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August 4, 2015
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カテゴリ: 研究
秋月電子通商さんにて『FG085 miniDDS Function Generator』を購入.
150804_FG085

購入理由は予てより導入を検討していたPA現場用コンパクトファンクションジェネレータの代わりになるのではないかと言う期待から.

PAやる時に現地機材だとポートの確認が入力音がもらえるまで出来ないという不安があります.
もちろん,マイクを挿せばなるのかどうかはわかるのですが物が少ない会場だとステージ側にマイク全部出して終了って事もあって,やはり困りまるので音が鳴るシステムを持ち歩こうと考えていたんです.
最近はiPhoneでもなんでも音が鳴るのでそれほど気にしなくてもいいのですが,MGP16等を持ち出すとiOSのアプリとかでエフェクトをコントロールしたり,BGMを再生させたり等,スマートデバイスの負荷が大きかったりします.

多目的デバイスありきだと,電池切れや紛失等の際にも結構困りますし少しくらい大きくても単体機器への移行をしたいなと思っていたわけです.
しかし,市販のファンクションジェネレータ,特に音響用は凄まじく高価でさすがに保険の為にそんなに出せません.
まわりまわって,キット化された本モデルを購入したと言うわけです.


物は良い出来だと思います.
簡易に使うにはもったいないくらいですが,音響用途にはいくつか不満があります.

まず,ホワイトノイズが出ない事.
音響機器の調節にホワイトノイズは必須だったりします.
私が検討していたファンクションジェネレータは『NTi Audio MR2』でしたが,ここまで高性能でなくても三角波,矩形波,ノコギリ波,そしてホワイトノイズはあって欲しい所.
しかし,キット化されたファンクションジェネレータは基本デジタル信号処理にて作られている為,ホワイトノイズは実装されていないんです.


その他,15V電源駆動やBNC接続そして,基板むき出しのパッケージと言うのがフロアで使用するには問題のある仕様と言う事で改造案を練る事にしました.

考案内容は以下の通り
・ケースに収める
・電池駆動させる
・出力2系統化(バランス・アンバランス)


<ケース>
タカチ製『 TWS11-8-22
少し大きく嵩張りますが,フロアでアタフタしてると落とすこともあるし,機材バックに詰め込む際に負荷がかかる場合もゼロではないので加工しやすいプラでありながらも保護クッションが付いた本モデルにしました.

問題はフロントパネルのスイッチ類です.
タクトスイッチなのでそのままではケースに収められません.
フロントパネルを流用して貼り付けるかネジで共締めするのも楽でいいのですが共締めではタクトスイッチの距離が前後してしまい押しにくくなるのと貼り付けだと強度が下がるので今回はフロントパネルをデカールシール化してケースに直接穴あけ加工する予定で検討します.
貼り付け後にクリアラッカー処理をしないといけない等,手間なのがネックですが…


<電池駆動>
電源が15Vでしたので電池駆動がそのままでは作れません.
一般的には9V*2で18VとかにしてDC/DCにて15Vを作るのがベターですが現場でも9Vは貴重.
出来る限り保険で使いたくないのでやはり単三乾電池化する事にしました.

要するに5Vとかを15Vに変換する昇圧DC/DCの組み込みです.
取扱説明書 にはDC14V200mAと記載があります.
一応,実測も見ておこうと言う事でFG085に消費電力計をつないでザックリMax値を調べて見ました.
FG085_wat

実測値20W.
家庭用電源が100Vですから20/100で約0.2A(200mA)と言う事になります(もちろんこれはDCアダプタ入力端での話で,正確なFG085の消費電流値ではありませんが概ね取説内容通りと言う事になります)

これで簡易要件仕様が出来上がりました.
・入力電圧4.5V近辺(1.5V電池3本想定)
・出力電圧15V
・出力電流量0.2A

ただ,昇圧DC/DCの設計にわりと時間がかかる為,キット品で手抜きしました.
TI社製 LMR62421 を用いた完成基板のようです.
TWS11-8-22
入力が2.7~5.5Vで3.5~24Vの出力が可能だそうです.
FG085_per

電流量は変動ですが,仕様書のグラフを見る限り入力3.0Vで15V出力でも200mA行けそうです.

問題点はやはり入力電圧
電池は1.5V,ニカドで1.2Vが規定値です.
新品のアルカリだと多いもので1.8V出力するものも少なくありません.
合計するとこんなにもばらつきます.
1.8V*3=5.4V
1.5V*3=4.5V
1.2V*3=3.6V
1.0V*3=3.0V※電池残量が減った場合を想定

一応,ICの仕様書には『OperatingRatings』(動作保障値)に2.7~5.5Vと書いてあるので単純計算で3本あれば全てモーラできる事になります.
ただし問題は『JunctionTemperatureRange』(ICの表面温度)が-40~+125℃
単純に楽勝と思われるかもしれませんが,今回の場合電池が相手ですので電力が低下すると2.7Vまでは動いてしまうわけですから入力2.7V出力15.0Vという一番電力差(負荷が大きいのでIC温度が高くなる)がある状態で125℃未満にならなければ誤作動しかねません.

