流行の法則

流行の法則

2006/05/20
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12番外編 エピソード
開店して3年目のお店があり、たまたま店長が所用で抜けることになりました。
私がしばらく、代役で通うことになったことがあります。
支店は店長任せで、特に具体的な指示をしたことはありません。
考え方の基礎や方法は教えますが、後のことは採算が取れている限りそれぞれの向上心に任せることにしています。
(水のみ場に馬を連れて行くことは出来ても、水をのませることはできませんよね・・)さて、しばらくぶりのお店ですから様子が分かりません。
とりあえずの運営は既存の販売員に頼って私は商品の構成を見直しながら、商品数を減らします。
通常、商品数を減らしていっても売り上げが変わらない場合には、少ないほうが管理しやすいので、私はすぐに減らしてしまいます。(これは大事なことですし、限度以上に並んでいる商品は不要な在庫=プラスにはならない在庫だとお考えください。)
間引きして店頭商品が3分の2程度になったときにようやくさっぱりしました。

何が、どのように売れているか分からないので、次はお客さんの反応を観察しながら、売上帳を確認します。といっても、売り上げ帳には、日付、天気、レジの客数と一日の売り上げ合計を記入し最後に月間の売り上げの合計が書いてあるだけです。
まだ、PCが普及していなかったときなのである意味では仕方がないとも言えます。
ただ、数字の分析をしないことは、せっかくのデータの意味をなくしてしまうことになります。早速、前年の売上帳と今年度の売上帳を比べながら、簡単なグラフにしました。
グラフにしてから、眺めると違和感を覚えました。

その原因は、曜日によるグラフの上がり下がり(毎年、日付と曜日は、ずれていきますので・・)と、一ヶ月の間のグラフの上がり下がりが(天候によって若干のずれがあるのですが)毎年ほぼ一致しているのです。
つまり、グラフの形が、数字の大きさにかかわらずほぼ同じことが見て取れました。

それに気がつけば後は簡単です。
私は、売り上げの上っている曜日には、たぶん目玉商品や、売れ筋商品の在庫切れが頻発しているだろうと、仮説を立てました。
通常、目玉商品や、売れ筋商品の売り上げ枚数もしくは売上金額は、一日の最終売り上げの一定の割合を占めています。(目玉にした商品の性質によって違うので、どちらの数字を基準に考えればよいのかは、ここでは言えません。)
そのため、売り上げを伸ばす一番簡単な方法は、売れ筋商品を中心にして全体を押し上げる方法が一番簡単になります。(今流行のロングテール理論と同じ理屈ですね・・・)

そこで、売り上げの伸びる曜日にあわせて、売れ筋商品の準備在庫を2割程度ふやすことにしました。
そうすると、すぐにその効果は現れました。
3年間特に変化のなかった(毎年前年比105%程度でした。)売り上げが上向き始めました。
そうなると、当然入店客数が増えますので、ほかの商品も一緒に売れていきます。
おかげで、2ヵ月後に売り上げはほぼ2倍になり、長年溜めていた不良在庫も一掃しました。





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Last updated  2006/05/20 12:28:08 PM
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