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書名吾輩は英語がペラペラである ニッポンの偉人に学ぶ英語学習法 [ 大澤 法子 ]目次1 みんな知ってるこの人も英語を学んでいた!(オランダ語を学び西洋に負けない国をめざした武士 勝海舟勉強嫌いを克服し学問の啓蒙書を出版!福沢諭吉イギリス公使にも一目置かれた国民的政治家 大隈重信英語はしゃべれなくてもアメリカ人に愛された実業家 渋沢栄一「英語ができる」という理由で初代内閣総理大臣にまで出世した男 伊藤博文 ほか)2 実はスゴイ!知られざる英語マスター(パッションを武器に幕末外交に貢献した通訳 森山栄之助黒船に向かって「I can speak Dutch!」と叫んだ男 堀達之助日米の架け橋となった土佐の漁師 ジョン万次郎渋沢栄一とともに海を渡りパリ万博に参加した商人 清水卯三郎近代日本語の成立にも寄与した「日本郵便の父」 前島密 ほか)感想おひさしぶりです、生きてます!先月、ちょっと体調を崩してしまい、1日9〜10時間くらい寝るという日々を送っていました。それだけ寝ていると、もう仕事と家事育児で余暇時間0という毎日。ブログ書く時間もなく、更新が止まる。そうするとふと思う。「なんで私、毎日ブログ書いてたんだろ…」その自問にハマってからは、寒くもなってきたし日も短くなり毎日よく寝て(つまり英語の勉強も捗らず)、マンガ読んでアニメ見てドラマ見てゲームやり込んでpixiv読み漁ってそれでも飽き足らず二次創作してなろう小説読んで、とにかく寝ていました。今もですが。よく、ひきこもりの子が朝に起きてこないっていう話がありますが、それって「起きてまでやりたいことがない」からなんだろうなとしみじみ思いました。睡眠という安寧に微睡む幸福が、現実に勝るのだと。朝起きて取り掛かるのが待ち切れないもの、楽しみで仕方がないこと、一番に頭に浮かぶことが「あなたが好きなこと」なのだと、何かで言っていた。今の私にはそれがなく、そして同時に「英語を学ぶこと」や「書くこと」がそれでもあったのだと。ブログやめたからって英語の勉強時間増えるわけでも、創作時間が増えるわけでもなかった。それで一月ほどひたすら惰眠を貪って、「そろそろ生存していることだけでもお伝えしておくか」と筆を執った次第です。いや別に誰が読んでるわけでも誰に待たれているわけでもなくても、ふとした時に読んでいたブログが更新止まってしまって、「あの人どうしてるかな」「大丈夫かな、元気でいるかな」と思ったりするときが私にあるからというだけの理由なのですが。(お休みしている間も、来てくださった方、ランキングボタン押してくださった方、ありがとうございます。)というわけで、久々の更新です。そして、このブログは本日、開設から2000日目を迎えました。今日は、娘の8歳の誕生日でもあります。私が母になってからも、8年ですーーーいまだに母と呼ばれることに慣れずとも。◯2023.05.20「英語と日本人 挫折と希望の二〇〇年 [ 江利川春雄 ]」を読んで、昔の、インターネットもCDもカセットテープもレコードもない、何なら鎖国していて教えてくれる教師もいない、そういう人たちが如何にして外国語を習得し得たのか、に非常に興味が湧いて(朝ドラ「らんまん」のモデルになった牧野富太郎も英語めっちゃ出来るし…)読んでみた。だっておかしいやん?こんな恵まれた状況の、学ぼうと思えばすぐにネイティブと交流も出来ていくらでも学べる環境の私が、英語いつまでも出来ないのに、昔の人が英語できたのん…。鎖国時代、オランダ語を学んでいた日本人。しかし黒船が来て世界は一変。これからは英語だ!から、始まった艱難辛苦。読んでいると思う。まさにStay Hungry.何が何でもこの言葉を学んで、ものにしてやるんだという心意気がすごい。世界を知りたいという渇望。知らなければならないという焦燥。遠い憧れを手元に引きつけて、自分のものにするための武器としての「英語」。この人たちのヒリヒリするような熱意は、きっと今持ち得ない。新渡戸稲造は、毎日3語を継続して覚えたという。1年で約1,000語、2年で約2,000語(英字新聞を読むに問題ない語彙量)。4年続ければ、4,000語(NYで働く紳士でも知っていれば偉い方by新渡戸稲造)芥川龍之介は、1日1,000頁以上の洋書を読破。誰かを喋りながらも本を読んでいたという。彼は「may」の日本語訳「〜かもしれない」を普及させたらしい。『赤毛のアン』を訳した村岡花子は、東洋英和女学校に10歳で入学。日本学を除く全ての授業は英語。さらに「The Sixty Sentences」という寄宿舎の60の日課を英文の暗唱方法は、「主語の人称・時制・否定文・疑問文」と変化させて唱えさせるというもの。これ、ちょっと前に流行った「英語のハノン」を彷彿とさせる。結局、いつだって学問に王道なしということなのか。英語ができたらいいな。かっこいいし、役に立つし。そんなふんわりしたイメージさえ、IT技術の進歩とともに、打ち砕かれつつあるように思う。若い子にとって、英語を学ぶ(どのような言語でも)って、すごくタイパ(タイムパフォーマンス)もコスパも悪いんだろうな。ボタン一つで自然な母語に変換されるなら、何千時間もかけて誰が外国語を学ぶのか?日常でも仕事でもまったく使わず、まったく英語が必要ない環境で、だらだら惰性で学ぶ私。日本の人口が減少していくなか、日本語で出版される本も、日本語に翻訳される本も減っていく。読みたい本を読みたいだけ読むためには、世界の共通語、触媒としての「英語」が必要。なんて学習のモチベーションも、自動翻訳機能を前にすると、萎れてしまう。コピーシテペッタン、それで万事解決でしょ?それでも学ぶわけは何?と、考えていたところに、毎日これまた惰性で聞き流しているだけの英国国営放送BBCのニュースに、耳を奪われる。"It could be me."2分前まで、私はそこにいたの。ガザ地区、爆弾が落ちたそこで、彼女は言う。仮定法。私は分かる。その言葉がわかる。それが彼女の母語でなくても、彼女が世界に伝えるために選んだ言葉がわかる。それは、私だったかもしれない。ランキングボタンです。クリック頂くとブログ更新の励みになります!
2023.11.24
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書名言語オタクが友だちに700日間語り続けて引きずり込んだ 言語沼 [ 堀元見 ]価格:1,650円(税込、送料無料) (2023/8/3時点)楽天で購入(いつもの書影リンクが貼れないので、別の方法で)目次第1章 「のこと」沼第2章 「バテる」沼第3章 「えーっと」沼第4章 「あいうえお」沼第5章 「パンパン」沼第6章 「を」沼感想2023年169冊目★★★★言語が好き。「文字を読んだ時に頭の中でする『声』はどうやって決まるのか」を知りたくて、私は大学で言語学を選んだ。(結局新入生歓迎会で日本語学の教授に「それは言語学ではないのでは」と言われ撃沈)本が好き。物語が好き。文字が好き。言語が好き。どんな言葉でも。大学でやった日本語学も面白くて夢中になったけど、その後もずっと「言語学っておもろいなあ」と思って折に触れて本を読んでいる。この本は、タイトルに惹かれて読んだ。言語スキーは日常生活に周りに仲間がそんなにいないので、「言語オタクが友だちに700日間語り続けて引きずり込んだ」言語沼、というタイトルが気になった。そんな友だちいたら羨ましすぎる。言語学の研究者(オタ)が、友人に語り尽くして沼落ちさせた話?エッセイ?と思ったら違った。まさかのYouTube本だった。著者2名は「ゆる言語ラジオ」というチャンネルをやっている。が、この本は完全に新ネタの書き下ろし。すごい。対談形式の言語学本ってたしかに新しい。読んだことなかったかも。勉強の参考書が対話形式になると途端に読みやすくなるように、この本もボケとツッコミがあって面白く笑いながら読めた。大学の言語学講義でやるような内容も入っているし、本文中の解説も丁寧だし、図解やイラスト、枠外参照もあって、非オタにもわかりやすい親切設計。著者のお二人の本業は、堀元見(ホリモトケン)1992年生まれ。北海道出身。慶應義塾大学理工学部卒。専門は情報工学。作家とYouTuberのハイブリッドで、知的ふざけコンテンツを作り散らかしている。YouTubeチャンネル「ゆる言語学ラジオ」で聞き手を務める水野太貴(ミズノダイキ)1995年生まれ。愛知県出身。名古屋大学文学部卒。専門は言語学。出版社で編集者として勤務するかたわら、YouTubeチャンネル「ゆる言語学ラジオ」で話し手を務めるというわけでお若い。そして話し手の人がほんまに本業の言語学者じゃなくてオタだった。好きこそものの上手なれ。キモオタバンザイ(褒めてる)。この本で私が面白かったもの。・「尾ひれ」と「尾びれ」 連濁(尾のひれ)によって並列関係(尾とひれ)を区別している。・「科学的発見には第一発見者の名前がついたことはない」という法則をスティグラーの法則という。しかもスティグラーの法則を見つけたのもスティグラーじゃなくてマートン。・舌の高さは、 前 高 後 い う え お あ という位置関係のため、「え」と「お」は他の母音と区別が難しく優先順位が低い。 (アラビア語の母音は「あ」「い」「う」だけ)・オノマトペを使うことで子どもは言語の習得が早まる(動詞の一般概念化) (逆に、日本語学習者にはオノマトペが理解しづらい)・「イギリス人は動詞で泣く、日本人は副詞で泣く」 動作の様子を表現するために、英語では動詞を変える。日本語は副詞を加える。 「〇〇な様子で泣く」というときに、英語に変換する時「泣く」を使うのは得策ではない! →これ、英語は単語で区別し、日本語は漢字で区別するというのも同じだと思った。 泣く、啼く、哭く。 日本人は「武志」と「剛」を同じとはみなさない。まあこんな感じで一冊まるごと言語学の「へえー!」「ほおー!」「ふーん!」が詰まっていて面白いです。特に、本に載っている「これとこれってどう違うの?」を子どもに訊いてみると、子どもならではの言葉の捉え方の回答が返ってきてすごく興味深い。5歳や7歳の子どもでも、日本語がインストールされていて、その概念でものごとを理解しているんだなあということがよく分かる。驚き。で、思うんだよね。いくら翻訳アプリが発達して相手が言うことをリアルタイムで理解できたとして、その人の思考ベースってその使用言語に拠っているから、本当は全く違う回路を経てそれは出力されているものなのだろうな、と。だから外国語を学ぶのは楽しいし、大事なことだと思うのだ。おいでよ!言語沼。ふだん自分が何気なく使っている言葉が、こんなに不思議なものだったなんてという驚きがあるよ。楽しいよ〜!笑にほんブログ村ランキングに参加しています。「見たよ」のクリック頂けると嬉しいです。
