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[出演]ドン・ジョヴァンニ:ジョシュア・ホプキンズ騎士長: デヴィッド・リー、ドンナ・アンナ:ミシェル・ブラッドリードン・オッターヴィオ:デヴィッド・ポルティーヨドンナ・エルヴィーラ:ハイディ・ストーバーレポレッロ:ルカ・ピサローニマゼット :近藤 圭ツェルリーナ: アレクサンドラ・オルチク[合唱]ひょうごプロデュースオペラ合唱団[管弦楽]兵庫芸術文化センター管弦楽団(ゲスト・コンサートマスター:ステファノ・ヴァニャレッリ)ダブルキャストの海外組の公演を観た(聴いた)。演奏も演出も奇をてらったところは無く、比較的オーソドックスだったが、演出には興味をひかれる部分が2点ほどあった。ファッションや邸宅の感じからすると、舞台は1920年代のアメリカか?まず最初は、一幕の最初にドンジョヴァンニが騎士長と対決するところ。通常の演出だとドンジョヴァンニの方が圧倒的に強くて、易々と騎士長を殺害してしまうのだが、今回はサーベル同士でやり合うのではなく、ドンジョヴァンニの方は短剣だった。途中でドンジョヴァンニは短剣を落とし、少し傷を負う。レポレッロから渡された二本目の短剣で辛くも騎士長を刺し殺す。もう一点は、二幕の大詰め、騎士長の石像から晩餐に誘われたドンジョヴァンニが自らの最期だと悟ったのか、レポレッロの口にキスをして永遠の別れをしたシーン。単なる旦那と使用人ではなかったのではと思ってしまう。そう言えば、ドンジョヴァンニ廷での最後の食卓のシーンでは、男娼と思しき俳優(ダンサー)とも戯れていた。両刀使いなのだろうか?佐渡裕指揮のオーケストラは、オーソドックスなのだが、ここ2,30年くらいで、音楽界のモーツァルト演奏のスタイルがガラリと変わり、モダンオケでもピリオド奏法を取り入れたスタイルが主流になっていると感じる。そういう状況なので1950年代から1980年代まで主流だったような佐渡さんのスタイルはややオールドファッションに響く。大きな不満は無いものの、ドンジョヴァンニの地獄落ちなど、もう少し引き締まったドラマを感じさせて欲しかった。歌手では表現力豊かなエルヴィーラのハイディ・ストーバーとオッターヴィオのデヴィッド・ポルティーヨのリリカルで美しい歌声が良かった。他の歌手も総じて演技が上手く悪くなかったが、アンナ役のミシェル・ブラッドリーはいただけなかった。とにかく声が大きすぎる!トスカやアイーダではなくモーツァルトなのに、あんなに声を張る必要はないだろう。アンサンブルの部分など、他の歌手とお互いをよく聴き合って合わさなければならないのに、彼女の声が大き過ぎて他の歌手の声が聞き取れない状況に陥っていた。彼女をキャスティングしたのは誤りだし、彼女の勝手にさせてしまったのは最終的には指揮者の責任になるだろう。
Jul 22, 2023
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日記が全く追い付いていないのですが、、、1年で13公演しか行っていないのでそのうちの5公演になります。2/24 黛敏郎 『金閣寺』宮本亜門/マキシム・パスカル/東響(東京文化会館)3/3 クリスティアン・ツィメルマン ピアノ・リサイタル(兵庫芸文センター)4/28 プーランク モノオペラ『声』 石橋栄実/沼尻竜彦/京響(びわ湖ホール)7/27 プッチーニ 歌劇『トゥーランドット』 アレックス・オリエ/大野和士/バルセロナ響(びわ湖ホール)10/21 イザベル・ファウスト&アレクサンドル・メルニコフ デュオリサイタル (青山音楽堂)でした。
Dec 31, 2019
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アルバン・ベルク 管弦楽のための3つの小品 作品56※体調不良のため、後半のマーラー交響曲第7番は聴かずに帰宅指揮:ジョナサン・ノット管弦楽:東京交響楽団(11/16 サントリーホール)
Nov 17, 2019
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期待以上のパフォーマンスでした! この作品の実演に接するのは今回が初めて。主役であり唯一の登場人物の砂川涼子さんが降板し、かなりガッカリしていたのですが、カヴァーキャストの石橋栄実さんの歌唱が思いの外素晴らしく、聴きごたえ充分の公演だったと思います。 20世紀半ばの作品なので、多分に演劇的な要素を含んでいます。親しみやすいメロディーなどは見当りませんが、決して聴き辛い難解な作品では無いと思います。ジャン・コクトーによる台本で、電話による男性との別れ話を題材にした50分弱の短いオペラです。主役の女性は最初から最後まで歌い通しで、古典~ロマン派のオペラで見られるようなメロディーや歌詞の反復は無く、膨大な分量の台詞を覚えるだけでも大変だと思います(しかもフランス語)。さらに芸術的なレヴェルにまで表現を持って行くとなると、それこそ気が遠くなるような取り組みに違いありません。 石橋さんはオペラの端役やコンサートで何度か聴いていて、美声の歌手だという認識は持っていましたが、これだけガッツリ聴くのは初めてでした。フランス語の解らない私には彼女のディクション良し悪しを判断することは出来ませんが、美声で訴求力が有り、演技も素晴らしかったと思います。最後の「ジュテーム!」まで惹きつけられる名唱でした。沼尻氏が指揮する京響も充実していたと思います。石橋栄実 ソプラノ(4/27 びわ湖ホール 大ホール)
Apr 28, 2019
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双方ともフィレンツェを舞台とする作品です。 前半の『フィレンツェの悲劇』でシモーネを歌ったレイフェルクス、実は30年位前にも聴いたことが有ります。今60代後半くらいかな?と思ったら、もう73歳になるとは驚きました!それにしては歌もしっかりしていたなぁ(さすがに声の瞬発力は有りませんけど)。この作品は以前演奏会形式で聴きましたが、舞台上演の方がやっぱり分かりやすい。音楽はリヒャルト・シュトラウスみたいな感じです。商人の男が妻の間男である貴族を絞め殺すという愛憎劇。何とも後味が悪いストーリー(笑)。演出はオーソドックスでしたが、以前カロリーネ・グルーバーがやったというSM風の演出も見てみたかったです。 後半のジャンニ・スキッキは富豪の遺産相続をスキッキの機転で解決するという喜劇で、前半のどんよりした気分の解毒剤となりました。こちらの演出は気が利いていて、主役スキッキのカルロス・アルバレスの声が素晴らしく、抜群に芸達者で楽しめました。(4/14 新国立劇場 オペラパレス)
Apr 15, 2019
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ソレンセン:Evening Land(日本初演)ブルッフ:ヴァイオリン協奏曲 第1番 ト短調 Op.26ベートーヴェン:交響曲 第7番 イ長調 Op.92 指揮 ファビオ・ルイージヴァイオリン アラベラ・シュタインバッハー管弦楽 デンマーク国立交響楽団普通に安全運転かと思いきや、ブルッフのコンチェルトではルイージがかなりオケを煽っていて驚いた!(3/21 兵庫県立芸術文化センター 大ホール)
Mar 23, 2019
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指揮:沼尻竜典(びわ湖ホール芸術監督)演出:ミヒャエル・ハンペ美術・衣裳:ヘニング・フォン・ギールケジークフリート:クリスティアン・フォイクトミーメ:高橋 淳さすらい人:ユルゲン・リンアルベリヒ:大山大輔ファフナー:斉木健詞エルダ: 八木寿子ブリュンヒルデ:シュテファニー・ミュター森の小鳥: 吉川日奈子管弦楽:京都市交響楽団ガッカリしたのはタイトルロールのフォイクト!声量が不足していてかなり物足りない。ベテランだが安定している初日のクリスティアン・フランツを選択すべきだったか?ミーメの高橋氏は手慣れたものだったし、さすらい人のユルゲン・リンもヴァルキューレではちょっと年寄り臭い感じだったが、今回は年齢相応か。出番は少ないものの、シュテファニー・ミュターの美しく力強い歌声は印象に残った。演出は例によって極めてオーソドックス。鬱蒼とした森の様子やCGを駆使した大蛇のシーンも上手く描かれていましたし、星空バックのエルダの登場シーンや炎に包まれた岩山のシーンは非常に美しいものでした。沼尻氏指揮する京響は造形重視のためか、キチンとはしているのだけれども、響きが全体的に薄くヴァーグナーを聴く興奮は味わえなかった。(3/3 びわ湖ホール 大ホール)
Mar 4, 2019
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ショパン:マズルカ 第14番 ト短調 op.24-1ショパン:マズルカ 第15番 ハ長調 op.24-2ショパン:マズルカ 第16番 変イ長調 op.24-3ショパン:マズルカ 第17番 変ロ短調 op.24-4ブラームス:ピアノ・ソナタ 第2番 op.2*** 休憩 ***ショパン:スケルツォ 第1番 ロ短調 op.20ショパン:スケルツォ 第2番 変ロ短調 op.31ショパン:スケルツォ 第3番 嬰ハ短調 op.39ショパン:スケルツォ 第4番 ホ長調 op.54 ●アンコール曲ブラームス:4つのバラード 作品10より 第1曲、2曲、4曲ブラームスも素晴らしいけれど、ツィメルマンのショパンをこれだけまとめて聴けるのは一体何年ぶりだったろうか?至福の時間を過ごすことが出来た、、、(3/2 兵庫県立芸術文化センター 大ホール)
Mar 3, 2019
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原作:三島由紀夫台本:クラウス・H・ヘンネベルク作曲:黛敏郎溝口:宮本益光鶴川:加耒徹柏木:樋口達哉父:星野淳母:腰越満美道詮和尚:志村文彦有為子:冨平安希子若い男:高田正人女:嘉目真木子娼婦:郷家暁子ヤング溝口(ダンサー):前田晴翔指揮: マキシム・パスカル演出: 宮本亜門 装置: ボリス・クドルチカ衣裳: カスパー・グラーナー照明: フェリーチェ・ロス映像: バルテック・マシス合唱: 二期会合唱団管弦楽: 東京交響楽団黛敏郎作曲のオペラ『金閣寺』。原作は言わずと知れた三島由紀夫、宮本亜門の演出。ようやく実演に接することが出来ました。女性に対して屈折した思いを抱く溝口の内面は、ダンサーの舞踏によって描かれます。女が出征する男に飲ませる茶に乳を入れるシーン、溝口が女から嘲笑されるシーンが印象的です。大詰の読経のような合唱はなかなかの迫力でした。指揮はフランスの若手によるものでしたが、見事だったと思います。(2/24 東京文化会館 大ホール)
