2003年12月18日
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朝、病院に向かう車の中で母が
「お父さんに聞かれたらどうしよう」と言い出した。
一人になって考えたら不安になったのだろう。
「骨髄異形症候群って、病名は告知されたんだから、何も隠してる事にはならないよ。ただ、我々が知らない病名だけだっただけじゃない。先生に言われたとおり、感染が命取りになるって言えば良い」
そう答えた。
事実、私がこうして検索しても、判明したのだから、医師も隠したつもりはないのだろう。

病室に着いた。
父は顔色も良く、機嫌もまあまあだった。
50年来飲んでいた頭痛薬も、そう飲まなくなり、
食事もそのせいか、すすむ。
良かった。

沖縄に行く予定がだめになったから、温泉でお正月を過ごそう・・と言う話が出た。
そうか・・・・。
来年のお正月が父にとって、最後のお正月になるかもしれないのだ。そう考えると、抑えていた悲しい気持ちで胸が一杯になった。
街に溢れるクリスマスのイルミネーションも最後なのか・・・。
桜の季節まで生きていられるのかな・・。
今年は、紅葉があまり綺麗じゃなかったから、来年は、見に行きたいと言っていたのに、
それもかなわないのか。
せめて、春の金婚式までは、元気でいて欲しいと切に思った。
感情を押し殺し「そうだね、今からじゃ取れないかもしれないけど探して見ようか」と言うと
そうかと嬉しそうに父が頷いた。

泣きたくなるようなことばかり・・・。
しっかりしなくちゃと思うのに・・・。
医師に温泉は非常に感染の危険有りと止められた。
どう、父に伝えて良いやら・・・と思いつつ病室に戻った。
正直にしか言えなかった。
父の落胆は目に見えて酷く、目の光が曇った。
こんな事なら、最初から医師に聞いてから父に言えばよかった。
今、正直に言わなくても「ホテルが一杯だった」とでも後日言えばよかったと、死ぬほど後悔の念にかられた。
自分の不器用さを恨んだ。
母は、本当のことを言って良かったのよ・・・と言ってくれたが、落ち込んだ。
「病気が良くなったら、また行けば良いよ」と言った父。
お父さん、この病気はゆっくり坂道を降りていくように悪くなるだけなの。
温泉には、もう、行けない。
悲しかった。
悔しかった。
今までこの血液の癌と言われる病気と解ってから
一度もそんな風に思わなかったが、初めて、強烈に恨んだ。
摂れる限りのサプリメントを摂り、
毎年律儀に人間ドックに行き、
健康のために、一日三十品目の食事を心がけ、
運動もちゃんとしていたのに、どうしてこんな病魔に襲われたのか。
まして、10万人に1人と言う、宝くじに当たったような病気に・・。
体の癌なら、どうにかできたものを、血液じゃ、どうにもならないじゃない。
まさか、血液が侵されているなど、微塵にも思わなかった。
免疫力を上げる食事も、健康法も、すべて空しい。
だって、雑草が生えたら抜けば良いけれど、作物の出来る土が汚れてしまったのだからどうしようもない。

もう、考えるのは辞め様。
考えても仕方ないじゃない。
成るようにしかならないんだから。

帰宅後、また、いろいろなサイトに行って調べた。
やはり、骨髄移植しか方法は無いようだ。
この近辺で移植をしている病院は数件あったが、Nの日赤が一番生存率が良い。
少し、ほんの少し希望を持ったが、すぐ打ち消された。
「70歳以上の移植はしない」と言う文字が飛び込んできた。
体力的に無理なのだそうだ。
そりゃそうだ。
沢山の若い方が苦しんでらっしゃるのだから、そちらが優先になるのは、当たり前か・・。
それに成功率も70歳を超えたら低いのも当然。
ただ、高齢者に最近この病気が増加しているのは事実だそうで、研究が進んでいるのだそうだ。
そう言えば、娘がRhマイナスと知った時、
「血液の分野はまだまだ解らないことが多いんですよ」と娘の主治医が仰っていたっけ。
移植の希望は叶いそうも無いが、他になにか方法はないのだろうか・・・。

今日も3時過ぎになった。
明日も早い。
私が倒れたら大変だ。
今晩はこのくらいにしよう。





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最終更新日  2004年01月09日 23時48分16秒
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