流行の法則

流行の法則

2006/05/07
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9価格だって競合する
お店での販売価格は、仕入れをして販売する関係から、基本的な上代が決まっていることが多いようです。
ただ、小売店の側からすると、小売価格は、どちらかといえば人まかせの部分があるので、勘違いのおきやすいところでもあります。
以前、あるニットメーカーの社長と話をしていたときに、価格の決定は売り場の女の子に決めさせるほうが、バランスが取れるということを話していました。
メーカーの立場からすると、基本的な製造コストの3倍程度を上代にすることが当たり前になっています。
そのため、海外に製造拠点を移すと、その感覚では、製造コストが下がりますので、それまでの倍率を適用すると商品の上代が今までに比べてどんどん安くなってしまいます。
(実際、ほとんどのメーカーは上代を引き下げたので、デフレーションの一因にもなりました。もともと、価格破壊などの戦略が安売り競争=従来の経済学からスタートしているので無理もないのですが、大量に生産することで価格が引き下げられれば、大量に売れるだろうという思惑の図式に合致しているのでどうしても低価格、大量販売が発想の原点になってしまいます。もちろん、その戦略で成功したところもありますが・・。)

そのメーカーの社長は、丁度私との付き合いがあったことを契機に海外生産に比重をかけるようになったのですが、小売業出身の私の影響(見た目が同じなら小売価格は下げなくて良い・・・。)もあって、小売価格は特に引き下げることをしませんでした。
そのため利益率は従来の2から3倍になり、その後、企業のスタイルが製造直販売という形に変わってきたのでその波に乗って大きく成長されました。

このケースの場合、製造コストの低下に伴って販売価格を引き下げなかったのが大正解でした。もしもという仮定の話は出来ないのかもしれませんが、製造コストの低下とともに、販売価格を下げていたら、今の成功はなかったと思われます。
ちなみに上昇した利益率については自分で計算してみてください。ヒントはすでに記載していますので、勘の良い方ならわかると思います。
また、第二のヒントですが、海外に生産拠点を移すことで、製品の原価は約半分になります。ただし、L/Cなどの金利負担や、製品の不良ロス等が発生しますので、その点は考慮する必要がありますが、・・・あんまり、内情をバラスと、・・・コメントできません・・・笑。

ひとつのお店で、しかも短い期間ではどうでしょうか?
アパレル業界では、値引きが当たり前のようになっていて、商品の先受注の分だけがプロパーでその後の追加やフォローについては、よほどの売れ筋商品以外は値引きがあたりまえになっています。
(下手をすると、先受注している商品まで納品時には値引きになることもあります。)
そのため、メーカーの側とすると次第にその値引きの部分まで含んだ上代の設定をするようになります。そうなると、同じ商品でも、取引の形態によってメーカー希望小売価格が変わってくることになります。
それでも、街には同じような商品があふれているので誰も気がつくことはありません。
一物多価の時代とも言えますが、考えてみるとおかしいですよね。同じ商品を同時に比べるわけではないので価格の違いがわからないともいえますが、違う場所にあるとそれぞれにその場所で違う価格で問題なく治まっているとも言えます。つまり、物の価格は相対的な価値観で支えられていると考えられます。

さて、次回はこの点です。価格によるパフォーマンスも有効な販売方法になることを勉強しましょう。





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Last updated  2006/05/07 06:58:04 PM
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