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毎年出席させていただいている「全国林業グループコンクール」。今年は、愚生が所属している「芦北地域林研」が九州代表に選ばれたため、発表者のほか、9名の大応援団を引き連れて上京してきました。このコンクールでは、近年、産業としての林業活動にとどまらず、多彩な活動が報告されるようになりました。年を追うごとに面白くなっている印象です。発表したのは全国各地から選ばれた6グループ。岩手県盛岡市のグループは、地域住民や大学生らと一緒になって展開している「Waのまちもりおか『絆の輪」プロジェクト」という活動を紹介してくれました。冬の街を森林資源を活用し彩っていこうという活動で、この活動で作った大きなリースも持ち込んでの紹介でした。群馬県藤岡市のグループは、未来を担う子供たちへの林業普及活動や、一般市民を対象とした林業体験、里山の再生活動などに取り組んでいます。長野県中野市のグループは、高校生に対する活動の中で、チェンソーアートというたいへん珍しいことにも取り組んでいます。また、木質チップの活用や根曲り材の活用の研究なども行っているとのことでした。兵庫県多可郡多可町のグループは、強度試験などを行って地域材のブランド化に取り組んでいます。ホームページもつくってPR活動もしており、たいへん参考になる発表でした。島根県仁多郡奥出雲町のグループは、土佐の森方式の「林地残材収集システム」の構築に取り組み、大きな実績を上げておられます。こちらもたいへん参考になる発表でした。審査の結果、農林水産大臣賞は島根県のグループに決まりました。芦北林研は大臣賞を狙っていたので、残念な結果になりましたが、全国大会に出場できたことに加え、多くの応援団も一緒になって参加できたことで、貴重な経験となりました。 大会が終わった後は、新木場にある「木材会館」を見学しました。国産材をたくさん使ったユニークなビルです。デザインがすばらしく、木材の使い方の提案としてはたいへん面白いなあと感じました。 役員室の木製テーブルに座って満足げの重鎮たち今回のコンクールにはかなりの準備をして臨みました。それだけに大臣賞をとれなかったのは残念でした。しかし、芦北林研にとって、全国大会にまで行けたというのは大きな自信になったのは間違いありません。今後の活動の励みにもなります。今後は、新たな活動の幅を広げるためにも、若い人の勧誘もやっていこうと思っています。
2014.02.23
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「熊本の山の木で家をつくる会」で手掛けたT氏の住宅が完成し、新築祝いに出かけてきました。この日集まったのは、山のメンバー4人と製材所、設計事務所、それに施工した工務店の社長や大工さん、左官さんなどです。林業を営んでいて、こうして自分の山の木が住宅の部材として使われ、その住宅の新築祝いに呼ばれるなんて、この上ない喜びです。普通は、山から伐り出して市場に持っていけば終わりです。誰が入札したかくらいはわかりますが、どのように使われるのかなんて、まったくわからないのです。「熊本の山の木で家をつくる会」でつくる住宅には、多くの人の手がかかっています。こうして集まるとそれがよくわかります。工場生産ではない、手作りの家なのです。この日は天気が良く、日が落ちてからも暖かく、濡れ縁に出て楽しく語らうこともできました。ついつい飲みすぎてしまいました。
2014.02.03
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一生懸命に働く。焼酎がうまい。よく眠る。次の日も懸命に働く。焼酎がうまい。よく眠る。その次の日も一心不乱に働く。焼酎がうまい。よく眠る。とにかく必死で働く。焼酎がうまい。よく眠る。山の仕事は気を抜くことはできない。集中していなければ怪我をする。仕事中は無心になる。木を伐り倒す。集中する。無心になる。一日必死で働く。終わるとどっと疲れる。焼酎がうまい。よく眠る。仕事をしているときは雑念がない。無念無想の世界。無我の境地。余計なことは考えない。考える余裕もない。今日も必死で働いた。焼酎がうまい。今夜もよく眠れる。
2014.01.20
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正月にゴロゴロする時間がたっぷりあったので、DVDで映画を何本か見ました。でも、やっぱり映画は映画館で見るのがいいですね。今年は楽しみにしている映画が一つあります。5月10日公開の、『WOOD JOB!』です。原作は、三浦しおんの「神去なあなあ日常」。高校卒業と同時に三重県の山村に放り込まれた青年と、林業の現場に生きる人々のドラマです。 映画は、監督に『ウォーターボーイズ』『スウィングガールズ』『ハッピーフライト』の矢口史靖。出演が、染谷将太、長澤まさみ、伊藤英明 という豪華なメンバーで描かれる青春林業エンターテイメントです。 この映画を見て、林業をやってみたいという若者が増えるかもしれませんね。 金属製スパイクピンが傾斜地を噛む!【荘快堂】【地下足袋】 安全スパイク地下たび / I-15
2014.01.11
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新年を迎えて、穏やかな天気が続いています。遊んでいるのはもったいない!ということで、今日から仕事始めました。(っていうか、もともとその予定でしたけど)年末は天気が悪くてはかどらなかったけど、「熊本の山の木で家をつくる会」の注文が入っています。できるだけ早く、搬出したいところです。今日は暖かくなったので、冬なのにブヨが出てきました。でも、やっぱり森の中は清々しくて気持ちいいです。
2014.01.04
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23日の熊本日日新聞。「日本林業に復活の兆し」という大きな見出しが目に飛び込みました。記事は熊日独自のストレート記事ではなく、「共同通信編集委員 渡部道雄」という署名があるバイライン記事です。「復活の兆し」としている論拠は、次のような点です。● バイオマス発電。従来なら捨てられた間伐材を細かく刻んで燃料とする。全国で40程度の計画が進んでいる。● 戦後植林された人工林が収穫期を迎える。樹齢50年超の森が中心になってきた。● 市町村の建物や小中学校の校舎など公共の建築物の木造化が増えている。● パネル建材「CLT]など、材木の技術革新が進んでいる。この他に、・震災復興需要や住宅需要が堅調であること ・新規就業を促進するための「緑の雇用」が実施されていること・「高性能林業機械」が普及してきたこと などを挙げられています。特に目新しいものはないのですが、こうして列挙すると「追い風」が吹いているといっても過言ではないでしょう。ところが、現場で「復活の兆し」と言われても実感を持つ人は少ないと思います。「アベノミクス」で景気は上向きにあると言われても、庶民が実感することはないのと同じです。確かに、このところ木材の市場価格は上昇しています。しかし、負け癖がついてしまっている林業界は、これをチャンスとは捉えていないようです。すぐに元に戻ってしまうのではないか、消費税増税によって逆に市場は冷え込んでしまうのではないか、という見方をする人が多いように感じます。この記事で「復活の兆し」の論拠として挙げられていることに説得力はありません。今に始まったことではないからです。特に大きな見出しで書かれている「戦後の人工林 収穫期迎える」という点は、「復活の兆し」と呼べるものではありません。林業が低迷してきたのは供給力不足によるものではないからです。供給力が増えたからと言って、市場がだぶついては元も子もありません。「追い風」と呼べるような状況は、ずっと続いていました。それでも「復活」には程遠いのが現状だったのです。「復活」など、夢のまた夢だと思ってしまいます。最近の市場価格の上昇は、まさに「復活の兆し」なのでしょうか?少しづつ状況が変化してきたと見ていいのでしょうか?林業を営む者としては、状況が良くなることを強く期待しています。長い間の低迷状態が身についてしまったものにとって、前述したように、こうした記事はにわかに鵜呑みにできるものではないのですが、「景気は気から」とも言いますし、共同通信編集委員 渡部道雄氏の「目」が確かなものであってほしいと願うばかりです。
2013.12.23