Feb 24, 2019
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モーツァルト:歌劇『ドン・ジョヴァンニ』序曲モーツァルト:ヴァイオリン協奏曲第5番≪トルコ風≫[ソリストアンコール]J.S.バッハ:パルティータ第3番 より プレリュードパルティータ第1番 より サラバンドシューベルト:交響曲第8(9)番≪ザ・グレイト≫ [オーケストラアンコール]シベリウス:アンダンテ・フェスティーヴォ指揮 パーヴォ・ヤルヴィヴァイオリン ヒラリー・ハーン管弦楽 ドイツ・カンマーフィルハーモニー管弦楽団(12/15 兵庫県立芸術文化センター 大ホール)
Dec 16, 2018
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振付: ジョン・クランコ音楽: ピョートル・I.チャイコフスキー編曲: クルト=ハインツ・シュトルツェ装置・衣裳: ユルゲン・ローゼ世界初演:1965年4月13日、シュツットガルト・バレエ団改訂版初演:1967年10月27日、シュツットガルト・バレエ団◆主な配役◆ オネーギン:ジェイソン・レイリー レンスキー(オネーギンの友人):マルティ・フェルナンデス・パイシャ ラーリナ夫人(未亡人):メリンダ・ウィサム タチヤーナ(ラーリナ夫人の娘):ディアナ・ヴィシニョーワ(マリインスキー・バレエ プリンシパル) オリガ(ラーリナ夫人の娘):アンナ・オサチェンコ 彼女たちの乳母:ソニア・サンティアゴ指揮:ジェームズ・タグル演奏:東京シティ・フィルハーモニック管弦楽団観に行くか否か迷っていたが、行って正解だった!ヴィシニョーワももう42歳!(38,9くらいかと思っていた、、、)彼女の舞台が観れる機会もそう多くは無いだろう。今回が彼女のタチアーナを観る最後の機会である可能性が高い。出産後最初の舞台ということで少々不安も有ったが、果たして杞憂だった!今回のパートナーが普段は一緒に組んでいないレイリー出ったことも有り、最初は若干硬さが有ったかもしれないが、それは物語の展開から行っても不自然では無かったし、ある意味スリリングな展開だったと思う。二人ともヴェテランの巧者だから決してネガな印象は受けなかった。それにしてもヴィシニョーワ演じるタチアーナのオネーギンを見るあの眼差し!まさに恋する乙女の眼差しだった!(11/3 東京文化会館 大ホール)
Nov 4, 2018
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ピアノ・ソナタ第4番 イ短調 D537ピアノ・ソナタ第15番 ハ長調 D840ピアノ・ソナタ第21番 変ロ長調 D960昔、私は内田光子が苦手だった。正確に言うと彼女が演奏家として脚光を浴びるようになった80年代によく取り上げられていた彼女のモーツァルト演奏が苦手だった。よく言えば非常に表情豊かな演奏だは有ったが、その大げさな身振り手振りが単純に煩わしかったのだ。その点、シューベルトは良い。余計なものが付随しておらず、音楽だけがスーッと入り込んでくる。90年代の録音でもそういう印象だったが、今回の実演では一層強く感じた。余計な身振り手振りが無く、音楽だけがごく自然に入って来る。美音ということならピレシュの方がもっと硬質で磨かれた音を奏でるけれど、内田光子の演奏はより懐が深く、大河の流れのように滔々としている。内田光子のリサイタルを聴くのは、多分これが初めてだと思う。1990年ごろにモーツァルトのコンチェルトを聴いていると思うのだが、リサイタルは今回が初めてだ。とても良い演奏会だったと思う。聴衆の拍手に応える内田の表情も満足げに見えた。(11/2 兵庫県立芸術文化センター 大ホール)
Nov 3, 2018
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ヴェルディ作曲 オペラ「アイーダ」(全4幕/イタリア語上演・日本語字幕付き/新制作) 演出:ジュリオ・チャバッティ原演出:マウリツィオ・ディ・マッティア指揮:アンドレア・バッティストーニ キャストアイーダ:モニカ・ザネッティンラダメス:福井 敬アムネリス:清水華澄アモナズロ:上江隼人ランフィス:妻屋秀和国王:ジョン・ハオ巫女:針生美智子伝令:菅野 敦合唱:二期会合唱団今回の上演、衣装や装置はローマ歌劇場からのレンタルらしい、いわゆる伝統的なスタイルです。アイーダの場合、伝統的な演出だとどうしても新国のゼッフィレッリのプロダクションと比較してしまいます。しっかり予算も使い、人海戦術を駆使したあちらと比較すると、大道具は勿論、楯などの小道具にしても変にキラキラし過ぎて安っぽいんですよね。全くユーズド感が感じられません。大量にエキストラを投入していると思われるあちらと比較すると、人員も全く足りていません!予算が無いのなら、それなりに一捻りした演出にしてもらいたかったです。7年前に観た粟國淳氏の演出の方が良かった気がします。歌手では清水さんのアムネリスが一番良かったかな。7年前に聴いた時も悪く無かったのですが、さらに磨きがかかっているようです。福井さんはそう感じることが多いんですが、最初のパワーが長続きせずに息切れしてしまう傾向があると思います。あと声自体も射貫くようなピンとしたソリッドな歌声では無いので、この役には合っていないように思います。アイーダのザネッティンは舞台映えする美人さんで演技も上手だったのですが、高音はやや厳しかったように思います。声のコントロールも精妙とまでは言えませんでしたが、全体としては悪くありません。アモナズロの入江さんはあまり好みではありませんでした。声もそうですが、舞台上での身のこなし、演技に違和感がありました。妻屋さんは安定のランフィス。安心して聴いていられます。ジョン・ハオの国王も朗々とした声で悪く無かったと思います。バッティストーニの指揮は緩急の振り幅の大きい情熱的なものでしたが、オーケストラの質がもう少し高ければ、指揮者の意図するところが更に伝わったのではないかと思います。(兵家県立芸術文化センター 大ホール)
Oct 27, 2018
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ベルリオーズ:序曲「ローマの謝肉祭」 作品9チャイコフスキー:ヴァイオリン協奏曲 ニ長調 作品35※ドビュッシー:交響詩「海」 ラヴェル:ボレロヴァイオリン=神尾 真由子※指揮=ジョセフ・バスティアンミックスフライ定食のような(笑)高カロリーでなかなか盛り沢山のプログラムでした。アルブレヒト時代とは明確に音が変わって幅広いプログラムに対応できるオケになったなあと思います。演奏効果が上がる曲が並んでいて、オケの機能性の高さ、ソロを吹く(弾く)奏者の技量の高さが窺えます。関西のオケでは達成できない演奏水準にあることを改めて実感しました。バスティアンの全体としてやや早めのテンポ運びながら、勢いに任せない丹念な指揮ぶりに好感が持てました。酷かったのは神尾真由子のチャイコン!ピッチは悪いし、雑で不快な印象しか残しませんでした。大喜びで拍手していた人も少なからず居たけれど「ホンマかいな!?」って感じです。10年ほど前に聴いた時は、確かに少々強引なところは有ったけれど、ここまでネガな印象は無かったな。アンコールにパガニーニのカプリースから一曲弾いてドヤ顔で舞台袖に引き上げるところを微笑ましく見ていたものでしたが、、、。バックのオケは立派でした。(9/5 フェスティバルホール 大阪)
Sep 6, 2018
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「ドン・キホーテ」(全2幕プロローグ付5場)振付:ウラジーミル・ワシーリエフ (マリウス・プティパ/アレクサンドル・ゴールスキーによる)音楽:レオン・ミンクス◆主な配役◆キトリ/ドゥルシネア姫:マリーヤ・アレクサンドロワバジル:ウラディスラヴ・ラントラートフドン・キホーテ:木村和夫サンチョ・パンサ:岡崎隼也ガマーシュ:樋口祐輝メルセデス:伝田陽美エスパーダ:柄本 弾ロレンツォ:永田雄大【第1幕】2人のキトリの友人:三雲友里加 - 中川美雪闘牛士:宮川新大、森川茉央、杉山優一、ブラウリオ・アルバレス、 和田康佑、金指承太郎、宮崎大樹、岡﨑 司若いジプシーの娘:奈良春夏ドリアードの女王:二瓶加奈子キューピッド:足立真里亜【第2幕】ヴァリエーション1:三雲友里加ヴァリエーション2:中川美雪指揮:ワレリー・オブジャニコフ演奏:東京フィルハーモニー交響楽団ワシーリエフ版のため、時折見慣れないシーンが出てくる。プロローグにキトリ、バジルも出て来てかなり長め。この二人のドン・キホーテは四年前にボリショイの引っ越し公演を名古屋で観ている。その時はアレクサンドロワのコンディションがあまり良く無かったようでやや物足りない出来だったが、今回は前回よりもずっと良かった。特に大きな違いはラントラートフの成長だ。長身で舞台映えするし、身体能力が高く、サポート力もある。本当に良いダンサーになったと思う。アレクサンドロワとの息もぴったりだ。アレクサンドロワも持ち前のダイナミックさを取り戻していた。フィッシュダイブの思い切りの良さも健在。終幕のグランフェッテも超高速で回り出してびっくりした。ドン・キホーテの夢でのグランジュテの跳躍力は同年代の頃のニーナ(・アナニアシヴィリ)には遠く及ばないけれど、、、。前回はボリショイの引っ越し公演だったため、他のソリストの水準もかなり高かったが、今回は東バのダンサーなのでその点は物足りない。比較的良かったのは奈良春夏のジプシー娘くらいだろうか。群舞については特に不満なし。オブジャニコフ&東フィルの演奏は比較的早めのテンポ設定。会場はかなり盛り上がっていて良い雰囲気だった。(8/18 フェスティバルホール 大阪)
Aug 22, 2018
