教科書検定:基準に「沖縄条項」新設を要求…沖縄県知事
沖縄戦の住民集団自決で日本軍が強制したとの記述が教科書検定で削除された問題で、 沖縄県の仲井真弘多知事は3日、国会内で記者会見し、 教科書検定基準に アジア諸国に配慮する近隣諸国条項と同じような「沖縄条項」 を新設するよう、文部科学省に要求する考えを明らかにした。
仲井真知事は、渡海紀三朗文科相らと会談した後、先月29日に約11万人(主催者発表)が集まった県民大会で実行委員会委員長を務めた仲里利信・県議会議長らと会見した。仲里県議会議長は「今後も同じ問題が出ないとも限らない。10年後に出たら、(戦争体験の)証言者もいなくなり、そのまま検定が通ってしまう。今後も起こらないようにしたい気持ちだ」と述べ、今回の問題が解決した後に「沖縄条項」の新設を文科省に求める考えを示し、仲井真知事も同意した。
同席した県子ども会育成連絡協議会の玉寄哲永会長は「 政権が変わるたびに(検定内容が)揺れるのはおかしい。 歴史的事実が動かないよう 」と訴えた。
近隣諸国条項は82年、日本軍の中国への「侵略」の表記をめぐる検定意見をきっかけに教科書検定基準に追加された。「アジア諸国との間に近現代の歴史的事象の扱いに国際理解と国際協調の見地から必要な配慮がされていること」として、表現などの配慮が求められている。【高山純二】
毎日新聞 2007年10月3日 21時00分 (最終更新時間 10月3日 21時29分
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