2023.08.03
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書名英語と日本人 挫折と希望の二〇〇年 (ちくま新書 1704) [ 江利川 春雄 ]目次第1章 「半文明人」から脱却せよ第2章 日本人にふさわしい英語学習法を求めて第3章 英語廃止論と戦争の逆風にめげず第4章 だれもが英語を学べる時代に第5章 グローバル化とAI時代の英語感想2023年107冊目★★★★この本、面白かったです。英語学習者には、特にオススメだよ!!ちなみに身も蓋もないことを言うと、幕末から今に至るまで英語教育に王道なし。英語が話せる人はみんな同じことを言っているよという話だ。音読、暗誦、書写、暗書、復文、英作…。忍耐、気合、反復。反復、反復、反復だ。私としては、ちょうど2023.05.17 104.牧野富太郎自叙伝 [ 牧野富太郎 ] を読んだところで、英語の話がそのあたり(幕末)から始まるので、複数並行でパラレルに話が進んでいるような面白さがありました。なんというかこう、この本読んでいるときも、「一方その頃、牧野富太郎は…」と頭の中にアナウンスが入ると言うか。幕末〜戦後まで生きた人の一生という、手に取れる・実感できる時間の「ものさし」があることで、英語の歴史を時代を追って説明されていっても、「一方その頃、富太郎は…」とその「ものさし」で測ることが出来て、とても良かったです。というわけで、この本をお読みになるのであれば、抱合せで『牧野富太郎自叙伝』もどうぞ。本の中では、ドラマ「らんまん」に登場したジョン万次郎もちらっと触れられていたし、富太郎のライバルであった矢田部氏についても英語教育の観点から記載があって、期せずして知己に会ったような嬉しさがあった。そうそう、この本に登場する『モダーン和英辞典』を著した入江祝衛という人のエピソード。10年の歳月にわたり、毎日、上野図書館(国立国会図書館)に通って英書を読み、用例カードを100万枚以上作成し(三浦しをん『舟を編む』を思い出す)、さあ出版という組版中に関東大震災が襲う。印刷工場にあった組版も活字も焼失。しかし夫人が、庭に穴を堀り、300kgもあるカードや原稿を埋めて火災から守ったのだという。「あなたが、あんなに心血を注いで集められたものを空しく焼いてはならないと思って、みな土に埋めました」一方その頃富太郎は、地震の揺れを堪能しようとひとり家の中に戻っていました…(笑)「はじめに」で、著者は日本と英語の関係をこう喩える。「好きなのか嫌いなのかはっきりしないまま、ズルズル付き合っているカップル」。言い得て妙だなと思う。はじまりは、黒船。鎖国が終わる頃の、国の存亡をかけた十四人の「通詞」たちの猛勉強。正確な発音も分からぬまま、学び続けた日々。そして1848年。利尻島に上陸したラナルド・マクドナルドは、長崎に護送され、座敷牢に入れられ、アメリカへ帰国するまでの7ヶ月間にわたり、通詞たちに英語を教えた。日本初のネイティブ英語教師だ。日本側の熱烈な片思いで、英語の学習は始まる。その後、御一新が成り、1872年(明治5年)の「学制」ではすでに小学校で外国語を教えてもよいと書かれていたそうだ(ただし、教えられる人がいなかった)。つまり、小学校の英語教育導入問題(早期英語教育問題)は、今に始まったことではない。著者も本の中で指摘するように、日本ではある議論が勃発すると、過去の経緯をすべて御破算にして一から議論し始める。そうじゃないだろ、と著者は言う。前にどこまで話が進んでいたのか、その経過を確認し、その到達点から始めるべきではないのか。さて、小学校に導入された英語はどうなったか。1911年(明治44年)に小学校令が改正。英語は教科としての地位を失う。結局、小学校で英語を教えることは、時間(週二時間)では中途半端になり、また教える側の力量不足の問題もあって、不要となった。この本でハッとしたのが、① 英語を学ぶ目的が会話中心の「生活言語」(BICS)か② それとも読み書きなど知的な「学習言語」(CALP)かという問いだ。外国へ行った子どもが、現地の言葉を友人たちとの遊びなどで身につけるのは①の生活言語。使用場面に依存した言語使用で、移民の子供は概ね2年で習得する。ただしこういった生活言語を習得し日常生活に支障がない子どもも、学校に入ると授業についていけない子が続出するのだそうだ。それは、②の学習言語が身についていないから。学習言語は、学校教育における意識的な学習が必要で、文字情報へ依存し、習得には5〜7年を要する。つまり、小学校から英語を導入しよう!会話重視で「話せる英語」を!という趣旨は、①の生活言語、受験に必要とされるような読解能力は②の学習言語に分類される。ということを知って、私は自分の英語4技能の到達目標が、・聞く(リスニング)…映画やドラマが字幕なしで分かる・話す(スピーキング)…短期旅行で意思疎通ができる・読む(リーディング)…洋書を辞書を引きながら読める・書く(ライティング)…簡潔な文で意図を伝えられると、「聞く・話す」と「読む・書く」が大きく乖離している理由に思い至った。私が求めているのは、日常の「生活言語」の実生活での利用と、文字による知的な「学習言語」のレベルだ。結局、「生活言語」の英語レベルが「学習言語」の段階に進んだら、中身のある会話が出来るかどうかは読書量に比例するのだという。著者は、精神年齢の高さと英語力の低さのギャップをどう埋めるかが英語教育の難問だという。これは様々なところで言われていることだが、「母語で考えられないことは、母語以外でも考えられない」のだ。そして著者が言うように、AI時代にあっても外国語を学ぶことは、母語によって制約された思考の枠組みを相対化し、自覚的・批判的に再認識し、それを超えるために必要なのだ。ちなみに英語が流暢に話せない日本人の原因は、「話すべき内容や主張がない」「話していることが論理的でない」といったもっと根本的な問題だと著者は指摘する。ちなみに、小学校で「生活言語」(英会話・音声中心)を学んだ子供が、中学校に入って「学習言語」(文法・語彙)として英語を学び始めると、中学校に入ってから英語を学び始めた子との学力の差異は、1年以内に解消されるのだそうだ。1927年(昭和2年)にも、実際にそのような教科書構成(小学校から学んできた組と中学校から学び始めた組が、中学2年からは全員同じ教科書に到達)になっていたという。となると、日本語だけで生活できる日本という国で、外国語(学習言語)として英語を学ぶのであれば、中学校に入ってから充分、ということになる。これから日本の英語教育はそれに逆行していく。くっついたり別れたりを繰り返すカップルみたいに。何度も同じ原因で喧嘩別れをするように。この本は英語の本なので、小ネタも満載。ほぼ独学で英語力を磨き、大阪大学教授になった柴田徹士(1910〜1999)。10人きょうだいの長男として、家業の豆腐屋で働きながら、夜間の商業学校を卒業し、順番に上の教員試験を受けていき、ついには教授にまでなった。当時、すべて英語で授業が行われていた札幌農学校(北海道大学)を主席で卒業した内村鑑三は、『外国語之研究』(1899年)で、現在にも通じる学習法を書いている。1922年に英語教育改革のため、言語教育の専門家をイギリスから招こうとし、その費用(現在の1億円以上)を出したのは「船成金」で有名な、松方コレクションの松方(美しき愚かものたちのタブロー [ 原田マハ ])。日本人が苦手とする「R」「L」の発音については、light「ぬ」の口の形で「ぬライト」right「う」の口の形で「うライト」とすればよいと著者は言う。これ実際やってみると、全然舌の位置が違ってびっくりした。フランス語をやったときに、「フランス語のRは、ラを言いながらハを言う」と聞いて「んなアホな」と思いつつやってみたらそれっぽい音になった驚きと同じ。しかしどっちのRとLが「ぬ」だったか「う」だったか忘れちゃいそうだ…。また、私も高校生のときにお世話になった英文法の参考書、桐原書店の『総合英語Forest』。多くの高校で一括採択され、400万部を超え販売された。しかし2013年に7版で販売中止。その理由は、桐原書店の内紛だったという。桐原書店を飛び出した人たちが「いいずな書店」を立ち上げ、2017年にForestの後継となる『総合英語Evergreen』を出版したとのこと。どうりで!書店で、この見慣れないエバーグリーンってのは何やろうと思っていたのだ。インターネット上のVR空間(メタバース)でのオンライン英会話が受講料も安く、継続率も高いというのも今どきで面白い。私もオンライン英会話に興味はあるけれど、顔を写して…というのは面倒だし嫌だなと思っていた。メタバース英会話、いいな。あと、英ケンブリッジ大学出版と、その英語検定機構が協力開発した「Write&Improve」。やってみたら、お題があって英文書いたらAIが添削してくれて、文章能力を相対的に評価してくれるという感じ?解説がどこにあるのか分からなくて、私はちょっとだめだった。ーーー英語と日本人。遠くに外つ国の船が現れた、その日からずっと。聞きたいこと、話してみたいことが、溢れ出た。知りたくて、近づきたくて、必死に追いかけた。でも、いざ付き合ってみたら、うまくいかない。だってあなたは、わたしと、あまりに違うから。諦めたらいいのかもしれないと、何度も思った。土台無理な話と、いっそ匙を投げてしまえたら。なのにどうしてこうもあなたと離れがたいのか。限界をかくも厳しく突きつけるあなたが嫌いだ。限界をいとも軽々と超えさせるあなたが好きだ。どうせうまくいかないと分かっても、触れたい。一緒にいて、あなたとなら見える景色を見たい。そうして、あなたの目にうつるわたしを見たい。愛憎が相半ばする、ぐずぐずのカップルのまま。わたしばかり好きなの、と口を尖らせたくなる。いつかこの積年の片想いは、実を結ぶのかしら。200年過ぎてなお、繰り返し繰り返し恋をする。咲く花は過ぐる時あれど、我が恋ふる心の裡は。ランキングに参加しています。「見たよ」のクリック頂けると嬉しいです。にほんブログ村
2023.05.20
