人を相手にせず、天を相手にせよ。
天を相手にして己を尽くし、人をとがめず、わが誠の足らざるを尋ぬべし
西郷隆盛 の言葉です。
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西郷と俺との会談で、西郷が発した
「勝さぁ。江戸城無血開城、承知しもす。
おいが命に掛けても、お引き受けしもそや。」の一言で、
江戸城無血開城が、決まったのだが、
大困難が待ち受けていたのだ。
これから先、江戸の住民の生活をどうするのかという大問題だ。
当時の江戸の人口は150万ばかりであった。
徳川家から扶持を貰っていたものは勿論、職人、商人などはみな、直接間接に
幕府のおかげで食うていたのだ。
幕府の崩壊とともに、この人たちの暮らしが立たなくなるのだ。
西郷との交渉で、徳川慶喜公への、静岡70万石を承諾させ、
幕臣とその家族の生活は、なんとかする手はずは整った。
庶民の暮らしを、どうするか。。
これが大問題だったのだ。
俺は、西郷と、大久保利通に相談したのだ。
流石は、大久保だよ。
俺にこう言ったのだ。
「勝さぁ。それでは、お上(天皇)を、京都から、江戸にお連れしごと!!
遷都すうです!!さすれば、江戸庶民のしごっ(仕事)も確保できもそや。」
こうして、日本の首都は、東京になったのだ。
大久保のこの一言で遷都が決まって、江戸庶民は救われたのさ。
大久保は京都の庶民にも、暮らしが立ち行くよう配慮した。
戦から、庶民を守り、さらに生活を守る!!
これが、政治ってえもんだよ。
大久保は、征韓論で西郷と対立して西南戦争で、俺の盟友、西郷を倒した男だけれども
あの男は、國と國民に尽くした、真の政治家だったよ。
大久保は、剛直な男で敵が多かったよ。
しかしな、不平士族に暗殺された後に調べたら、一文の蓄積も無かったそうだ。
大久保は、清廉潔白な、正心誠意の政治家だったのさ。
こんな政治家、後世の日本には、まず出ねえだろうが、
真の政治家ってえものは
こんなもんだぜ!! 覚えておきな。
口先ばかりの政治屋なんぞに、
騙されちゃあいけねえよ。
勝海舟の言葉です。
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☆ 遷都の経緯など、歴史に埋もれた話です。
西郷との会談の時、襖を隔てた別室には薩摩藩の桐野利秋などが刀に手を掛けており、
勝を斬ろうとしていたのですが、
この時、勝海舟は、西郷の魂を信じて、もはや生死など超越していたのです。
海舟は多弁で、
失言も多いのですが、人を観る目は確かだったのです。
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