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― 第1部 ―「眠れる森の美女」振付:マリウス・プティパ音楽:ピョートル・イリイチ・チャイコフスキーオレシア・ノヴィコワデヴィッド・ホールバーグノヴィコワは優雅な美しさがよく出ていてAプロのアポロよりずっと良かった。ホールバーグも堅実なサポートと安定感のある踊りで安心して見ていられる。「ムニェコス(人形)」振付:アルベルト・メンデス音楽:レムベルト・エグエスヴィエングセイ・ヴァルデスダニエル・カマルゴ人形が人間の男女になって愛し合うお話??「ソナチネ」振付:ジョージ・バランシン音楽:モーリス・ラヴェルレオノール・ボラックジェルマン・ルーヴェとても美しいのだけれど、味わいが淡白な感じ。「オルフェウス」振付:ジョン・ノイマイヤー音楽:イーゴリ・ストラヴィンスキー、ハインリヒ・ビーバー、ピーター・プレグヴァド、アンディ・パートリッジシルヴィア・アッツォーニアレクサンドル・リアブコオルフェウスを演じるリアブコはサングラスを掛けて踊る。初見なのでなかなか難しい、、、ローラン・プティの「コッペリア」振付:ローラン・プティ音楽:レオ・ドリーブアリーナ・コジョカルセザール・コラレスコジョカルは芸達者でとても可愛らしい。コラレスも上手いが何か物足らない。― 第2部 ―「シンデレラ」振付:ルドルフ・ヌレエフ音楽:セルゲイ・プロコフィエフドロテ・ジルベールマチュー・ガニオAプロで見たマノンより二人ともこちらの方が良かった。二人とも役に嵌まっていて、パートナーシップも違和感が無い。「HETのための2つの小品」振付:ハンス・ファン・マーネン音楽:エリッキ=スヴェン・トール、アルヴォ・ペルトタマラ・ロホイサック・エルナンデス急速な前半とゆったりと展開する後半。前半ではエルナンデスの若さがプラスに作用しているが、後半はロホの年の功が光る。「白鳥の湖」より 第3幕のパ・ド・ドゥ振付:マリウス・プティパ音楽:ピョートル・イリイチ・チャイコフスキーアシュレイ・ボーダーレオニード・サラファーノフテクニシャンの二人だが、Aプロのタランテラよりこちらの方が印象は良かった。二人とも古典の則を超えず悪達者になっていない。特にサラファーノフはストイックと言って良いほど抑えて踊っていた。「椿姫」より 第2幕のパ・ド・ドゥ振付:ジョン・ノイマイヤー音楽:フレデリック・ショパンアリシア・アマトリアンフリーデマン・フォーゲルこの秋にはまた来日して「白鳥」と「オネーギン」を踊る二人。ここでも息ぴったりで、恋人たちの儚く幸せな時間を提示して見せた。― 第3部 ―「ロミオとジュリエット」より 第1幕のパ・ド・ドゥ振付:ケネス・マクミラン音楽:セルゲイ・プロコフィエフメリッサ・ハミルトンロベルト・ボッレとにかくボッレの若々しい動きに驚いた!身体のキレが素晴らしく、ピルエットもスムーズ。もう40歳を過ぎている筈だが?ハミルトンのジュリエットも愛らしい。「ジュエルズ」より "ダイヤモンド"振付:ジョージ・バランシン音楽:ピョートル・イリイチ・チャイコフスキーミリアム・ウルド=ブラームマチアス・エイマンこの演目もロパートキナの神々しいほどのパフォーマンスがまだ記憶に新しく、ルテステュ&マルティネスの麗しい姿を見たのもそんなに昔のことでは無いことも有って、決して悪く無いのだけれど、較べてしまうと物足りない...「マノン」より 第3幕のパ・ド・ドゥ振付:ケネス・マクミラン音楽:ジュール・マスネアリーナ・コジョカルヨハン・コボー所謂「沼地のPDD」。Aプロではスキンヘッドだったコボーも鬘を付けて大奮闘。しっかりサポートをこなし、熱演していた。コジョカルも一段と演技力に磨きがかかり、深い人間的感情をより一層表現できるようになったようだ。「アポロ」振付:ジョージ・バランシン音楽:イーゴリ・ストラヴィンスキーサラ・ラムフェデリコ・ボネッリAプロではノヴィコワ、ホールバーグのペアが同一演目を踊っているが、テルプシコールはサラ・ラムの方がしなやかなエレガンスを備えていて適役だと思う。ノヴィコワはちょっと硬かった。アポロはギリシャ彫刻のような見事な肉体に端正なマスクと威厳でホールバーグが良い。では、その二人で組めば良いかというと、そう単純には行かない。「椿姫」より 第3幕のパ・ド・ドゥ振付:ジョン・ノイマイヤー音楽:フレデリック・ショパンアンナ・ラウデールエドウィン・レヴァツォフノイマイヤーの舞踏言語を体得する2人が踊る安定のPDD。レヴァツォフは流石のサポート力。でも、何故だか魅せられない。― 第4部 ―「じゃじゃ馬馴らし」振付:ジョン・クランコ音楽:ドメニコ・スカルラッティ編曲:クルト・ハインツ・シュトルツェエリサ・バデネスダニエル・カマルゴカマルゴが凄く良い。舞台姿が良く、身体能力が秀でているだけでなく、演技力もナカナカのもの。バデネスの暴れっぷりも楽しませてもらった。「ヌレエフ」より パ・ド・ドゥ振付:ユーリー・ポソホフ音楽:イリヤ・デムツキーマリーヤ・アレクサンドロワウラディスラフ・ラントラートフこの二人はこういったコンテ作品でも立派に表現できるのだから、もうちょっと古典を削ってこういったものも観て見たい。まぁ、主催者側の意向もあるから難しいのかも知れないが、、、「アダージェット」振付:ジョン・ノイマイヤー音楽:グスタフ・マーラーマリア・アイシュヴァルトアレクサンドル・リアブコ 非常に繊細で崇高な美しさを感じさせてくれる作品。リアブコ夫妻の一体感も素晴らしいけれど、この二人もまた別の魅力を味あわせてくれる。「オネーギン」より 第3幕のパ・ド・ドゥ振付:ジョン・クランコ音楽:ピョートル・イリイチ・チャイコフスキーアレッサンドラ・フェリマルセロ・ゴメスフェリのタチアーナにはまるで毅然としたところが無く、もうちょっと押されたらオネーギンと駆け落ちしそうだ。それにしてもちょっとフニャフニャし過ぎていないか?「ドン・キホーテ」振付:マリウス・プティパ音楽:レオン・ミンクスマリア・コチェトコワダニール・シムキン二人とも上手いのは分っている。シムキンを初めて見た時はとても新鮮だったが、今では少し老けただけで新味を感じない。指揮:ワレリー・オブジャニコフ、ロベルタス・セルヴェニカス 管弦楽:東京フィルハーモニー交響楽団ピアノ:フレデリック・ヴァイセ=クニッテル(「ソナチネ」「椿姫」)(8/11 東京文化会館 大ホール)
Aug 12, 2018
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― 第1部 ―「ディアナとアクテオン」振付:アグリッピーナ・ワガノワ音楽:チェーザレ・プーニエリサ・バデネスダニエル・カマルゴカマルゴの跳躍姿勢の美しさに見惚れてしまった。身体能力も高く、素晴らしいダンサーだと思う。バデネスも悪く無い。「ソナタ」振付:ウヴェ・ショルツ音楽:セルゲイ・ラフマニノフマリア・アイシュヴァルトアレクサンドル・リアブコラドメイカーが降板したため、リアブコが二人のパートナーを兼ねることになった。落ち着いた美しい作品でありパフォーマンス。「ジゼル」より 第2幕のパ・ド・ドゥ振付:ジャン・コラーリ、ジュール・ペロー音楽:アドルフ・アダンマリア・コチェトコワダニール・シムキン著名なインスタグラマーでもあるコチェトコワにはテクニシャンのイメージしかなかったけれど、浮遊感や抒情的な美しさが見事に表現されていて驚いた。彼女で全幕が観て見たい。一方のシムキンは上手いけれど、表現が表層にとどまっている気がする。「アポロ」振付:ジョージ・バランシン音楽:イーゴリ・ストラヴィンスキーオレシア・ノヴィコワデヴィッド・ホールバーグとにかくホールバーグの美しさに尽きる。太陽神の威厳が感じられ、まさに芸術的なステージプレゼンス。ノヴィコワも悪くはないが、すこし硬さが感じられるパフォーマンスだった。「コッペリア」振付:アルチュール・サン=レオン音楽:レオ・ドリーブサラ・ラムフェデリコ・ボネッリサラ・ラムのしなやかで軽やかの感じられる動きが良い。ボネッリは以前からそうだが、踊りが重い。― 第2部 ―「瀕死の白鳥」振付:ミハイル・フォーキン音楽:カミーユ・サン=サーンスヤーナ・サレンコこの作品はまさに絶品だったロパートキナの演技がまだ鮮明に残っている。ロパートキナと比較してしまうといかにも大味だ。パートナーの急な降板で難しいとは思うが、別の作品を選ぶべきだったのではないか?「カラヴァッジオ」振付:マウロ・ビゴンゼッティ音楽:ブルーノ・モレッティ(クラウディオ・モンテヴェルディより)メリッサ・ハミルトンロベルト・ボッレ二人とも可動域が大きく身体能力が高いというのはよく分る。美麗な二人だけにエロティックさより美しさが勝っている。(以前、マラーホフの贈り物で見ていたようだが、衣装以外は殆ど記憶に残っていない。)「くるみ割り人形」振付:ルドルフ・ヌレエフ(マリウス・プティパ、レフ・イワーノフに基づく)音楽:ピョートル・イリイチ・チャイコフスキーレオノール・ボラックジェルマン・ルーヴェヌレエフ版のくるみ(全幕)は実演で見たことが無いため、新鮮だった。かなり難易度の高そうな振付である。「・・・アンド・キャロライン」振付:アラン・ルシアン・オイエン音楽:トーマス・ニューマンオレリー・デュポンダニエル・プロイエット「ファラオの娘」振付:ピエール・ラコット(マリウス・プティパに基づく)音楽:チェーザレ・プーニマリーヤ・アレクサンドロワウラディスラフ・ラントラートフこの作品、衣装は華やかで良いのだがPDDにしてもあまり面白くない。ラトマンスキー版の海賊とかやってくれた方が面白いのでは?実力のある二人なのでちょっと勿体無く感じる。― 第3部 ―「カルメン」振付:アルベルト・アロンソ音楽:ジョルジュ・ビゼー、ロディオン・シチェドリンタマラ・ロホイサック・エルナンデス前回のフェスでは精彩が無く、もう引退かな?と思わせたロホだったが、若いパートナーを得て若返ったように活き活きして見えた。若干親子っぽく見える瞬間も無かった訳では無いが、、、「ルナ」振付:モーリス・ベジャール音楽:ヨハン・セバスチャン・バッハエリザベット・ロスこの作品、ギエムでしか見たことが無かった。ギエムの演技は素晴らしいものだったが、作品そのものよりもギエムの個性の方が際立っていた。長年ベジャール作品の上演に携わってきたロスから作品そのものの性質を見せてもらった思いがする。「アンナ・カレーニナ」振付:ジョン・ノイマイヤー音楽:ピョートル・イリイチ・チャイコフスキーアンナ・ラウデールエドウィン・レヴァツォフノイマイヤーによるコンテ作品。これも全幕からの一シーンだと思うが、初見でここだけ見せられてもなかなか判断に困る。「タランテラ」振付:ジョージ・バランシン音楽:ルイス・モロー・ゴットシャルクアシュレイ・ボーダーレオニード・サラファーノフテクニシャンの二人だけれど、普段組んでいる相手では無いせいだろうか、統一感に乏しいせいだろうか?今一つと個人的には感じられた。NYCBの公演で感じられたような高揚感は得られなかったし、サラファーノフについて言えば、テリョーシキナと以前踊った時の方が素晴らしかったと思う。「アフター・ザ・レイン」振付:クリストファー・ウィールドン音楽:アルヴォ・ペルトアレッサンドラ・フェリマルセロ・ゴメス復活後見るのは二度目だが、実際にフェリのダンスを見ても、「なぜ今フェリが?」という想いがぬぐえきれない。― 第4部 ―「ドン・ジュアン」振付:ジョン・ノイマイヤー音楽:クリストフ・ウィリバルド・グルック、トマス・ルイス・デ・ヴィクトリア、トマス・ルイス・デ・ヴィクトリアシルヴィア・アッツォーニアレクサンドル・リアブコやはりこの二人は特別。二つの肉体が一つの物語を綴って行く。遠目にはシルヴィアがうら若き乙女のように見える。放蕩者の最後も哀しく美しい。「シェエラザード・パ・ド・ドゥ」【世界初演】振付:リアム・スカーレット音楽:リムスキー・コルサコフアリーナ・コジョカルヨハン・コボースキンヘッドのコボーがバヤデールのハイブラーミンみたいで笑える。