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蠱。元亨。利渉大川。先甲三日。後甲三日。
(こはおおいにとおる。たいせんをわたるによろし。こうにさきだつさんじつ、こうにおくるるさんじつ。)
「蠱」は腐敗のこと。「山風蠱の時、大いに通じる。大川を渡っても良い。そのためには、戦争をする三日前に用意をし、三日後には戦争 が終結するよう迅速に腐敗を取り除くことだ」。蠱の字をよく見て下さい。皿の上の三匹の虫が、お互いに食い合っている姿です。皿の上は腐敗してウジが湧い ています。山風蠱の時は、どんなに表面はよく見えても、その内部はどろどろした難問が山積の時です。会社では経理のごまかしがあったり、社内不倫があった りの時です。この卦が出た時は、一刻も早く、過去から放置されてきた弊害、腐ったものを取り除くべきです。大胆に新風を吹き込んで再出発にかけるべし。
キーワード 腐敗
〔大意〕この卦のキーポイントは蠱(こ)の字にあります。蠱ほ虫のことで「腹の中の虫」「虫がつく」ことなどをあらわします。皿の上のものに虫がつけばどうなるか。汚れ、細菌がつき、腐敗する。そこからこの卦のキーワードは腐敗となります。
また腐敗は内部からおこるので、この卦は何事かの原因を内部にありと見ます。ものが腐ったときどうしなければ いけないか。 それは速やかな処理です。 それも一刻も早 いほうがいい。問題があれば、その原因を突きとめて可能な限り早く解決をすることが肝心です。
また、腐敗物の処理は基本的には廃棄です。腐敗しはじめたも のを元にもどすことはできない。もしそれが必要ならば、新しいものに取り替えなければならない。そこでこの卦では新しい機会に積極的であれとしています。
廃棄は次なる新しいものを呼び込むことである。新しい決意、新しい機会を待って、それを自分の中で生かす必要がある。腐敗はいわば過去であり、新しい決意、機会は現在です。過去にこだわることなく、現在を見つめていくことが大切です。
この卦全体としては良いとはいえないが、腐敗を招くような油断をせず、また腐敗してしまったら、速やかに処理することで新しい展開が期待できる。おきてしまったことは取りかえしがつかないが「やり直すことはできる」という考え方をするのがいいでしょう。また「蠱惑(こわく)」という言葉があるように、この卦には「魅力をもってまどわす」という意味もある。食物でも腐敗しはじめが美味しい。こういう誘惑に負けない心構えもまた必要なことです。「永久なものは何もない。すべては変化する。そして大切なのはその瞬間瞬間である。この瞬間を変えればあなたの運命は変わる」まずいと思ったことは、はばかることなく「改める」べきです。
●初6:いまは過去の失敗を悲しんでいるときではない。
幹父之蠱。有子考无咎。厲終吉。
(ちちのこをかんす。こあればちちとがなし。あやうけれどもついにきち。)
「幹」は治める、「考」は亡き父のこと。「父の失敗の後始末をする。子がいれば亡き父も問題はない。危ういところがあるが最終的には 吉」。今なら手の施しようがあります。傷が浅いからといっても油断は禁物です。
●二9:死んだ過去に精力を浪費するのは愚かなことである。
幹母之蠱。不可貞。
(ははのこをかんす。ていすべからず。)
「幹」は治めること。「父亡き後、母の失敗の後始末をする。あまり厳しい荒治療はするべきではない」。融通性をもって穏やかに後始末 をするべき時です。正論に走るとマイナスになります。
●三9:すべての事柄を建設的に考えよ。
幹父之蠱。小有悔、无大咎。
(ちちのこをかんす。すこしくくいあり。おおいなるとがなし。)
「幹」は治めること。「父の失敗の後始末をする。小さな悔いはあるが , 大きな問題はない」。腐敗が大きく、危険性もあるときですが、 最後まで辛抱してやり遂げることです。
●四 6 :未来を考えてはならない。未来はいまが創るものだからだ。
裕父之蠱。往見吝。
(ちちのこをゆたかにす。ゆきてりんをみる。)
「父の失敗をかえって大きくしてしまう。このまま進めば , 恥の上塗りになる」。大胆さが求められる山風蠱の時、あなたの優柔不断な態 度と中途半端なやり方が問題なのです。
◎あなたの考え方、進み方に問題点があります。よく反省し、改めましょう。
●五 6 :潜在意識の無限の力があなたを導くだろう。
幹父之蠱。用誉。
(ちちのこをかんす。もちいてほまれあり。)
「幹」は治めること。「父の失敗の後始末をする。人に誉められる」。破産会社に乗り込んで再建に成功するような時です。すっきりした 気分で再出発に臨むこと。
◎山風蠱の中では良い時です。
●上 9 :あなたが自信と確信を持ってすることはあらゆる人の利益になる。
不事王侯。高尚其事。
(おうこうにつかえず。そのことをこうしょうにす。)
「宮仕えに見切りをつけ , 自分ひとり高潔を守る」。高みの見物、世俗から身を引く時です。引退の好機かもしれません。
「マーフィの易い」 J. マーフィ(昭和 61 年、産能大学出版部)及び以下を参照しています。
http://www.keisho.server-shared.com/64/k18.html