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2006/05/05
客を溜めるためには、どのようにすれば良いでしょうか?
(2)
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客を溜めるためには、どのようにすれば良いでしょうか?
まず、すべての動作はゆっくりとすること、
また、別な仕事をすることで、わざと待ってもらうことも、良いと思います。
そして、お店のすべてを、少人数で(出来れば一人で)切り盛りすることは、
実はお客さんに待っていただくための、一番簡単な演出法だということがお分かりいただけるでしょうか?
いずれにしろ、スピードアップをするための方法には限界がありますが、待っていただくための理由は、無限にありますので、考えてみてください。
肝心なことは、気持ちよく待っていただくノウハウだということになりますね。(笑)
一生懸命努力していたり、小刻みにあと2分16秒待ってください。などと声を出している店員さんには、待たされた感を持たないように感じます・・・・
すでに、お話したように、店内に複数客がいるだけで、どのような宣伝よりも効果があると思って間違いありません。
ただ、常に(開店から閉店までの間)複数のお客さんをお店に溜めるためには、お店として(店長としての)一連の考え方の流れが必要になりますので、その点は、間違えないようにしてください。思い付きでは、すぐに途切れます・・・
いろいろな、お店を見に行くと、ほとんどのお店がこういったことを理解していないようです。良い立地条件のお店でもそんなところが多いのでもったいないな・・と思ってしまいます。・・・逆に、ノウハウがわかれば、お隣のお店には負けないような・・・・笑
他に効果のあるテクニックとしては、レジの終わった、もしくはレジの勘定途中でお客さんに価格を折り込んだ商品説明をする方法があります。
購入前のセールストークは、半分以上割り引かれて、売るために言っているのだろうというように受け止められますが、お客さんが、購入を決めてからのセールストークは、(売るために・・)という目的がなくなるので、同じ事を言っても肯定的に聞こえます。
そして、この場合肝心なのは、レジにいる直接に話しかけているお客さんではありません。
まだ、購入を決めていないお客さんになります。
特にバーゲン時期などに(この商品は、どこどこのお店では、いくらですので、参考までに・・・)という言葉は、直接に言われるよりも説得力を持ちます。
自分が見ている商品の噂話や評価は、とっても気になりますよね・・・笑
接客する店員によって売り上げが変わるということは良くあることですが、最大の原因は、言葉のかけ方に問題があることが多いようです。
(ちなみに知らない方のために、お教えしますが、同じ条件で接客したとしたら、できる人と、できない人との差は、売り上げにして3倍以上になります。)
言葉は不思議なもので、特に間の取り方でも正反対の意味を引き起こしたりします。
以下に、私が実際に試して効果の有った接客言葉を紹介しますが、効果があった理由については特に解説はいたしません。
3月に水着が入荷したことがありました。昨年からの持越し品で販売価格は、一着1000円です。
早速お店に並べてみました。が、何人かは見てくれるのですが、売れません。
値段に問題があるのか・・とか、ディスプレイ方法に問題があるのか・・・とか、いろいろと試してもさっぱり売れません。
せいぜい2日か3日に一着です。10日間ほど試行錯誤して、時期が早いから(寒いから)・・と勝手な納得をして、ほぼあきらめました。
そんな時、ダンボールの箱に掘り込んだままの商品を、一人のお客さんが見ていたので、やけくそで、からかい半分に声をかけました。
(その水着は、何故安いか分かりますか?)
(・・・?分かりません。何で、ですか?)
(実はそれは泳いで上ってくると溶けてなくなっているんです。だからその値段なんです。)
その途端、そのお客さんは
(えっ)と声を上げて持っていた水着を放し、立ち上がりました。
一旦帰りかけてふと、思い直したように、
(あなた、私を、からかっているでしょう・・・そんな水着があったら見せて欲しい。)といって、もう一度さっきの水着を手にして、
(これをください。)・・・と購入されました。
その反応を、不思議に思ったので、
次の人にも同じように対応すると、ほぼ同じような反応をして、買っていかれます。
とうとう、そこからはその水着の売り方は、(溶けてなくなる・・)という言葉がノウハウになってしまいました。
それ以降、毎日売れる枚数が増えて行きます。一人で複数を買って帰る人もいたので、10日後には一日に30着以上売れるようになっていました。
半月ほどして、やはり同じように声をかけていたら
(まだ、それを言っている・・でも、この間の水着は、残念ながら溶けなかったから、今度は、ぜひ本当に溶ける水着を入れてください。)と2回目に買いに来た人にやり込められたことがあります。
もちろん、笑って、ごまかしましたけど、つくづく言葉は不思議だと感じました。
オリジナル商品で、スウェットスーツ(?)が入荷したことがあります。商品はパンツスーツ。上下とも、薄手のポリエステルのジャガード織りのジャージで作った商品で、販売価格は、上下セットで2980円なのですが、お世辞にもかわいいとは言えません。