新作だが振付はオーソドックスなスタイルなので見易い。コボーの見せ場は殆ど無く、ひたすらコジョカルを輝かせるためにご奉仕している。産後のコジョカルを見るのは初めてだが、身体のキレも素晴らしく、全く衰えは感じさせない。回転軸が全くブレないのには驚く。「ヘルマン・シュメルマン」振付:ウィリアム・フォーサイス音楽:トム・ウィレムスポリーナ・セミオノワフリーデマン・フォーゲルフォーサイスの作品らしく、とにかくよく動く。フォーゲルがスカートを身に付けて踊ったり、なかなかユーモラスでもある。二人とも身体能力が高い。ポリーナもフォーゲルも古典よりこういう作品の方が持ち味を活かせるのではないか?「マノン」より 第1幕のパ・ド・ドゥ振付:ケネス・マクミラン音楽:ジュール・マスネドロテ・ジルベールマチュー・ガニオドロテもマチューも別に悪いということは無いが、この二人だとあんまり恋人感が無く、淡々と型通りこなしているだけという印象が残った。「ドン・キホーテ」振付:マリウス・プティパ音楽:レオン・ミンクスミリアム・ウルド=ブラームマチアス・エイマンヌレエフ版?と思われるが、通常とはちょっと違っている。エイマンは怪我の復帰後で慎重に踊っているという感じで、元気な時のような躍動感は無い。ミリアムは悪く無いが、細かい部分がもう少しピタッと決まると良かった。指揮:ワレリー・オブジャニコフ、ロベルタス・セルヴェニカス管弦楽:東京フィルハーモニー交響楽団チェロ:伊藤悠貴(「瀕死の白鳥」)ピアノ:原久美子(「瀕死の白鳥」、「タランテラ」)(8/4 東京文化会館 大ホール)
Aug 5, 2018
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指揮 佐渡裕演出 ミヒャエル・テンメ衣裳助手 ハンナ・フォラート言語コーチ ハイケ・シルバーマン装置・衣裳 フリードリヒ・デパルム合唱指揮 矢澤定明照明・映像 ミヒャエル・グルントナー出演者 オットカール侯爵 町 英和 クーノー 鹿野由之 アガーテ カタリーナ・ハゴピアン エンヒェン マリア・ローゼンドルフスキー カスパー ジョシュア・ブルーム マックス クリストファー・ヴェントリス 隠者 斉木健詞 キリアン 清水徹太郎 ザミエル ペーター・ゲスナー 合唱 ひょうごプロデュースオペラ合唱団 管弦楽 兵庫芸術文化センター管弦楽団地味目な作品だし、平日昼の公演だというのに、土曜のびわ湖ホール(トスカ)より入ってる!オーソドックスだけど、狼谷のザミエルの演出はなかなか良い。ザミエルの顔がプロジェクターで大写しになるような演出はTVドラマではあるが、オペラではあまり見ないし、幕切れでザミエルが地中からせり上がってくる演出に小林〇子を想起した人も小なく無かったに違いない(笑)その他の演出は伝統の線に即したもので、特筆すべき点はなし。マックスのヴェントリスはこの役には勿体無いほどの歌手!ノーブルで美しい歌声を聞かせてくれたが、ハッキリ言ってあまり聴かせどころのない役なので、「ヴァーグナーが聴きたい!」と思わずにはいられない。アガーテのハゴピアンは長身の若い歌手で声量は今一歩ながら演技は上手い。彼女より印象に残ったのはエンヒェンのローゼンドルフスキーで、声もよく通るし活発で活き活きした演技には惹かれるものが有る。カスパーのジョシュア・ブルームも悪く無かった。 隠者という役は出番は少ないのだけれど、フィデリオのドン・フェルナンドと同様、しっかりした人に歌ってもらわないと説得力が無い。斉木さんは声は悪く無いのだけれど、歌が全くドイツ語に聞こえない。この役は別キャストの妻屋氏の方がずっと良いだろう。佐渡裕指揮のPACオケも重厚な曲想をしっかり表現していたと思うし、合唱も悪く無かった。(兵庫県立芸術文化センター 大ホール)
Jul 25, 2018
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スタッフ指 揮 ロレンツォ・ヴィオッティ演 出 アントネッロ・マダウ=ディアツ美 術 川口直次衣 裳 ピエール・ルチアーノ・カヴァッロッティキャストトスカ キャサリン・ネーグルスタッド カヴァラドッシ ホルヘ・デ・レオンスカルピア クラウディオ・スグーラアンジェロッティ 久保田真澄スポレッタ 今尾 滋シャルローネ 大塚博章堂守 志村文彦看守 秋本 健羊飼い 前川依子合唱指揮 三澤洋史合 唱 新国立劇場合唱団 びわ湖ホール声楽アンサンブル児童合唱 大津児童合唱団管弦楽 東京フィルハーモニー交響楽団若手指揮者ロレンツォ・ヴィオッティのキビキビして引き締まった音楽の運びが凄くよい!ただオケをパワフルに鳴らし過ぎて、やや歌が聞こえにくい傾向あり。テ・デウムでの合唱も勿論見事。オーソドックスでゴージャスなプロダクションで、サンピエトロ寺院を模したテ・デウムの場面はまさに一服の絵画というか映画の一シーンに立ち会っているかの如くで圧巻。空席が1/3程有るのが残念。東京では体調不良で降板したネーグルスタッドだが、大津では復調して歌ってくれた。声量に恵まれた歌手では無いが、声はよく通りキチンと演技の出来る人だと見た。デ・レオンの方が声量は有るかも知れないが、声の芯がピチッとしておらずあまり印象が良く無い。スカルピアのスグーラは2m位ある長身の歌手で非常に舞台映えがする。もう一歩声量が有れば更に良いのだが、、、。(7/21 びわ湖ホール 大ホール)
Jul 22, 2018
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指揮:ジャンパオロ・ビサンティ 演出:ジョセフ・フランコニ・リー 管弦楽:バーリ歌劇場管弦楽団 合唱:バーリ歌劇場合唱団 マンリーコ フランチェスコ・メーリ レオノーラ スヴェトラ・ヴァシレヴァ ルーナ伯爵 アルベルト・ガザーレ アズチェーナ ミリヤーナ・ニコリッチ フェルランド アレッサンドロ・スピーナ イネス エリザベッタ・ファッリスこの公演の目当てだったフリットリが気管支炎の悪化で降板したため、がっかり感は有りますが払い戻しも無いし仕方がありません。結論から言えばフリットリの穴は大きかったし、主役級の4人に不満が無かったと言えば嘘になりますが、マズマズ期待値はクリアしていて、楽しめる公演だったと思います。良かったのは男声2人で、特にルーナ伯爵のガサーレは朗々とした美声を聴かせてくれて満足。マンリーコのメーリは叙情的な部分の歌唱は非常に美しくて見事なのですが、「見よ、あの恐ろしい炎を」みたいな歌は線が細くてロブストな迫力に欠けます。代役のヴァシレヴァは健闘していましたが、巧拙以前に声質が硬く(前半気になりました)、特に高音がメタリックになるのは好みが分かれるでしょう(私はこの役に関していうと違和感があります)。有名なアリア「恋はバラ色の翼に乗って」の切なる表現はなかなか良かったと思いますが、、、。ニコリッチは立派な体格に見合う迫力が声にも欲しいと思いました。演出は衣装を見る限り時代をやや近代にシフトさせていますが、特別なことはせず平凡(オーソドックスとも云う。第三幕第一場で長々と兵士の格闘技を舞台中央でやらせる意味は?あれは合唱に集中出来ずかなり煩わしかった。)。オケと合唱団は想像していたよりは上手かった(失礼!)。*幕間での隣席夫婦の会話妻「あのジプシーの女が自分の子供を焼いちゃったんでしよ!?」夫「あれは妄想や」妻「あ、そうなんや」違いますって!奥さんが正しいです!攫って来た伯爵家の子供を殺す筈が錯乱して我が子と取り違え、そのまま火の中に放り込んでしまったんですよ!でなきゃ辻褄が合いませんよね!?なんてお節介なことは勿論言いません(笑)(6/30 びわ湖ホール)
Jul 1, 2018
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指 揮 : 飯守泰次郎 演 出 : カタリーナ・ワーグナー ドラマトゥルク : ダニエル・ウェーバー美 術 : マルク・レーラー 衣 裳 : トーマス・カイザー 照 明 : クリスティアン・ケメトミュラー舞台監督:村田健輔ドン・フェルナンド : 黒田 博 ドン・ピツァロ :ミヒャエル・クプファー=ラデッキーフロレスタン : スティーヴン・グールド レオノーレ:リカルダ・メルベートロッコ : 妻屋秀和 マルツェリーネ : 石橋栄実ジャキーノ : 鈴木 准 囚人1 : 片寄純也 囚人2 : 大沼 徹合唱指揮:三澤洋史 合 唱 : 新国立劇場合唱団 管弦楽 : 東京交響楽団話題のカタリーナ・ヴァーグナーによる読み替え演出の逸脱度はギリギリ許容範囲かな。こんなのばっかりだと困るけど、たまにならいいかと。まぁこの作品が初めての人は止めた方が良いのは確か(笑)通常と大きく違うのは終幕で、レオノーレは大詰の四重唱の終わりでピツァロにナイフを奪われフロレスタンが刺される。刺された状態で夫婦の二重唱!レオノーレ序曲第三番が始まるとレオノーレもピツァロに刺されて、ピツァロとその部下はレンガを積み上げ壁を作り上げてレオノーレとフロレスタン夫婦を地下に封じ込めてしまう。これじゃまるで『アイーダ』のエンディングじゃないか!そんでもって、舞台上ではピツァロが変装してフロレスタンになりすまし、ピツァロの情婦と思しき女がレオノーレの偽の夫婦を演じる。で、最後には開放したと見せかけた囚人達を牢屋に封じ込め、なんとピツァロとドン・フェルナンドが握手を交わす(二人はグルだったのか!)、地下に封じ込められたレオノーレとフロレスタン夫婦は市打弱して死んでゆくという何とも後味の悪いエンディング。歌手ではフロレスタンのグールドが圧倒的な声量で抜きん出ていた(ちょっと高音が厳しい個所も有ったが)。クプファー=ラデッキーのピツァロは今一歩パワーが欲しかったがそれは贅沢だろうか?メルベートも悪く無かったが、ヴィブラートがきつくてちょっとヴァーグナー風。石橋さんのマルツェリーネは歌唱は美しいので、台詞にもう少しスムーズな自在さが出てくると尚良い。黒田さんのドン・フェルナンドは声が十分飛んでこなくて残念だった。録音じゃないから妻屋さんに二役歌わせるわけにはいかないしなぁ、、、。飯守氏指揮の東響は重厚で恰幅の良い演奏(やや古めかしい)。カタリーナの演出とはあまり合わないような気もする。(5/27 新国立劇場 オペラパレス)
May 28, 2018
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曲目:ベートーヴェン:ピアノ・ソナタ第8番 ハ短調 op.13「悲愴」 ベートーヴェン:ピアノ・ソナタ第17番 ニ短調 Op.31-2「テンペスト」 ベートーヴェン:ピアノ・ソナタ第32番 ハ短調 op.111シューベルト:3つのピアノ曲(即興曲集) D946からテンペストに変更になった理由は分からないけど、最後の機会だからシューベルトの方が聴きたかったので残念、、、。(4/14 ザ・シンフォニーホール 大阪)