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「熊本の山の木で家をつくる会」の、今期3棟目の材を伐り始めました。「熊本の山の木で家をつくる会」は、山の仲間たちと設計事務所・工務店・製材所が連携した住宅作りのネットワークです。家づくりの流れを説明すると、まず、施主さんの依頼に沿って設計事務所が図面を引き、必要な材木の明細が作られます。設計事務所から注文を受けた製材所は、必要な素材を詳細に計算し、我々山側のメンバーに素材の発注をします。我々は手分けして注文があった材を山から伐り出し製材所に納めます。製材所は必要寸法に加工したうえで半年ほど自然乾燥し、工務店に引き渡し家が立てられるという流れになっています。また、伐採を始める前には、施主さんをはじめ全ての関係者が集い、森林見学会も行っています。この取り組みを始めて10年が経過しており、既に37棟が建てられました。写真の木は、21.5cm角で長さ6.9m の柱になる杉材です。
2013.12.20
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毎年2月に東京で開催されている「全国林業研究グループコンクール」。今年は九州代表として愚生が所属する「芦北地域林業研究グループ」が出場します。その報告と林研グループのPRを兼ねて、水俣市長と津奈木町長を訪ねました。少人数で地味な活動をしている団体なので、これを機に、行政にも認知していただこうという狙いです。産業としての林業は衰退し、行政としてはほとんど目の向かない分野になっています。一方で、水俣市のように環境政策に力を入れているのであれば、絶対に無視できない分野だとも思っています。今回、グループコンクールで一定の評価をされたのですから、アピールするチャンスだと考えました。全国的にグループ数も会員数も年々減少しています。普段は目立たない存在ですが、有意義な活動も継続して行われています。産業としての林業の分野にとどまらず、地域の人と連携しての地域づくり活動であり、ボランティアの人たちと連携しての環境保全活動であったりします。子供たちを巻き込んでの教育活動でもあります。非常に多彩な活動をしています。こうした地道な活動に対する評価は、もっと高くてもいいのではないかと思うのです。正直言いますと、今回の訪問では、全国大会出場の報告だけでなく林研グループに対する行政の支援もお願いしてきました。少しでも支援していただくと、活動の幅も広がりますし、評価していただくことでやりがいも生まれます。来週は、森林組合と芦北町を訪問する予定です。
2013.12.17
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木材価格が上昇しています。近年なかったことです。十数年ぶりでしょうか?少し上がったという程度ではなく、かなりの上昇です。驚いています。アベノミクスの効果でしょうか?・・・・それはないでしょう!(笑)消費税増税前の駆け込み需要かもしれません。輸出が伸びているとも言われています。これだけ価格が上昇しても、業界内に高揚感はありません。みんなきわめて冷静です。というより、戸惑いすら感じているようです。長い間、木材は安いというのが当たり前になってきました。乾いたぞうきんを絞るようにしてコスト削減をしながら何とか生き延びてきています。そういう状況がずっと続いてきて唐突に価格が上昇しても実感がわかないのです。むしろ、疑心暗鬼になっています。どうせすぐに元に戻るのだろうと思っているのです。反動でさらに以前より安くなってしまうのではないかとさえ思っています。業界の努力によって少しずつ需要が伸びていたというのなら本物かもしれません。しかし、今回の値上がりは外部的な要因に依るものだとものだと思われます。みんな、長続きしないを思っています。期待はないようです。林業界には、長い間の停滞感が身についてしまっているのです。価格が上昇したからと言って、増産も難しい状況です。人がいないのですから・・・安定的に価格が上昇してくれば、新たな設備投資も生まれるかもしれません。現状では現場作業員の給与は極めて低水準です。こうした現実も改善されなければなりません。再生産することができる程度の価格であってほしいとも思っています。いずれにしても木材価格が上昇してきたことは嬉しいことです。愚生も今のうちにできるだけ出材したいと思っているのですが、天候不順でままなりません。とほほ・・・
2013.12.13
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芦北高校3年生の間伐研修のお手伝いをさせていただきました。芦北高校は、今ではほんとに珍しくなってしまった「林業科」がある高校です。今日の研修は、芦北町の国見にある鑑山演習林で行われました。研修内容は「高性能林業機械の操作」と「安全な伐採及び採材手法」です。僕は、「安全な伐採及び採材手法」を指導させていただきました。高校生たちはこれまでも伐倒の経験はあるということでしたが、それでもチェンソーの扱いに不慣れであることは間違いなく、指導するほうもたいへんな緊張でした。最初は林研の会員が安全な伐倒のデモンストレーションをします。その後、一人ひとりにチェンソーを持たせて伐採をやってもらいました。女の子も恐る恐るでしたが無事に伐採することができ、全員が1本づつでしたが、安全な伐採を体験することができました。伐採した木は、価格表を見ながらどの長さに切ったらいいのかを研修します。最近木材価格が大きく変動していることもあって、この研修は僕自身にもたいへん役立ちました。高校生たちはみんな元気良く、しかもちゃんと話を聞いてくれたので、指導するほうもやりがいを感じることができました。ただ、やはり事故が起こらないようにと相当の緊張を強いられましたので、終わるとけっこうくたくたになってしまいました。終わった後は大野温泉センターでゆっくりリラックスして帰りましたよ。
2013.12.10
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昨年は、このブログの更新をずいぶんサボってしまいました。反省しておりますm(_ _)m今年は頑張って更新していこうと思っております!さて、昨年の11月から山仕事の仲間が増えていますので、遅くなりましたが紹介しておきます。1人目は、青年Y君です。Y君は久木野出身ではありませんが、久木野が気に入って空き家を借り住んでいます。昼間はうちの山仕事を手伝い、夕方からは学習塾の講師として働いています。また、教師を目指して通信教育で勉強しているという頑張り屋です。山仕事は素人ですが、体力はありますし若くて覚えも早いので、かなり戦力になっています。次に紹介する新しい仲間が、林内作業車の『SUPERやまびこ』BY1202DPです。ラジコンウインチと油圧ダンプを搭載しています。これによって、作業効率が大幅に上がりました。これまで使っていたBFY913も現役で頑張ってくれています。Y君が手伝ってくれるので、2台の林内作業車を駆使し材を搬出しています。11月、12月は立て続けに産直住宅のオーダーがあったのですが、Y君とSUPERやまびこの活躍で無事に年内に納品することができました。相変わらず厳しい状況にある林業ですが、やればやっただけの結果が出せる仕事でもあります。今年も頑張っていこうと新たな決意をしているところです。
2013.01.01
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「熊本の山の木で家をつくる会」が主催する森林見学会が開かれました。今回は4組の家族が参加してくださいました。他の参加者は、山側4名、製材所、設計事務所、工務店3社といういつものメンバーです。「古石交流館みどりの里」で食の名人Iさんが打つソバを堪能したあと、同じくIさんの山林に移動します。山に到着すると、それぞれの家族があらかじめ選木してあった立木にお神酒をあげ、いよいよ伐採です。チェンソーの音が鳴り響き、木はゆっくりと倒れていきます。倒れた後は、切り口にペンキで名前を書いてもらいます。製材の時もその名前ができる限り残るようにして、書いた名前が残ったまま製品をお客様のところへお届けするのです。山で見た倒されたあの木が柱となってやってくるのです。明日からまた伐採をします。お客さんの顔が見えているのでやりがいがあります。
2012.11.25
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ライスセンターの仕事もどうにか終わり、山仕事を再開しています。熊本の山の木で家をつくる会の注文材を伐採していますが、同じ山の木でも色が違います。たまにですが真っ黒な木もあります。以前は嫌われていましたが、最近の消費者はこだわらないみたいですね。ただ業界人はまだまだこだわってしまいます。木の個性ですから真っ黒なのもそれなりにいいのでしょうけどね。
2012.10.26
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樹高を計ったら30メートルありました。
2012.09.14
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ほぼ予定した地点までたどり着きました。あとは仕上げをしながら引き返します。終点付近は立派な木が立っていますが、かなり密なので道が出来上がったら間伐(択伐)します。