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書名語学の天才まで1億光年 [ 高野 秀行 ]引用要するに、私にとって言語の学習と使用はあくまで探検的活動の道具なのである。しかし、言語(語学)はひじょうに強力な道具なので、ときには「魔法の剣」のように思える。てきとうに振り回しているだけで自然に「開かずの扉(に見えるもの)」が開いてしまったりするからだ。こうなると、俄然、道具である言語自体にも興味が湧いてくる。感想2023年084冊目★★★★著者は、1966年生まれのノンフィクション作家。ポリシーは「誰も行かないところへ行き、誰もやらないことをし、誰も書かない本を書く」。これまで25の言語に挑戦した著者の語学の記録。言語好きにはおすすめの一冊。「どうやってその言葉を身につけるか」という過程もさることながら、その動機が面白くて引き込まれて読んだ。読む続きが楽しみな本、ひさしぶり。著者は何ヵ国語も話すというから、さぞ語学の天才なんだろうなと思って読んだら違った。努力の人だ。御本人は地道な努力が苦手な怠惰な性格で、「いかにラクして覚えるか」を追求しているというけど、熱意が桁違い。お父様が英語の先生で、朝は米軍ラジオ局が放送するFENをかけていたそう。NHKラジオ「基礎英語」を小学六年生になった息子に毎日聞くように言い、それは毎日1年間続いたが、中学校になりフェイドアウト。「よく出てくる単語だけ覚えればよいのでは?!」と思いついた高野少年、英語の教科書に出てくる単語をすべて数え上げてランキングを作成。番付を作るまでに至る。(そうしてそうこうしている間にほとんど単語を覚えてしまったそうな)大学では消去法的にフランス語学科へ進むも、探検活動に勤しむ日々。初めての海外はインド一人旅。しかし騙され、パスポートからお金から何もかも身ぐるみ剥がれ、サバイバル・イングリッシュで日本へなんとか帰還する。著者はここで、「伝えたいことがあれば言葉は伝わるのだ」と知る。その後、コンゴ人民共和国に生息するという幻の生物ムベンベを追うために、言語を学ぶ。植民地だったから、公用語はフランス語だ。著者は、電車でフランス語の本を持っていたフランス人ヒッピーを教師にゲット。1時間3,000円で個人レッスンを申し込む。しかし向こうは教えた経験などないから、雑談に終わる。著者は考え、それをテープに録音し、次のレッスンまでにすべて書き起こしてくる。そうしてそれを読んでもらいながら前回の録音を先生に聞いてもらい、それに対するコメントをしてもらいまたそれを録音して文字起こしして…。で、フランス語を習得。その後、コンゴの共通語であるリンガラ語を隣国の人から学び、いざ現地へ。そして民族語のボミタバ語を学ぶ。著者はそれからも、翻訳のバイトをしたり(やったこともないイタリア語の仕事を引き受け、まずタイトルの「il」を辞書で引くという。笑)、大学を卒業してタイで日本語教師をしたり(期末テストの持ち物:糊。漫画『東京ラブストーリー』の1回のすべてのコマをバラバラにしたコピーを用意し、「正しい順序に並べて紙に貼ること」という試験を用意)、阿片の栽培地に潜入取材するためにまた言語を学んだり…。コンゴの言語観(言語世界)のイメージ図は面白い。民族語(家族、親族、村)の上に共通語であるリンガラ語(市場、バス、教会)、その上に公用語であるフランス語(公官庁、学校、病院)がある。上に行くほどフォーマルになり、教養があり社会的地位が高いことを示すピラミッド構造。著者はこれを「ローカルの屋台、地元の中央市場、高級デパート」に例える。日本人にこういう言語世界観ってないので興味深かった。インドネシアで(インドネシアでは高校で第二言語として日本語を選ぶことが結構あるそうで、ひらがな・カタカナを書ける子が結構いた)、「漢字っていうのは公文書で使うのか?」と聞かれて驚いたことがある。昔(平安時代くらい)でいうところの「漢文」「和文」の考え方…!日本では今そういうものはなく、ミックスなんだよというと逆に向こうが驚いていた。一方、著者がコロンビアでスペイン語について感じたのは、まったく別の世界観。それはコストコやカルフールのような平屋の外資系巨大スーパーマーケットで、どこまで言ってもスペイン語。小さなブースや売り場に先住民の言語がある。だから、「外国人が〇〇語を話す」という「お、お前〇〇語を話すのか!」驚きや喜びはなく、言語で「言葉ができない相手を見下す」と言った上下関係(著者は「言語内序列」という)もない。すごくわかりやすい喩えだなと思ったのが、著者の文字と発音のズレについての考察。都市で言うと、それは実際の道と地図が違っているようなもの。古い地図には最近できた道は表示されておらず、今はもう存在しない旧道が記されている。(英語で言うとreadをリードともレッドとも読む、みたいなこと)で、スペイン語はこのズレがほとんどない(あるいは小さい)のだそうだ。著者はスペイン語を「平安京言語」と呼ぶ。私は大学で中国語、韓国語、ドイツ語、フランス語を学んだ。(本当はあとロシア語もやりたかった)そうして、私にはどうにも西洋系の語学は向かないようだと悟った。漢語圏の恩恵を受けられないし、私は巻き舌の発音が出来ない…。その後、インドネシアにも滞在し、すこしインドネシア語にも触れた。私はアジア圏の語学が好きだ。しかしあれこれ手を出すとすべて中途半端で、中学1年生(今だと小学生?)くらいの、学びはじめの子どもくらいの言語力しか持てない。というわけで、英語の勉強にしぼり、2021年に本格的に英語の勉強を再開した。折よく、NHKラジオ講座「ラジオ英会話」が文法だった年度。これまでぽやっとしていたイメージが、「文法」として毎回手に入る。それはまるで、RPGのステージを進み、次々とアイテムをゲットするかのようだった。(という感想をNHKに送ったら「ラジオ英会話」の2022年4月号に掲載されて嬉しかった)著者も、自身の活動をRPGにたとえ、言語はRPGにおける「魔法」だと言う。AIが発達し、翻訳機能の向上が著しい今、多大な労力と時間をかけて語学を学ぶ意味とは?著者は言う。言語には「情報を伝えるための言語」と、「親しくなるための言語」がある。AIは前者を満たすが、後者は満たさない。「翻訳や通訳は、ガラス越しでの会話」。だからこそ、外国語学習は、その先に触れたいという思いがある限り、なくならない。伝えたい、という切実な思いがあること。知りたい、という切迫した願いがあること。それこそが語学を学ぶ原動力になる。インド一人旅でほぼ一文無しになった、当時の高野青年は、とにかく日本に帰りたい一心で、つたない英語を話し続けた。そうして彼は気づく。コミュニケーションは、協同作業だ。著者は免許を取りに教習所へ行った際に、教官から言われたことが言語にもあてはまると言う。「言葉が通じないと心配するかもしれないけれど、他の人たちはみんなもっと上手です。ちゃんと助けてくれます」下手な車を、上手な車がよけるように。ランキングに参加しています。「見たよ」のクリック頂けると嬉しいです。にほんブログ村
2023.04.22
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本のタイトル・作者外国語をつかって働きたい! [ 小島さなえ ]本の目次・あらすじプロローグ 「言語はツール」問題第1章 私の就活物語第2章 言語サービス会社(通訳・翻訳会社)のお仕事第3章 派遣の翻訳スタッフ時代第4章 大学職員(学生係・国際交流課)のお仕事第5章 外国語をつかうお仕事いろいろエピローグ やっぱり語学が好き引用語学との向き合い方は人それぞれで、通訳者や翻訳者のような言葉の専門職もいれば、言語を仕事のツールの一つとして活用する人私生活で趣味や教養として楽しむ人もいます。どんな形であれ、言葉を学んで人生が豊かになったとその人自身が感じられたらとっても素敵だと思います。感想2023年038冊目★★★ちょっと思っていた内容と違った(就活中の外大の学生向け?)。著者の実体験コミックエッセイと、インタビューエッセイ。ちょっと古めの実直な絵柄で、こういう真面目な内容にはぴったりの絵柄。著者は、もともと美大へ行きたくて、画塾へ通っていた方。高校2年で、絵は無理だと思い一般の四大へ進路変更。大学では中国語を専攻し、1年間中国へ語学留学。卒業後は、言語サービス会社に2年3ヶ月勤務。その後、派遣会社で翻訳スタッフとして自動車メーカーに約2年勤務。大学事務職員として6年間勤務した後、イラストレーターに。そういう経歴の方の話がまず面白くて、「へええ!」と思いながら読んだ。この方、中国語だけでなく英語も出来るので、すごい。言語サービス会社では、通訳・翻訳・校正者はTOEIC900点台。営業が700〜800点台なのですって。…私、もうちょい頑張れば(現在870点)いける…?後半は外国語を使うお仕事紹介インタビュー。英語を使う仕事って、翻訳、通訳、旅行会社、空港勤務…くらいしか思いつかなかったけれど、色々あるのね。本で紹介されているのは、実務翻訳者、翻訳文学編集者、司法通訳者、日本語教師、通訳ガイド、製造業の工場SE、商社の海外駐在員、製造業の人事担当。一番私が「いいな!」と思ったのは、翻訳文学編集者。あああ、好き×好きの相乗効果だよ…。その方が「まずは1冊、興味のモテそうな外国の書籍を原著で読み切ること」をオススメしていらした。読み切る根性があると確認できるのだそうだ。洋書 "Red, White & Royal Blue"、すっかり停滞しているけど、読み切ろう…。うん。著者が、語学力ではなく「パソコンスキル(エクセル、マクロなど)の知識が系統だって基礎から固められていることに助けられてきた」とあって、「それな」と思った。まさに私、基礎固めが出来てないくてグラグラの状態。私は入社するまでエクセルを使ったことがなくて、我流で本を読みながらなんとか操作出来るようにはなったけど、いまだに出来ないことがたくさんあって、マクロとかさらさらっと組めたらさぞ作業効率が上がるだろうにな…と歯がゆく思っている。これはあれだな、時間を取って勉強したほうがいいな…。なにはともあれ、業務に直結して一番効果が如実に現れる勉強だし、汎用性が高い。ちょっと勉強しよう…。うん…。著者は外国語を直接使う仕事ではなく、イラストレーターになった。けれど翻訳的な思考(相手の言葉を理解し、他の人にも伝わる形に出力する)は今の仕事にも生かされているという。いやあ、中国語と英語が出来るイラストレーターって引く手あまたなのでは…。だってめちゃくちゃええやん…。この方の絵、ほんと企業や参考書みたいなのに向いてる絵柄だし(どうでもいいけど手の形の書き方がきれいで好き)、引き出しが幾つもあるって良いなあ。得意×得意の掛け合わせって、オリジナルになるんだな。その人の売り。その人しかできないこと。私のそれって、何なんだろう…。友人は、私が「内容をわかりやすく簡潔に伝えること」に長けていると言う。それに英語を掛け合わせたら、やっぱり先生とか?と思う。ただそれが向いているかどうかは別として、という話なんだけど。やってみてあかんかったら辞めてみたらいいんだよね。現実問題として私が出来そうなものリストに入っていることが大事。日本語教師も憧れるけれど、この本を読んでいると(というか、他国で日本語教師をやるという選択肢は目からウロコだった)条件も厳しいんだなと思う。どちらかというと、わたしは英語教師より日本語教師(国語教師)向きなんだよ…。そしてそれなら今すぐにでもやってみることが出来る、のだ…。そしてたぶん出来るだろう自信もあるのだ…。それでいいのかは別として。一生に一度は、自分が身につけた語学の力で働いてみたい。そんなことを思う。夢物語みたいに。今の会社でそういう条件が得られたら一番良いんだけど!ランキングに参加しています。「見たよ」のクリック頂けると嬉しいです。にほんブログ村
