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2006/05/19
7極端な要素が出現
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7極端な要素が出現するのは流行のピークを越えた時である。
流行の要素はどのように変化するのでしょうか?
たとえば短いスカートが流行したときに、現象の上では、流行のピークを越えると、一時的に要素の正反対なものが出現します。
その理由は、推測するしかありませんが、短いスカートのバランスを最初に受け入れてきた人からすると流行が何段階か進んだところで、飽き始めます。
そのときには短いスカートも流行の3段階目に入っているので、いろいろなデザイン展開がされています。
そのため、丈のバランスの少しの変化では違いが判らなくなりますし、むしろ丈の少しの変化はまるで時代を逆行するようになってしまいます。
そのため、一時的に正反対(街ではほとんど見かけない)の要素を取り入れるのだと推測しています。
ただ、このような現象は同時に非常にきわどい部分を持っています。
つまり、短いスカートが大流行しても、実際には、街から完全にロングスカートが消えてなくなるわけではありません。(100%の流行はありません。)
ロングスカートは非流行期には、特殊な層に支えられています。そのことは、流行の一段階目と同じ現象ということになりますが、残念ながら、必ずしもその要素がファッショナブルで次の流行につながっていくとは限りません。そのため、ミニスカートの対比としての出現が一時的になることが多いのです。
それと、今はわかりやすくするために、非常に単純なモデルで説明していますが、実際の商品は、いろいろな要素の組み合わせで出来ていますし、また、要素の表現方法も、多くありますので、実際のところはそれほど単純に2つの反対要素が現れるわけではありません。なんとなく頭に入れていただければよいと思います。
詳しくは、流行の法則・商品企画編で説明したいと思います。
また、このときにひとつの要素のピークが、反対要素のスタートになるという見方(流行の繰り返し周期論)をしてしまうと、流行の要素には繰り返しの周期律があるというように感じられます。
確かに、過去の現象を思い出してみると思い当たる部分は少なくありませんが、残念ながら私としては否定的な捉え方をしています。流行の要素の変化の捉え方を連続と対立という概念の反転による現象という捉え方をすることには、特に問題はないのですが、消滅から再出現までには固有の時間(周期)があるということには、やや問題があるようです。
流行商品が、シーズンにマッチして流行してくれれば良いのですが、前に述べたように流行の要素に力のあるときには、その要素の持つプラス面が、季節感や用途やTPOのマイナス部分を補うことがしばしば起こります。
たとえば、半そでが流行すると、寒さにかかわらず半そでを着るようになりますし、革ジャンの流行期には、夏にも売れるようになります。
そのような現象が起きたときには、非常にわかりやすいのですが、(ただし、たいていの場合、該当商品を揃えていない場合が多くそのために観察できなくなります。)
では、商品の側から観察して判断することは出来るでしょうか?
商品の特徴を見て、その商品が何段階目にあるかという判定は非常に出来にくいです。というのも、商品の企画の段階で、(売れる)ということを前提にすると、必然的に保守的な発想になるために、商品を構成している要素のほとんどが、無難=過去に売れた経験によって占められることになります。
通常のメーカーでは、商品が要素で構成されているという考え方はしていません。
デザイナーの意見を聞き、マーチャンダイザーの意見を聞き、市場を調査して、後は過去の経験に当てはめて企画が進んでゆきます。(感性から数値化されたデータに判断の基準が移ってゆく)
そのため、各企画の段階順に最初のデザインや企画はどんどんと普通で無難に近づいて行きます。(万人受けしようと考えてしまうため・・)
その最大の理由は、リスクを考える比率にあるようです。
リスクの側から見ると、新しいことは、簡単に承認できなくなります。
ところが皮肉なことにファッションは本質的なところで革新的なので、常に過去の経験を否定するところにしか活路を見出せないことになっています。(懐古趣味などといわれるブームもありますが、実際には過去の商品を引っ張り出してくると古臭く感じられます。レトロという名の流行は現代風にアレンジされていることがわかると思います。)
その結果、たいていの商品は新しい要素と古い要素を併せ持つことになります。つまりよほどの目を持たない限りは、正しい部分を見分けられなくなります。
実際に、メーカーの企画室などに行くと、次の企画のために買い揃えたサンプルがありますが、それを参考にして(?)出来上がった製品に、元サンプルの欠点もそのまま再現されていることが良くあります。
笑い話にもならないような、お寒い現状だといえるでしょう・・・。
もちろん、流行の始まりは特殊な用途や特殊な分野での荒削りなファッションの段階です。
どちらかといえば、機能的であったり特長のあるディティールであったり、特殊な素材を使用されていたりする段階です。海の物や山の物が多いのですが、この段階では、流行するかどうかは、海のものとも山のものともわからないことが多いのも仕方ない事なのかも知れません。(笑い)
以上、流行商品の考え方について述べてきました。一般的にメーカーは売れる商品を見て(何時売れなくなるか・・)ということを考え、
同じ商品を見て小売店は(この商品はあれば、もっと売れる)という発想になりがちです。また、メーカーの側では、同時期にいろいろな地域に出荷しているため売れている色の傾向がよくわかりますが、
小売店の側では、店舗でいろいろな商品を扱っているため売れているデザインの共通した傾向がわかりやすいのです。
その点の違いがわかると、メーカーとの取引交渉は、相手の手の内がわかって、もっと簡単に出来ることになります。ただ、その実例は、ここでは記しません。
上のヒントだけにとどめておきます。
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Last updated 2006/05/19 03:56:05 PM
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