2012.09.12
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道がなければ材の搬出はできません。林業で必要なのは道です。運搬車を通す道は自分で作ります。バックホーを使って作りますが、僕が所有するバックホーは1.3tonの小さなものです。山仕事で使うには力不足のようですが、実はこの小ささに大きなメリットがあるのです。小さいから木と木の間を通れるのです。つまり、支障木を伐らずに道を作っていけるのです。幅が広い機械は支障木を伐らないと道が作れません。この支障木の切り株を掘るのがたいへんなんですよ。少しくらいパワーのあるバックホーでも簡単にはいきません。木と木の間を通れればその作業がいらないのです。これが大きなメリットなんですよ。
2012.09.11
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有害駆除によりイノシシを捕獲しました。ここ最近、裏山にイノシシが出没し派手に荒らし回っていたので、箱罠とくくり罠数個を仕掛けていました。もちろん有害鳥獣駆除の許可は取っています。そして先日、みごとくくり罠にイノシシがかかりました。罠にかかったイノシシは写真でわかるように暴れまくり必死で逃げようと試みています。仕方ないことですが、まわりの杉の木はかなり傷ついてしまいました。箱罠と違って、くくり罠の場合は迂闊に近づくと襲いかかってくることもあります。イノシシも必死ですからね。慎重にワイヤーの状態を確認し、さらに鼻や後ろ足にワイヤーをかけ動けないようにします。動きを封じ込めたところでようやく近づいてとどめをさすのです。一連の作業でこちらもくたくたになります。命を奪うのはかわいそうなんですが、農作物への被害を考えると仕方ありません。山村に生きる人々は、そうやって命をいただきながら生きているのです。捕獲したイノシシは、しっかり食べさせていただきます。
2012.09.09
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先日人吉で見学した山林のように強度の間伐をしたいと思っているんですが、なかなか感覚的にわかりません。山仕事は理屈より感覚が大事だと思っています。強度の間伐に対する感覚は、実践の中で身につけていかなければなりません。
2012.09.04
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世間は日曜日のようですが、山仕事に日曜日はありません。天気がいい時にできるだけ搬出しておきたいと頑張っています。最近は材価が安いので、量をかせぐしかありません。安い時には出さないという考え方もあるのですが、なかなかそうもいきませんからねえ。今日は午後から雨という予報でしたが、なんとか一日大丈夫でした。仕事を終えてから激しい夕立となりました。ありがたいことです。
2012.09.02
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相変わらず厚い雲に覆われて時おり雨が降る天気です。搬出は見合わせて伐採だけをやっています。
2012.08.30
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台風一過の快晴とはならず、断続的な雨と風でなんとも仕事になりません(;o;)慌てず焦らず、ぼちぼちやるしかないですね。
2012.08.28
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倒してみると大きな穴があいていました。おそらく間伐の搬出時に傷つけたものだと思います。年輪を数えてみると、60年前の傷のようです。
2012.08.25
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動物が出入りしている形跡があります。ウサギかな?タヌキ?アナグマ???
2012.08.24
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重心と逆方向に倒したので、だいぶ苦労しました。
2012.08.22
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熊本市にある尚絅大短期大学部で話をする機会がありました。「水」について、いろんな視点から外部講師を招いての連続講座が行われています。ぼくの場合、直に「水」というテーマでの話はできませんが、「水」と言えばそれを育む「森」となりますので、「森」の話をさせていただきました。90分の授業時間ですので、最初の1時間で「今、日本の森に何が起こっているのか?」という話をして、残りの30分で「森の活かし方」をみんなに考えてもらうという計画で授業に臨みました。ところが、いざ話を始めてみて思い通りにいかないことがわかりました。「熊本県外からきている人いますか?」・・・・・誰も手をあげない「木を伐ることは悪いことだと思いますか?」・・・・誰も手をあげない誰か一人くらいいるだろうと思いましたが、どうも積極的に授業に参加してくれる雰囲気ではないようです。表情を見ても、聞いているのか聞いていないのか、関心があるのかないのか、イマイチわかりません。黒板に字を書くとそれをノートに書く人は多くいるようです。そこで方向転換することにしました。一つひとつのキーワードを黒板に書いて、それを丁寧に説明していくというやり方でいくことにしたんです。そんなこんなで1時間の話が終わり、いよいよ「森の活かし方」をみんなで考えてもらうという課題です。しかし、前述のような雰囲気ですのでどうやって進めようか悩んでいると、先生から助け舟がありました。「紙を配って書いてもらおう」というのです。残り時間が少なってなっていましたが、急きょ紙を準備してもらい、10分くらいで書いてもらうことにしました。ということで、学生たちに考えてもらった「森の活かし方」をいくつか紹介します。● 遊び場をつくる。● キャンプ場(のようなもの)をつくり、色々な自然体験ができるようにする。● 子供が遊べる公園(アスレチック)にする。● 木を使って遊具を作る。子供たちが木にふれあう時間ができる。● 虫とりパークをつくる。● 展望台をつくる。● ハイキングコースをつくる。● 私の地域では、森林を大事にしようということでプレーパークというものを作りました。木とふれあいながら遊べるようにするという意見は、やはり多かったです。● 森を知ろう救おうイベント、一人500円。間伐、植林のお手伝い。● 森林に関する資料館を建設する。● 林業につく人をもっと増やすように、学校をつくる。● 森や山をもっと知ってもらうために、ツアーやイベントをする。● 小中学生を対象にして、体験授業をする。● 水と森の大切さをパネルディスカッションにしてみんなに呼びかける。● 森と水を大切にしようキャンペーン。● 森林とかけ離れた場所に住んでいる人々の学び場とする。現状を知らせることの大切さは、わかっていただいたようです。● はげ山なら、植林のボランティア活動をする。● 今ほったらかしになっている森を、みんなで手入れする。● 所有者不明の林地の所有者を探し、自治体と協力し保護する。● 子供と親の植林活動を行い、森を増やす。積極的にかかわっていこうという意見も多かったです。● 切った木を加工してなにか商品をつくる。● 再利用(リサイクル)をしていく。● 家だけでなく、公園の遊具とかにも使ってみる。● サブカルチャーのフィギュアなどを木でつくる。● 小さい子が遊べるおもちゃを作る。● 木で作った家具や小物をネットで販売。● 中国人に売る。販売戦略を工夫する必要は、確かにありますね。● 太陽光パネルの設置。● 電波塔を建てる。なるほど、そんな利用法もありますよね。● 野生動物のすみかにかえる。● 動物や生物が生きやすい環境をつくっていく。● 広葉樹にする。● 木を切る前に、本当に必要かどうか考える。● すべてを伐り倒すのではなく、決まりをつくって、どのくらい切る、どのくらい植えるというのを計算する。環境面からも考えることはたくさんありそうです。● 山をつぐ人がいないとなった時に、近所や親せきなど、ついでもいいと言う人を探していけばいいんじゃないかと思いました。そうですね。積極的に探す努力も必要ですね。その他、感想として、● 山と水は関係していることがわかった。● 森がきれいになることで、川や海がきれいになると思いました。水がきれいになることで私たちの生活にも役立ってくると思いました。● 日本はたくさん緑がある自然豊かな国だということが分かった。木などについて詳しく聴いたのは初めてだった。● 森が水を作っているから、森はすごく大切だと思います。というように書いてくれた学生もいました。ありがたいことですあまり聴いていないような感じもしましたが、意外にしっかりと聴いてくれていたようです。少しでも森林や林業について関心をもってくれたら、話をした甲斐があるというものです。