2023.02.25
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本のタイトル・作者会話を哲学する コミュニケーションとマニピュレーション (光文社新書) [ 三木那由他 ]本の目次・あらすじ第1章 コミュニケーションとマニピュレーション第2章 わかり切ったことをそれでも言う第3章 間違っているとわかっていても第4章 伝わらないからこそ言えること第5章 すれ違うコミュニケーション第6章 本心を潜ませる第7章 操るための言葉引用マニピュレーションに関して責任を求めるときには、別の道筋が必要となります。要するにマニピュレーションの責任を問う場合には、「自分の言ったことは言ったと認めよ」というコミュニケーションのレベルでの責任を問うのではなく、「それによってどのような結果がもたらされるのか」「そのような結果をもたらすということを予見してそうした発言をしているのか」といった、より一般的な行為の善悪の次元で責任を問うべきなのではないでしょうか。言説的責任と倫理的責任をしっかり区別することが重要です。感想2022年286冊目★★★前に読んだ・言葉の展望台 [ 三木那由他 ]がエッセイ的で、この人がやっていること(言語と哲学)をもうちょっと知りたいなと思って読んでみた。用例紹介の漫画がたくさん。これは権利関係大変だっただろうなあ。そしてその内容紹介がまた面白くて(筆者の作品愛が溢れている)、読みたくなった。用例ではないけれど紹介されていた、世界中のワトソン役が集まる「引き立て役倶楽部の陰謀」(法月綸太郎『ノックス・マシン』収録)はぜひ読みたい。コミュニケーションについては、「言われてみれば」という内容。私たちが常日頃行っている対話(言葉)は、「約束」なんだな。そしてそれは、取り消されるまで効果を発揮する永続的なものである。継続化や習慣化をする方法のひとつに、「言動一致」の人間の習性を用いたものがある。たとえば、早起きの習慣を身に付けたいとする。夜眠る前に、「私は明日の朝、5時に起きる」と自分で言う。これだけでも効果がある。あるいはSNSなどで「私は明日の朝、5時に起きる」と宣言する。これもまた効果がある。実質的なペナルティはないにも関わらず、人は口にした以上、それを行動に移そうとする。言葉と行動を一致させようとする。言葉にした瞬間、それは「約束」になるからだ。コミュニケーションの言霊。そして、話し手は聞き手を都合のいい方向へ誘導しようとする(マニピュレーション)。マニピュレーション(操作、操縦)は明言化されていないので「暗黙の了解」「黙示の約束」であり、話し手が意図したところがあるにしろ、結局は聞き手の解釈の問題になり、受け手の責任になる(「誤解を与える表現であったことは謝罪する」=「お前が勘違いしたのが問題だ」)。このくだりでは、「約束は出来ない」(立場上その言葉を発することが出来ない)や、「約束をしたくない」(自分の責任にされたくない、あるいはそういった意図があることを明確にしたくない)という状況が紹介される。紹介されていた『うる星やつら』の「一生かけていわせてみせるっちゃ」「いまわの際にいってやる」は良いですね。好きって言葉を言わない、言えない。でも言っているのと同じである。こういう言葉のズレで遊んだり、洒落た会話の齟齬が私は大好物。同じような話で、映画「マイ・インターン」を見ていて、「あ」と思ったシーン。浮気していた専業主夫の夫と、起業家の妻が仲直りするシーンで、「もう浮気はしない」というようなことを夫が言うんですよ。妻としては、浮気したことが許せない。けれど許さない、とも言えない。まだ愛している。小さな子どももいる。一人で生きていくのは寂しい。妻は泣きながら、夫に「これからはハンカチを持っていて」と言う。(これは、妻の方の年配の部下、インターン生のベンが、常にハンカチを持ち歩くのは「レディの涙を拭くためだ」と答えていたことを踏まえている)これも、結局何かしらの約束はしていない。許したとも許していないとも言っていない。ただそのニュアンスは、夫の謝罪を許容したことを伝えている。婉曲的な伝え方。そしてそれは相手を支配することにもなる。私は前に一度、勧誘の人を相手に「わざと誤解を与えるような表現で情報を伝えるとどうなるのか?」と試したことがあって、断片的な情報を伝えると、その隙間を人は「一般常識」と「経験則」で埋めて、こちらは何ら事実に反したことを言っていなくても、情報を制御するだけでひとつの別のストーリーが誘導されて生まれるんだなと感じたことがある。怖いよね、言葉って。それこそが、物語の面白さでもあるけれど。これまでの関連レビュー・言葉の展望台 [ 三木那由他 ]↓ 「見たよ」のクリック頂けると嬉しいです ↓
2022.11.06
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本のタイトル・作者本の目次・あらすじ人工知能による自動翻訳は使える!日本を超・開国する、自動翻訳で自動翻訳とコロナ禍自動翻訳と鋏は使いようだ人工知能による翻訳の仕組み自動翻訳は過去の翻訳データを栄養にすくすく育つ翻訳品質をコンピューターで評価する研究開発は波瀾万丈だー自動翻訳開発の歴史「同時通訳」は2025年に自動化できる自動翻訳を取り込んだ「新たな」翻訳自動翻訳と英語教育感想2022年285冊目★★★自動翻訳。私はHTMLをテキストエディタに直打ちしていた世代(テレホーダイ!)なので、翻訳と言えば「ネタ?」という程度の精度だと思っていた。けれど今、Googleで翻訳をかけると、その精度の高さに驚く。大意はほとんどそのまま通じるし、細部の違和感もさほどない。で、ですよ。英語学習者としては思うではないですか。自動翻訳がどんどん精度を上げていくなら、私が英語を勉強する必要はないのでは?というわけで、AI翻訳の現状を知りたくて読んでみた。最近の翻訳の進化は、ディープラーニング、深層学習によるもの。これまでの「単語ごとに区切って翻訳していく」あるいは「文法要素に分解する」やり方から、「まるごと文章と対訳を覚えさせ、その割合が高いものを引っ張って来る」やり方に。それにより、より自然な翻訳と、高い精度が可能になった。これって、ラジオ英会話で大西先生が仰っている「まるごと覚える」「覚えている文章しか出てこない」と同じ。ちなみにこの本で紹介されている、トロイの遺跡を発見したハインリヒ・シューマン。考古学者の彼は、多言語話者でもあった。彼の勉強方法は、1言語半年のペースで外国語のテキストを丸暗記し、文法は一切勉強しなかったそうだ。現在の翻訳は、TOEICで言うと900点くらいらしい。(本の中では、さまざまなTOEICスコアの人と、自動翻訳がテスト文の翻訳で対決。 翻訳者がどちらが良いかを判定していく。)これがひとつの目安になる。なお、2000年時点での自動翻訳のスコアが550点。自動翻訳も音声認識も高精度化し、350点アップした。技術革新は、ほんと日進月歩。つまり、TOEIC900点以上の人は、自動翻訳を「より良く」することができる。あるいは誤りや不自然さを見つけて直すことができる。TOEICって、世界約160カ国、年間約700万人が受験しているらしい。2020年の国別スコアで、トップはドイツ(826点)。アジアのトップはフィリピン(773点)、2位が韓国(683点)。日本は531点。インド(674点)、台湾(564点)、中国(533点)より低い。そして、一生に渡って英語を使う機会がほぼゼロである日本人は人口の90%。必要に迫られて仕事で時々使う日本人が9%。英語が仕事の中心となる日本人は1%。だから、日本人に自動翻訳はかなり有用。母語で思考して書き、自動翻訳で下訳を作り、それを直していく。それにより大幅に労力と時間を削減できる。より大切な「考える」に力を入れることが出来る。よく言われる、「英語を話す」ではなく、「英語で話す」。大事なのは、その中身。パックンマックンのパックンは、朝日地球会議2018というイベントで、「音声翻訳は自転車の補助輪と同じ」と言ったのだそうだ。自動翻訳の精度は、現在9割程度。今後、絵や写真も翻訳の内容として読み込むことが出来るようになるそうだが、誤訳をなくすことは永遠に出来ないという。と、すればだ。英語だけでなく、これから先すべての言語が「対訳を検索し参照する」というかたちで自動翻訳できるようになる未来で、言葉を学ぶ意味は?TOEIC900点以上でないと、その「不自然さ」や「誤り」を正すことは出来ない。けれどその能力を全員が身に付けることは不可能である。ならば英語をまったく学ばないという選択肢もあるのだろうか?ディープラーニングでは、入力したあとの結果の間に何があるかが理解できない、という。出力された回答が正解であるのかが。私はその意味がよく分かっていなかった。でも今回自動翻訳の話に置き換えて分かった。日本語を入力する。翻訳ボタンを押す。対応する英訳が自動的に出来上がる。それは英語母語話者にもほぼ違和感なく意味が通じる文章である。ただ、その「日本語を入力した人」には、それがどんな言葉でも、正否を判ずることが出来ないのだ。ブラックボックス。それに対し漠然と怖さを感じる―――のは、私が時代遅れだからか。少しでもその理解の端っこを掴んでいたいと思うのは、間違っているんだろうか。英語に関していえば、私は自動翻訳の「正誤を判断できる」レベルに達したい。つまり、TOEIC900点以上だ。それがあれば自動翻訳の精度を超え、よりよい英語に直すことが出来る。これからの翻訳の仕事はきっと、そういった「手直し」や「間違いを見つける」になっていくのだろうな。文法的知識、歴史的知識、そして何より日本語の知識。でもその「beyond」な部分って、すべて基礎的な部分の、土台の土台があるから。やってみないと分からない。ピアノを習っても、みんながみんなピアニストになるわけではない。様々なレベルのグラデーションが存在する。「皆が出来る」(ことを目指す、あるいは出来たらいいな)から、やりたい人と向いている人がやるものへ?義務教育の英語学習もそういうもののひとつになっていくんだろうか。とりあえず私は、やるよ。たとえいつか自動翻訳が人間を追い抜いても。これまでの関連レビュー・マンガでカンタン!中学英語は7日間でやり直せる。 [ 澤井康佑 ]・海外ドラマで面白いほど英語が話せる超勉強法 [ 出口武頼 ]・フィンランド人はなぜ「学校教育」だけで英語が話せるのか [ 米崎里 ]・英語独習法 [ 今井むつみ ]・「超」英語独学法 [ 野口悠紀雄 ]・面倒くさがり屋の僕が3ヶ月で英語を話せるようになった唯一無二の方法 [ 須藤元気 ]・英語の多動力 世界でビジネスするホリエモンの英語術 [ 堀江貴文 ]・それわ英語ぢゃないだらふ [ 大西泰斗 ]・TOEIC300点から同時通訳者になった僕の英語学習法 [ 中村光秀 ]・七田式・英語ができる子の育て方 [ 七田厚 ]・生き抜くための英語学習法 [ 清水建二 ]・世界標準の英語の学び方 [ 白川寧々 ]↓ 「見たよ」のクリック頂けると嬉しいです ↓