Apr 15, 2018
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曲目:モーツァルト:ピアノ・ソナタ 第12番 ヘ長調 K.332 モーツァルト:ピアノ・ソナタ 第13番 変ロ長調 K.333 ベートーヴェン:ピアノ・ソナタ 第32番 ハ短調 作品.111マリア・ジョアン・ピレシュのピアノリサイタル(引退ツアー)を聴きに岐阜のサラマンカホールへ❗️初めてクルマで行きました。普段はチョイ乗りしかしない私ですが、高速では8割方ACC+LKASを使ったのでかなり快適に移動することが出来ました。不慣れな自分が往復で300km以上も移動したにも拘らず、驚くほど疲労も少なく感じました。さて、演奏の方は前半のモーツァルトが絶品でした。ベートーヴェンの最後のソナタも勿論悪く無ないのですが、彼女で聴かなくとも別のピアニストで聴いても構わない曲。浜松のプログラムのようにシューベルトが聴きたかった、、、(4/8 岐阜ふれあい会館 サラマンカホール)
Apr 9, 2018
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出演振付・演出・ナレーション:ジョン・ノイマイヤーハンブルク・バレエ団演目『キャンディード序曲』、『アイ・ガット・リズム』、『くるみ割り人形』、『ヴェニスに死す』、『ペール・ギュント』、『マタイ受難曲』、『クリスマス・オラトリオⅠ-Ⅵ』、『ニジンスキー』、『ハムレット』、『椿姫』、『作品100―モーリスのために』、『マーラー交響曲第3番』あまりコンテは観ない私ですが、ノイマイヤーの自伝仕立ての構成になっていることも有り、また馴染みの有る演目もチラホラ有ったため、最後まで飽くことなく見続けることが出来ました。ノイマイヤー作品のエッセンスを味わうことの出来る内容になっていたと思います。録音音源による上演なのが残念ですが、しんみりとした『マタイ受難曲』、躍動感あふれる『クリスマス・オラトリオⅠ-Ⅵ』あたりが印象に残りました。『マーラー交響曲第3番』でのスケールの大きい表現もエンディングを飾るにふさわしいもの。ノイマイヤー自身のまだまだ老いてはいない若々しい姿も拝むことが出来ました。(2/17 ロームシアター京都)
Mar 8, 2018
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びわ湖ホールプロデュースオペラ ワーグナー作曲「ワルキューレ」2018年3月3日(土) 滋賀県立芸術劇場びわ湖ホール 大ホール指 揮:沼尻竜典(びわ湖ホール芸術監督) 演 出:ミヒャエル・ハンペ 美 術・衣裳:ヘニング・フォン・ギールケ 照 明:齋藤茂男 演出補:伊香修吾管弦楽:京都市交響楽団 <3月3日> ジークムント アンドリュー・リチャーズ フンディング 斉木健詞 ヴォータ ユルゲン・リン ジークリンデ 森谷真理 ブリュンヒルデ ステファニー・ミュター フリッカ 小山由美演出は前回のラインの黄金同様オーソドックス。上手にプロジェクターを使用している。一幕の「冬の嵐は過ぎ去り」のシーンでは実演だと若葉が風にそよいでいるさまがスケール大きく映し出され非常に瑞々しい。終幕の岩山が炎に包まれるシーンでもプロジェクターが上手く使われていた!歌手ではミュターのブリュンヒルデが抜き出ていたと思う。有名ではないけど優れた歌手をキャスティング出来たものだ。リンのヴォータンは見た目ちょっと老けてたかな?貫禄はあるけど壮年期のパワーには欠ける。一幕での双子の兄妹はマズマズ。斉木さんは声は良いのだけれど、ドイツ語があまり明瞭でない。多分もう一組の山下さん(数年前にびわ湖で聴いた)の方がイイと思う。二幕の小山さんも貫禄充分で熟年夫婦の雰囲気。京都市響は頑張ってたけれど、弦にもっと豊潤な響きが欲しい、、、。 関西で「指環」が聴けるんだから、あまり贅沢言っちゃいけないんだろうけど。(3/3 びわ湖ホール 大ホール)
Mar 4, 2018
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演奏曲目 J.S.バッハ:ヴァイオリン・パルティータ第3番 ホ長調 BWV1006 ヴァイオリン・ソナタ第3番 ハ長調 BWV1005 ヴァイオリン・パルティータ第2番 ニ短調 BWV1004素晴らしく充実したひとときだった。(1/24 いずみホール)
Jan 28, 2018
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<曲目>ベッリーニ:歌劇『ノルマ』序曲プッチーニ:歌劇『トスカ』より「妙なる調和」ヴェルディ 歌劇『アイーダ』 序曲ヴェルディ:歌劇『アイーダ』より「清きアイーダ」ビゼー:カルメンから 間奏曲第二幕リーリャスパスティアの酒場でのジプシーダンスビゼー:歌劇『カルメン』より「おまえの投げたこの花を」(花の歌)マスカーニ:歌劇『カヴァレリア・ルスティカーナ』より間奏曲マスカーニ:歌劇『カヴァレリア・ルスティカーナ』より「お母さん、あの酒は強いね」ヴェルディ:歌劇『運命の力』序曲マスネ:歌劇『ル・シッド』より「ああ!すべては終わった〜おお裁きの主、父なる神よ」プッチーニ:妖精ヴィッリ 前奏曲~夜の宴ジョルダーノ:歌劇『アンドレア・シェニエ』より「ある日、青空を眺めて」プッチーニ:歌劇「修道女アンジェリカ」前奏曲プッチーニ:歌劇『トゥーランドット』より「誰も寝てはならぬ」アンコールプッチーニ:トスカ より「星は光りぬ」クルティス:勿忘草レハール:微笑みの国より「君はわが心のすべて」指揮:ヨッヘン・リーダー管弦楽:日本センチュリー交響楽団二度のキャンセルを経て三度目の正直である。本当に来るのか?直前まで半信半疑だったがようやく世界中で引っ張りだこのイケメンテナーを聴くことが出来た。私は例によって3Fの天井に近い席に居たのだが、結構空席が有った。プログラムを見ると一曲目がショスタコーヴィッチの祝典序曲!直接オペラと関係が無いし、随分珍しい曲をするのだなと思っていたら、結局「ノルマ」序曲に差し替え。カウフマンは映像で見聞きするのとほぼ同じイメージで、一曲目の「妙なる調和」から素晴らしい歌を聴かせてくれた。ただ、曲によって出来に差が感じられるというか、無理せずにセーヴされていると感じる曲と流石はと唸らされる曲が有ったと思う。具体的には「清きアイーダ」や花の歌など、後者は映像収録ではもっと強い感情移入が見られたが、今回は比較的サラッと歌われていた。「誰も寝てはならぬ」も失速気味。全幕と較べてはいけないのだろうが...。対照的に良かったのは『カヴァレリア・ルスティカーナ』からの「お母さん、あの酒は強いね」。これは迫真の歌唱だったと思う。『ル・シッド』からのアリアも悪く無かった。若干お疲れ気味だったものの、アンコールの「君はわが心のすべて」でドイツ語歌唱が聴けたのは収穫だった。不満も無かった訳では無いが、全体としてこのテナーの名声に恥じない公演だったと思う。舞台衣装を付けた歌唱ではないが、演技力のある人なので歌唱や表情からドラマを感じさせてくれるものは有ったと思う。(1/4 フェスティバルホール 大阪)
Jan 4, 2018
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【演出】粟國 淳【キャスト】 ノルマ:マリエッラ・デヴィーアアダルジーザ:ラウラ・ポルヴェレッリポッリオーネ:ステファン・ポップオロヴェーゾ:伊藤貴之クロティルデ:松浦 麗フラーヴィオ:二塚直紀【合唱】びわ湖ホール声楽アンサンブル、藤原歌劇団合唱部【管弦楽】トウキョウ・ミタカ・フィルハーモニア【指揮】沼尻竜典往年のディーヴァも70歳に手が届こうかという年齢(せめて十年前だったら!)で行こうか否かちょっと悩みましたが、関西では滅多に聴けない演目なので行くことにしました。有名な「清らかな女神(Casta Diva)」はやや不安定でちょっと心配になりましたが、徐々に調子を上げてアダルジーザとの二重唱などは素晴らしかったです。ポッリオーネのステファン・ポップはまだかなり若い歌手ですが、声量は充分です。相当の巨漢なこともあり演技は若干木偶の棒風味。粟國 淳の演出、沼尻竜典の指揮も悪く無かったと思います。(10/28 びわ湖ホール大ホール)
Oct 30, 2017
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◆モーツァルト/ ヴァイオリンソナタ ト長調 K.379 ◆シューベルト/ 幻想曲 ハ長調 D934 ◆ベートーヴェン/ ヴァイオリンソナタ 第9番 イ長調 作品47「クロイツェル」 アリーナ・イブラギモヴァ(ヴァイオリン) セドリック・ティベルギアン(ピアノ)イブラギモヴァはモーツァルトやシューベルト前半での繊細で抒情的な表現から、シューベルト後半でのスケールの大きい表現やベートーヴェンでの情熱的で激しい演奏まで多彩な表現を持ち合せている。ピアニストとの息もぴったり。それにしてもこの人相当気性が激しそう(笑)(10/15 青山音楽記念館バロックザール)
Oct 15, 2017
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演出:ゲッツ・フリードリヒ美術・衣裳:ゴットフリート・ピルツ 照明:キンモ・ルスケラ演出補:アンナ・ケロ 舞台監督:村田健輔ジークフリート:ステファン・グールド ブリュンヒルデ:ペトラ・ラングアルベルヒ:島村武男 グンター:アントン・ケレミチェフハーゲン:アルベルト・ペーゼンドルファー グートルーネ:安藤赴美子ヴァルトラウテ:ヴァルトラウト・マイヤー ヴォークリンデ:増田のり子ヴェルグンデ:加納悦子 フロスヒルデ:田中由貴絵第一のノルン:竹本節子 第二のノルン:池田香織 第三のノルン:橋爪ゆか合唱指揮:三澤洋史合唱:新国立劇場合唱団/二期会合唱団管弦楽:読売日本交響楽団指揮:飯守泰次郎ペトラ・ラングのブリュンヒルデはムラが有って彼女のトップフォームでは無かったように感じたが、まぁ良かったのでは?声はやや衰えたが、ヴァルトラウト・マイヤーの舞台での存在感は圧倒的だった。グールドはこれだけの長丁場で声が最後まで持ったのは立派だったと思う。ただあのカヴァーオールの衣装はどうなんだろうか?飯守指揮の読響は東フィルには望めない厚味のある響きを聴かせてくれた。(10/7 新国立劇場 オペラパレス)
Oct 9, 2017