2012.05.25
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現在伐採している現場にある棚田の跡です。写真の右側は小さな谷川になっていて、その谷川に沿って石垣が組んであり人が通れる幅の道が作ってあります。写真ではわからないと思いますが、谷の両側に同じ石垣があります。ようするに、谷の両側に石を積み上げて護岸を作ってあるのです!ものすごい石の量ですし、気が遠くなるような作業です!平地がほとんどないこの地域で、先人たちは一つひとつ石を積み上げて耕地を広げていったのですね。
2012.04.17
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このところの天候不順で気分も鬱々としています。なにしろずーーと曇りや雨の日ばっかりで、材木を搬出する作業路がぐちゃぐちゃの状態です。路面がたっぷり水を吸って柔らかくなっているため轍がどんどんえぐれていくばかりか、なんと言っても滑りやすいため危険が20倍くらい増しています。思うのですが、農業の近代化はビニールハウスによってもたらされたわけですよね。収穫が安定し、同時に収入も安定しました。天候に左右されなくなったからです。林業は相変わらず天候に左右されています。何度も何度もこのブログに書いてしまいますが、天気に左右されるというのが林業の最大の弱点です。高性能機械を使うような現場では天候に関係なく毎日作業していますが、それでもこういう天気ですと作業路はぐちゃぐちゃになるし、機械は土が入り込んで故障しやすくなるし、路肩が崩れやすくなって事故の心配も当然高くなります。大型の重機で雨の日に急斜面の作業路で仕事するのは正直恐いと思います。もちろん愚生も対策は考えていて、天気のいい時はこっちの現場、雨の日はあっちの現場と、多少の雨でも作業ができるような体制を整えるようにはしています。ただ、やはり効率は悪くなってしまいますよね。春ももう少しです。暖かく晴れが続く日を待ち望んでいます。
2012.03.08
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15日夜のBSフジプライムニュースは、『林業再生による成長戦略 森のパワーで復興を』というテーマで、岩本司 農林水産副大臣と小宮山宏 三菱総合研究所理事長がこれからの林業政策について語った。現在の林業の状況は、小規模、分散型であり、しかもサプライチェーンが脆弱である。ここをどうするかが一番の課題であり、番組冒頭から議論されていた「路網整備」の重要性は言うまでもない。集約化・効率化を図ることで生産性を高め、その上で生産された材を利用していくためのしっかりしたサプライチェーンを構築していかなければならないが、そこをコーディネイトするプランナーの育成も重要なことだ。しかし、「そのプランナーをどうやって育成していくのか?」という反町理の質問に、岩本農林水産副大臣は明確に答えることができなかった。「新しい制度に移行し、現場は大混乱している」という視聴者からのメールに、やはり岩本農林水産副大臣は困惑していた。小規模で分散している民有林をまとめていくというのは、机上で考えるほど簡単なことではない。物理的にまとめて作業することは簡単かもしれないが、森には所有者がいるのだから、森をまとめるというのは所有者をまとめるということに他ならない。それぞれの所有者に、「みんなでまとまったやりましょう」という意識になってもらう必要がある。そのためには、座談会を開いたり、所有者を1軒1軒訪問したりして、地道に説明することが欠かせない。あるいは、生産された材を、どのように流通させて、どのように利用していくのかを考えていなければ材はだぶついてしまうだけだ。小宮山理事長が「鶏と卵」だと言っていたが、まさに生産性の向上と需要の拡大を一気にやらなければならないのだ。また、反町理が「集約化することで利権が発生するのではないか?」という質問もしていたが、これにも岩本副大臣は答えることはできなかった。新制度に移行した後、現実の作業は随時まとまったところから手をつけていくことになるのだろうが、愚性が住む久木野のしても簡単に集約化が進み路網整備が行われるとはとても思えない。10年かかるか20年かかるか、いやいつまで経ってもまとまらないかもしれない。結局、新制度の恩恵を受ける人と受けない人が出てくる。新制度と旧制度を並行して進めることはできなかったのだろうかという気もする。総合的に考えると、「プランナー」の役割が大きいのだが、その育成法があまりにも心もとない。現場の混乱は続く。岩本副大臣や小宮山理事長の言っていることは間違いではないだろう。しかし、理想論をどれだけ並べたとしても現場が動かなければ先へは進まない。現場も国に頼ることなく、自力で地域の林業を守っていかなければならない。結局、現場の頑張りしかない。
2012.02.16
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連日の雨で商売あがったりです。天候に左右されてしまうのも、屋外作業である林業のつらいところです。先日、送られてきた市場の明細書を見て将来に不安を覚えるという趣旨の日記を書きました。その後、twitterでのことなんですが、同じく林業に従事する人から、「将来に希望が持てない」という趣旨のツイートがありました。「同じ職場の先輩が辞めていった。今の待遇では仕方がない」というようなことも書かれていました。緑の雇用によって若者の林業参入が大幅に増えました。たいへんうれしいことだと思っています。しかし、時が経つにつれ、給料が上がる保証はなく、いずれ結婚をし子供を育てるようになった時のことを考えると不安を感じてしまうというのが現状だと思います。すべてがそうだとは言いません。うまくいっている事業体もあります。なんといっても努力次第です。しかし、一部の優秀な事業体でも、やっと他産業並みなのです。数少ない優秀な事業体であれば、もっともっと儲かっていなければならないのです。優等生がやっと他産業並みというのは情けないことです。愚性が林業を始めて、今年で丸30年になります。厳しさは増すばかりに思えます。これまでずっと、「やがて国産材時代が来る」と言われ続けてきました。しかし、国産材時代は来ませんでした。今後も国産材時代はやって来ないでしょう。我が家から見える向かいの山の皆伐作業が進んでいます。斜面に大型の機械を入れるための作業路がジグザグに作られ、無残に山肌が削られています。これからやってくる梅雨時には、おそらく大量の土砂が流れ出すことでしょう。森を育てるための間伐は行われず、大面積の皆伐だけが行われていきます。先ほどのツイートに返事をくれた人は、「経済的にも精神的にも持ちこたえられるだろうか・・・。作業員のモチベーションは最低です。事故が起こらなければいいのですが。」と書かれていました。悲しいことですが、林業界の現実です。豊かな森林資源を持ちながら、日本の林業はこのまま衰退していってしまうのでしょうか?今年度4月1日から、「森林経営計画」という新しい制度が施行されます。この制度がうまくいくのか、林業が変わるのか、まだまだ不透明な部分が多いようです。果たして誰が担っていくのかということも課題です。しかし、やはりこの制度が、今後の林業を考える上での一つのポイントになることは間違いありません。地域の森林を集約化しなければなりませんが、この久木野でもなんとかまとめていきたいと思っています。森林組合に頼るのではなく、別の方法を模索しています。せっかく30年やってきた林業です。あと30年はやっていきたいと思っています。いや、林業というのは、その後もずっと続いていくものです。どうしようもなく厳しくなってしまった今、ターニングポイントだと感じています。
2012.02.15
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木材市場の明細書が送られてきた。一瞬目を疑った。「これだけ?」毎回同じことを繰り返しているが慣れることはない。毎回、目にする数字を信じることができない。とても労働の対価として見合うだけの価格だとは思えない。この先、林業だけでやっていけるのだろうかと不安になる。とは言っても今更転職できるはずもなく・・・汗と知恵を出す以外にできることはないとわかっている。先日、シャープの片山社長が、「売れば売るほど赤字になる」と語っていた。国内電気企業の巨大な赤字を見れば、どの業界も厳しいようで、林業だけが一人厳しいということでもないようだ。単価が低迷しているままの状態では、出荷量を増やすしかない。出荷量を増やすには、伐採・搬出以外の仕事を極力減らすしかない。出荷量を増やすには皆伐が一番だが、あとの管理が難しい。伐採・搬出以外の仕事が増える。できる限り皆伐はやりたくない。しかし、そうは言ってられない状況でもある。やはり、出荷量を増やすには皆伐が一番だ。さあ、どうする?誰か儲かるコツを教えてくれーーーー!!