2022.11.05
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本のタイトル・作者言葉の展望台 [ 三木 那由他 ]本の目次・あらすじプロローグ コミュニケーション的暴力としての、意味の占有そういうわけなので、呼ばなくて構いませんちょっとした言葉に透けて見えるもの張り紙の駆け引き、そしてマンスプレイニング言葉の空白地帯すだちかレモンか哲学と私のあいだで会話の引き出し「私」のいない言葉心にない言葉大きな傘の下で会いましょう謝罪の懐疑論ブラックホールと扉引用先ほど、哲学はレンズのようなものと言いました。私は、そのレンズを通して見た風景だけが「絶対に正しい本当の風景」だとはまったく思っていません。感想2022年253冊目★★★・音声学者、娘とことばの不思議に飛び込む [ 川原繁人 ]を読んで、久々に「言語学たのしす!」となったので同ジャンルの本を読む。これは、哲学と言語についての随筆のような本。言語を哲学の面からとらえる、という見方をしたのは初めてかもしれない。われ思う、ゆえにわれあり。その思考には言葉が欠かせない。はじめに言葉ありき。存在の根源たるもの。なるほど、言われてみれば哲学とは言葉と密接にかかわっている。著者は、哲学を「さまざまな角度で、画像度で現実を見るためのレンズ」の一つだと言う。自分はなにものであるのか。世界はなぜこうであるのか。言葉を用いずに、それを思考することはできない。言葉にしなければ、それは「ある」けれど「ない」のだ。著者は1985年生まれ。まず「那由他」という名前がかっこよすぎる件について。※那由他…サンスクリット語の「ナユタ」を音訳した、「極めて大きな数量」(ウィキペディア)本名なのかなあ。筆名なのかなあ。いいなあ。本の内容は、文芸誌『群像』の連載のまとめ。著者がコロナ禍ではまったゲーム『スカイリム』にドはまりしていたときの話とか、『僕のヒーローアカデミア』の話とか、オタクが語り始めた時の熱と圧がすごくて、「私この人とお友達になれそうな気がする…」と思った。笑「「私」のいない言葉」の章で取り上げられていた、中村桃子『「自分らしさ」と日本語』は読んでみたいと思った。たしか中村桃子さん、卒業論文(女性の一人称とジェンダー)を書く時に参照文献で読んだ気がする。日本語で一人称を選択するのは難しい。私は、「わたし」と言うけれど、日常ではほぼ一人称を発しない。意図的に欠落させて話している。それは、「わたし」も「あたし」も「あっし」も「うち」も、あるいは「僕」であっても、自分の一人称にぴったりくるものがないから。だから著者の「できるだけ一人称代名詞を使わない」という選択に激しく首肯した。書き言葉では、私は(ほら、私と書いている)平気なのだけど。話し言葉になると、心理的な抵抗感がいや増す。英語では「I」と「You」だけでいいから楽。けれど、・ぼくはイエローでホワイトで、ちょっとブルー [ ブレイディ みかこ ]・ぼくはイエローでホワイトで、ちょっとブルー 2 [ ブレイディみかこ ]のどちらかで言っていたけれど、英語は三人称が性別を峻別するんですよね。あそこにいるのは、「He」か「She」か?中学生の頃、それが分からなければどうするのだろうと思っていた。「They」を代わりに使うという案もあるそうだけど、ややこしいわな。そこで、英語では「新しい三人称」が生まれているそうだ。・地球、この複雑なる惑星に暮らすこと [ 養老孟司×ヤマザキマリ ]で触れていたけど、日本語は「感情」にくっつき、英語は「事実」にくっつくのではないかという指摘。その問題がここにもある。私は子どもの頃から「相手の名前を呼ぶことが出来ない」という困難も抱えていて(そもそも人の名前を覚えられない。名前を呼ぼうとすると、そこがぽっかり穴あきの空白になって呆然とする感じ。相貌失認と関係あるのかもしれないし、ないのかもしれないんだけど)、日常生活で相手の名前を呼ぶこともない。わざとそこは避けて、なるべく呼ばないようにしている。日本語はそれでも文章が成り立つ。相手が勝手に補完してくれるから。こんな時は最高に快適な、空気を読む社会。相手との心理的距離感を詰めるには相手の名前を呼ぶのが良いらしいので、相手が名札をつけているときは(名前が分かるので)「○○さん」を連呼してます。笑あざとい。言葉は自分を定義する。言葉は他者を定義する。言葉は世界を定義する。言葉を選ぶことは、言葉を変えることは、それらを変えることに他ならない。この本のタイトル『言葉の展望台』って素敵だなあと思った。手元にあるレンズで覗いてみる。そこから見えるものが「正しいか」「正しくないか」ではなく。遠くの星を眺める。それは前からそこにあったのかもしれない―――レンズで覗く前も。それは新星の発見かもしれない―――レンズで覗いたから。様々なレンズで見てみることが大切なんだ。そのレンズ自体が歪んでいないか、汚れていないか。なにより、眺める己の眼は、曇っていないか。↓ 「見たよ」のクリック頂けると嬉しいです ↓
2022.10.01
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本のタイトル・作者音声学者、娘とことばの不思議に飛び込む プリチュワからカピチュウ、おっけーぐるぐるまで [ 川原繁人 ]本の目次・あらすじある音声言語学者による娘の言語発達に関する観察はじめに第1話 キュアベリーに変身して、世紀の大発見第2話 可愛いやつらは、だいたい両唇音第3話 赤子の魂いつまでもコラム1 音声学者とーちゃん、英語教育への思いを語る第4話 せっかくだからしっかり音声学入門ー子育ての視点を添えて第5話 もう少し深く音声学入門ーラッパーと声優の力を借りてコラム2 おうちでできる音声学実習第6話 言語学者夫婦、子どもの言い間違いを直さない第7話 お前もこのかわいさに萌えちまいな第8話 私、発音できないんじゃなくて、しないんですコラム3 赤ちゃんは言語習得の天才……か!?コラム4 音声学者とーちゃん、中学受験での惨敗を振り返る第9話 ねんねしてくれなくてちょべりば第10話 どうやって音を区切るか、それが問題だ第11話 音声学者とーちゃん、妻のお母さん言葉を観察する第12話 音声学者とーちゃん、#我が子のかわいい言い間違いに学ぶコラム5 5・7・5にまつわるエトセトラ第13話 音声学者とーちゃん、娘の命名に関し妻にプレゼン~そして却下~第14話 音声学者とーちゃん、さらに名付けを語る第15話 こどもといえばポケモン、ポケモンといえばこども ~ピカチュウ、古代からの論争に光を当てる~コラム6 私と言語学者かーちゃんの物語番外編 さらに広がる音声学の世界 ゴスペラーズ・北山陽一さん対談おわりに参考文献引用何が言いたいのかというと、英語を学ぶよりも、まずものごとを自分で考えられるようになることのほうが大事なんじゃないか。英語「を」学ぶのではなく、英語「で」学ぶようになってほしい。娘たちには今は人生を楽しみながら、お勉強だけでなく色々な経験をしてもらいたい。彼女たちの内側から湧き出てくる好奇心を育むことのほうが、お勉強を仕込むことよりもよっぽど重要だと思っている。感想2022年239冊目★★★★面白かった!私はもともと言語学が好きで大学に進み、大学では日本語学を専攻していたので、懐かしく、楽しく読んだ。これは、1980年生まれの著者(専門は音声学・音韻論・一般言語学の教授)が、同じく言語学者妻・朋子さんと、2人の娘(咲月ちゃんと実月ちゃん)を観察した記録。「世界一ほっこりする音声学入門」とあるので、全編育児日記のような、知識を持った観察者からのエッセイ形式と思って読み始めたら、思いのほか真面目な内容で、音韻論~!(どんだけ~!の発音で)ってなりました。あ、でもタイトルから想像していた子どものいい間違いの法則の検証はあるよ!日本人が苦手とする「R」と「L」の発音。私も英語で喋ってた時「ノマがたまに何言ってるかわかんないとき、RとLがごっちゃになってる」とベトナムの子に言われた。だって同じなんだもん。と、思ったけど、この本に載ってる医療機器MRIを使った口腔内の様子の写真を見ると、「R」と「L」って全然舌の位置がちがう…。「R」は上に上がっているし、「L」は下の前歯裏に付いてる。ほおおおお~。映像でみると説得力がすごい。私には「R」は「ァル↑←」、「L」は「エぅ」みたいに聞こえるんだけど、それもこの舌の位置で納得。というように、音声学は外国語学習にも非常に有効なのですね。英語で論文を書くのに不自由しない著者(日本で学生時代に勉強。「フルハウス」は音声をテープに録音して持ち歩いていたそう)だが、幼児早期英語教育を自分の子どもたちに施す気はないいとのこと。人によりけり、家庭によりけりなのは百も承知なのだけど、すこし安心した。専門家が「英語は早い方が良い!」「○才以降は手遅れ」みたいなこと言うと、不安になる。楽しいことが一番、本人次第。というスタンスに勇気づけられた。私もそう思う。著者のユニークなのは、その研究対象。ジャパニーズラップの韻の踏み方の法則、ポケモンの名前の法則(進化前と後、タイプ別)、プリキュアの名前の法則、メイド喫茶の名前の法則…。と、サブカル系で研究をやってらして、私が学生なら滅茶苦茶食いついたと思う。ヒプノシスマイクのラップの韻の踏み方を、キャラクターごとに分析したくなった。「可愛い音」、「かっこいい音」がある。そしてそれが、世界中の言語に(ある程度)イメージが共通する。やわらかい音、かたい音。不思議だなあ。これ、私がそもそも日本語学の門を叩いた時の疑問「なぜ小説やアニメのキャラクターに声が付いたとき、人により『イメージが違う』と思うのか?」に応えられるんじゃないだろうか。多くの人が「○○のキャラクターにぴったり!」と思う声(高低や発音の仕方)って、名前にも関係があるのでは…?私は元々文字として書かれた言葉の「表記」に興味があって、大学では「ジェンダーと一人称の選択(女性の男性一人称使用について)」を卒業論文に選び、課題で「A+」を貰ったのは「サーファーズパラダイス」(御存知?かつて二次創作の個人サイトの検索大手だったサイト)に表示される作品名の略し方の法則について調べたレポートだった。でも結局、書き言葉と話し言葉は切っても切れない縁がある。と、あらためてこの本を読んで思った。音。人は頭の中で声に出して読んでいる。「コラム6 私と言語学者かーちゃんの物語」の女性研究者の問題(妻のキャリアが犠牲になる)については、前に読んだ・クジラのおなかに入ったら [ 松田純佳 ]でも同じことを書かれていた。どうか、女性研究者(の、対になる「男性研究者」が一般的に使用されないという非対称性)が何も諦めず、手放さずに済むように。保育園からの帰り道、息子としりとりをしながら帰る。息子「いんたびゅう!」私 「う?」息子「ちがう、びゅう!」私 「びゅ、か~」息子「ゆ、でもいいよ」このやりとりに、本で読んだ内容が蘇る。音節と拍。息子の中ではどうして『う』は駄目で、『びゅう』なのか?こういうことを考えていくと、楽しい。言葉の世界は、奥が深い。性別反転叙述トリックの時の脳内音声がどう変わるかも興味深いテーマ…。「俺」「オレ」「おれ」と表記方法と発音の違いも気になる。名前にも同じことが言える(聡と悟志は違う人生を送りそうだ)。本にあったオノマトペが目上の人との会話では減る、というの、関西弁ではどうなんだろう。知りたいことがたくさんある。これまでの関連レビュー・クジラのおなかに入ったら [ 松田純佳 ]↓ 「見たよ」のクリック頂けると嬉しいです ↓