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プロコフィエフ:ピアノ協奏曲 第3番 ハ長調 作品26 R.シュトラウス:アルプス交響曲 作品64ピアノ=ベフゾド・アブドゥライモフ指揮=シモーネ・ヤング管弦楽=読売日本交響楽団東京のオケを聴くと、非常に申し訳ないが地元のオケの定期を聴きに行く気にはなれない。贔屓のソリストが出演するとか、何か特別な事情でもない限りスルーすることが多い。読響は大阪定期公演を年に三度ほど行ってくれるのでこれまでも何度か足を運んでいる。東京での公演に較べると平凡なプログラムになることも多いが、集客を考えると仕方の無い部分もあるのだろう。プロコフィエフのコンチェルトでのアブドゥライモフは今売り出し中の若手。上手いのだろうけれど、ブロンフマンのような重量感は希薄。メインプログラムはシュトラウスのアルペンシンフォニー。読響の厚味のある響きが生かされて聴きごたえのある演奏になっていた。ヤング女史もお得意のシュトラウスだけに語り口もこなれていて手慣れた仕上がり。オペラを聴いてみたいな。 (6/26 フェスティバルホール 大阪)
Oct 1, 2017
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【キャスト】ジャンヌ:エフゲーニャ・オブラスツォーワフィリップ:イーゴリ・ツヴィルコジェローム:アレクサンドル・スモリャニノフアデリーヌ:アナ・トゥラザシヴィリ音楽:B.アサフィエフ原振付:W.ワイノーネン改訂振付:A.ラトマンスキー舞踊監督:M.ワジーエフ管弦楽:ボリショイ劇場管弦楽団ガラ公演等で終幕のPDDを見ることは有るが、全幕の上演は日本国内では初めてとのこと。この演目はオシポワ&ワシーリエフの映像を何度か見ており、PDDは実演にも接しているのでどうしても彼らの演技がデフォになっているため、ちょっと上手い程度の演技では何も感じ無くなって来ている...。レアな演目の実演に接することが出来たという点で価値が有る。おそらくクリサノワのジャンヌの方が良かったのではと思う。ツヴィルコのフィリップは悪く無かった。(6/10 びわ湖ホール 大ホール)
Sep 6, 2017
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音楽:リヒャルト・ヴァーグナー指揮:飯守泰次郎 演出:ゲッツ・フリードリヒ美術・衣裳:ゴットフリート・ピルツ 照明:キンモ・ルスケラ演出監修:アンナ・ケロ 演出補:キム・アンベルラ舞台監督:村田健輔ジークフリート:ステファン・グールド ミーメ:アンドレアス・コンラッドさすらい人:グリア・グリムスレイ アルベリヒ:トーマス・ガゼリファフナー:クリスティアン・ヒュープナー エルダ:クリスタ・マイヤーブリュンヒルデ:リカルダ・メルベート森の小鳥:鵜木絵里/九嶋香奈枝/安井陽子/吉原圭子管弦楽:東京交響楽団歌手に人を得ており総じて良かったのですが、さすらい人のグリア・グリムズレイはやや不調でしょうか。メルベートのブリュンヒルデはやや声が細みですが、悪く無かったと思います。飯守泰次郎指揮の東響も健闘していました。ゲッツ・フリードリヒの演出は読み替えは有るものの、近年よく有るようなさっぱり訳の分からないものではありません。今回は森の小鳥を4人が歌い分けるという贅沢な使い方をしていました。(6/4 新国立劇場 オペラパレス)
Sep 4, 2017
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プログラム1)『海賊』第3幕よりオダリスク音楽:A.アダン 振付:M.ルグリ出演:ニキーシャ・フォゴ、ナターシャ・マイヤー、芝本梨花子2)『ライモンダ』第1幕よりアダージョ音楽:A.グラズノフ 振付:R.ヌレエフ出演:ニーナ・ポラコワ、ヤコブ・フェイフェルリック3)『I have been kissed by you…』音楽:M.リヒター 振付:H.マルティン、P.d.バナ出演:エレナ・マルティン、パトリック・ド・バナ『…Inside the Labyrinth of solitude』音楽:T.ヴィターリ 振付:P.d.バナ出演:ジェロー・ウィリック4)『ラ・フィユ・マルガルデ』音楽:F.エロルド 振付:F.アシュトン出演:ナターシャ・マイヤー、デニス・チェリェヴィチコ5)『マニフィカト』より音楽:J.S.バッハ(アニュス・デイ) 振付:J.ノイマイヤー(初演:シルヴィ・ギエム、マニュエル・ルグリ)出演:ニーナ・トノリ、ヤコブ・フェイフェルリック6)『じゃじゃ馬馴らし』音楽:D.ショスタコーヴィチ 振付:J.C.マイヨー出演:オルガ・スミルノワ、セミョーン・チュージン7)『チャイコフスキー・パ・ド・ドゥ』音楽:P.I.チャイコフスキー 振付:G.バランシン出演:マリアネラ・ヌニェス、ワディム・ムンタギロフ8)『フェアウェル・ワルツ』音楽:F.ショパン/ V.マルティノフ振付:P.d.バナ出演:イザベル・ゲラン、マニュエル・ルグリ9)『ローレンシア』よりパ・ド・シス音楽:A.クレイン 振付:V.チャブキアーニ出演:ニキーシャ・フォゴ、デニス・チェリェヴィチコ、ナターシャ・マイヤー、芝本梨花子、ジェームズ・ステファン、ジェロー・ウィリック10)『Medea』音楽:M.リヒター 振付:P.d.バナ出演:エレナ・マルティン、パトリック・ド・バナ11)『アルルの女』より音楽:G.ビゼー 振付:R.プティ出演:イザベル・ゲラン、マニュエル・ルグリ12)『Movements of the Soul』音楽:バルバトューキ、K.ディクソン、M.スタイン振付:ニキーシャ・フォゴ 出演:ニキーシャ・フォゴ13)『Murmuration』より音楽:E.ボッソ 振付:E.リアン出演:ニーナ・ポラコワ、ヤコブ・フェイフェルリック、ジェームズ・ステファン14)『海賊』第2幕よりアダージョ音楽:L.ドリーブ 振付:M.ルグリ出演:マリアネラ・ヌニェス、ワディム・ムンタギロフ15)『グラン・パ・クラシック』音楽:F.オーベール 振付:V.グゾフスキー出演:オルガ・スミルノワ、セミョーン・チュージン16)『Moment』マニュエル・ルグリ ソロ(世界初演)音楽:J.S.バッハ/F.ブゾーニ 振付:N. ホレツナ出演:マニュエル・ルグリピアノ:滝澤志野古典とコンテ(現代モノ)の配分も良く、楽しめる公演でした!月初めに観たバレエ・スプリームより考えられたプログラムだったと思います。バレエスプリームでは若い日本人ダンサーに白鳥やジゼルを踊られていましたが、こちらでは『ローレンシア』や『ラ・フィユ・マルガルデ』を若いダンサーに踊らせている辺り、上手いと思います。白鳥やジゼルは公演も多く、今迄多くの名ダンサーによる名演を見てきているため、非常にハードルが高いのです。よほど卓越した演技でなければパッとしない印象のまま終わってしまうと思います。その点、やや一般性の低い作品の方が自然に若いダンサーの美点に目が行くような気がします。(8/19 フェスティバルホール 大阪)
Aug 20, 2017
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ロイヤルチーム◆『ラプソディ』(アシュトン振付) ヤーナ・サレンコ/スティーヴン・マックレー◆『ジゼル』第2幕よりパ・ド・ドゥ 高田茜/ベンジャミン・エラ◆『白鳥の湖』第2幕より 金子扶生/フェデリコ・ボネッリ◆アイ・ガット・リズム スティーヴン・マックレーオペラ座チーム◆『エスメラルダ』(プティパ振付) オニール八菜/ユーゴ・マルシャン◆チャイコフスキー・パ・ド・ドゥ マチアス・エイマン/ミリアム・ウルド=ブラーム◆『ロミオとジュリエット』第1幕よりパ・ド・ドゥ レオノール・ボラック/ジェルマン・ルーヴェ◆『マンフレッド』 マチアス・エイマンオペラ座&ロイヤル合同チーム◆『眠れる森の美女』ディヴェルティスマン オペラ座&ロイヤル合同チーム英国ロイヤルチームの方はマックレーが孤軍奮闘という感じで、全体としてはパリ・オペラ座チームの方が水準が高いと感じた。ロイヤルチームで良かったのは、マックレーが噛んでいるラプソディーの超絶技と見事なタップで魅せたアイ・ガット・リズムの二つ。高田、金子の若いお二人はそれなりの水準には達しているのだろうが、わざわざガラで『ジゼル』や『白鳥』を見せることはなかろうと思ってしまう。男性2人も地味。よく見る演目だけに観る方の目も厳しくなってしまうというもの。その点、パリオペの方が上手にプログラムを組んでいると思う。(8/1 兵庫県立芸術文化センター 大ホール)
Aug 2, 2017
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アルマヴィーヴァ伯爵 ユンポン・ワン アルマヴィーヴァ伯爵夫人 キレボヒリ・ビーソン * スザンナ リディア・トイシャー フィガロ ジョン・ムーア ケルビーノ サンドラ・ピケス ・エディ マルチェリーナ ロバータ・アレクサンダー* バルトロ アーサー・ウッドレイ バジリオ/ドン・クルツィオ チャド・シェルトン 演技歌唱とも良いなと思ったのはケルビーノのピケス・エディのみ。マルチェリーナのアレクサンダーにはびっくり!まさかここで代役に抜擢されるとは!声の衰えは隠せないけれど、貫禄で押し切っている感じが良い。伯爵夫人のビーソンも代役だったが、演技も歌唱も硬い。フィオルディリージじゃないが、「石のように動かず」といった風情でもうちょっと柔軟性が欲しい。演出はオーソドックスで安心して見ていらる分、新味はゼロ。(7/29 兵庫県立芸術文化センター 大ホール)
Aug 1, 2017
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びわ湖ホールプロデュースオペラ ワーグナー作曲 『ラインの黄金』(全1幕)(ドイツ語上演・日本語字幕付)指 揮:沼尻竜典(びわ湖ホール芸術監督) 演 出:ミヒャエル・ハンペ 装置・衣裳:ヘニング・フォン・ギールケ 管弦楽:京都市交響楽団 出演 ヴォータン:ロッド・ギルフリー ドンナー:ヴィタリ・ユシュマノフ フロー:村上敏明 ローゲ:西村 悟 ファゾルト:デニス・ビシュニャ ファフナー:斉木健詞 アルベリヒ:カルステン・メーヴェス ミーメ:与儀 巧 フリッカ:小山由美 フライア:砂川涼子 エルダ:竹本節子 ヴォークリンデ:小川里美 ヴェルグンデ:小野和歌子 フロスヒルデ:梅津貴子不満が無かった訳では無いけれど、関西でこれだけのヴァーグナーが聴ける機会は貴重。最近の演出では何でもアリだが、今回はハンぺによる非常にオーソドックスなもの。予算が無い部分はCGを使ってうまく表現出来ていた。特に冒頭のラインの乙女達のシーンは印象的。歌手は全体的に女声陣が良かったと思う。ローゲを歌った西村悟は非常に若い歌手で名前も知らなかったくらいだが、声はしっかり通るし、演技も上手くて驚いた。ヴォータンのギルフリーはちょっと期待はずれ。オーケストラ(特に管)は頑張っていたが(ホルン(ヴァーグナーテューバ?)にはエキストラがかなり入っていたようだ)、弦の響きが薄いのがちょっと残念。びわ湖ホールでは今後四年掛けてニーベルングの指環四部作を上演するが、次作のヴァルキューレはともかく、後半の二作は日本センチュリーとの混成部隊にでもしなければ、京響だけではちょっと厳しいように思う。(3/5 びわ湖ホール)