2012.02.10
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「熊本の山の木で家をつくる会」の注文材を伐採・搬出しています。昨年の11月26日に森林見学会を行い、その時に来ていただいた施主様の設計が完成し、いよいよ材の伐採が始まったというわけです。写真に写っているのは、末口30cm長さ4.5mと5.0m。末口25cm長さ3.0mという市場では手に入れることのできない寸法の材です。一般に流通しているのは3m、4m、6mという材ですから、5mの材が欲しいときには6mの材を買って1mを切り落とすしかありません。そこが注文でやると無駄がありません。それになんと言っても、出荷する方も施主さんの顔が見えているので、できる限りいい材を出荷したいと思いますし、やりがいがあります。
2012.02.10
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4日に仕事始めの予定でしたが、まさかの雪!積雪するほどではなかったのものの、山は樹冠が白くなってきたので初仕事は翌日に繰り越すことにしました。で、まだ行っていなかった初詣に住吉神社と青井阿蘇神社へと行ってきました。そして今日。山の現場は標高500メートルくらいになるため、さすがに昨日の雪が残っていました。午前中で溶けましたけど。こんなふうに愚生の仕事は天候に左右されてしまいますが、臨機応変に変更できるのは「自由業」の強みです。「自営業」でも従業員を雇っていたり客商売だったりすると、急に休みにしたり予定を変更したりすることはできるものではありません。愚生のように自分だけで仕事をしているのは、「自営業」というより完全に「自由業」です。同じ林業をやっている知り合いが話していました。彼は愚生より10歳くらい上なんですが、最近頼まれて、とある会社にしばらく働きに行っていたそうなんです。ところが、決まった時間に出勤して決まった時間に休憩して決まった時間まで働くという毎日がとてもつらかったと言うのです。要するに自由がないわけですよね。自由気ままに働いてきた人にとって束縛される働き方というのは、とんでもなくつらいことなのです。そんな話を聞くと、愚生のように何ものにも縛られることなく自由に働いているというのは素晴らしく幸せだと思えてきます。
2012.01.05
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芦北地域林業研究グループが創立50周年を迎え、昨日(8日)、記念式典が盛大に開かれました。当林研グループは、昭和36年に連絡協議会が発足しています。熊本県内では天草に次いで2番目に古い林研グループということになります。また、昭和36年に発足したのは連絡協議会ですから、単研はそれ以前に発足していたということになります。その時にはすでに3つか4つの単研があったみたいなんですが、当時の資料がなくはっきりしたことはわからないみたいです。式典では、発足時から50年にわたっての林研メンバーであるM氏に、50年の歴史を紹介していただきました。思考錯誤もあったようですが、山づくりに希望が持てた古き良き時代だったようです。以前は各地区ごとに林研があって、水俣芦北地域の単研をまとめて連絡協議会が作られていました。しかし時代の変化とともにそれぞれの単研の活動が停滞し、平成12年にはそれまで7つ残っていた単研を合併し、新たに芦北地区林業研究グループを結成しています。それが現在まで続いているわけです。ただ、活動そのものは活発に行われているものの、会員の高齢化は進んでいます。愛林館のスタッフが会員となってくれたことでかなり平均年齢は若返ったのですが、地元の人で新たに林研に入ってくれる人は皆無です。林業がこういう時代ですから当然といえば当然なのかもしれません。この日は徳島県の指導林家・橋本光治氏に記念講演をしていただきました。橋本氏は「我々が地域の林業を担っていくんだ!という気概を持ち続けなければならない」とおっしゃっていましたが、まさにその通りだと感じます。また、橋本氏は、「あきらめるな!逃げるな!」と繰り返しおっしゃっていました。厳しい状況であることに違いない林業ですが、やり方によっては十分持続可能な経営をやることができます。何よりも、林業というのはやりがいのある仕事です。今後、若い人たちが後に続いてくれるように、今や貴重な存在となってしまった我々が踏ん張る必要があると思うのです。100周年の時には愚性は101歳になりますが、それまでしっかり林業経営と林研活動を続けていきたいと思っています。100周年の時には愚性が芦北地区林研の歴史を紹介させていただく予定です。
2011.12.10
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「熊本の山の木で家をつくる会」の「山行きツアー(森林見学会)」が、26日(土曜日)に行われました。この「山行きツアー」は、家づくりを計画している人や家をつくりたいと考えている人を山に招いて、家に使われる木材がどんな所で育っているのかを実際に見てもらい、森林の大切さや林業の役割を理解してもらうと同時に、自分の家の柱となる木に触れて感じてもらうことを目的として定期的に開催しているものです。今回のツアーには、すでに設計を終えて伐採を始めている人や設計中の人のご家族3組、これから家を建てたいと考えている人のご家族2組の計5組のご家族がいらっしゃいました。最初に愛林館に集合し、山側のメンバーや工務店さんなどすべてのメンバーが揃ったところでお互いに自己紹介。これまでこのシステムでつくった家の紹介や森林の役割などについて座学をした後、食事をして山に向かいます。山に到着すると、それぞれ1家族に1本の木を選び、実際に伐採します。今回は3本の杉の木を伐採しました。それぞれ伐り倒す前に立木の前で記念撮影。伐り倒した後は切り口にペンキでサインをしてもらいます。この木は、施主さんが書いたサインを残したまま製材し建築現場まで届けられます。このサインを残すことで、間違いなく山で伐採した木であることの証明になるのです。「山行きツアー」には、林業家、製材所、設計士、工務店(大工)、そしてお施主さんというすべてのメンバーが顔を合わせます。普通に木材市場を通しての流通だと、我々林業家は自分が出荷した材がどういう使われ方をするのかまったくわからないですし、家を建てる人も、その家に使われる材がどこで育った木なのか、誰が育てた木なのか、まったくわかりません。それがこのシステムだとわかってしまうのです。我々林業家にとってもやりがいが生まれますし、同時に責任ある仕事をしなければという意識も生まれます。
2011.11.28
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大分県別府市で開催された「第51回林業研究グループ九州地区交換研修大会」に出席しました。この大会は毎年開催されており、各県の林研会員の交流と共に、グループコンクールの九州ブロック代表を決めるのが主な目的です。最近いつも発言していますが、林業は厳しい厳しいと言われながらも(実際に厳しいのですが)、多くの林研が活発な活動をしていることには感銘します。手入れが行き届かない地域の森林の間伐を進める活動をはじめ、消費者へのアピール活動や、小中学生・高校生への森林・林業学習、特産物の開発など、多彩な活動をしています。また、特に今回の大会で驚かされたのが、発表者が揃って若いということです。高齢化が進む林業の現場にあって、新たに林業に参入してくる若い人も少なくありません。発表者のほとんどが20歳代で、女性もいらっしゃいました。林業の大会や研修会というと年配の人ばかりというイメージが一時はありましたが、最近変わってきたなという印象があります。林業の可能性を感じた大会でした。
2011.09.11
