )つぎの話題が少しこわいわ ( )には角砂糖が入ります。運ばれて来た紅茶に角砂糖を一つ放り込んだものの、彼からの別れ話が怖くて口をつけるどころではなかったのですね。一つの話題が終わり、次の話題がそれなのか。熱い紅茶の中で角砂糖がじわじわ崩れていくのを見つめていた緊張の時間が、「くずれていた」ではなく「くずれていった」によく表されています。 問題6 次の短歌の空欄に入る言葉を答えて下さい。 無機質なメールの文字は冷たくて君の( )が懐かしくなる 現代学生百人一首より ヒント:誰が打っても同じメールの文字。携帯でメールのやりとりをする前は? 答はメールでお願いします。
2006年09月11日
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前回は季節感を無視して蛍なんぞを出してしまいましたので、今回は今の季節にふさわしいきりぎりすの川柳を紹介しましょう。★ 押さえれば薄放せばきりぎりす 何のことかとお思いでしょうが、すすき(薄)の生えている道端、きりぎりすがチョンギィ~ス・チョンギィ~スと鳴いている宵(夜)の光景です。どこにとまっているんだろうと近づいて、目を凝らしてもよくわからない。この辺かなっと適当に手で押さえてみると声はやんで薄だけが手の中に。うわ、手ぇ切れそう、なんて思わず手を引いて歩き出そうとすると、またもや今いた辺りからチョンギィ~ス。これだけの場面を削りに削った17文字で表現した見事な作です。句またがりになっていますので、二種類の読み方でお楽しみ下さい。 前回の答です。 月に投げ草に捨てたる( )の( ) 炭坑節の踊りなどを思い浮かべていただければ分かるかと思いますが、答は踊りの手でした。何人かの方がみごと正解でした。 問題5 次の短歌の空欄に入る言葉を答えて下さい。 うつくしくくずれていった( )つぎの話題が少しこわいわ 干場しおりヒント 場所は喫茶店かレストラン。別れ話が出そうな予感。何かが時間とともに美しく崩れて行ったんですね。女性の前には何が運ばれて来たのでしょうね。コーヒー? ジュース? ワイン? どれも違います。おそらく紅茶でしょう。ミルクもレモンも入れないストレート。でも・・・。5音の言葉です。 答はメールでお願いします。
2006年09月04日
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蛍の光窓の雪でおなじみの中国の苦学の徒、晋の車胤(しゃいん)をからかった川柳があります。私の好きな句なので、二句紹介してみます。★ 学問の邪魔だと蛍一つやり 車胤は貧しくて灯火の油を買うことができなかったので、夏、蛍をたくさん捕まえてきては籠に入れ、その蛍光の下で書物を読んで勉強したと言われていますね。じゃあ冬はどうしたんだと言う声があがりそうですが、冬は冬眠していたんじゃないかな、なんて言ったら漢学の先生に鞭でしばかれそうですね。ちなみに、冬雪明りで勉強したのは孫康という別人。 「ねえねえ、車胤の兄ちゃんよお、蛍一匹おくれよお」「おいらも蛍欲しいでよ。一緒に捕りに連れてってよお」と近所のがき子供たちのうるさいことと言ったらありゃしない。「兄ちゃんは今受験勉強やってんだよ。一匹だけやるから、もう帰ってくれよ。それにな、お前ら子供がこんな夜遅くまでおもてうろうろしてちゃ、子捕りにさらわれちゃうんだぞ」★ 註を読む時に蛍はゆすぶられ 本文を読むにはこの程度の明るさで充分なのだが、左註や傍註は字が小さいのでもっと明るくする必要がある。そこで籠を両手で持ってゆっさゆっさ揺するんですな。蛍怒って光増えますな。(桂朝丸の動物いじめやがな) さて前回の問題、難しかったですか。 殺されし全長を見せ( )流る 全長というのですから、長細いものですね。「殺される」から、人が嫌がるものを連想してください。入る言葉は二音です。答は蛇でした。そう言えば川を流れていく蛇の死体なんて、一回くらいは見ているんじゃないでしょうか。 問題4 次の川柳の空欄に入る言葉を答えて下さい。 月に投げ草に捨てたる( )の( ) ヒント 月と草から、夜の野外。投げと捨てからある動作を想像してください。実際には投げても捨ててもいませんが、そのように見えると言うんですね。前が三音、後ろが一音です。本当はにぎやかな場面なのですが、音を消して視覚にだけ訴えるように工夫した句です。※ 答はメールでお願いします。 今日の画像は和歌山の貴志川町のマスコット、ホタ郎くん。