もちろん、やっぱり、・・・売れません。(売れない商品の話ばかりで申し訳ありません。名誉のためにお断りしておきますが、売れなかった商品はそれほど何種類もあったわけではありません。)
いつものように、値段を変え、ディスプレイを変え、とするのですが、やっぱりビクともしません。ほかのお店(支店がありました。)でもやっぱり全滅です。
困ってお客さんを観察することにしました。
お店の中心に置いているので、客足は一瞬止まるのですが、すぐに次に移っていきます。丁度、親子連れが足を止めて何か小声で言っています。
耳を澄ますと
(・・・パジャマみたい・・・)と聞こえました。
そこで、私は理解したのです、スウェットスーツと書いていても、一般の人が見るとこれは、パジャマにしか見えていない。
では、どうすればよいか・・と一計を案じ、ポップを変えました。
・・(スウェットスーツ。フリーサイズ。上下で2980円(ただし、パジャマにする人は、5900円)・・・の条件付です。
そして、それからはポップを読んでいる人がいたら後ろから声をかけます。
(その商品は、2980円ですが、パジャマにしようと思っている人は5900円になります。・・・あっ、今そう思っていたでしょう・・)
(えっ、いや、いや、そんなこと思っていません。)
それでも、私はニヤニヤしながら続けます。
(いや、そんなはずはない、思っていましたと、顔に書いてあります・・・)
ほとんど、お客さんをからかっているだけですが、その日から商品は売れ始め、最終的には全店の在庫約800着をすべて引き受け、2ヶ月程度で売り切りました。
こんなこともありました。お店をオープンして半月程して、やっと最初のアルバイトもレジに慣れてきた頃に、次のアルバイトが応募してきました。
(レジができますか=声が出せますか)と聞くと、
(やったことが無いので、声は恥ずかしくて出せません。)
そこで、私は
(わかりました、では一度レジを試してください。ただし、レジの打ち方は教えますが、一切しゃべる必要はありません。・・・というよりも、絶対にしゃべらないでください。私がフォローします。)と言いました。
さて、私はちょっとしたアイデアを思いつきました。
白紙を持ってきて、(私はハワイから来た留学生なので、日本語はわかりません)と書いてそのアルバイトに渡しました。
(レジにこれを置いて、何か言われたらこれを指差しなさい。絶対にしゃべらないように・・その間は私がフォローしますから・・・)
さて、レジに入った彼女は怪訝な顔ですが、すぐにお客さんが来ます。
私はほかの仕事をしながら、後ろから声をかけ
(その人はアルバイトで日本語がわからないけれどレジはできます。わからないことは私に聞いてください。)と大きな声で話しかけます。
ちゃんと私という通訳(?)がいますので、特に不信なところはありません。
スムーズに、レジは進んでいきますが、その時、おばさんの二人組みがレジに並んで話していました。
(このひと日本語がわからないらしいんだけど、ハワイは何語だっけ?)
もう一人は(英語じゃないの・・)
(そうするとありがとうは、サンキューよね)と話していたかと思うと、
レジが終わったとたんに、彼女に(サ、サ、サンキュー)とどもりながら礼を述べられました。
おばさんの二人組みは、すぐに帰られたのですが、レジ係りの彼女はすぐに真っ赤な顔をしてバックヤードに飛び込んでいきました。
事情を聞こうと、彼女の顔を見ると涙を流して笑っています。
そして、私を見てすぐに言いました。
(わかりました、声を出します。こんな風に笑いをこらえるのは、苦しすぎて無理です。・・)おかげで、わずか一時間で優秀な店員さんが誕生しました。
(もう時効ですよね、だましちゃったおばさん達、ごめんなさい・・・ご好意は感謝しております。)
商売を営んでいると、時々、B品が発生します。
メーカーに返品の出来る場合はいいのですが、自店で処分をしないといけないときもあります。
(B品だから、安くします。)という表示も良いのですが、私流には、こうします。
(傷を見つけられた人は○○円、見つけられなかった人は○○円。)
このように表示すると、傷を見つけたときに喜んでいただけます。
ただし、いたずら心で、完全品にこの表示はやめたほうが良いと思います。(笑)
心理的な状況は、言葉で解決ができたりします。
特にあがり性の人などには多いのですが、緊張すると肩から力を抜くことができにくいことがあるようです。
以前、知り合いがある球技のダブルスの試合に出たことがあるのですが、試合前に(ダブルスを組む相手が、緊張する性質で試合に勝てるかどうかが心配だ)と相談されたことがありました。
そこで、(大丈夫、試合の前に実は私の調子があまりよくないので、もしも負けたら、ごめんなさい)と言うようにアドバイスしました。
その結果、相方は本来の実力以上の働きをして、見事に試合で優勝したそうで、後に感謝されたことがあります。
日常の中でも結構そんな部分があって、力んでしまうと、事の本質が見えなくなります。気楽に、考えること、・・ちょっとしたいたずら心のあるほうが、本質がよく見えたりします。形式にとらわれない実験をすることで、自分独自のノウハウが出来上がります。そして、そのノウハウを会得すれば、成功は保証されたようなものです。ぜひ、お試しください。
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Last updated 2006/05/05 12:54:01 PM
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