と言う事で早速基板を取り寄せて簡単な実験をしてみました.
電流はエレクトリックローダーで200mAキッチリ引っ張り入力電圧は安定化電源で3.0V(負荷がない状態で),出力が15.0V(±0.5)の状態で30分放置しIC温度を計測してみました.
IC温度=92℃
周辺温度Max(基板やコンデンサ等)=52℃

該当ICはもちろん周辺コンデンサ類も60℃以下と問題なし.
オシロで見る限り出力電圧も安定していました.

次に2.7Vで200mA引っ張ったところこちらはNG.
IC表面温度は120℃を観測し出力電圧もON/OFFを繰り返してしまいました.
サーマルシャットダウンが発動していると考えられます.
仕方なく動作するギリギリの入力電圧を探ったところ私の個体では2.8Vがギリギリと判明しました.
1本あたり0.93Vですので1V以下になる電池での駆動をやめるか電圧監視回路を盛り込むしかなさそうです.
後述は面倒なのと消費電流が多くなるだけなので前述で決定.
基本的に現場ではeneloopを満充電で使うし,1日作業程度の頻度で電池が1V以下まで使う事は無いだろうと思うので大丈夫でしょう(製品としては成り立ちませんけど…)


一応,ここにも問題があって確かに125℃までは有効範囲以内なのですがやはり温度も高いと寿命を縮めますので放熱対策を施したいところです.
しかし,該当のICのパッケージサイズは1.8*2.8mmと小さく放熱板は付けられません.
もちろん,定常で200mA引っ張り続けるわけではないので大丈夫でしょうけれど保険としては少し高いですがサーマルシートを付けるくらいの対策は出来るかもしれません.

意外と難航しました電源部分も条件付きで何とかなりそうです(実際の設計ではNGだけど…)
もう一つの悩みは意外と消費電力が大きいので電池の持ち時間ですね.
仮に700mAhの電池と仮定すると700mAh/200mA≒3.5hとなります.
DC/DCの変換能力がよい事を祈るしかありませんが3時間ちょっとは微妙なところです.
オートスリープみたいな機能あるといいのですが…
因みにDCアダプタでの駆動ももちろんさせたいのでJackスイッチで電池と電源を切り替えての実装にします.


<音声出力の充実>
本器はアンバランス出力です.
バランス出力を実現するためにはアンバランスポートを2分岐して,パッシブトランスかオペアンプでバランス化回路へと渡す必要があります.
要するに,ダイレクトボックスを内蔵させるわけです.

それぞれ問題点があります.
・パッシブ回路:質の良いトランスを導入すると重量が重くなりコストも上がる
・アクティブ回路:オペアンプ用電源が必要

現状の電源は電池部分で計算上ギリギリなのが確定ですのでアクティブは既に破綻しています.
ファンタム電源ありきと言う凄まじい仕様でもいいのですが(ついでにファンタムのチェックもできるし?)設計工数がかかるので却下.
故に,パッシブ回路の導入ですが問題はトランスの選定.
過去,山水の小さなトランスでダイレクトボックスを組んだことがあります.
シンセサイザー等,高出力の楽器であれば難なく使えはしたのですが周波数特性はお世辞にもよくありませんでしたし外来ノイズに非常に弱くかつ振動にも弱かったです.
ファンクションジェネレータだからと諦めてもいいのですが悩みどころではあります.
LUNDAHL社等有名なメーカー品ともなれば品質は必要十二分ですが重いしお値段も2ケタ上がりますから論外.

ここはおまけと割り切って山水からの選定ですかね.
一応,実験用トランスが何個か余っているので後程試してみたいと思います(マイクインピーダンス用は無いかも…600Ω~数kレベルならVolumeつまみでも付けて誤魔化すか…)


と,言う事でECM8000Rの母体が完成したと思ったらまた新しいのが増えてしまいました(ECM8000のボディー加工もまだ済んでないのに)
ジャンクで仕入れたIMAGENICS BUC160も偽物(ボディはBUなのにエンジンはUBだった…これじゃただのDIですよTT)をつかまされた事が発覚して改造着手している最中なのに…
1つできると2つ,3つと増える…全く改造計画が減る事はありませんね.





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最終更新日  August 5, 2015 12:00:30 AM
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