2022.09.17
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本のタイトル・作者世界一やさしくて楽しい英検の授業 5級4級3級が1冊でわかる 学生から大人まで英語の基礎がわかる!【電子書籍】[ 今泉麻衣子 ]本の目次・あらすじIntroduction 「英検ワールド」へようこそ!Grade5 まずは中1レベル:英検5級に挑戦!Grade4 次は中2レベル:英検4級に挑戦!Grade3 最後は中3レベル:英検3級に挑戦!おわりに 英検ワールドはいかがでしたか?引用実際にテストを受けることで、自分の英語力が今どれくらいかを数字で知ることもできます(これを「英語の現在地」と呼びます)。感想2022年222冊目★★★TOEICを2回受けたんだけど、どうも英検を受けている人も多いみたいだ…ということで「そもそも英検て何なん?学生が受けるやつじゃないのん?」という疑問を解消するために読んでみた。・英語4技能(読む、聴く、書く、話す)のすべてをテストする・級は7つ(数字が少なくなるほど上級。一番上は1級)ということも知らなかった。この本は5~3級なので、ちょっと私の対象ではなかった。なので、問題文みたいなのが載っているところは読み飛ばし。TOEICがビジネス英語をメインにしていて、一般によく知られる「Listening&Reading」で「読む、聴く」を測るのに対し、英検ではアウトプットの能力も見れるんだね。ほかにも、TOEICとの違いは、・問題試験が持ち帰れる・合否通知書で一問ごとの解答正否が確認できる・公式サイトに過去問が数回分無料公開されている・試験は年3回・級により二次試験があるなどなど。で、ですね。引用部の、私の今の「英語の現在地」。2022.6.26 TOEIC870(L455/R415)ギリギリ英検1級を狙えんこともないかな…?というくらいだった。ほうほう。そうとなると俄然色気を出してしまう私。というわけで、現在地からの目標地点を決めました。2023年 TOEIC940点2024年 英検1級…これがどれくらい自分の現在地から遠いのか、という話ですよ。まあ、どこを目指していけば分からなければ、歩いていく距離も分からない。目下、目先の目標が出来たことで、「よしやるぞー!」というやる気になれるのでよい。Twitterの現在地に今のTOEICの点数を表記。さて、どれくらい遠いのかな、ここから、そこは!!笑↓ 「見たよ」のクリック頂けると嬉しいです ↓
2022.08.30
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本のタイトル・作者わが子に今日からできる! 世界標準の英語の学び方 学校教育のアジアの成功事例とは? おうちですぐできる方法がわかる! [ 白川 寧々 ]本の目次・あらすじはじめに 世界で自分に生きる力をもつために第1章 子どもの選択肢を増やすなら、グローバル安定志向でいこう!-日本の英語教育の失敗と、世界標準の英語の学び方第2章 アジアで劇的に英語教育を成功させた国とは?第3章 こんなにすごい!世界で成功した英語学習法第4章 日本にいながらできる世界標準の英語の学び方1 英語が使えるようになるインプットの質と量第5章 日本にいながらできる世界標準の英語の学び方2 身体も心も使ってアウトプットしよう!第6章 日本にいながら子どもの英語力を爆上げできた家庭にインタビュー!白川寧々×鈴木款 対談ーアジアで劇的に英語教育に成功した国のドラスティックな教育革命を読み解くおわりに 私がこの本を書くことになったわけ感想2022年190冊目★★★教育起業家が幼児教育部分、教育アナリストが中国の英語教育について書いている。ここらへんの2人の絡みがいまいち分かり辛いというか、この一冊にまとめる必要あったのか。文体の温度差(硬軟)が凄い。あと著者手書きのイラストは外注できなかったのか。しかし、この本を読んでいると、日本のTOEFLのアジア国別順位の低さ(27位)、平均賃金の低さ、子どもたちの自己肯定感の低さ、世界大学ランキングの低さ、大学進学費用の高さ、英語教育開始の遅さ…。と、ちょっと絶望的な気分になった。オワコンすぎないか。この現状を見ても日本国内だけを見て、日本語だけで生活していきますか、という感じだ。日本語のみで逃げ切れる世代は良い。でもその先は?子どもたちは?きっともう、無理だろう。日本の大学授業料は高いんだな。紹介されていたベルギーのルーヴェン大学は3年で75万円!しかも卒業後の平均賃金は1,082万円。これくらいなら、海外の大学を進学先の選択肢にいれても全然無理がない。中国の英語教育が進んだ理由として、科挙をあげているのは興味深い考察。元々まるごと暗記して暗唱することに抵抗がないから、英語に対しても同じアプローチで成功している。ともあれ、我が子である。私は幼児教育や早期教育については否定的。それは「自分がそうではなかったが、自分が必要性を感じてから勉強することで身に着けてきた」のと、「皆がそうなってしまうと、親のもてる財力や知力、情報量によって教育格差がさらに広がり、社会の分断が起こるのではないか」という懸念があるから。自分の子だけでよいのか問題。いや、そうは言うても制度はなかなか変わらないし、現行の教育方法は時代遅れでオワコンだし、とりあえず自分の子どもから始めるしかないでしょ、ということでみんなやってるわけなんだろうけど、それがなんというか、結局ディストピアの世の中を子供にプレゼントすることに繋がるんじゃなかろうかと思ったりもする。でも英語は必要不可欠なツールで、それを身につけるには公教育だけに任せていては心もとなくて…ああもうここらへん、どうにかならんかな。この本でも引用されていたけど、日本語話者が英語の日常会話習得にかかるのは2700時間。学術論文を書けるようになるには、5,000~6,500時間がかかる。翻せばこれだけの時間を積めばいいだけであるけれど、これを幼少期から積んでもらっていたら、かなり楽だろう。で、ずるい私は、「今なら自分の子どもにその下駄をはかせられるんじゃないか?」と思ったりもするのだ。小学1年生の娘はまったく英語に興味を示さなかったが、保育園の年中の息子は、この春から園ではじまった英語のクラス(週1)を楽しんでいる。ふだんから絶えず何かを歌ったりしている子だから、音に対して敏感なのだろう。覚えてきたことを披露してくれるその発音がべらぼうに良い。…これは、もしかするともしかするのでは…?途端に親の欲目を出して、この手の本を読みだす私。思想的敗北。この本では子どもをバイリンガルにした親の例が出てくる(繰り返すが私はこの手の親がとても苦手だ。自分を差し置いて。ちなみに親も一緒に英語を勉強している人ならまったく抵抗がない。要は「子供だけをどうにかしようとしている」というところに気持ち悪さを感じてしまうようだ)。ほうほう、アニメを見せていただけ…?はじめは音声、その次は英語字幕で?というわけで息子の大好きな「スマーフ」と「おさるのジョージ」を英語で見せてみた。息子、ふだんより注意力散漫。テレビに集中しない。終わった後で、「日本語と英語、どっちがいい?」と訊くと、「にほんご」。「英語の勉強になるけど、これからも英語で見る?」「いや」。はい終了しました!笑ちなみに私も一緒に聴いていたけど聴き取れないところがたくさんある。そりゃつまらんわなあ、と思ってやめた。それで嫌になったら意味ないもんなー。できたら「英語であそぼ」でいいから見てもらえないか試してみるか(往生際が悪い)。自分が教える側に立つのも面白いなあと思って、小学校英語担当も考えるんだけど、私が持っている教員免許は高校の国語。小学校の免許を取得するには、通信制大学などで科目等履修生になり、実習(介護・小学校)に行く必要が…。いやはや、そこまでして正規の先生になりたいわけちゃうしな。向いてへんわ。と、ここでまたも終了。で、結局。私は自分が、「英語のままの情報を理解し、英語で発信できる」だけの英語力を身に付けたいのであり、それに向かって時間を積み上げていく。たとえ仕事で使わなくても。(実家に今回のTOEICの点数(870点)を報告したら、「仕事で必要でもないのに、何をそんなに必死になって真面目に頑張ってるの?ただ今の仕事が嫌だからって資格に逃げてるだけじゃない?『私はこんなにすごい能力があるのに』って思いたいだけでしょう」と言われてしまった。あー…。そういうこと、言う?)そして子どもたちにもその必要性を伝えていきたい。願わくば自らの力でそれに気付いて、努力を出来るようになってほしい。その道行を楽しみながら。そうっとそうっと、虎視眈々と、推し(英語)の布教の時期を待とう。これまでの関連レビュー・フィンランド人はなぜ「学校教育」だけで英語が話せるのか [ 米崎里 ]・英語独習法 [ 今井むつみ ]・「超」英語独学法 [ 野口悠紀雄 ]・面倒くさがり屋の僕が3ヶ月で英語を話せるようになった唯一無二の方法 [ 須藤元気 ]・英語の多動力 世界でビジネスするホリエモンの英語術 [ 堀江貴文 ]・それわ英語ぢゃないだらふ [ 大西泰斗 ]・TOEIC300点から同時通訳者になった僕の英語学習法 [ 中村光秀 ]・七田式・英語ができる子の育て方 [ 七田厚 ]↓ 「見たよ」のクリック頂けると嬉しいです ↓
2022.07.28