Jun 3, 2017
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ラ・フォル・ジュルネびわ湖2017の4/29の2公演を聴いてきました。1公演目は小ホールで児玉麻里、桃姉妹のピアノ連弾(姉妹で連弾と言うと昔ラベック姉妹が居たな...)だった筈なのですが、やむを得ない事情(具体的な事情の説明は無し)とかで姉の児玉麻里が出演出来無くなり、代わりに広瀬悦子の出演となりました。演目はピアノ4手のためのハンガリー舞曲集とスラヴ舞曲集からの選集です。鍵盤の右側の高音部(プリモ奏者)を広瀬さん、左側のセコンド奏者を桃さんが受け持っていました。演奏は完全にコンサートスタイルで家庭音楽の素朴さは有りません。ヴィルトゥオーゾ的な名技性が強調されており、デュナミーク幅やテンポの伸び縮みの大きい濃厚な演奏でした。おそらく広瀬さんの個性が色濃く出たのではないでしょうか?CDや実演の印象からすると、児玉姉妹による演奏ならもう少し端正な方向へ振っていたと思います。2公演目は中ホールでアンヌ・ケフェレックのピアノリサイタルでした。席は一階前方通路のすぐ後ろで、視界の妨げになるものが全く無い理想的な位置で快適。演目はJ.S.バッハ、ヘンデル、フランス近代の舞曲をピックアップした盛り沢山なプログラムで、運営側から「長過ぎるので当初発表のものから曲を減らすように」要望されたと、最後の一曲を演奏する前に本人から説明が有りました。演奏はいつもながら洗練された上品なもので、特にバッハが美しいです。
Jun 2, 2017
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J.S.バッハ:無伴奏ソナタ 第1番 ト短調 BWV1001 無伴奏ソナタ 第3番 ハ長調 BWV1005 無伴奏パルティ―タ 第2番 ニ短調 BWV1004 アンコール Louis Gabriel Guillemain:Caprice from "Amusement pour le violon seul" op.18さすがに全曲は弾けないので、ソナタ1、2番とパルティータ2番の選集でした。圧巻はパルティータ2番後半のジーグとシャコンヌ。無窮動で駆け抜けるようなジーグを弾いた後、非常に多彩な響き、音色、音の風合い(ガット弦と奏法に拠るものでしょう)を感じさせるシャコンヌでした。モノクロ写真で言えば、滑らかなトーンのきめ細やかなファインプリントから、粒子を荒らしたラフなハイコントラストのザラッとした感じまで表現の幅が広く、その使い分けが絶妙なのです。(3/2電気文化会館)
Jun 1, 2017
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数年前と比較すると随分ホール、劇場へ足を運ぶ回数が減りました。以前は10公演選んでいたのですが、今年は一年で10数公演しか行っていないため5公演を挙げておきます。オペラが多いのですが、選から漏れたものでは新国立劇場で聴いた『サロメ』が驚きの要素は無いものの、上演の水準が高く満足のゆくものでした。3月 新国立劇場『イェヌーファ』5月 新国立劇場『ローエングリン』6月 ヒラリー・ハーン ヴァイオリンリサイタル(兵庫芸文)10月 新国立劇場『ヴァルキューレ』 東京交響楽団第645回定期公演 イザベル・ファウスト(Vn)ジョナサン・ノット(指揮)(サントリーホール)
Dec 31, 2016
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ドヴォルザーク:ソナチネ ト長調 Op.100シューベルト:ヴァイオリンとピアノのためのソナチネ 第3番 ト短調 D.408シューベルト:ヴァイオリンとピアノのためのソナチネ 第1番 ニ長調 D384ブラームス:ヴァイオリン・ソナタ 第3番 ニ短調 Op.108【アンコール】ブラームス F.A.E.ソナタより第3楽章 スケルツォブラームス編曲 ハンガリー舞曲集第5番 嬰ヘ短調 (ピアノ連弾)ユリア・フィッシャー(ヴァイオリン)マルティン・ヘルムヒェン(ピアノ)前日少々退屈しながら聴いていたシューベルトのソナチネが全く別の曲のように聴こえ、今回は充分楽しむことが出来た。これは曲に慣れたからでは無く、この曲を演奏するのに適した環境(会場)で聴くことが出来たことが大きい。ブラームスは逆に情熱的でスケールの大きい表現だったため、インパクトは強かったがややり過ぎではないか?と感じてしまった。こちらはフィッシャーの気迫に圧倒されるばかり...。今回はアンコールの二曲目でピアノ連弾も披露されたが、個人的にはちょっと蛇足ではないかと感じてしまった。ピアノ演奏がヴァイオリンのそれほどの高みに達していないと感じられたためだ。余興として楽しめば良いのかも知れないが、私はもう一曲彼女のヴァイオリン演奏を聴きたかった。(10/16 トッパンホール)
Nov 1, 2016
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演出:ゲッツ・フリードリヒ美術・衣裳:ゴットフリート・ピルツ 照明:キンモ・ルスケラジークムント:ステファン・グールド フンディング:アルベルト・ペーゼンドルファーヴォータン:グリア・グリムスレイ ジークリンデ: ジョゼフィーネ・ウェーバーブリュンヒルデ:イレーネ・テオリン フリッカ:エレナ・ツィトコーワゲルヒルデ:佐藤路子 オルトリンデ:増田のり子ヴァルトラウテ:増田弥生 シュヴェルトライテ:小野美咲ヘルムヴィーゲ:日比野 幸 ジークルーネ:松浦 麗グリムゲルデ:金子美香 ロスヴァイセ:田村由貴絵管弦楽:東京フィルハーモニー交響楽団指揮:飯守泰次郎ゲッツ・フリードリヒの演出はそれが悪いとは言わないが、キース・ウォーナーよりも20世紀の匂いが感じられる。ラインゴールド、ヴァルキューレと見た限りではウォーナーの方に新鮮な感激を覚えた。フリードリヒの演出といえば、30年ほど前のトンネルリングを思い出す。今回の演出はそれよりも後年のものだが、やはり20世紀を思い出させる。第一幕のフンディングの屋敷ではフンディングが部屋の灯をリモコンで消す場面が有るが、あれはフリードリヒのジョークみたいなものだろうか?終幕ではトンネルを思わせるような構築物が現れるが、ネオンのような灯が投影され、ヴァルキューレ達は勇者の上にま跨り腰を振る。歌手はほぼ穴が無い。グールドのジークムントはかなり強力だ。一幕の終盤ではヘロヘロになる歌手が多いが、声の威力が衰えないのは流石!ウェーバーの若々しいジークリンデも悪く無いが、私は前回新国で聴いたセラフィンの陰影に富んだドラマティックな歌唱の方が好ましいと感じた。双子の兄妹はかなり豊満な体型でヴィジュアル的にはちょっと厳しいものが有る。その点、ヴォータンのグリア・グリムズレイとフリッカのエレナ・ツィトコーワ夫妻は声の面でも、ヴィジュアルでも申し分ない。ただ、グリムズレイに関していえば、終幕は声量が少し落ちてやや不安定な個所が有った。多分本調子では無かったと思う。二年ほど前にびわ湖で聴いた時の方が、声のコンディションは良かった。テオリンは貫禄のブリュンヒルデ。一段と太った気はするが、役を完全に自分のものにしていて感動的な歌唱だったと思う。フンディングのペーゼンドルファーも立派。経験豊富なヴァーグナー指揮者飯守氏指揮の東フィルは小さな傷は有ったものの、全体としては悪く無かったと思う。ただ、前回のローエングリンでも感じたフレーズがぶつ切りされるような感覚は今回も有った。手堅いかも知れないが、渦の中に飲みこまれ夢中にさせられるような演奏では無かった。(10/8新国立劇場オペラパレス)
Oct 29, 2016
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【演出】フランチェスコ・ベッロット【出演】ドン・パスクワーレ:牧野正人マラテスタ:須藤慎吾エルネスト:アントニーノ・シラグーザノリーナ:砂川涼子【合唱】びわ湖ホール声楽アンサンブル、藤原歌劇団合唱部【管弦楽】日本センチュリー交響楽団【指揮】沼尻竜典(びわ湖ホール芸術監督)演出はかなりオーソドックスな部類。後半はドン・パスクワーレの屋敷から家財道具が運び出され、舞台は簡素化されライティングで変化をつける趣向か。歌手ではシラグーザが圧倒的に良い。舞台にイタリアンなテイストを振りまいてくれる貴重な存在だ。牧野氏は手慣れている感じだが、楽しくないのがこの役としては厳しい。須藤、砂川の両名は悪く無かったが砂川さんの高音がメタリックに響き、やや耳障りだったのが残念。(10/23 びわ湖ホール 大ホール)
Oct 25, 2016
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ドヴォルザーク:ソナチネ ト長調 Op.100シューベルト:ヴァイオリンとピアノのためのソナチネ 第3番 ト短調 D.408シューベルト:ヴァイオリンとピアノのためのソナチネ 第1番 ニ長調 D384ブラームス:ヴァイオリン・ソナタ 第3番 ニ短調 Op.108 【アンコール】ブラームス F.A.E.ソナタより第3楽章 スケルツォユリア・フィッシャー(ヴァイオリン)マルティン・ヘルムヒェン(ピアノ)この日は三階席で舞台から遠いことも有ってか、前半のプログラムはあまり楽しめなかった。広い会場ではハウスムジークとしての親密な雰囲気が魅力の楽曲を聴くのは無理が有るのではないだろうか。後半のブラームスは集中力が高く、スケールの大きい表現でこちらの方が演奏スタイルと会場によりマッチしており、彼女の演奏の魅力を堪能することが出来た。ヘルムヒェンも良きパートナー。(10/15東京オペラシティ・コンサートホール)
Oct 23, 2016
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ベートーヴェン:ヴァイオリン協奏曲(カデンツァ:ピアノ協奏曲編曲版に基づく)~アンコールギユマン:無伴奏ヴァイオリンのためのアミューズ Op.18よりヴァイオリン:イザベル・ファウストショスタコーヴィチ:交響曲第10番管弦楽:東京交響楽団指揮:ジョナサン・ノットベートーヴェンのコンチェルトは滅多に聴けないような名演奏だったと思う。これだけで十分に満たされたので、ショスタコーヴィッチを聴かずに帰ろうかとちょっと思ったくらいだった。ファウストのヴァイオリンは大きな音ではないが非常によく通る音で弾かれている。繊細な美しさが際立つ素晴らしい演奏。ヴィブラートを掛けまくったツルツルテカテカの演奏とは対極に位置するもの。聴き慣れたこの曲が非常に新鮮で活き活きしたものに感じられる。ショスタコーヴィッチのシンフォニーも世界のトップクラスのパワーは無いものの、在阪オケとは格違いの力量を見せてくれたので満足。(10/15 サントリーホール)