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熊本県林業研究グループ連絡協議会の総会が、宇城市小川総合文化センター「ラポート」にて開催されました。同時に行なわれた研修会では、「三加和林研クラブ」と「天草林研グループ連絡協議会」が活動報告を行ない、審査の結果「天草林研グループ連絡協議会」が熊本県代表として九州ブロックコンクールに出場することが決まりました。午後の講演は、NPO法人土佐の森・救援隊 事務局長 中嶋健造氏が、「副(複)業型自伐林家のススメ」~全国に広がる土佐の森方式~というテーマでお話をされました。今回の研修会では、当初、大規模化・集約化をめざす「森林・林業再生プラン」の勉強会にしようということになっていました。しかし一方で、「土佐の森・救援隊」が注目すべき活動をしているということもあり、逆の視点から見てもいいのではないかということで中嶋氏に講師をお願いしました。「土佐の森・救援隊」の活動についてはここでは割愛しますが、中嶋氏のお話を聴いて、狙い通り「森林・林業再生プラン」の問題点も明らかになり、逆に自伐林家が多い林研グループの役割と可能性というのも見えてきたような気がしています。地域に根ざしコツコツとやり続けている人間に目を向けない政策というのは愚作としか言えません。逆に我々は自らの可能性を信じ、儲かる林業を追及し、地域が元気になる提案をしていかなければならないと思います。小規模分散型の仕組みづくりによって、「林業従事者45万人の復活が見えてくる」と中嶋氏はおっしゃいます。「土佐の森方式」が広がっている現状を見ると、まんざら可能性はなくはないという気がします。やはり林業というのは、とてつもなく面白い職業のようです。
2011.07.06
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久木野分収林造林組合の下刈り作業に行きました。久木野分収林造林組合は、水俣市と合併する前の旧久木野村の村有林を、水俣市との分収契約によって管理している地域住民で組織する組合です。組合員には毎年2日間の出夫義務があります。毎年延べで150人ほどの組合員が下刈り作業に従事します。2日間で終わらなかったところも、さらに組合員が出て作業しますので、最終的には述べ400人ほどの組合員によって下刈りが行なわれるのです。作業は鎌で行なわれます。「今どき鎌?」と思われるかもしれませんが、説明した通りこの作業は地域住民によって行なわれます。ほとんどが山仕事の素人です。急斜面のところが多く、機械を使うには無理があります。また、鎌で草刈りをするのがこの組合の伝統でもあるのです。1年に1回しか使わない鎌を持って集まり、お互いに汗を流しながらワイワイと草を刈るのです。これが組合員の交流でもあり、意味があることだと思っています。ただ、毎年参加者が減少しているのは事実です。高齢化の波は止められません。今後、組合経営の方向転換も考えなければならなくなると感じています。
2011.07.03
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【送料無料】「植えない」森づくり価格:1,995円(税込、送料別)「大事なのは植えることより、上手に伐ること」と言うのは、最前線で森づくりに取り組む林業者にとっては当たり前のことだ。しかし、その当たり前のことが理解されずに、「木を植えることが環境を守ること、地球を大切にすること」みたいに捉えられているのは残念なことでしかない。森を伐り開き開催される「植樹祭」などは、愚の骨頂である。愚生もこれまで植えない林業を続けてきた。まったく植林しないというわけではなく、皆伐して植林・下刈りという作業は大きなコストを必要とする。極力皆伐をしないように心がけ、コストがかからないような経営をしてきた。ただ、ここいらでもう一度施業のあり方の見直しをしたいと思っている。そのヒントがこの本にある。それが、「間伐して実生木を活かす森づくり」だ。これまでの間伐は、数年後に再び間伐を行なうことを前提としていた。10年も経たないうちに樹冠は閉鎖し光が入らなくなる。それでは、林内の植生は育たない。間伐の強度を上げることが必要だ。材価が低迷する中で、質よりも量を重視した経営という意味でも、愚生の林業経営はその方向に舵を切っている。
2011.06.23
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映画「森聴き」について、もう一つ。パンフレットにも紹介されていますが、高校生の「焼き畑のどこが好きですか?」という質問に、85歳のクニ子ばあちゃんは、やや怒ったように答えました。「好きでやっとるとじゃない。一生の仕事だから。山があるから、そして種を切らさんためにしていくとよ。」もし、棚田を耕作する爺さんたちに同じような質問をすると、同じような答えが返ってくるはずです。「棚田での米作りは楽しいですか?」「楽しいからやっとるとじゃなか。そこに棚田があるからやっとるとたい。」クニ子ばあちゃんは、「生きるためにやっている。」と言いました。この「生きるため」というは、「食べるため」とは違うという気がします。過去から未来への時間の流れの中で、つながりを切らさないということ。今この一瞬を生きるということではなく、未来を見つめた壮大な仕事だということ。好きとか嫌いとかいう尺度ではない、別の世界観が山の暮らしにはあるのです。
2011.04.18
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映画「森聴き」を観てきました。映画「森聴き」は、「森の聞き書き甲子園」に参加し、「森の名人」と呼ばれる人たちの人生と技を聞き書きした高校生4人を追った作品です。「森の聞き書き甲子園」というのは、全国から選ばれた100人の高校生が、「森の名手・名人」を訪ね、知恵や技術、人生を「聞き書き」し記録していく活動です。2002年から始まり、2010年までに900組の高校生と名人が出会い、「聞き書き」の作品が生まれています。森の名人たちは饒舌です。様々な言葉を高校生に伝えていきます。森の名人たちは、まるで哲学者のようです。「伝説の木こり」を呼ばれる名人が、「空間に生きる」という言葉を使っていらっしゃいました。愚生などはまだまだ若造ですが、同じように森に生きるものとして感じるものがありました。ただ単にスクリーンに映し出された2次元の世界ではなく、時間をも越えた4次元の世界観が名人たちの中にあるのを感じます。名人と高校生が雪が降りしきる森の中を歩くシーンは、まるで空想の世界のようですが現実の世界です。時が止まったかのような雪の森に名人の言葉が重く響きます。高校生は、林業の道に進むことを決意したようです。残念ながら上映している映画館は多くありませんが、ぜひ多くの人に観ていただきたい作品です。あっ、それから、音楽が素晴らしいです!フィンランドのアカペラ・ヴォーカルアンサンブル 「RAJATON (ラヤトン)」だそうです。CDを買ってきました!映画「森聴き」公式サイト「森の聞き書き甲子園」公式サイト
2011.04.16
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【送料無料】季刊地域 TPPでどうなる日本 ? 2011年 05月号 [雑誌]価格:900円(税込、送料別)農文協から出ている雑誌「季刊地域 TPPでどうなる日本 ? 2011年 05月号」の中で、NPO法人土佐の森・救援隊事務局長 中嶋健造 氏が、林業の大規模集約化施業の問題点について書いていらっしゃいます。TPPの問題点について書かれた雑誌なのでTPPをしっかり学びたいという方はぜひ読んでみてほしいと思いますが、中嶋氏の記事はTPPということではなく、「森林・林業再生プラン」の問題点について指摘されたものです。タイトルは「大は小を兼ねないが、小は大を兼ねる」となっており、大規模集約化施業の問題点と自伐林家のメリットについてまとめられており、かなり興味深いものになっています。簡単に紹介すると、大規模集約化施業の問題点として次の6点を挙げられています。1、所有と施業の分離2、施業工程の増加3、施業コスト(採算性)の上昇4、需給バランスの悪化5、林業作業者の地位が不安定6、森林の活用法が単一「森林・林業再生プラン」については現場レベルで不安を持つ人が少なくありません。不安のほうが期待を上回っていると言っても過言ではありません。中嶋氏はそうした不安の原因を明確にまとめられています。さらに、自伐林家のメリットについても明確に書かれています。>自伐林業はつねに同じ自山を見つめ、どんな森にするか、そのためどんな管理するか、どう収入につなげていくか、何を生産するか、あらゆる視点で森林管理を考えている。まさしくフォレスターである。そこにはやりがいが生まれ、人の成長がある。>自伐林業の場合、燃料材、シイタケ栽培、きのこ・山菜の採集、狩猟、森林ツーリズム、林家民泊など、山をいろいろな利用法で収入化している。集約林業は単一活用だが、自伐林業は多目的活用である。>軽トラ、チェンソーさえあれば誰でも参入できる。小規模だからこその自由度もある。仲間との連携もしやすい。「森林・林業再生プラン」はドイツ林業を参考にしたとされていますが、ドイツこそ個人事業体や自伐林家が中心で、7割以上が複合経営だという指摘もされています。新たな政策が今年度から動き出しますが、必要なのは地域の視点です。画一的な視点では森づくりはできないということですね。