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本のタイトル・作者生き抜くための英語学習法 (成美文庫 し7-12) [ 清水 建二 ]本の目次・あらすじ序章 英語はなぜ難しいのか1章 まずは基本の動詞から2章 文法はこれだけ押さえる3章 語彙力はこうして鍛える4章 完璧を求めないリーディング術5章 スピーキングは中学英語から6章 非ネイティブのリスニング習得術7章 じっくり取り組むライティング術終章 なぜ英語を学ぶのか引用英語を学び続けること。それは、今いる自分の場所を見つめ直し、よりよい人生を送るための足掛かりにすることです。学生時代に英語が苦手だった人も、大人になってから英語で挫折経験のある日とも、トラウマを抱えたまま二度と英語に触れずじまいなのは、じつにもったいないことです。新しい自分との出会いを求めて、一歩ずつ、英語の学習に取り組んでいきましょう。感想2022年170冊目★★★著者はガイド通訳士、東進ハイスクール講師、高校教師を経て現在は会社代表。タイトルから、留学したり現地で暮らすことになったあんまり英語が出来ない人がいかにコミュニケーションをはかり、語学を身につけるのか…というサバイバル・イングリッシュの話だと思っていたら、まるで違った。この「生き抜くための」というのは、これからの世界を、社会を生きていくための、という意味だ。終章にあるように、2021年、世界では6人に1人が英語を話している。そのうちの7割は非英語母語話者。そういう時代なんですよ。単語のコアイメージを摑むなど、ラジオ英会話の大西先生や、ニュースで学ぶ現代英語で仰っていたことも重なり、「学問に王道なし」とはいうものの、その後に続く「だからコツコツやるしかない」の方法には一定の決まり、定石があるのだなと思う。著者が勧める「つぶやき英語学習法」は音読にあたる。英語で日記を書くというのも、よく言われている方法。(ただし「正しい英語で書く」という前提だけども)40年間高校や予備校で教鞭をとった著者は、「英語学習はまず単語から始める」と言う。私、単語めっちゃ弱い。語彙力のなさに愕然とする。なまじ日本語の語彙が豊富なだけに、英語の資源の乏しさに舌に鎖をつけられたように感じる。単語、楽しくないんですよね。その印象は、高校生のときに単語帳をひたすら覚えさせられ、毎回授業のたびにそれをテストされ、断片的などこともつながりのない「単語」を、頭から丸のみするように覚えては忘れる…ということを繰り返していたからだと思う。詰め込みも暗記も不可欠で、だから英語教育に限らずすべての教育にはベースとなるデータを蓄積する期間はそれに専念する必要がある。高校時代にその恩恵に与れたからこそ、今なんとかやっていけてるというのもある。でももう私は大人で、楽しくないことはなるだけやりたくないし、何よりシナプスの連携が悪くなっているので、「まるごと・無批判に」覚えることが出来ない。だから言葉の中にある一部として単語を学んでいきたいのだが、それには膨大な量にあたる必要があり効率的ではない…。むむん。著者は、「英語の本を読むためには、句動詞よりもラテン語由来のよそ行きの動詞を覚える必要がある」と言う。これ本当に思う。英語の本を読めば、なんでこんなにいっぱいあるんよ…というほど見たことのない単語の量。これは日本語で言う和語と漢語の違いなんですよね。「わかる」を「判断」「判別」と使い分けるように。日本語が漢字の組み合わせに分解するように、英語はそれを「語源」で分解する。ここらへん、著者は語源で英語の語彙を増やす方法を紹介してくれている。面白かったのは、「グリムの法則(Grimm's Law)」。グリム童話の編集者として知られるグリム兄弟の兄ヤーコプ・グリム(言語学者)が体系化した法則で、perはゲルマン語由来ではfor(d)/far/ferの形に変化して英語に入って来たというもの。辞書を引いていて、「なんで同じ語源ぽいのに何個も形があるんやろう…」と思ってた!!!「接頭辞+語根+接尾辞」で、膨大な数の単語を記憶していけるのだそうだ。うーむ。その域に達したいなあ。なっかなか覚えていけないんだよな…。言語学的に英語を扱った本を一冊読みたいな。「なんでなんだ」と思っていることがスッキリしそうな気がする。↓ 「見たよ」のクリック頂けると嬉しいです ↓
2022.07.08
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本のタイトル・作者七田式・英語ができる子の育て方 [ 七田 厚 ]本の目次・あらすじ1 子どもの未来と英語2 英語を聞き取る「耳」はこうして育てる3 「右脳」を活かす英語教育4 「4つの力」を養う七田式・英語教育5 「英語ができる子」を育てるために親としてできることエピローグ 大切なことはすべて子どもたちが教えてくれるー「あとがき」に代えて引用「たしかに、私が英語に対して強い興味を抱いたり、発音がきれいになったりした素地は、英会話のカセットテープを幼い頃から耳にしていたことが関係していると思う。だけど、ここまで英語力を身につけるには、私自身、相当の努力をしたのよ!」妹が言うには、中学の3年間は、英語の教科書に載っているすべての文章を暗記し、何も見ずに言えるように努力したそうです。感想2022年163冊目★★七田式、幼児教室で見る名前…と思って手に取った。ななたしき、じゃなくて「しちだ」なんですね。もとは著者のお父さんが高校生に乞われてはじめた英語教室からスタートした学習塾。幼児期の子どもたちのほうが伸びがよいことに着目し、幼児教育に力を入れるように。私は幼児教育の効果は認めるけども一定否定的で、それは幼児教育=生育環境がすべてを決めるように語られることに抵抗があるから。この本では、とにかく0~3才のうちに英語音声を聞かせまくり、英語の音を大量にインプットしておくことを薦めている。そしてそれにより、将来子供が英語ができるようになりたいと思ったとき、幼少期の「英語の音」の蓄積を引っ張り出せる…らしい。ほんまかいな。著者は5才の頃にお父さんが英語カセットの聞き流しをはじめ、でもそれは遅すぎたのだと言う。妹はそのとき2才で、だから彼女はリスニングも発音も素晴らしく、留学しアメリカ人と結婚し現在はアメリカ在住。その違いは、幼い頃にはじめた「年齢」にあったのだと。でも、ですよ。引用部のように、妹さんも、大きくなってからものすごい努力されてるじゃないですか。何も、ちいちゃい頃に英語のカセット聞かせまくったから英語できるようになったわけじゃないじゃないですか。結局そこじゃないの…?この本は1/3くらいが、子どもに聴き流しさせる自社の英語教材の宣伝紹介なんですよね…。うーん。と、言いつつ、「大人になったときに自然と英語が出来てたらいいよなー」と私も思っているからこういう本を読んで、自分の子供に下駄を履かせようとしているわけだけど。水辺まで連れて行くことはできても、水を飲ませることはできない。親にできることは、この世の中にある英語というもの、世界には日本語以外の言葉があること、それに基づく思考があること。それを道具として使えると世界が広がること。なにより、楽しいこと。それを見せてあげることなんじゃないだろうか。カセットを垂れ流すんじゃなく。(親も楽しいんやったらええと思うで!)著者は、右脳がもっとも活発に働く「0・1・2歳」の子どもが英語に触れると、ネイティブのように話すのに、大人になってからの2~3年の英語圏での生活ではネイティブになれないという。いやいや、喋ってる内容違いすぎるやん。そのネイティブどこ目指してるんよ。拙い言葉であっても、その人間の「深さ」が何より大事だと、私は思うよ。私にはミャンマー人の友人がいて、ものすんっごくカタッコトの英語(ほぼ単語)しか話せないんだけど、みんなに慕われていた。だって彼が言いたいことは、彼の態度から分かるから。この人は、実直で、信念がある。それは、自分の人生で積み上げるもので、表面の言葉でどうにかできることではない。大切なのは、車輪の両輪。著者は、幼少期に英語の耳を育ててやる事は「素地」を作るだけで、それからは「あとは自分で大きくなりなさい」と子供にバトンを渡してやる事だという。これには賛成する。ただ、その「素地」の前提の程度に違和感を覚えるだけ…。やらないよりはやったほうがいいんだろう。でもそれ、どんなことにもいえるじゃない。ピアノ、水泳、プログラミング。習いごとだって全部そうだろう。でも別に、ほとんどの人は、プロになるわけじゃない。それも、目に見えて提供できる形でしかない。親が耕せる土壌なんて限られている。たとえばのび太は、あやとりが得意なんだよね。それ、外部からの働きかけで気付くものじゃないのでは?光の方へ伸びていくように、子どもは育つ。自分の子どもを見ていて、そう思う。私はその子どもがいる場所を、植木鉢じゃなくて、広大な土地なのだと気付いてほしい。そしてそこで、どこでも花を咲かせられるように育ってほしい。…でも、英語はできるほうがいいよ。うん。↓ 「見たよ」のクリック頂けると嬉しいです ↓
2022.06.30
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本のタイトル・作者TOEIC300点から同時通訳者になった僕の英語学習法 [ 中村光秀 ]本の目次・あらすじ第1章 TOEIC300点台から通訳者になるまでの軌跡第2章 「英語学習法」第3章 スピーキング力を伸ばす3つの軸第4章 Q&A形式で勉強に関する悩みにお答えします引用でも、忘れてはならない一つの事実が存在します。「できるようになった人は、過去にできない自分と幾度となく向き合ってきた」という事実です。あなたが思うカッコいい人は、実はカッコ悪い自分と対峙し情けないという感情を乗り越えてきた人達です。悔しくて、必死でもがき苦しんだ過去。今あなたが感じている辛さは、いつの日か必ずあなたの言葉の重みに変わり、誰かにとっての励みの物語になります。感想2022年098冊目★★★著者は、1988年生まれ。専門学校時代のTOEICは300点台。そこから血反吐を吐くほど勉強して6年で同時通訳者デビュー。とりあえず、死ぬほど勉強したら、帰国子女じゃなくても、留学経験がなくても、同時通訳者のレベルまでいけるんだ、というのは大いなる励みになる。とてもここまでは出来ないけど…。(これは、「職業」として「英語を専門に扱う」かどうか、という到達レベルの差なんだろうけど)著者は、・音読・文法を極める・基本語彙の習得・独り言英会話で話す練習を毎日行う+・通訳練習に淡々と取り組んで来たそう。シンプルで地味な練習方法に勝るものなし。私、「音読」と「独り言英会話(アウトプット、そしてその添削)」が出来ていない。「カムカムエヴリバディ」でもひなたが英語で日記をつけていた。やっぱり、自分が言いたいことを日本語から英語にする練習は大事だよなあ。でもその先に「添削」がないと意味ないよね…。赤ペン先生みたいに、1か月分送ったら添削してくれるみたいなのがいいんだろうけどな…。著者はタイプしたものをネイティブに添削してもらう「紙ベース」の添削に加え、読み上げたものを発音を添削してもらう「口頭ベース」の添削もしていたそうだ。また、著者が出会ったフリーランスの通訳者は、「気になった文章や、自分が使えないだろうという表現をすべてマーカーしている」という。「ラジオ英会話」の大西先生も、「これ、自分は言えないだろうな」という表現に出会ったら何度も何度も自分のものになるまで繰り返すと仰っていた。その道のプロですらそうなんだ。いわんや素人の学習者をや。私は通訳者になりたいわけではないし、翻訳者になりたいわけでもない。ただ自分の楽しみの範囲内で英語の本やドラマ、ニュースが分かるようになりたいだけだ。それでも、英語の勉強方法は著者のものに通じている。参考にしよう。↓ 「見たよ」のクリック頂けると嬉しいです ↓