Oct 23, 2016
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ヴェルディ:歌劇「ナブッコ」序曲やはり民族の血は有るなぁと...。日本人指揮者と日本の楽団の組み合わせではこうはなりますまい。アンサンブルをキッチリ整えて、小奇麗に纏めてしまう。どうしても小ぢんまりと淡白になってしまう。でも、ヴェルディの楽曲には、特に初期から中期の作品にあっては、暑苦しいくらいの濃厚な情熱が必要。この演奏はそのことを改めて思い起こさせます。なかなか濃い演奏。 ベルク:ヴァイオリン協奏曲「ある天使の思い出に」※この曲は数年前にツィンマーマン(Vn)ギルバート指揮の都響で大変な名演奏を聴いている。悪い演奏では無いものの、あの時のようなマジックは最後まで起こることは無かった。 シューマン:交響曲第3番変ホ長調「ライン」op.97ちょっとブラスが不安定だけれど、悪い演奏では無かった。デスピノーサという指揮者はザクセン州立歌劇場のコンマスから指揮者になったらしいが、今後も注目して行きたい指揮者だ。アラベラ・シュタインバッハー(Vn)京都市交響楽団ガエターノ・デスピノーサ(指揮)(9/24 京都コンサートホール・大ホール)
Sep 26, 2016
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「ラ・シルフィード」より 振付:オーギュスト・ブルノンヴィル 音楽:ヘルマン・レーヴェンショルド レオノール・ボラック&ジェルマン・ルーヴェ 「ランデヴー」 振付:ローラン・プティ 音楽:ジョゼフ・コスマ アマンディーヌ・アルビッソン&バンジャマン・ペッシュ 「人魚姫」第1幕よりパ・ド・ドゥ 振付:ジョン・ノイマイヤー 音楽:レーラ・アウエルバッハ シルヴィア・アッツォーニ&アレクサンドル・リアブコ 「シルヴィア パ・ド・ドゥ」 振付:ジョージ・バランシン 音楽:レオ・ドリーブ ローラ・エケ&ユーゴ・マルシャン ~休憩 20分~ 「ロミオとジュリエット」 第1幕より“マドリガル” “バルコニーのパ・ド・ドゥ” 第3幕より“寝室のパ・ド・ドゥ” 振付:ルドルフ・ヌレエフ 音楽:セルゲイ・プロコフィエフ レオノール・ボラック&ジェルマン・ルーヴェ (マドリガル) ドロテ・ジルベール&ユーゴ・マルシャン (バルコニーのパ・ド・ドゥ) アマンディーヌ・アルビッソン&マチュー・ガニオ (寝室のパ・ド・ドゥ) 「病める薔薇」より 振付:ローラン・プティ 音楽:グスタフ・マーラー (交響曲第5番 第4楽章) エレオノラ・アバニャート&オードリック・ベザール 「See」 〈日本初演〉 振付:大石裕香 音楽:アルヴォ・ペルト (「アリーナのために」「鏡の中の鏡」より) シルヴィア・アッツォーニ&アレクサンドル・リアブコ 「それでも地球は回る」 〈女性版世界初演〉 振付:ジョルジオ・マンチーニ 音楽:アントニオ・ヴィヴァルディ(「バヤゼット」より“私はないがしろにされた妻”) アマンディーヌ・アルビッソン 「With a Chance of Rain」より 〈日本初演〉 振付:リアム・スカーレット 音楽:セルゲイ・ラフマニノフ (「10の前奏曲」op.23-5、op.23-6、「幻想的小品集」op.3-1“エレジー”) ピアノ:久山亮子 ローラ・エケ&オードリック・ベザール ドロテ・ジルベール&マチュー・ガニオ 「ル・パルク」より“解放のパ・ド・ドゥ” 振付:アンジュラン・プレルジョカージュ 音楽:ヴォルフガング・アマデウス・モーツァルト (ピアノ協奏曲第23番 K.488 第2楽章) エレオノラ・アバニャート&バンジャマン・ペッシュ先日観たオールスター・バレエ・ガラに較べるとスターダンサーは居らず、やや地味な公演でしたが内容は充実していたと思います。 意外と良かったのが、エトワールより一ランク下のプルミエ・ダンスーズのレオノール・ポラックとその更に下、スジェのジェルマン・ルーヴェのペア。特にポラックは踊りが軽やかで端正。足捌きも綺麗で身体の軸がブレない素敵なダンサーだと思いました。そう遠くない将来、エトワールに上がるのではないかと思います。エケやアルビッソンといった他のエトワールの踊りが重たい(下手という意味ではありません)こともあり、ポラックのダンスが非常に好ましく映りました。今回でペッシュが現役を退くらしく、皆から盛んに拍手を受けていました。(8/11 フェスティバルホール 大阪)
Sep 26, 2016
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「カルメン」(振付:A.アロンソ) ウリヤーナ・ロパートキナ、アンドレイ・エルマコフロパートキナの舞台上での存在感の何という素晴らしさ!ダンスも勿論秀逸なのだが、佇まいが既に芸術的。エルマコフはイーヴンなパートナーとは言えないかも知れないが、全力でサポート。 「ジゼル」(振付:M.プティパ) ニーナ・アナニアシヴィリ、マルセロ・ゴメスニーナを観るのは4年ぶりだろうか?彼女も50歳を超え、年齢から来る衰えを隠し切れなくなってきた。動きにキレが無く、下の世代のダンサーたちと一緒に踊ると、踊りのスタイルの時代がかった古めかしさも感じられる。 「Tango y Yo」(振付:コルネホ) エルマン・コルネホ技師コルネホの魅力溢れるショーピース。 「トリスタンとイゾルデ」(振付:K.パストール) スヴェトラーナ・ザハーロワ、ミハイル・ロブーヒンザハロワが踊るコンテは素晴らしいものが多いが、この作品は彼女自身に振付けられたもの。ザハロワの卓越した身体能力、身体表現が存分に生かされ、圧倒的な感銘を受ける。 「レクイエム」(振付:K.マクミラン) アレッサンドラ・フェリ [ソプラノ:安藤赴美子]かなりの期間舞台を離れ、再び戻ってきたフェリ。抒情的な表現力はなかなかのもの。 「チャイコフスキー・パ・ド・ドゥ」(振付:G.バランシン) ジリアン・マーフィー、マチアス・エイマン この二人がどの程度一緒に踊っているのかは知らないが、名技性の高いこの作品は二人のキャラクターに合っている。パートナーシップの面でこなれれば(恐る恐るのフィッシュダイブ等々)、もっと魅力的になろうかと思う。 「トッカーレ」(振付:M.ゴメス) カッサンドラ・トレナリー、マルセロ・ゴメス [ヴァイオリン:小林美恵、ピアノ:中野翔太]初見なので何とも...。悪く無かったとは思うが。 「グルックのメロディ」(振付:A.メッセレル) ウリヤーナ・ロパートキナ、アンドレイ・エルマコフ特段驚くようなことは起きないのだが、やはりロパートキナは別格。 「海賊」より寝室のパ・ド・ドゥ(振付:K.セルゲーエフ/A.M.ホームズ) ジリアン・マーフィー、マチアス・エイマンテクニシャンの二人ながら、やはりパートナーシップの点で物足りなさが残る。 「ロミオとジュリエット」第3幕より寝室のパ・ド・ドゥ(振付:K.マクミラン) アレッサンドラ・フェリ、エルマン・コルネホ ※変更前:シナトラ組曲(振付:T.サープ)かつてフェリの十八番だった演目。素晴らしい部分も有るが、年齢を感じさせる部分も少なからずある。 「瀕死の白鳥」(振付:M.フォーキン) ニーナ・アナニアシヴィリ [チェロ:遠藤真理、ピアノ:中野翔太]今回の面子ならばこの演目はロパートキナでしょう。多分ザハロワでもニーナより良いと思う。全然死にそうにないし。彼女には合わない演目。 「海賊」(振付:M.プティパ) スヴェトラーナ・ザハーロワ、ミハイル・ロブーヒン安定のボリショイペア。安心して見ていられる。ザハロワがグランフェッテの着地をミスしたが、全体としては悪く無い。いい加減、手拍子は止めてもらいたい。(7/30 フェスティバルホール 大阪)
Sep 19, 2016
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関西でブリテンの20世紀オペラ(1960年初演)なんぞを上演して客が入るのか?かなり疑問を持っていました。ブリテンのオペラは英国本国以外ではそれほどポピュラーでは無く、日本でも首都圏での上演すら少なく、ましてや関西人に馴染みの有るものとは到底言えません。『夏の夜の夢』は幻想的な雰囲気の有る作品ですが、音楽も派手さの無い室内楽的で内輪なもの。演劇的な部分に重点を置いたオペラのため、後期ロマン派作品のような濃厚でドラマティックな展開も有りません。ところが、こうした予想とは裏腹にチケットは全日程ソールドアウト!やっぱり佐渡人気でしょうか?今回は平日公演だったので、男女比は7:3で女性が多く。男性の殆どは高齢者でした(^^;)兵庫での上演に当たっては、オベロンやタイターニアの属する妖精界の歌手は日本語の訳詞で歌い、4人の恋人たちや村人など人間界の歌手は原語の英語で歌うという折衷的なヴァージョンが用いられていました。私は一言も解らないチェコ語やハンガリー語でも原語上演すべきだと思っているので、その点はやや不満でした。この作品で特徴的なのは、オベロンを歌う歌手に男性が裏声で歌うカウンターテナーが指定されていることです。妖精界の王という非現実的な設定にカウンターテナーの歌声が上手くマッチしています。演出は回り舞台を三等分して効率よく舞台転換を行っていて、奇抜な解釈も無く、非常にオーソドックスだったと思います。終幕に出てきたシーシアスが身に付けていたキンキラキンの胴着(剣道の胴着みたいでした)?はちょっと滑稽でしたけど(笑)歌手(特に海外組)もオーケストラも満足のゆく出来だったと思います。(オベロン役の藤木さんは原語の方が歌い慣れているようなので、そちらで聴いてみたいと感じました)
Sep 19, 2016
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リスト:ピアノ協奏曲第2番 イ長調※アンコール:超絶技巧練習曲 第5番鬼火,S.139,R.2bマーラー:交響曲第5番 嬰ハ短調指揮=シルヴァン・カンブルランピアノ=小菅 優管弦楽=読売日本交響楽団マーラーは勢いに任せて怒涛のように押し寄せる演奏では無く、ディテールの隅々まで神経を行き渡らせ、しっかりとコントロールされた演奏になっていました。リストのコンチェルトも派手な力技よりもしなやかな生命力を感じさせる演奏だったと思います。しかし、地元のオケよりも安いくらいの料金でこんな演奏が聴けたら、益々関西圏オケのコンサートには足が向かなくなりそう...。(6/30 フェスティバルホール 大阪)
Jul 3, 2016
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