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キーワード 平和
泰。小往大来。吉亨。
(たいはしょうゆきだいきたる。きちにしてとおる。)
「泰」は安泰、通じるということ。「地天泰の時、つまらぬ小人(しょうじん)が出て行き、大人(たいじん)が寄ってくる。吉にして通 じる」。地天泰の時は、君子が集まり、小人が去ったような時です。人間関係も和気あいあいと協力的で、万事がスムーズに運びます。万事順調の時です。めで たくて平和であるこの卦は、易者の看板のシンボルとなっています。 しかし、天下泰平の時は、いつの世も長く続くわけではありません。「盈つれば食(か)ける」のが世の常です。謙虚な気持ちで現状維持を心がけ、現在の安泰 の時をできるだけ永続きさせるようにしましょう。
〔大意〕これは易では良い卦の一つです。『易経』には「泰は、小往き大来る」とあり、運勢学的には非常な盛運に当たる。自信をもって事に対処していいときです。すべての点であなたは恵まれています。
では、この運の昇り調子は何に支えられているかといえば、それは泰です。泰には安泰、やすらかといった意味のほかに「通じる」という意味もある。ここでいう「通」は意志の疎通の通であり、いわば他人との関係がうまくいくことで、あなたの心は安泰となり、それがすべての幸運の基になっているということです。
「あなたの心が平和であり、神と調和しているときには、あなたは家庭、事業など、あなたの人生のあらゆる面において平和を見出すだろう。しかもそれだけでなく、あなたはあなたがもっとも望んでいる願望を獲得するだろう」
これはマーフィー博士のこの卦に対するメッセージですが、博士がいう乎和は、すべてが順調に運んでいることによって得られるものと考えられます。
人間はどんなときに平和になれるか、心の平安が得られるかといえば、それは問題や困難がないことではなくて、 それに勇気をもって対処できるときです。いわばすべての事柄についてやる気を失わないで、忍耐強く取り組んでいけるとき、人間は自己に自信を持ちます。そしてその自信が物事を成就させるのです。
よく「何々がどうなれば自分もどうこうする」と注文をつける人がいますが、そういう人は永久に注文をつけ続けている。条件付きで何かをしようとする人は条件なしでは何もできないのではなく、本音はしたくないのです。潜在意識の力を発揮させるためには、何よりも先に自分の心を安定させることなのです。
●初 9 :そのなすところはみな栄える。
抜茅茹。以基彙。征吉。
(ぼうをぬくにじょたり。そのたぐいをもってす。ゆけばきち。)
「茅」はイネ科の多年草。「茹」は草の根が連なること。「彙」は仲間のこと。「茅を抜くとその根が連なって抜けるように、仲間と協力 して前進すれば吉」。チームワークをフルに活用することでうまく行く時です。
◎良い時です。
●二 9 :外部現境を変えるのは、自己が変わることによってのみである。
包荒用馮河。不遐遺。朋亡得尚于中行。
(こうをいるひょうかをもちう。かいせず。ともほろぶればちゅうこうにあうことをう。)
「荒」は荒野。「馮河は徒歩で大河を渡ること . 。「遐遺」は遠きを残す、すなわち遠くの人を忘れること。「朋亡」は私情にとらわれな いこと。「中行」は正しい道。「荒野を開拓し、徒歩で大河を渡るような度量と勇気があり、遠くの人を忘れずに、私情にとらわれないで中道を得る」。思い 切って実行に踏み切って良い時です。細心の注意と気配りに基づいた勇断であるべし。
◎良い時です。
●三 9 :あなたの心の動きに注意せよ。すべてはそれが決定しているからだ。
无平不陂。无往不復。艱貞无咎。勿恤。基孚于食有福。
(たいらにしてかたむかざるなく。ゆきてかえらざるなし。かんていなればとがなし。うれうるなかれ。それまことならばしょくにおいてさいわいあり。)
「艱貞」は困難に耐えて貞正を守ること。「食」は欠け、衰えること。「平らなものは傾かないということはなく、往ったものは帰ってこ ないということはない。困難に耐えて貞正を守っていれば問題はない。心配しなくとも良い。誠があれば衰えの中にも幸いがある」。栄枯盛衰は世の習い、治に 居て乱を忘れぬ態度で日々精進すれば、見ている人はちゃんといるものなのです。
●四 6 : 安易に援助の手をさしのべるな。それは相手の自尊心や自発性を奪うことだ。
翩々不富。以基鄰。不戒以孚。
(へんへんとまず。そのとなりをもってす。いましめずしてもってまことあり。)
「翩々」はひらひらと飛ぶ様子。「戒」は警戒し疑うこと。「鳥がひらひらと飛ぶように、自分の富は心にもかけずに隣人と協力し合 う。警戒することなく誠を持って対することだ」。自分は金持ちだなどと威張らずに、お隣りとも真心をもってよく付き合うときです。謙虚さが大切。
●五 6 :人との約束はすべて調和と善意に基づいたものであるべきである。
帝乙帰妹。以祉元吉。
(ていおつまいをとつぐ。もってさいわいありげんきち。)
「帝乙」は殷の紂王の父。「帝乙が妹を優秀な臣下に嫁がせた。このようであれば幸いを得られ大いに吉」。いろいろな人と良い関係の作 れる時です。部下にもすばらしい人材がいます。人の力を借りて目的が果たせる時、また果たすべき時。
◎大変良い時です。
●上 6 :心の中で難問に手向うことをひかえよ。そうすれば解決は向こうからくる。
城復于隍。勿用師。自邑告命。貞吝。
(しろからぼりにかえる。しをもちいるなかれ。ゆうよりめいをつぐ。ただしけれどもりん。)
「隍」水の渇れた濠。「師」は戦争。「邑」は村。「城壁が崩れ去って元の隍に復ってしまった。出兵してはならない。命令が村から出さ れるようでは貞正にしていても恥をかくことになる」。屋台骨が折れ、せっかく築き上げてきたものがガラガラと無残に崩れ去る時です。会社も家庭も統制がな くバラバラです。あなたが上司であるならば、部下に信頼されずに命令が無視されてしまうでしょう。
◎あなたの考え方、進み方に大きな欠陥があります、よく反省し、方針の転換をしましょう。
「マーフィの易い」 J. マーフィ(昭和 61 年、産能大学出版部)及び以下を参照しています。
http://www.keisho.server-shared.com/64/k11.html