2007.05.09
XML
カテゴリ: 雷神の怒り

今日はエンジニア系用語が連発するので
そこんトコよろしく(by.E.Yaz○wa)




いやぁ~恐ろしいですねぇ、 風神雷神2



このアトラクションは 最高速度が75km との事で

普通の公道を走る車より早いんだから、結構スピード感はあったんだろうね。

それが左右/上下に毎日ガンガン揺さぶられてたら

そりぁあポッキリと逝っちゃうって。実際そうなったら、どんなヒトでも

無事では済まされないだろうね...ホントに亡くなった方の冥福を祈ります。



で、



この事故の原因について色々と言われておりますが、

その最大の要因となったのが



「定期的な点検を怠ったから」



という風に見られているみたいですね、マスコミの方は。

日常点検や定期点検、法令点検をしておけば、尊い人命が失われることは

無かったのに...と。これは誰も反論できないでしょう。確かにその通り。



しかしですねぇ、



金属磨耗は外観検査でもわかりますが、

こと 金属疲労 となると簡単にはいきません。

どうやって 金属疲労を見つけるのさ 、とね。

金属疲労による破断の前には、必ず亀裂を生じます。

大きな亀裂の前には中ぐらいの、その前は細い亀裂が、

更にその前はヘアクラックと呼ばれる、目に見えないような

細かい亀裂が入ります。

(ヘアクラックのヘアとは髪の毛のこと。髪の毛ぐらい細い亀裂って事ね)

通常、駆動軸等のシャフトには必ずグリスが塗られているはずなので、

(そうしないとサビたり磨耗がはやくなっちゃう)

グリスが残った状態で、 デジタル顕微鏡 で観察しても

ヘアクラックを確認する事は難しいでしょう。



じゃぁどうすんのさ、ってトコで 探傷検査 をヤル訳ですね。

今回の様なケースの場合、私が出来る浸透・超音波・過流より

この方法がいいのではないかと思われ。

禿しくクリック推奨。内容がわかんない場合は割愛OKw


この方法だと浸透よりも洗浄工程は大分ラクになるし、

この手のシャフトは磁性体であることが多いので(無いほうが少ない)、

最も手っ取り早い方法 ではないかと、 探傷検査ではね。



で、話の始めのほうに戻るんですが...

俺がすごく疑問に思うのが、



この探傷検査をゆぅえんちのおじさんにやらせるんですかい?



って事です。やらせるの?ってか 出来るの?

探傷試験はものすごく高度な技術で、金属の物性から

磁粉探傷のばあいで言えば電子・電気・磁気・電磁気・光学等、

あらゆる学問に精通して初めて良否のジャッジが可能となる試験方法です。

しかもこれ、アトラクション(遊戯機械)をバラさないと検査できないんだよね。

この機械をばらして探傷検査して良否判定を行って、元通りに再組み立てして

試運転確認して...ってな事が、ゆぅえんちのおじさんに出来るのか?お?


といいたい訳です。

チケットもぎって、ポップコーン作って

迷子のママを捜しに園内を走り回っているおじさんに、

そんな余裕があるのかと。

ってか全部のアトラクションの点検やってたら

営業できる日がなくなっちゃうよ wってな具合。



で、俺が何を言いたいかと言うと、



「そんなメンドクサイ事は製造元でやってくれ!」



って事です。どこの ビルヂング ( クレージーケンバンド 的表現)でも

エレベーターの保守点検ってフツーは製造元のサービス会社がやるじゃん。

あれにしないとだめですよ、って事ですよ。

更に言えば15年前に自分達が売ったアトラクションが、

正しい保守管理がなされて運用されているかを気にかけないような

メーカーはまさに 逝って良し。ふぁっくゆー ですよ。



まさかこんな話になってないだろうなぁ~



 風 「あ、エキスポはん、ご無沙汰です。風神雷神株式会社ですぅ」

 エ 「あ、どうもごぶさたですぅ」

 風 「どうでっか、わての収めさせてもろうた風神雷神!」

 エ 「いや~エラいひょうばんですわぁ、ホンマおおきに」

 風 「いやぁそうでっか。そないにいわれると嬉しいですわ」

 エ 「イヤ、お世辞ちゃいまっせ、ほんまですわ」

 風 「そんでエキスポはん、アレの車軸ですけどな」

 エ 「はぁ」

 風 「交換の依頼が全然入ってこんのですが、あれは...」

 エ 「ウチの社長がまだええやろ、いうてはるんですわ」

 風 「いやいや、そうはいかんと思いますわ、あれは...」

 エ 「せやけど値段が安ければ交換してもええ、と...」

 風 「ほんだら見積だしましょか?」

(以後10数年価格ネゴ中)



大体、最大モーメントが周期的に発生する状況における

繰り返し応力に対して、このシャフトの径が力学上適切であったのか

って事も是非捜査対象に加えて頂きたい。 もしかしたら設計ミスなんじゃね?

って事も視野に入れておきたい訳です(繰返し応力と疲労破壊は密接な関係にある)。

定期点検以上に、 適正な強度計算の上に立った設計だったのか

ってのが 今回の場合最重要なファクターではないか と、

エンジニアの端くれである私なんぞはそう思ったりするわけです。



もし法令で「アトラクションの検査はゆぅえんちのおじさんがやる事!」

ってなったら、 俺はこの手の物には絶対乗らないね!

危なくってしょうがねぇ!

(ってか絶対出来っこねぇんだからw)

とにかく、今後の捜査や行政からの指示通達についても

見守って行きたいと、かように思う次第であります。



まぁ俺等機械のクロウトは メリーゴーランドでも乗ってるよ 、ってこった!

スペースマウンテンでも失禁寸前な中年男の見得w




※今回の事故で犠牲になられた方、怪我をなされた方々に対して、謹んでお見舞い申し上げます。






お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう

Last updated  2007.05.09 00:33:24
コメント(0) | コメントを書く


【毎日開催】
15記事にいいね!で1ポイント
10秒滞在
いいね! -- / --
おめでとうございます!
ミッションを達成しました。
※「ポイントを獲得する」ボタンを押すと広告が表示されます。
x

© Rakuten Group, Inc.
X
Create a Mobile Website
スマートフォン版を閲覧 | PC版を閲覧
Share by: