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キーワード 謙遜、柔和な人
謙。亨。君子有終吉。
(けんはとおる。くんしおわりありきち。)
「謙」は謙遜、謙虚のこと。「地山謙の時、通じる。君子は終わりを全うすることができる。吉」。この卦は、地の中に山が没しています。高くて、尊いも のが頭を低くしています。実るほど頭を垂れる稲穂のようです。地山謙の精神は消極的では有りますが、世渡りの知恵であり、どっしりとした強さがあり、人生 では最も大切なことです。「能ある鷹は爪を隠す」といいますが、今は表に立たず、謙虚に進んで有終の美を飾るべき時です。 この卦はまた、男子裸身の卦ともいわれます。卦象を見られたらおわかりのとおり、一陽五陰の卦で、一人の男性(陽)に五人の女性(陰)が群がり、とくに人体で股に 当たる三爻の一陽に五陰が取りまいています。したがってこの卦を男子裸身の卦といいます。異性問題にはとくに気をつけましょう。
〔大意〕謙(けん)は謙遜の意。つねにへりくだって人と付含合えば物事はうまくいく。しかし、ここでいう謙遜、へりくだりは卑屈ということではありません。卑屈は、表面的に謙遜しているごとく見えながら、実は謙遜などしていない。自己の欲や打算、コンプレックスの裏返しがとらせる態度です。
卑屈には心が正しくないところがある。真の謙遜は相手を認め、また自己も認めてもらおうという円滑な人間交流をするための基本的態度ですマーフィー博士は「謙遜は栄誉に先立つ」というバイプルの言葉を引ぎ、「ほんとうの謙遜は、まず何よりも真理を尊重する。つねにそれを受け入れるのにやぶさかではない。その謙遜のむくいは富であり、栄誉であり、より豊かな生活である」といっています。
また、マーフィー博士はこの卦のキーワードとして柔和な人をあげているがこれは潜在意識がもっともよく発揮できる人のイメージです。「柔和な人はさいわいである。彼らは地を受けつぐだろう」地とは現世であり、受けつぐとはあらゆる意味での成功を示しています。
実際、柔和な人は幸福な人である。現代はストレスの時代であり、わたしたちはますます柔和な顔を失いつつある。謙遜する前に自己主張をする。それも正しい自己主張ならばいいが、人をやりこめてでも、押しのけてでも目立ったほうが得だといった考え方が大勢を占めている。
こんな時代に謙遜だ、柔和だ、では時代に遅れると思う人もいるでしょう。しかし賢明な人は知っているのです。謙遜が栄誉に先立つことを、柔和がいかに人を動かし、自分にとってプラスをもたらすかを。
●初 6 :あなたは自分が着きたいと思う人生の地点に向かってすぐに旅立ちなさい。
謙謙。君子用渉大川吉。
(けんけん。くんしもってたいせんをわたるにきち。)
「謙虚に謙虚に努めるならば、大川を渡っても吉」。縁の下の力持ちに徹する時です。このことが、大きな仕事への原動力となるのです。
◎良い時です。
●二 6 :あなたは精神的にも物質的にも成長しつつある。勝利を確信せよ。
鳴謙。貞吉。
(めいけんていきち。)
「謙虚さが鳴り響いている。貞正にして吉」。あなたの謙虚さが自然に態度に出ています。先輩や上司が目をかけ、引き立ててくれるで しょう。
◎良い時です。
●三 6 :すべての良いものはあなたのものであると実感しなさい。
労謙。君子有終吉。
(ろうけん。くんしおわりありきち。)
「功労があり、しかも謙虚であれば終わりを全うすることができる。吉」。苦労はあっても必ず報われますから、やり通すことです。とこ ろで、この爻は地山謙の中でもズバリ、あなた(陽)が異性(陰)に囲まれていることを示しています。しかも、三爻は人体では股の所です。異性関係にはよく よく注意のこと。油断すると素っ裸にされる恐れがあります。
●四 6 :人はそれぞれ自分自身の重荷を負うべきである。
无不利。撰謙。
(よろしからざるなし。けんをふるえ。)
「よろしい。謙虚さを顔に出すことだ」。謙虚の美徳を大いに発揮する時です。有力者の顔を立てて、助言を求めていけば良いでしょう。
●五 6 :他人の欠点を考えることは、自分の中にそれを育てることである。
不富。以其鄰。利用侵伐。 无不利。
(とまず。そのとなりをもちう。もってしんばつするによろし。よろしからざるなし。)
「侵伐」は征伐すること。「富を一人占めにせず、お隣りと仲良くする。いうことを聞かない者は攻め滅ぼしても良い。よろしい」。あな たは謙虚で立派な社長です。しかし、地位を守るためには、時には断固とした処置も必要でしょう。今がその時なのです。
●上 6 :虚栄心の強い人はたえず自尊心を傷つけられる。
鳴謙。利用行師征邑国。
(めいけん。もってしをやりゆうこくをせいするによろし。)
「師」は戦争。「邑国」は自分の国の領地のこと。「謙虚さが鳴り響いている。自国の領地内の戦争ぐらいはしても良い」。内部に対立や 妨害があり、強攻策を取らざるを得ない時です。内部にしっかり目を向けましょう。
「マーフィの易い」 J. マーフィ(昭和 61 年、産能大学出版部)及び以下を参照しています。
http://www.keisho.server-shared.com/64/k15.html