2011.04.05
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メジャーリングテープとキャリパーを新調しました!メジャーリングテープは木の長さを計る道具で、いわゆる「巻尺」です。15mの長さですが、一人で計ることができるように工夫されています。キャリパーは木の太さを測る道具です。日本語で言うと「輪尺」。メジャーリングテープは、テープの交換だけでも対応できるのですが、もうずいぶん使っていて動きが悪くなったせいか頻繁にテープが切れてしまうので思い切って新調しました。キャリパーは460mmのものを使っていますが、最近、注文材が増えて頻繁に使うようになったため、作業中に取り扱い易い320mmのものを新たに買いました。道具が新しくなると仕事も気持ちよく、スムーズにできるような気になりますね。
2011.03.30
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3月8日付日本農業新聞:論説「鹿対策/優しい森づくりも必要」から引用します。▼ドイツ生まれの動物学者で現在はオーストラリア在住の科学者、ヨハネス・バウアー博士は、富士宮市が設置した囲いわなに隣接した林を歩いた。▼「暗すぎる。森の中の生き物たちが快適に過ごせるよりも、5割以上木の本数が多い」というのが博士の見立てである。博士に同行した神奈川県の林業家もこの意見に同意する。▼経営環境が極めて厳しい林業で、間伐は遅々として進まない。豊かな生き物を支えてきた森の衰えが、5年前に始まった鹿被害の根っこに横たわる。▼「わなによる捕獲は害獣の頭数管理に効果があるが、長い目で見れば周りの森をどうするのかが問われている」とはバウアー博士の解説だ。▼実はドイツやオーストラリアでも同様の問題が生じているという。ロシアなどから安い外材が流れ込み、森林の手入れがなおざりにされる。鹿などが荒れた森から出てきて、周辺の農場に出没するようになった。▼まさに、わが国と同様な現象といえるだろう。深刻な野生鳥獣類の農作物被害を解決していくためには、生き物にとってすみやすい森づくりが必要である。説明の必要はありませんね。書いてあるとおりです。手入れの行き届いた森林には、多種多様な植物や動物が生息しています。十分な光が入るように間伐してやるだけでそんな森をつくることができます。愚生はそういう森づくりを目指しています。しかし、多くの森林が間伐が行われずに放置されています。せっかく植えられた杉は、今では見放されているのです。伐り出しても採算に合わないからです。動物も哀れです。森も哀れです。人間も哀れです。
2011.03.09
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3月1日から2日にかけて、「全国林業研究グループコンクール」と「通常総会」に出席してきました。今年のコンクールには九州代表に熊本の「旭志林研」が選ばれ、県職員も含めて総勢18名の大応援団を引き連れて乗り込みました。例年にない意気込みです。コンクールには6ブロックの代表が参加し、15分の発表によって審査されます。最優秀賞が「農林水産大臣賞」となり、その他は「林野庁長官賞」になります。旭志林研は県予選・九州ブロック予選を経ての出場で、「農林水産大臣賞」を狙っていたのですが・・・・・・、審査員は宮城県・南三陸町山の会を最優秀賞に選びました。旭志林研も内容はすごく良くて、発表もすごくよくできていたので、「農林水産大臣賞」を逃したのは非常に残念でした。ただ、今回のコンクール出場によって、奥様方の林研活動への理解が深まったという話を聞き、「賞」以上の大きな成果を得たという気がしました。ところで、このコンクールに来賓としてきていた林野庁研究・保全課の課長補佐さんの挨拶は、とても興味深いものでした。彼は、「個人的な意見ですが・・」と前置きし、「森林・林業再生プランに欠けているもの・・・・・それは、林家の理解と合意を得なければ、どんな政策でも前に進めることはできないということだ。」と、話されたのです。つまり、「森林・林業再生プラン」に対して我々林業家が感じている不安と同じものを、林野庁の官僚も感じているということなのです。政治主導とか言いながらトップダウンで政策を進めるのはいいですが、それが現場にそぐわないものであれば絵に描いた餅でしかないのです。全林研・前会長の田中惣次氏も講演の中でさかんにそのことをおっしゃっていました。まだまだ細かい部分が見えてきませんが、林研会員のように小規模ながらも一生懸命頑張っている林業家を潰すことのない政策であってほしいと思うのです。
2011.03.04
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家づくりを予定されている施主さんのご家族5組をお迎えして、森林見学会が開催されました。まずは愛林館に集合してネットワークのメンバーと施主さんたち全員の顔合わせ。それぞれの自己紹介や私たちが行っている家づくりのメリットなどを説明したあと、みんなで昼食。その後、我家の山林へと移動しました。今回の見学会では、施主さんに自分が気に入った木を選んでもらうという方法を取りました。1軒は設計が出来上がっていますが、残りの方はまだこれからなので、比較的使うことの多い胸高直径30センチくらいの木を選んでくださいとお願いしました。山側のメンバーが1家族に1人づつついて、伐倒方向なども考慮しながら選木します。ただ、どうしても施主さんに選ばせると大きく立派な木を選んでしまわれます。一度選ぶと、家族みんなで触ったり声をかけたりされますので、選んだあとに変更するというのは難しいです。設計屋さんに相談すると、「選んだ木を活かす設計をすることは可能」ということだったので、当初の予定よりかなり大きな材になってしまいましたが、そのまま伐採することにしました。 伐採後は切り口に名前を書いてもらいます。それをそのまま残して製材し大工さんの元へ届けます。伐採の時に出た受け口などの木っ端は、それぞれ持って帰られます。最初の説明会の時に見せてもらった写真では、見学会の時に持ち帰った木片を利用し洗面所などに置く飾りを作っておられた方もいらっしゃるみたいで、施主さんたちが見学会を行うことで木に対してすごく愛着を持っていただいていることがわかります。ありがたいことです。今回は子供さんまで入れて40人くらいの参加者でした。大勢の前での伐採で失敗するとみっともないし、何より危険なので、相当集中しての作業だったため終了後はヘトヘトになってしまいましたが、5本とも狙った方向に正確に倒れてくれて林業家としては面目躍如だったかなー ̄) ニヤッ
2011.02.12
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25~26日の一泊二日で芦北林研の研修旅行に参加し、阿蘇に行ってきました。阿蘇はまだまだ雪が残っています。研修の現場は山の中のため、2日目にはアイスバーンになった道路でバスが立ち往生するハプニングもありました。視察させていただいたのは、阿蘇市内牧の「NPO法人ふるさと創生・阿蘇」と産山村の湧水を利用した「ワサビ栽培」。それと二日目に、南小国に住むK氏の林業経営と小国で一番古いという250年生の杉林を見学させてもらいました。今回一番見たかったのが、「NPO法人ふるさと創生・阿蘇」の取り組みです。森林所有者の高齢化や不在村化が進む中、新たな森林管理の担い手としてNPO法人を立ち上げ、自力施業が困難な森林所有者から管理委託を受け施業を実施されています。実は、同じことを水俣・芦北でもやろうと考えているんです。我が久木野でも、農業分野ではすでに「久木野まるごと農場」を立ち上げ集約化を図るべく行動を起していますが、同じように林業分野でも集約化が必要だと考えています。現在、そのための方策を模索している途中であり、視察した「NPO法人ふるさと創生・阿蘇」の取り組みは大いに参考になります。久木野でどういう体制を作ればいいのかをこれから検討していかなければなりませんが、「NPO法人ふるさと創生・阿蘇」を真似てやれば比較的簡単にできるのではないかという気がします。小国で見せてもらった250年生の杉林はすごかったです。やはり目指すのはこういう森ですね。
2011.01.27