2022.04.23
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本のタイトル・作者新ゼロからスタート英文法 [ 安河内 哲也 ]本の目次・あらすじINTRODUCTION 文法の基礎をもう一度1 さまざまな文のかたち2 時制と時間表現3 完了形と助動詞4 文型のポイントと受動態5 不定詞と動名詞6 分詞と分詞構文7 関係詞8 仮定法9 比較10 接続詞とその他の重要事項感想2022年冊目★★★オーディオブックで聴いていたのだけど、本ではどう書いてあるのか気になって結局本も読んだ。英文法、苦手。なんとなーくのニュアンスで英語を理解しているから、穴埋め問題や選択問題で間違えちゃう。英作文も同様。この本は、ざっくり英文法がコンパクトにまるごと入っている。大西先生の英文法講義を受けた後だと、この学校授業みたいなやり方が懐かしい。イメージを掴んだ後で文法書を読むと、すごく分かりやすいですね。私にとって、英文法は「道」のイメージ。義務教育で舗装された道なんだけど、私には穴ぼこだらけで、行き止まりのところもある。今回ざっと目を通しても、それに気付いた。・原形不定詞を使った文を受動態にした場合は to不定詞を使う He was seen to enter the room.・分詞構文の表す時間が主文の表す時間より前である場合は、having Vppという分詞構文の形を使う Having eaten lunch, he went out to buy some ice cream.・受動分詞構文では時間のズレを示す必要がなく、主文より前の時点のことでも先頭に過去分詞を使うことができる Damaged by the storm, the bridge is not usable.・所有格の関係代名詞は、先行詞が物でも人でもwhose The house whose roof you can see over there is owned by Bill.・石鹸は不可算名詞 two cakes of soap・助動詞+Vpp したはずがない(cannnot have) したかもしれない(may(might) have) したに違いない(must have) すべきだったのに(should have) すべきだったのに(ought to have) する必要はなかったのに(need not have)・副詞節の中では未来のことでも現在形で表す I will tell her the truth when she comes here.・名詞節の中では未来のことはwillで表す Do you know when she will come here?分からないことを、出来ないことを、覚えていないことを、コツコツ埋めていくしかないんだろうな。平らな道を、広い道を行けるように。きっとその方が、速く進めるんだろうな。これまでの関連レビュー・ マンガでカンタン!中学英語は7日間でやり直せる。[ 澤井康佑 ]・海外ドラマで面白いほど英語が話せる超勉強法 [ 出口武頼 ]・フィンランド人はなぜ「学校教育」だけで英語が話せるのか [ 米崎里 ]・英語独習法 [ 今井むつみ ]・「超」英語独学法 [ 野口悠紀雄 ]・面倒くさがり屋の僕が3ヶ月で英語を話せるようになった唯一無二の方法 [ 須藤元気 ]・英語の多動力 世界でビジネスするホリエモンの英語術 [ 堀江貴文 ]・それわ英語ぢゃないだらふ [ 大西泰斗 ]↓ 「見たよ」のクリック頂けると嬉しいです ↓
2022.03.14
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本のタイトル・作者それわ英語ぢゃないだらふ [ 大西 泰斗 ]本の目次・あらすじ第1章 学校文法第2章 新しい文法第3章 イメージ第4章 英会話の学習感想2022年061冊目★★★NHKの「ラジオ英会話」、「英会話定番レシピ」を担当されている大西先生。私の英語学習の心の師匠。今年度は文法がテーマの「ラジオ英会話」。テキストも買って、毎朝ノートを取りながらアプリでストリーミングを聞き、赤シートで隠して日本語訳を英語に直し、家事の合間に繰り返し繰り返し放送を聞いて。はじめて目が開けたというか、皮膚感覚、イメージ、身体感覚として、助動詞や過去完了形などの時制を感じることができた。これまでぼんやりしていた、とめどない「?」が、ようやく分かって来た。ああ、そういうことだったのか、と。中高、大学(も少し)と英語を学んで来て、それでも英語が話せないのは何故なのだろう?英文を読めば、時間はかかるけど、「読み下す」ことは出来る。私の場合、受験の際は日本語の知識でかなり英語を補っていて(本をたくさん読むので)、何とかなっている部分が大きかった。でも、海外に出れば―――私はヨーロッパを何か月かバックパッカーで回ったり、英語しか話せない場所で数か月過ごすことがあって、まったく聞き取れない・話せない自分に驚愕した。どうして?日本語と英語は懸け離れているから、日常的に英語を話す機会がないから。言い訳をしても、同じ条件の非英語圏の人たちが、英語圏の大学レベルで会話をしている。私はとてもそれに付いて行けない。言いたいことがあるのに。何を話しているか知りたいのに。努力が足りない、勉強が足りない。それだけなのだろうか?何かが間違っている気がする―――そもそもの、前提が。きっとそれは、英語じゃないのだろう。大西先生のこの本は、はじめタイトルから英語に関するエッセイだと思っていた。違った。内容は英文法の本。英語の例文もたっぷり。「ラジオ英会話」と「英会話定番レシピ」で繰り返し繰り返し先生が仰っていることが、この本にも登場する。けど英文法の本として読むには英語教育語りが多く「ちょっと違うな」となると思うので、ピザで言うとハーフ&ハーフみたいな感じ。先生の日本の英語公教育に関する義憤と、新たな英語学習方法獲得への啓蒙、何より英語愛にあふれている。いつもダジャレ飛ばしているから忘れちゃうけど、大西先生ってカリスマ言語学者(英語)なんですよね。この本も論文形式の脚注があり、「ああそうだ、大西先生って『教授』だったんだ」と(失礼)思い出した。(ところで私は大西先生の本のイメージ説明のイラストがちょっと苦手。黒塗りでたぶん金田一とかコナンの犯人を思い出すから。)冠詞は名詞につくのではなく、英語話者はあくまでも語順通りに、冠詞→名詞という意識なんですね。フランス語やドイツ語を勉強した時に、「女性名詞・(中性名詞)・男性名詞」によって冠詞が違う、というのを習った。その時にフランス語の先生が言っていた。普段使わない単語は、ネイティブでも冠詞を間違える。ただ、冠詞と名詞はセットでひとつの単語として認識しているから、口の中で何度か転がすと正しい冠詞を選べるのだ、と。今私は、英作文する時に一生懸命名詞から冠詞選んでます!苦笑しかし大西先生のフィルターで英語を見るようになり、意識が変わったな、と思うのは、英単語帳をやっていても、その「単語」より、例文の「冠詞」や「助詞」「助動詞」に目が行くようになったこと。どうしてここに、これを使うんだろう?そのイメージは、感覚は、どういったものなんだろう?それが知りたい。分かりたい。使えるようになりたい。042.頭のいい人が実践する 6回やるだけ勉強法 [ 齋藤孝 ]で、「生理感覚勉強法」が紹介されていた。たとえば先生が「He play tennis.」と言った時、「おえっ」という動作か、「ほっ」という動作をする。その表現が自然かどうか、違和感を動作で反射的に示すことで、生理的に表現の正しさを身に着けていく…というもの。大西先生は音読を続けることで、英語の「自然さ」を体得するように仰っている。私は先生が音読音読言うてるのを右から左に聞き流していて(日本語だけに)あかん生徒なんですが、本当に音読は本気でやったらめちゃくちゃ効果ある、と思う。日本人は読むのが絶望的に遅い、というのも、英文を漢文方式の「書き下し文」にしているからなんですよね…。今年また薄い洋書にチャレンジして、自分のスピードがもう壊滅的に遅くて、苛々した。単語が分からない。それは仕方ない。それだけじゃなく、一文を読んでから、前に戻って文法構造を見ようとしている自分がいる。英語は英語のままに!戻らないようにしたら少しずつスピードが上がって来た。たぶん3割くらいしか理解できてないけど!笑出来るだけたくさんの文章を覚えること。そしてそれが口から出るようになること。「英作文は英借文だ」という言葉も聞いたことがある。大西先生は「共通のリソース(貯水池)の水をくみ上げて会話をしている」と仰っている。ここらへん、村上春樹氏が小説を書く時の「井戸を掘る(各個人に共通する感情の基盤、記憶のようなものに触れる)」ということにも通じている。私には、英語は海の向こうの島、に思える。けれど同じ岩盤で繋がっている―――海で隔てられていても。私はそこへ行きたい。そこから何が見えるのか知りたい。だから、勉強する。私にとって、大西先生の「ラジオ英会話」は、温水プールでの泳法授業。「英会話定番レシピ」は、「嵐が来たら」や「上陸したら」のサバイバル授業。そこで身に着けたものを携えて、私は海へ出る。少しずつ遠くまで距離を伸ばして、いつかあの島へ辿り付く。その時見える景色を、私は楽しみにしている。(たとえそこから、更にその島の山へ登らなくてはならなくとも!)これまでの関連レビュー・ マンガでカンタン!中学英語は7日間でやり直せる。[ 澤井康佑 ]・海外ドラマで面白いほど英語が話せる超勉強法 [ 出口武頼 ]・フィンランド人はなぜ「学校教育」だけで英語が話せるのか [ 米崎里 ]・英語独習法 [ 今井むつみ ]・「超」英語独学法 [ 野口悠紀雄 ]・面倒くさがり屋の僕が3ヶ月で英語を話せるようになった唯一無二の方法 [ 須藤元気 ]・英語の多動力 世界でビジネスするホリエモンの英語術 [ 堀江貴文 ]↓ 「見たよ」のクリック頂けると嬉しいです ↓
2022.03.13
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