2006年08月29日
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暑いときは辛いものが欲しくなりますね。で、我が家の今日の夕食はこれ。麺類、特にラーメンにうるさい奥さん自慢の韓国風冷麺です。キムチで口の中が火事になったら、甘~い缶詰の桃やみかんで消火します。 さて前回の問題、難しかったですか? 最後に黄色で正解を出しておきますね。 問題3 次の川柳の空欄に入る言葉を答えて下さい。 殺されし全長を見せ( )流る 関としを作 ※ 答はメールでお願いします。 正解 問題1 風呂 問題2 君
2006年08月10日
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今日は立秋。暦の上での話です。暦の下の下界ではまだまだこれからが夏本番。暑くて暑くて。エアコンも効かない暑さですね。お幽さんでも出て来てくれないかな。 台風が3つも重なって。連れもて行こら(紀州弁)で来られてはたまりません。大雨で災害の被害に遭われた所には追い討ちをかけないでほしいものです。 暑さのせいで脳みそも半分死んだようになっていますので、いっちょ大脳皮質に活を入れますか!ということで、むりやりの問題です。答がわかった方はメールでお知らせ下さい。自信のない方はコメントにそれとなくお書き下さい(答をいきなり書かないでね)。2問完答でなくてもけっこうです。問題1 次の川柳の空欄に入る言葉を答えて下さい。 水遊び大好きな子の( )嫌い 伊能ひさし作問題2 次の短歌の空欄に入る言葉を答えて下さい。 地図帳にこっそりひいたマーカーペン同じ名の地に( )を重ねて 現代学生百人一首より※ ( )の大きさは文字数に関係ありません。
2006年08月07日
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小学校の時、クラス会になると最も安直なクイズやなぞなぞでお茶を濁す連中がいた。かく言う私もその一人。出題するのも答えるのも好きだった。テレビでもクイズ番組はそのシステムがユニークかつシンプルであれば、長寿番組になりうる。 クイズに似たものにパズルというのがあります。一般的には、知識を試すのがクイズ、知恵を試すのがパズルと言われます。「徳川第6代将軍は誰でしょう」がクイズ、「嘘つき村には嘘つきはいません。なぜでしょう」がパズル。 ところが定義は違うのに、同じ質問がクイズになったりパズルになったりする場合があります。例えば「子子の子子子子子子の子子子子」はなんて読む? という問題が出た時、初めから答を知っている者にとっては(けっこう有名な問題ですからね)これはクイズです。答を知らない者にはパズルです。 つまり、答を導き出すのに記憶を手繰り寄せるのか、それとも記憶には頼らないで無手勝流で(昔のラジオ講座経験者には懐かしい響き?!)何とかこじつけようと悪戦苦闘するのかによって、クイズになったりパズルになったりします。クイズは周りに他人がいないと正解の時、満足感は半減しますね(笑) パズルは他人が「すごぉい!」と言ってくれなくても、自力で答がわかった時の喜びには格別なものがあります。 余談ですが、以上の話から「クロスワード・パズル」はパズルでありながら、多分にクイズの要素があることがおわかりでしょう。ある程度の知識がなければ、答の導きようがないからです。 きのうの日記では川柳は謎解きが面白いという話をしましたので、ネタが切れたときには俳句や川柳や短歌を使って遊んでみたいと思います。お楽しみに。あ、「子子子・・・」の答が気になりますか?では答です。子は「こ・し・ね」と読みますので ねこのここねこ ししのここじし(猫の子子猫獅子の子子獅子) ]
2006年08月03日
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