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昼食を食べに入った小さな喫茶店での出来事。マスターと話していた3人組の会話が耳に入る。「植林」・・・という言葉が聞こえたのだ。どうやら子供と一緒に植林ボランティアに行ったみたいで、「雨に降られてたいへんだった。」というような話をしている。その後、猪や熊が人里に頻繁に出没しているという話題になる。マスター曰く、「森をスギやヒノキばっかりに変えてしまったから、エサがなくなったんだ。」「広葉樹に替えていかないといけないよね。」植林のイベントに参加したりして、森林づくりに関心を持ってもらうことはいいことだ。しかし、森林に関心があるということが林業を理解していることにはつながらない。広葉樹が「善」で、杉檜は「悪」という単純な図式になってしまうことも多々ある。確かに杉は植え過ぎだと思う。適地適木を無視した植林も、かつては多かった。「こんなとこに杉を植えても、到底管理できないでしょう?」と思うようなところもある。木材価格が下がり針葉樹の森は管理されず放置されている。人間のテリトリーは狭まり、野生動物が人里に頻繁に出没する。杉の伐採跡地に広葉樹を植林しようというのはいいことだと思う。だからと言って、杉のすべてを否定されるのは悲しい。自分が必死になってやってきたことを、すべて否定されたような気がする。森林づくりへの関心を、林業への理解に替えていくことはできないのだろうか。杉は悪者ではなく、杉を使うことが環境にとってもいいことだと理解してほしい。こうした面でも、われわれ林業者の努力が必要だ。
2010.12.07
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九州各県では、毎年11月の第2日曜日を「九州森林(もり)の日」と定めているそうです。この日、熊本県では、「くまもと森づくり活動の日」というイベントが、熊本市立田山憩いの森をメイン会場に県内各地で開催されました。今年は私たち林業研究グループも、このイベントに参加しました。と言っても体験活動のお手伝いではなく、県内各地の『山の幸』を持ち寄って販売をしたのでした。趣旨は、「林業研究グループの活動を広く県民にアピールする」こと。林業を取り巻く状況が厳しさを増す中で、林研グループも会員も減少し続けているわけですが、それでも地道に、そして積極的に活動を続けている人達がいるんです。「儲からないからやめた」ではなく、森づくりの大切さをわかっているからこそ、新しい技術を学んだり、あるいは高校生達に技術を伝えたり、産直住宅に取り組んだりと幅広い活動を展開しています。森づくりの大切さは誰もが理解されていると思います。しかし、日常的に職業として森づくりに取り組んでいる林業者の存在は、あまり認識されていないように思います。「儲かる儲からない」という経済的な目先のモノサシではなく、長期的なモノサシで森づくりに取り組んでいる人はまだまだいるんです。そこをアピールしたいという想いから、今回の「くまもと森づくり活動の日」への参加となったわけです。県内各地から8グループが参加してくれました。それぞれ林研グループらしい品物が集まりました。ただ、残念ながら「くまもと森づくり活動の日」というイベントそのものへの参加者が少なかった。当初予定していた数の3分の1くらいでした。これにはちょっとまいりました。広く県民にアピールするという目的が達成できたとは、とても言えない状況です。来年以降、やり方を再度検討する必要がありそうです。来年は思い切って、上通り・下通りあたりに進出してみましょうか?
2010.11.17
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愛林館から、「広葉樹の森の育て方」教室のお知らせがありましたので転載します。。:’* + ☆°・ ‥.゜★。°: ゜・ 。 *゜・:゜☆’:★ ,* +゜. ☆。.: ’* :・* + ゜。.★・”,「広葉樹の森の育て方」教室に参加しませんか?ちょっと大きく出てみました。愛林館では、日本最大級のボランティア造林「水源の森づくり」を行ってきました。水俣の自然林に見られるシイ、カシ、タブといった照葉樹(冬でも葉が落ちない広葉樹)を中心にした木々を、21haの広さで育てています。水源の森の年齢は7才から14才。順調に成育中です。今回は、この森をどのように育てるのかを学びますが、特に道の働きを中心に考えてみましょう。森を育てるには人手をかけねばなりませんが、そのときに欠かせないのが道。大正時代、久木野の先輩方は村の中心部から歩いて苗を運び、600haの村有林に5年間でヒノキを植えました。でも、現代では無理です。そこで、今回は道を実際に手入れする作業をします。愛林館の水源の森に3年前に作業道を新しく作りました。法面(道のすぐ横の山の斜面)から落石が多いので、減らすために石垣を新しく積みます。石垣は自然素材の石を並べるだけで、100年間は使い続けられるでしょう。100年後まで見通せるものづくりの体験は、なかなかできません。皆さんはこの歴史的な事業(ちょっと大げさですが)に参加しませんか?作業は半日で、残りは道の働きを学び、森の育て方を学びます。久木野にはさまざまな森がありますので、スギやヒノキを植えた木材生産のための人工林、愛林館で育てている水源の森(自然林に近い照葉樹林)、それを支える道をじっくり見てみましょう。夜は愛林館で、おいしい鍋物を食べましょう。おいしい焼酎も用意してあります。(この事業は熊本県の水と緑の森づくり税の助成を受けています)日時 11/23(火)~24(水) 11/29(月)~12/1(水) ★午前8時半に宿舎を出て、夕方5時半に戻ります。 ★部分参加可。 ★雨の日は休み。内容 ★石垣積みの作業 ★森を学ぶ教室場所★水俣市久木野一円の森林参加費:一人当たり2000円 (何日でも参加できます。)滞在費:宿泊費は無料 愛林館大広間(二部屋・男女別)に雑魚寝。 食事代:宿泊の場合は一人2000円(夕食・朝食) ★夕食(地物野菜たっぷりの鍋+焼酎) ★朝食(香り米入り無農薬米のご飯)○昼食は、それとは別に一人600円です。 (激辛タイカレーと普通のカレーの2種があります)○いるもの:汚れてもよい服・長靴・軍手お問い合わせ:〒867-0281 熊本県水俣市久木野 1071愛林館 TEL&FAX 0966-69-0485 (土日祝はレストランも営業中)http://airinkan.org/
2010.10.30
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25日に行われた「くまもと林業担い手の元気づくり大会」は、けっこう有意義なものだったように思う。正直言って、この大会が始まった最初の頃は面白くなかった。菅原文太の講演があったりしたが、「元気づくり」につながるようなものではないと感じていた。それが変わってきたのは、この大会に先駆けて行われる「林業技能競技会」が充実してきたことと、若い林業従事者に発表してもらう「活動報告」の内容ががぜん良くなってきたことによる。林業の担い手には2種類ある。農業の担い手というと農家やその後継者を指す。林業の場合は、林家やその後継者はもちろん「担い手」であるが、それとは別に森林組合や林業会社などの林業事業体、そしてそこで働く従業員も「担い手」である。今や、林家の多くは森林を所有しているだけの人が多く、実際に作業を担う林業事業体こそが真の「担い手」だと言えなくもない。そうした事業体で働く若い人達が、「技能競技会」に参加し腕を競い、「活動報告」で自らの思いを発表する。「技能競技会」の模様は大会当日スクリーンに放映され見ることができる。「活動報告」は、「緑の雇用制度」などで新規に参入した若い人達の素直な思いを聞くことができる。この会場に足を運ぶことで、林業という普段接することのない世界をわずかではあるが垣間見ることができるのだ。一昔前までは林業のような肉体労働はダサいイメージがあったが、安全確認をしながら正確に伐倒する姿、高性能林業機械を自由自在に操る姿というのはカッコいい。若い担い手達はイケメンも多いのだ。この大会は一般の人にも呼びかけて開催される。だけど、一般参加者は多くはない。無料で配られる椎茸に惹かれてくる人が少しいるくらいだ。(もちろん森林・林業に関心を持ちやって来る人もいらっしゃいますよ!) せっかくのいい大会である。今後は一般の人にも多く参加してもらえるように、内容をさらに充実させていければと思っている。
2010.10.27
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